※本記事は、AWS re:Invent 2024で開催された「Improving your customer matches on the Partner Matching Engine (PEX203)」セッションの内容を基に作成されています。セッションでは、AWS パートナーマッチングエンジン(PME)の仕組みと活用方法について詳しく解説されています。セッションの動画は https://www.youtube.com/watch?v=p0rHUW2wb0o でご覧いただけます。本記事では、セッションの内容を要約・整理しておりますが、完全な情報や文脈については、オリジナルの動画をご視聴いただくことをお勧めいたします。また、AWS re:Inventに関する詳細は https://go.aws/reinvent 、その他のAWSイベントについては https://go.aws/3kss9CP をご参照ください。AWSの最新動画は http://bit.ly/2O3zS75 および http://bit.ly/316g9t4 でご覧いただけます。なお、本記事の内容は発表者の見解を正確に反映するよう努めていますが、要約や解釈による誤りがある可能性もあることをご了承ください。
1. イントロダクション
1.1. セッションの概要と発表者紹介
Abhisheikh Lahoti: おはようございます、本日のセッションにお越しいただきありがとうございます。皆さんがre:Inventを楽しんでいることを願っています。昨日のキーノートでの発表には私も非常に興奮しています。Matt Garmanが今週公に述べた3つのことがあります。彼は多くのことを言いましたが、特に3点強調したいと思います。1つ目はパートナーが共同発明者であること、2つ目は私たちのすべてのアカウントにパートナーが関与することを奨励していること、そして3つ目はAIに大規模な投資をしていることです。これら3つの声明を組み合わせると、私たちはそのビジョンを現実のものにしたいと考えており、それこそがパートナーマッチングエンジンについて皆さんにお話しする内容です。このエンジンはこれら3つの要素を組み合わせ、あらゆる顧客アカウントにあらゆるパートナーを参加させることを目指しています。
私はAbisheikh Lahoti、パートナーエンジニアリングのディレクターです。アマゾンに10年、AWSに6年在籍しており、AWSパートナーについて熱心に取り組んできました。一緒にいるのはLuca Certini、パートナーサービスのシニアマネージャーです。彼はパートナーマッチングエンジンの創設者と呼びたいと思います。そしてWinnie Kuo、プリンシパルプロダクトマネージャーです。彼女はパートナーマッチングエンジンに日々取り組んでいます。私たち3人で、先ほど言ったように、この問題に約15年間熱心に取り組み、フィールドセラーと協力してきました。今回が初めてパートナーマッチングエンジンについて公に話す機会です。
ここまで足を運んでいただき、ありがとうございます。手を挙げていただけますか?どのくらいの方がAWSパートナーですか?ほぼ全員ですね、素晴らしい。過去1ヶ月間にAWSから少なくとも1つの顧客紹介を受け、新しい顧客機会を得た方はどれくらいいますか?それはいいですね。過去1ヶ月に50の紹介を受けた方は?手が下がっていきますね。1人いらっしゃるようで、素晴らしい。これが私たちが変えたい方程式であり、今日お話するテーマです。別の見方をすれば、すべての顧客ユースケースに最適なパートナーは誰かということです。
しかし、これを実現するための大きな課題は、どうやって規模を拡大するかという点です。それがパートナーマッチングエンジンの目的です。繰り返しになりますが、パートナーマッチングエンジンはパートナー向けの機能ではなく、AWS現場スタッフ向けの機能です。特定の顧客アカウントや案件に取り組む際、何年もかけて調整したアルゴリズムと機械学習に基づいて、パートナーやパートナー製品を推奨します。
今日の最後に皆さんに持ち帰っていただきたいメッセージは、「データがあなたのゴートゥーマーケット」ということです。その理由は、パートナーマッチングエンジンが、お客様のエンゲージメント、資金リクエスト、ケーススタディ、検証済みソリューションなど、パートナーから共有されたデータを活用し、それを適切な顧客とマッチングさせるからです。
今日のプレゼンテーションは3つのセグメントに分かれています。最初はAWSとの共同販売を目指すコンサルティングパートナーとその規模について、2番目はAWSマーケットプレイスでのプロダクト主導の成長を促進するISVについて、そして3番目はすべてのAWS顧客紹介が重要なスタートアップとSMBについてです。つまり、今日は皆さん全員のための内容があります。また、パートナーマッチングエンジンのデモもご紹介します。これまで共有されていなかったものですので、お楽しみに。
1.2. パートナーマッチングエンジンの重要性
Abhisheikh Lahoti: 皆さんに考えていただきたいのは、AWS上のパートナービジネスをどう成長させるかという点です。私たちはこの数年間、パートナープログラムの構築に大きく投資してきました。コンピテンシーや専門分野、資金援助、共同プロモーションなど、様々な施策を展開しています。これらの施策がパートナーの皆さんのビジネス成長を後押ししていることを願っていますが、同時に私たちは常に改善点を探し、より効果的なサポート方法を模索しています。
ここで重要になるのがパートナーマッチングエンジン(PME)です。このエンジンは単なるマッチングツールではありません。AWS現場スタッフがパートナーを選定する際の核心的な課題を解決するためのソリューションです。彼らが直面する課題とは、「この特定の顧客ニーズに対して、誰が最適なパートナーなのか」ということです。この選定プロセスを、データに基づき、公平かつ効率的に実行することが極めて重要です。
Luca Certini: 実際、AWS販売担当者に尋ねると、彼らはパートナー選定に多くの時間を費やしていると言います。その理由は明確です。各アカウントマネージャーは多数の顧客を担当し、その各顧客は様々な業界、異なる技術スタック、独自のビジネス課題を持っています。そして、AWSパートナーネットワークには数千のパートナーがいます。この組み合わせの中から最適なマッチングを見つけることは、人力だけでは効率的に行えません。
パートナーマッチングエンジンの真の価値は、このプロセスをAI技術で自動化し、スケーラブルにすることです。マット・ガーマンが言及した通り、「すべてのアカウントにパートナーを関与させる」ためには、このようなインテリジェントなマッチングシステムが不可欠です。
Winnie Kuo: パートナーマッチングエンジンが重要なもう一つの理由は、マーケットプレイスの成長です。現在のAWSマーケットプレイスには何千もの製品が存在し、毎月新しい製品が追加されています。顧客はこの膨大な選択肢から自分のニーズに合った製品を見つけるのに苦労しています。パートナーマッチングエンジンは、顧客の具体的な要件と最も関連性の高いマーケットプレイス製品を結びつけることで、この課題を解決します。
Abhisheikh Lahoti: さらに、このエンジンはAWSの「顧客から逆算する」アプローチを体現しています。顧客の課題を理解し、それを解決できる最適なパートナーや製品を、データに基づいて推奨することで、顧客体験の向上と問題解決の加速を目指しています。これは単に販売を促進するためだけのツールではなく、顧客の成功を支援するためのソリューションなのです。
AWSが目指しているのは、すべての顧客がクラウド導入の各段階で適切なパートナーサポートを受けられる環境の構築です。パートナーマッチングエンジンはその中核を担う技術として、AWSエコシステム全体の成長を促進する重要な役割を果たしています。
1.3. データを中心としたマーケティングアプローチ
Abhisheikh Lahoti: 本日皆さんに持ち帰っていただきたい最も重要なメッセージは「データがあなたのゴートゥーマーケット」ということです。この言葉の重要性を強調したいと思います。パートナーマッチングエンジンが活用するのは、皆さんが私たちと共有するデータです。顧客エンゲージメント、資金リクエスト、ケーススタディ、検証済みソリューションなど、あらゆる接点から収集されるデータが、最適な顧客とのマッチングに活用されています。
Luca Certini: 従来のマーケティングアプローチでは、製品やサービスの特徴を前面に押し出し、可能な限り多くの見込み客にアピールすることが中心でした。しかし、AWSエコシステムの規模と複雑さを考えると、そのアプローチには限界があります。何千ものパートナーと数百万の顧客をどうやって効率的につなげるのか?それがデータ中心のアプローチが不可欠な理由です。
私たちが構築したパートナーマッチングエンジンは、単純なキーワードマッチングではありません。顧客の意図を理解し、過去の成功パターンを学習し、最も関連性の高いパートナーや製品を推奨するインテリジェントなシステムです。これを実現するのがデータです。
Winnie Kuo: 具体的に言うと、私たちは以下のようなデータポイントを活用しています:
- 顧客の業界と規模
- 顧客の特定の技術的ニーズとビジネス課題
- 顧客の過去の購買パターン
- パートナーの専門知識と認定資格
- パートナーの過去の成功事例と実績
- パートナー製品の詳細説明と機能
- 顧客の地理的条件とローカライズ要件
これらのデータポイントはすべて、より精度の高いマッチングを実現するための重要な要素です。
Abhisheikh Lahoti: 重要なのは、このデータ中心アプローチがAWSだけでなく、パートナーの皆さんにも大きなメリットをもたらすという点です。より関連性の高い案件が紹介されることで、成約率の向上や販売サイクルの短縮につながります。また、これまで関係を持つことが難しかった新しい顧客セグメントへのアクセスも可能になります。
Luca Certini: データの品質がマッチングの精度を左右することを忘れないでください。皆さんがACEやマーケットプレイスで共有する情報が詳細かつ正確であればあるほど、パートナーマッチングエンジンはより良い推奨を行うことができます。つまり、データの共有は単なる管理業務ではなく、戦略的なマーケティング活動の一部なのです。
Winnie Kuo: もう一つ重要な点は、このエンジンが常に学習し、進化し続けていることです。新しいデータが入力されるたびに、推奨アルゴリズムはより賢くなります。これは静的なシステムではなく、AWSエコシステム全体の成長と変化に合わせて発展する動的なツールです。
Abhisheikh Lahoti: 最終的に、データを中心としたこのアプローチは、AWSのビジョンである「すべてのアカウントにパートナーを関与させる」ことを実現するための基盤となります。今日のセッションでは、このビジョンを現実のものにするために、皆さんがどのようにデータを活用できるかについて詳しく掘り下げていきます。
2. コンサルティングパートナーのユースケース
2.1. 実例:日本の通信業界における企業のセキュリティ対応
Abhisheikh Lahoti: コンサルティングパートナーのユースケースを具体的な例を挙げて説明しましょう。日本の通信業界の企業がセキュリティインシデント対応と法医学サービスを設定しようとしているケースを考えてみましょう。私たちは皆、AWSセキュリティ、あるいは一般的なセキュリティがジョブゼロであることを知っています。今日の企業はダウンタイムがほぼゼロであることを確実にし、インシデントから復旧して中断を最小限に抑えることができるようにしたいと考えています。
このような顧客ユースケースに対して、どのようにAWSパートナーを選択すればよいでしょうか?皆さんは専門性を高めるために何年も費やし、例えばセキュリティコンピテンシーを取得し、ケーススタディを共有し、様々なソリューションや実践例を提示してきました。しかし、それが顧客ユースケースの本質を捉えているでしょうか?私たちが重視しているのは、このパートナーまたはパートナー製品がこの顧客ユースケースを解決できるかどうかを判断する情報です。
Luca Certini: 何百ものAWS販売担当者と話をしましたが、彼らは皆、適切なパートナーまたはパートナー製品かどうかを理解するために重要な4つのパラメータがあると指摘しています。
まず専門知識について、AWSはどのように測定しているでしょうか?AWSコンピテンシー、サービス指定、認定資格を確認しています。次に、パートナーの応答性をどのように知ることができるでしょうか?これはパートナーのデータに基づいています。パイプラインの健全性が進行していない場合、それは応答性が低下しているという兆候となります。逆に、進行していれば応答性が向上しているということです。
三つ目は顧客ユースケースの深い理解、そして最後は実証された経験です。4つ目の項目は非常に重要です。この例に戻ると、成功を証明するために何百もの実績が必要なわけではありません。顧客ユースケースに非常に特化した実績が数件、あるいは1件でもあれば、会話の一部になり、アルゴリズムの一部になります。これは単純な推奨ではなく、何年もかけて改良を重ねてきたもので、顧客ユースケースを見つけて解決することを目的としています。
Winnie Kuo: このデータをどのように正しく得るかという疑問があるでしょう。先ほど言ったように、過去の成功はPartner CentralのACEを通じた共同販売機能で共有するデータに基づいています。または、マーケットプレイスでのオファー、あるいは例えば移行に対して実際に収益を上げて資金を受け取る資金リクエストなどです。つまり、一つのデータソースだけではなく、AWSとの関わり方のあらゆる接点がこのモデルのトレーニングに活用されています。そして当然、多くのパラメータが考慮され、そのユースケースに適した高度に専門化されたパートナーが推奨されます。
Abhisheikh Lahoti: もう少し詳しく説明しましょう。実際にどのように機能するのか、より具体的に説明します。この問題を解決するために階層的アプローチを使用しています。まず顧客の問題、あるいは顧客問題の分類と呼ばれるものです。顧客の業界、顧客の規模、特定のユースケース、顧客の過去の購買履歴とそのパターン、どのようなパートナーと過去に取引したかを調べ、この事例で顧客が解決しようとしているユースケースを特定しようとします。
その次のステップはパートナーマッチングです。第二のモデルが、顧客からのオポチュニティテキストから先ほど説明したすべてのパートナー情報まで、様々な特徴を考慮し、パートナーの専門知識と手元の顧客ユースケースを正確にマッチングします。
しかし、本当に精度が高くなるのは第三の部分、製品選択です。「これが適切なパートナー」という段階で止まるのではなく、「これがあなたのユースケースを解決するマーケットプレイス製品です」というところまで到達します。どのようにそこに到達するのでしょうか?オポチュニティテキストとパートナーから共有されたすべての製品説明を変換してエンベディングを作成することができます。エンベディングとは、テキストの指紋のようなもので、背後にある真の意味を理解するのに役立ちます。顧客ユースケースとパートナー製品から得られるエンベディングが類似していればいるほど、そのユースケースを解決しようとしている製品である可能性が高くなります。
例として取り上げたユースケースに戻ると、私たちは類似したコホート、例えば日本の同様の規模の顧客で、その業界でセキュリティ問題を解決した実績のあるパートナーを特定し、会話の一部にすることができます。その時点で、フィールドスタッフとの関係だけに基づいているわけではないのです。
2.2. パートナー選定の重要パラメーター(専門知識、応答性、顧客理解、実績)
Abhisheikh Lahoti: パートナーマッチングエンジンの中核となる重要なパラメーターについて詳しく掘り下げていきましょう。私たちは何百人ものAWS販売担当者と対話し、彼らが顧客にパートナーを紹介する際に重視する主要な要素について理解を深めてきました。その結果、4つの重要なパラメーターが浮かび上がってきました。
まず1つ目は「専門知識」です。AWSは専門知識をどのように測定しているのでしょうか?私たちはAWSコンピテンシー、サービス指定、そして各種認定資格を確認します。これらの資格は、特定の分野やサービスに関するパートナーの技術的な専門性と深い知識を示す客観的な指標となります。例えば、セキュリティコンピテンシーを持つパートナーは、セキュリティに関する厳格な審査プロセスを通過し、その分野での専門知識を証明しています。
2つ目のパラメーターは「応答性」です。パートナーの応答性をどのように判断するのでしょうか?これはパートナーから提供されるデータに基づいています。例えば、パイプラインの健全性が進行していない場合、それは応答性が低下しているという明確な兆候です。逆に、案件が順調に進行していれば、応答性が高いことを示しています。顧客にとって、問い合わせや提案依頼に対する迅速な対応は非常に重要です。特に緊急性の高い案件では、この応答性が成功の鍵を握ることがあります。
Luca Certini: 3つ目のパラメーターは「顧客ユースケースの深い理解」です。これは単に技術的な知識があるということではなく、顧客のビジネス課題や業界特有のニーズを本質的に理解しているかどうかということです。例えば、金融業界のコンプライアンス要件や医療業界のデータプライバシー懸念など、業界特有の課題に精通しているパートナーは、より効果的なソリューションを提供できます。
この「深い理解」は、過去のケーススタディや顧客との協業履歴からもたらされます。特定の業界や類似した顧客と過去に取り組んだ経験があるパートナーは、その知識を新しい顧客に適用することができます。パートナーマッチングエンジンは、こうした過去の経験パターンを学習し、新しい案件に関連する適切なパートナーを特定します。
Winnie Kuo: そして4つ目、そして最も重要なパラメーターが「実証された経験」です。これは特に重要な要素です。例えば、先ほどの日本の通信業界のセキュリティ事例に戻ると、成功を証明するために何百もの実績が必要なわけではありません。そのユースケースに非常に特化した実績が数件、あるいは場合によっては1件だけでも、それが当該顧客と類似したプロファイルを持つ顧客であれば、そのパートナーはアルゴリズム内で重要な位置を占めることになります。
実証された経験は、パートナーの能力と信頼性を示す最も強力な証拠です。同様のプロジェクトを成功裏に完了させた経験があるパートナーは、新しい顧客に対しても同様の成功をもたらす可能性が高いと考えられます。また、顧客は往々にして、自分と同じ業界や規模の企業で成功した実績を持つパートナーに安心感を覚えます。
Abhisheikh Lahoti: これら4つのパラメーターが組み合わさることで、単純な「ベストマッチング」を超えた、真に顧客のニーズに合致したパートナー推奨が可能になります。重要なのは、これが単一の基準に基づく単純な推奨システムではないということです。パートナーマッチングエンジンは、これら4つのパラメーターとその他多くの変数を考慮した複雑なアルゴリズムを使用しています。
さらに、このシステムは常に学習を続けています。新たな成功事例が追加されるたびに、推奨の精度が向上します。例えば、あるパートナーが特定の業界で成功を収めると、その経験がシステムに取り込まれ、将来の類似案件での推奨に反映されます。これにより、時間の経過とともに、よりパーソナライズされた正確な推奨が可能になります。
2.3. データソースとその活用方法
Abhisheikh Lahoti: パートナーマッチングエンジンが活用するデータソースとその方法について詳しく説明します。「データがあなたのゴートゥーマーケット」と申し上げましたが、実際にどのようなデータが使われているのでしょうか?
まず一つ目のデータソースは、Partner Centralを通じたACE(AWS Customer Engagement)における共同販売活動です。皆さんがACE上で記録する顧客案件や機会に関する情報は、非常に貴重なデータポイントとなります。顧客の業界、規模、具体的なニーズ、そして最も重要なのは実際の成功事例に関する情報がこのシステムから収集されます。
Luca Certini: 二つ目の重要なデータソースはAWSマーケットプレイスです。マーケットプレイスに掲載されている製品の説明、機能、価格設定、そして顧客レビューは、パートナー製品を顧客ニーズに正確にマッチングするための重要な情報を提供します。私たちは製品の説明から文脈を理解し、どのような顧客問題を解決できるかを分析します。
特に製品詳細ページの記述は、単なるマーケティング文言ではなく、パートナーマッチングエンジンのアルゴリズムが活用する重要なデータポイントです。製品がどのような問題を解決するのか、どのような技術を使用しているのか、どのような顧客に適しているのかといった情報が、テキスト分析を通じて抽出されます。
Winnie Kuo: 三つ目のデータソースは、AWSファンドリクエストです。移行やその他のプロジェクトに対する資金支援を申請する際、パートナーの皆さんは詳細なプロジェクト情報を提供します。このデータは、パートナーの専門分野や実際の顧客プロジェクトでの経験に関する洞察を提供します。特に、実際に収益を上げて資金を受け取った案件は、パートナーの実績を示す強力な証拠となります。
Abhisheikh Lahoti: 四つ目のデータソースは、ケーススタディと検証済みソリューションです。パートナーが提供するケーススタディは、特定の業界や技術領域における実際の成功事例を示す重要な情報源です。また、Well-Architectedフレームワークに基づいて検証されたソリューションは、パートナーの技術的専門性を証明するデータとなります。
重要なのは、これらのデータソースが孤立しているわけではなく、すべてが統合されて分析されるということです。例えば、あるパートナーがACEで記録した顧客案件、マーケットプレイスに掲載した製品、申請したファンド、そして提供したケーススタディ、これらすべてのデータポイントが組み合わさることで、そのパートナーの専門性と適性に関する包括的な理解が可能になります。
Luca Certini: データの活用方法については、まず私たちはテキストデータを構造化された形式に変換します。例えば、案件説明や製品詳細からキーワードやフレーズを抽出し、それらを分類します。次に、これらの構造化データを使用して、顧客の意図とパートナーの能力の間の関連性を特定します。
特に重要なのはエンベディング技術です。エンベディングは、テキストの意味的な「指紋」を作成し、表面的な単語の一致を超えた深い理解を可能にします。これにより、顧客の記述したニーズとパートナーの提供する解決策の間の真の類似性を特定することができます。
Winnie Kuo: もう一つ重要な点は、このシステムが静的ではなく常に学習し進化しているということです。新しいデータが追加されるたびに、アルゴリズムはより賢くなります。例えば、特定のパートナーがある種の案件で成功を収めると、将来の類似案件ではそのパートナーの推奨順位が上がる可能性があります。
Abhisheikh Lahoti: 最後に強調したいのは、データ品質の重要性です。パートナーの皆さんが提供するデータが詳細かつ正確であればあるほど、パートナーマッチングエンジンはより優れた推奨を行うことができます。つまり、Partner CentralやACE、マーケットプレイスなどでの情報更新は、単なる管理タスクではなく、ビジネス成長のための戦略的活動と捉えるべきなのです。AWSとの関わりの中で生み出されるすべてのデータポイントが、将来の商機につながる可能性があるのです。
3. パートナーマッチングの仕組み
3.1. 階層的アプローチの詳細
Abhisheikh Lahoti: パートナーマッチングエンジンの基盤となる階層的アプローチについて、より詳細に説明しましょう。このアプローチは、複雑な問題を段階的に解決するために設計されており、3つの主要なレイヤーから構成されています。
まず第一のレイヤーは「顧客問題分類」です。これは最も基本的であり、同時に最も重要なステップです。ここでは、顧客の課題やニーズを正確に理解し、分類することを目指しています。顧客の業界、規模、特定のユースケース、過去の購買履歴、これまでに取引したパートナーのパターンなど、様々な側面を分析します。例えば、日本の通信業界の大手企業が、クラウド環境におけるセキュリティインシデント対応と法医学サービスを模索している場合、システムはこれを「エンタープライズ・テレコム・セキュリティインシデント対応」のようなカテゴリに分類します。
第一のレイヤーで顧客の問題を特定したら、第二のレイヤーである「パートナーマッチング」に進みます。このレイヤーでは、顧客のオポチュニティテキストとパートナー情報の両方を考慮した別のモデルが稼働します。このモデルは、パートナーの専門知識と顧客のユースケースを正確にマッチングさせることを目的としています。ここでは単純なキーワードマッチングではなく、文脈理解に基づく高度なマッチングが行われます。
Luca Certini: 例えば、顧客が「データ漏洩後の法医学分析」を求めているとします。第二のレイヤーでは、「セキュリティインシデント対応」や「デジタルフォレンジック」などの専門性を持つパートナー、特に通信業界での実績があるパートナーを特定します。さらに、日本での事業展開能力や日本語サポートなど、地理的な要件も考慮されます。
第三のレイヤーは「製品選択」です。ここでの目標は、単に適切なパートナーを推奨するだけでなく、そのユースケースを解決するための具体的なマーケットプレイス製品を特定することです。これはかなり精密な作業です。顧客のオポチュニティテキストとパートナーが提供するすべての製品説明を変換し、エンベディングを作成します。
Winnie Kuo: このエンベディング技術について少し詳しく説明しましょう。エンベディングとは、テキストの「指紋」のようなもので、その真の意味を理解するのに役立ちます。例えば、「クラウドセキュリティ」と「クラウド環境の保護」は異なる言葉ですが、意味的には非常に近いです。エンベディング技術はこのような意味的な類似性を捉えることができます。
顧客ユースケースから作成したエンベディングとパートナー製品説明から作成したエンベディングが類似していればいるほど、その製品がそのユースケースを解決できる可能性が高いと判断されます。この技術により、表面的な単語の一致だけでなく、文脈や意図のレベルでのマッチングが可能になります。
Abhisheikh Lahoti: この階層的アプローチの優れている点は、各レイヤーが前のレイヤーの結果を基に構築されているということです。まず顧客の問題を正確に理解し、次にその問題を解決できる能力を持つパートナーを特定し、最後に具体的な製品ソリューションを推奨します。
また、このアプローチはスケーラブルでもあります。何千ものパートナーと何百万の顧客を持つAWSエコシステムにおいて、手動でこのマッチングを行うことは不可能です。階層的アプローチにより、このプロセスを効率的に自動化することができます。
さらに、このシステムは常に学習し進化しています。新しいデータポイントが追加されるたびに、各レイヤーのモデルはより賢くなります。例えば、特定のパートナーが特定の種類のユースケースで繰り返し成功を収めると、そのパターンがシステムに学習され、将来の類似案件での推奨精度が向上します。
3.2. 顧客問題の分類方法
Abhisheikh Lahoti: パートナーマッチングエンジンの最初のステップとなる顧客問題の分類方法について詳しく説明します。この分類プロセスは、最終的な推奨の精度を決定する上で極めて重要な役割を果たします。
まず私たちは顧客の「業界」を分析します。金融、医療、通信、小売、製造業など、各業界には固有の課題、規制要件、技術的ニーズがあります。例えば、金融機関はコンプライアンスと安全性を重視する傾向があり、小売業はカスタマーエクスペリエンスとスケーラビリティに焦点を当てることが多いです。この業界特性を理解することで、その分野に専門知識を持つパートナーを特定することができます。
次に、顧客の「規模」を考慮します。企業の規模によって、ニーズや課題は大きく異なります。例えば、大規模なエンタープライズ顧客は複雑な統合要件やグローバルな展開能力を必要とすることが多いのに対し、中小企業はコスト効率とシンプルなソリューションを重視する傾向があります。パートナーマッチングエンジンは、顧客の規模に適したパートナーを特定します。特定の規模の顧客と成功した実績を持つパートナーを優先します。
Luca Certini: 三つ目の重要な要素は「特定のユースケース」です。顧客が解決しようとしている具体的な問題や達成したい目標を理解することが不可欠です。これはオポチュニティテキストの分析から導き出されます。例えば、「データ移行」、「セキュリティ強化」、「アプリケーションモダナイゼーション」など、様々なユースケースがあります。パートナーマッチングエンジンは、テキスト分析とエンベディング技術を使用して、顧客の記述から真のユースケースを特定します。
四つ目は「過去の購買履歴」です。顧客が過去にどのようなAWSサービスを採用してきたか、どのようなパートナーと協業してきたかというパターンは、現在のニーズを理解する上で貴重な洞察を提供します。例えば、特定のサービスに集中投資している顧客は、それに関連する追加機能や拡張に関心がある可能性が高いです。また、過去に特定の種類のパートナーと良好な関係を築いてきた顧客は、類似したプロファイルを持つ新しいパートナーとも協業しやすい傾向があります。
Winnie Kuo: また、「パートナー協業履歴」も重要な要素です。顧客が過去にどのようなパートナーと協業してきたかを分析することで、そのプリファレンスやワークスタイルについての理解を深めることができます。例えば、ある顧客が常に特定の地域のパートナーを選んでいる場合、地理的な近接性が重要な要素である可能性があります。あるいは、特定の認証を持つパートナーと常に協業している場合、その認証が重要視されているのかもしれません。
これらすべての要素を統合することで、パートナーマッチングエンジンは顧客が現在直面している具体的な課題を特定します。この分類は単なるカテゴリ化ではなく、顧客のコンテキスト全体を理解するための包括的な分析です。
Abhisheikh Lahoti: この分類プロセスの優れた点は、単一の要素だけでなく、これらすべての要素を組み合わせて総合的な理解を形成することです。例えば、「日本の大手通信企業がセキュリティインシデント対応システムを構築しようとしている」という分類は、業界(通信)、規模(大手)、地域(日本)、ユースケース(セキュリティインシデント対応)の組み合わせから導き出されます。
また、この分類プロセスは静的ではなく、常に学習と適応を続けています。新しい業界トレンド、新しいテクノロジー、新しいユースケースが出現するたびに、分類システムもそれに対応して進化します。例えば、生成AIのような新しいテクノロジーが登場すると、それに関連する新しいユースケースカテゴリが作成されます。
最終的に、この精密な問題分類が、適切なパートナーと製品の推奨の基礎となります。顧客の問題を正確に理解することで、その問題を解決するための最適なパートナーを特定することができるのです。
3.3. パートナーマッチングのアルゴリズム
Abhisheikh Lahoti: パートナーマッチングエンジンの第二段階となるパートナーマッチングのアルゴリズムについて詳しく説明します。これは、顧客問題の分類が完了した後、実際にどのパートナーが最適かを決定するための中核的なプロセスです。
このアルゴリズムは単純なキーワードマッチングをはるかに超えた複雑なシステムです。顧客のオポチュニティテキストと、パートナーに関する様々な情報を考慮し、パートナーの専門知識と顧客ユースケースの間の真の適合性を評価します。具体的には、以下のような要素が考慮されます。
まず、「パートナーの専門性」です。これにはAWSコンピテンシー、サービス認定、技術認定などが含まれます。例えば、セキュリティコンピテンシーを持つパートナーは、セキュリティ関連のユースケースで高いスコアを獲得します。同様に、特定のAWSサービスに関する認定を持つパートナーは、そのサービスを活用する案件でより高く評価されます。
Luca Certini: 次に「過去の成功事例」が重要です。パートナーが類似した顧客セグメント、業界、または技術的課題で成功した実績は、強力な適合指標となります。例えば、金融業界での規制遵守プロジェクトで成功したパートナーは、類似した金融業界のコンプライアンス案件でより高いスコアを獲得します。重要なのは、実績の「数」だけでなく、問題の顧客ユースケースとの「関連性」です。
アルゴリズムのもう一つの重要な要素は「地理的マッチング」です。顧客の所在地とパートナーの事業展開地域を考慮し、地理的な互換性を評価します。これには言語サポート、タイムゾーン、地域特有の規制知識なども含まれます。例えば、日本の顧客に対しては、日本語サポートを提供し、日本の規制環境に精通しているパートナーが優先されます。
Winnie Kuo: また、「パートナーの対応能力」も評価されます。これはパートナーのパイプライン健全性や案件進行速度などのデータから導き出されます。過去の案件で迅速かつ効果的に対応してきたパートナーは、この指標で高いスコアを獲得します。顧客にとって、パートナーの応答性は成功の重要な要素であるため、この指標は非常に重要です。
さらに、「顧客フィードバック」も考慮されます。過去の協業に対する顧客からのフィードバックや評価は、パートナーの実際のパフォーマンスを示す貴重なデータポイントです。肯定的なフィードバックを一貫して受けているパートナーは、アルゴリズム内でより高く評価されます。
Abhisheikh Lahoti: これらすべての要素を組み合わせるために、私たちは機械学習モデルを使用しています。このモデルは過去の成功事例からパターンを学習し、新しい案件に対して最適なパートナーを予測します。特に重要なのは「コンテキスト認識」機能です。これにより、単なる表面的な一致を超えて、顧客ニーズとパートナー能力の間の真の適合性を理解することができます。
例えば、「セキュリティ監視システムの実装」という顧客ニーズがあるとします。アルゴリズムは「セキュリティ」というキーワードだけでなく、「監視」「実装」など関連する概念も理解し、その特定のコンテキストに最適なパートナーを特定します。このようなニュアンスの理解は、単純なキーワードマッチングでは不可能です。
パートナーマッチングアルゴリズムのもう一つの優れた点は、その「自己学習」能力です。新しいマッチングが行われ、その結果(成功または失敗)がシステムにフィードバックされるたびに、アルゴリズムはその経験から学習し、将来の推奨を改善します。例えば、特定のパートナーが特定のタイプの案件で繰り返し成功すると、その特定の組み合わせに対する「親和性スコア」が向上します。
最終的に、このアルゴリズムはすべての潜在的なパートナーに対して総合スコアを計算し、最も適合度の高いパートナーを特定します。しかし重要なのは、これが単一のパートナーだけを推奨するのではなく、複数の高適合パートナーを提案することです。これにより、AWS販売担当者は顧客の具体的な状況や好みに基づいて最終的な選択を行うことができます。
3.4. 製品選択プロセスとエンベディング技術
Abhisheikh Lahoti: パートナーマッチングエンジンの最終段階となる製品選択プロセスと、その中核を成すエンベディング技術について詳しく説明します。この段階は、適切なパートナーを特定した後、そのパートナーが提供する具体的な製品やソリューションの中から、顧客ニーズに最も適したものを選び出すプロセスです。
私たちは単に「これが適切なパートナーです」と言うだけでなく、さらに一歩進んで「これがあなたのユースケースを解決するための具体的なマーケットプレイス製品です」というところまで到達します。これが製品選択の段階です。その中心となるのがエンベディング技術です。
エンベディングとは何でしょうか?これはテキストの「指紋」と考えることができます。テキストの背後にある真の意味や意図を数学的に表現したものです。この技術を使用して、顧客のオポチュニティテキストとパートナーから提供されたすべての製品説明を変換し、それぞれのエンベディングを作成します。
Luca Certini: 具体的には、テキストをベクトル空間内の点として表現します。意味的に類似したテキストは、このベクトル空間内で互いに近い位置に配置されます。例えば、「セキュリティモニタリングシステム」と「セキュリティ監視ソリューション」は、異なる言葉を使用していても、意味的には非常に近いため、ベクトル空間内でも近い位置に配置されます。
この技術の強力な点は、表面的な単語の一致を超えて、意味的な類似性を捉えることができる点です。例えば、顧客が「データ漏洩防止」について言及している場合、「情報セキュリティ」や「機密情報保護」などの関連概念を含む製品説明も高い関連性を持つと認識されます。
顧客ユースケースから生成されたエンベディングと、パートナー製品から生成されたエンベディングが類似していればいるほど、その製品がそのユースケースを解決できる可能性が高いと判断されます。これが製品選択プロセスの中核となるメカニズムです。
Winnie Kuo: エンベディング技術を使用した製品選択の利点は、言語の壁を超えることができる点です。例えば、日本語で書かれた顧客のニーズと英語で書かれた製品説明の間でも、意味的な類似性を特定することができます。これはグローバルなAWSエコシステムにおいて非常に重要な機能です。
さらに、この技術は業界固有の専門用語やニュアンスも理解します。例えば、金融業界の「リスク管理」と医療業界の「リスク管理」は同じ言葉を使用していても、意味するところは異なります。エンベディング技術はこのような文脈の違いを理解し、業界に特化した適切な製品を推奨することができます。
Abhisheikh Lahoti: 製品選択プロセスのもう一つの重要な側面は、顧客のフィードバックループです。特定の製品が特定のユースケースで成功すると、その組み合わせの「適合スコア」が向上し、将来の類似ユースケースでの推奨確率が高まります。逆に、製品が期待通りのパフォーマンスを発揮しなかった場合、そのフィードバックもシステムに取り込まれ、推奨アルゴリズムが調整されます。
例えば先ほどの例に戻ると、日本の通信業界の企業がセキュリティインシデント対応システムを探している場合、パートナーマッチングエンジンは単にセキュリティに関連するすべての製品を推奨するのではなく、以下のような複数の層でフィルタリングします:
- セキュリティインシデント対応に特化した製品
- 通信業界の規制要件に対応した製品
- 日本市場に適応した製品(言語サポート、規制対応など)
- 類似の顧客セグメントで実績のある製品
このような多層的なフィルタリングとエンベディングに基づくマッチングにより、顧客の具体的なニーズに最も適した製品が特定されます。
最終的に、パートナーマッチングエンジンは顧客に対して、特定のパートナーと、そのパートナーが提供する特定の製品を推奨します。これにより、AWS販売担当者は単に「このパートナーと話をしてください」と言うだけでなく、「このパートナーのこの特定の製品があなたのユースケースを解決できます」という具体的な提案を行うことができます。これにより、顧客の意思決定プロセスが加速し、ソリューション導入までの時間が短縮されます。
4. ISVとマーケットプレイスの活用
4.1. プロダクト主導の成長戦略
Luca Certini: ここで視点を変えて、製品の成長を促進し、自動的に顧客需要を生み出す方法について話しましょう。つまり、AWS Marketplaceにおけるプロダクト主導の成長戦略についてです。
このスライドの説明に入る前に、手を挙げていただけますか?現在AWS Marketplaceで販売している方はどれくらいいますか?会場の約50%ですね、素晴らしいです。そうしていることを祝福します。しかし、私の望みは、このセッションが終わるまでに、AWS Marketplaceを活用してAWSとの共同販売の成功率を最大化するために十分な戦略、洞察、そして最も重要なのはデータを提供することです。
それでは、スライドに戻りましょう。まず第一に、マーケットプレイスに掲載されていない場合は、それを変えたいと思うでしょう。どのような製品であれ、すべての製品をAWS Marketplaceに掲載したいと考えるべきです。それが非常に重要である理由は、AWS Marketplaceに掲載することで、世界中の広範なAWSオファリングに参入するからです。あなたの製品を文字通り何百万もの顧客や見込み客に公開し、彼らは第三者のオファリングを調達、分析、デプロイしようとしています。
次に、すべての製品詳細ページを最適化したいと思うでしょう。AWS Marketplaceについて私たちが誇りに思っていることの一つは、カタログが拡大し続けていることです。何千もの掲載があり、何千もの選択肢があり、その一部は非常に微妙な違いがあります。そのため、PDP(製品詳細ページ)を最大のエンゲージメント、最大の発見性のために最適化することが、顧客需要を生み出すために不可欠です。
そのため、無料トライアル、デモ、従量課金方式などの機能を活用することが重要です。なぜなら、これらは顧客に対して、ほぼリスクフリーの方法で掲載にアクセスできることを示すからです。このような機能は、顧客からの問い合わせやリードをアクティブなサブスクリプションに変換する真の要因です。これこそが収益創出の観点から、まさにゴムが道路に接する場所です。そして、我々はPMEからの洞察を共有します。これはAWS Marketplaceでの掲載のポテンシャルを最大化するのに役立ちます。
私はAWSでは顧客から逆算して仕事をしているという話を皆さんが聞いたことがあると思います。それは非常に真実ですが、私たちはそれ以上のことをしています。私たちの推奨エンジンさえも、直接顧客のニーズから逆算して動作します。PMEはAWS Marketplaceやその他のドメインで顧客がどのように検索するかについて、非常に洗練された分析を採用しています。しかし、私たちはキーワード入力やクエリ、文字列だけを見るのではありません。その文字列の背後にある意図を本当に理解しようとしています。
なぜそれが重要かというと、意図を理解すれば、ニーズを理解できるからです。そしてニーズを理解すれば、そのニーズと、すべての顧客ユースケースにわたるカタログ全体からの最適な第三者オファリングのセットをマッチングすることができます。これは非常に強力です。
次に、製品リストの最適化について話しました。Lahotiも機会の説明や、マーケットプレイスでの製品詳細の説明がなぜ重要なのかについて言及しましたが、この点を本当に強調したいと思います。製品詳細の説明は、顧客が読むためだけのものではありません。それらはしばしば、あなたのオファリングと顧客の間の最初の接点です。
しかし、それらはまた、PMEが顧客のクエリをスキャンし、それをあなたの製品の説明と照合するために使用するLLMモデルに対する重要なデータポイントも提供します。したがって、これらの説明を作成する際には、マーケティング用語を超えて考えてください。利益重視の言語を使用してください。正確で詳細であるべきです。顧客が共感できる言語を使用してください。なぜなら、それが私たちのモデルが推奨するために使用するものだからです。
次に、企業属性(firmographics)を見ています。この点についてもう少し深掘りすると、アカウントがエンタープライズグレードのアカウントかスタートアップかを調べています。ローカル実行能力とグローバル実行能力のどちらが必要かを検討します。取引規模、過去に通常取引してきた価格帯を調査します。業界の垂直市場も見ています。これらのすべての変数がパートナーマッチングエンジンによって組み合わされ、分析され、最適なフィット推奨が行われます。
最後に、顧客のクラウドジャーニーを見ています。これが意味するのは、PMEにとって、例えばSaaSソリューションを複雑な製品ポートフォリオに追加し、それをグローバルなインフラ内にデプロイしようとしているエンタープライズグレードのアカウントとマッチングしようとしているのか、それともオンプレミスからクラウドへ数個のデータベースを移行し始めたばかりのスタートアップにサービスを提供するパートナーを探しているのかを理解することが非常に重要だということです。
それが重要である理由は、これらのエンゲージメントモデルが非常に異なるからです。そのため、サービスを提供したい顧客とマッチングさせ、調達後のサポート体験があなたとAWS顧客の両方にとってウィンウィンになるようにしたいのです。
これらすべてを説明してきましたが、Lahotiがすぐにお見せする非常にエキサイティングなものを共有したいと思います。パートナーマッチングエンジンは、あなたの製品が販売担当者やマーケットプレイスの買い手によって発見されるのを受動的に待つのではなく、AWS販売担当者がパートナー選択の決定を行うために毎日使用するツール内で直接、積極的にあなたを宣伝します。
この力を考えてみてください。AWS販売担当者は通常、エンドカスタマーとの関係を持っています。彼らは顧客の課題やニーズを理解しています。AWS販売担当者があなたのオファリングを選び、それをエンドカスタマーに宣伝することは、顧客を獲得する最良の方法です。それは収益への最速の道です。そして私たちはパートナーマッチングエンジンを通じて、すべてのアカウントに対してグローバルにスケールでこれを行おうとしています。
4.2. AWS Marketplaceの重要性
Luca Certini: AWS Marketplaceの重要性についてより詳しく掘り下げたいと思います。このプラットフォームがパートナーの方々、特にISVにとってどれほど変革的な機会を提供しているか、そしてなぜパートナーマッチングエンジン(PME)がその価値をさらに高めるのかを説明します。
まず、AWS Marketplaceとは何でしょうか?簡単に言えば、AWSのお客様がサードパーティのソフトウェアやサービスを発見、購入、デプロイできるデジタルカタログです。しかし、それは単なるオンラインショップではありません。これは戦略的なビジネス拡大プラットフォームであり、あなたの製品を世界中の何百万ものAWS顧客に直接提供する強力なチャネルです。
AWS Marketplaceに掲載する最大の利点の一つは、AWSの既存の調達関係を活用できることです。多くの大企業は既にAWSとの契約関係を確立しており、AWS Marketplaceを通じて購入することで、新しいベンダーとの契約プロセスをバイパスできます。これにより、販売サイクルが大幅に短縮されます。通常3~6ヶ月かかる法務審査や調達プロセスが数日または数時間に短縮される可能性があります。
もう一つの重要な利点は可視性です。AWS Marketplaceは、あなたの製品に巨大なショーウィンドウを提供します。この可視性は二つの方向で機能します。まず、何百万ものAWS顧客があなたの製品を発見できるようになります。さらに重要なのは、AWS販売チームもあなたの製品を知ることができるということです。AWS販売担当者は顧客関係の最前線に立っており、彼らがあなたの製品を認識し推奨できるようになることは非常に価値があります。
AWS Marketplaceを通じて販売することのもう一つの大きな利点は、顧客のAWS支出コミットメントに貢献できることです。多くの企業はAWSとの契約で最低支出コミットメントを設定しており、AWS Marketplaceでの購入はこのコミットメントにカウントされます。これは顧客にとって強力な購入インセンティブとなります。
さらに、AWS Marketplaceには様々なプログラムやイニシアチブがあり、これらを通じてあなたのビジネスをさらに拡大することができます。例えば、プライベートオファー、Channel Partner Private Offers、AWS DataExchange、AWS Marketplace for Containers Anywhereなどです。これらはそれぞれ特定のユースケースや顧客セグメントに対応しています。
AWS Marketplaceに掲載することの価値は、単なる理論ではありません。データがそれを裏付けています。先ほど触れたように、AWS Marketplaceに掲載しているパートナーは、掲載していないパートナーに比べてパートナーマッチングエンジンによる推奨率が50%高くなります。これは単なる可視性の向上以上のものです。
AWS Marketplaceに掲載することで、あなたは顧客に重要なメッセージを送っています。それは、あなたの製品が「すぐに使用可能」であるということです。つまり、その製品は機能し、AWSサービスと統合されており、顧客は数分以内にその製品を発見、分析、調達、自社のインフラにデプロイできる可能性があるということです。
特に、パートナーマッチングエンジンはAWS Marketplaceの掲載から豊富なデータを引き出します。製品の説明、機能、価格設定、カスタマーレビュー、そして最も重要なのは実際の使用パターンです。このデータは、顧客の具体的なニーズに最も関連性の高い製品を特定するために使用されます。
結論として、AWS Marketplaceはあなたのビジネスの成長を加速させるための重要なチャネルです。それは単なる掲載プラットフォーム以上のものであり、顧客獲得、市場拡大、収益成長のための総合的なエコシステムです。そして、パートナーマッチングエンジンと組み合わせることで、その価値はさらに高まります。PMEはあなたの製品を最も適切な顧客に積極的に紹介し、ビジネスの成長を促進します。
4.3. 製品詳細ページの最適化戦略
Luca Certini: AWS Marketplaceでの製品詳細ページ(PDP)の最適化について詳しく説明しましょう。このページは単なる製品情報の掲載場所ではなく、顧客との最初の接点であり、パートナーマッチングエンジン(PME)が製品を推奨するための重要なデータソースでもあります。
まず、製品詳細ページの最適化が重要な理由を理解しましょう。AWS Marketplaceのカタログは日々拡大しており、何千もの製品が掲載されています。この膨大な選択肢の中で目立つためには、製品詳細ページを最大限に最適化することが不可欠です。適切に最適化されたページは、顧客の発見可能性を高め、エンゲージメントを促進し、最終的には購入への転換率を向上させます。
製品詳細ページを最適化するための第一のポイントは、明確で包括的な製品説明を提供することです。この説明は単に技術的な機能を列挙するだけでなく、顧客にとっての価値や利点を強調すべきです。特に、最初の数行は非常に重要です。顧客が最初に目にするのはこの部分であり、関心を引きつけるかどうかの決め手となります。
さらに重要なのは、この製品説明はパートナーマッチングエンジンのLLMモデルにとっても重要なデータソースだということです。PMEは顧客のクエリをスキャンし、それを製品説明と照合します。そのため、説明にはマーケティング用語だけでなく、具体的な顧客の課題、解決するユースケース、技術的な詳細を含めるべきです。
製品詳細ページのもう一つの重要な要素は、購入障壁を下げる機能です。無料トライアル、デモ、従量課金オプションなどの機能は、顧客が製品を試すリスクを大幅に軽減します。これらのオプションがあることで、顧客は購入前に製品の価値を実際に体験することができます。データによると、これらのオプションを提供している製品は、そうでない製品よりも高い閲覧率と購入率を示しています。
また、製品カテゴリやタグも適切に設定することが重要です。これらは顧客が製品を検索する際の重要なフィルターとなり、関連する顧客に製品が表示される確率を高めます。業界、ユースケース、技術分野など、できるだけ具体的で関連性の高いタグを選択すべきです。
さらに、価格設定と調達オプションも最適化の重要な要素です。公開価格設定、プライベートオファー、Marketplace Private Offers (MPO)、Marketplace Channel Partner Private Offers (CPPOs)など、様々な購入オプションを提供することで、異なる顧客セグメントのニーズに対応できます。特に、大規模な企業顧客はプライベートオファーを好む傾向があります。
視覚的な要素も無視できません。スクリーンショット、アーキテクチャ図、ビデオデモなどのビジュアル資料は、製品の理解を深め、興味を引きつけるのに役立ちます。特にAWSサービスとの統合を示す図は、製品の価値提案を明確に伝えることができます。
また、カスタマーレビューと事例も重要です。実際の顧客からのフィードバックは、潜在的な買い手にとって強力な社会的証明となります。ポジティブなレビューを積極的に集め、成功事例を詳細に共有することで、製品の信頼性と効果を証明できます。
Abhisheikh Lahoti: 製品詳細ページの最適化の具体例をご紹介します。この掲載には、私が話してきた戦略を比較的うまく採用している点がいくつかあります。まず目を引くのは、明確で包括的かつ詳細な説明で、最初から顧客の利益を強調している点です。最初の文は「14日間の無料トライアル」と述べています。これが顧客に伝えるのは、クリックするだけでリスクなしに試すことができるということです。これは重要なことで、そのファネルを推進し、決定を調達に近づけることは、私たち全員が望むことです。
詳細で包括的な説明に加えて、先ほど述べたように、適切な言語を使用しています。具体的で、「エンタープライズグレードの財務運用」のような表現を使っています。これにより、このソリューションが実際に誰を対象としているのかが明確になります。また、右側には配信方法も記載されています。また、バイヤーと私たちの推奨エンジンの両方がこのソリューションを適切に表示するために必要な関連タグもすべて提供しています。
Winnie Kuo: 製品詳細ページの最適化は継続的なプロセスであることを忘れないでください。マーケットの変化、顧客のフィードバック、競合状況に応じて定期的に更新する必要があります。特に、生成AIやセキュリティなどの急速に進化する分野では、最新の機能や利点を反映するために説明を頻繁に更新することが重要です。
最後に、製品詳細ページの最適化はパートナーマッチングエンジンの推奨アルゴリズムに直接影響を与えます。PMEは顧客の意図を理解し、その意図に最も関連性の高い製品を推奨します。製品詳細ページが明確で包括的で関連性が高ければ高いほど、PMEがその製品を適切な顧客に推奨する可能性が高まります。言い換えれば、製品詳細ページの最適化は、AWS Marketplaceでの可視性を高めるだけでなく、AWS販売担当者による積極的な推奨につながる可能性があるのです。
4.4. 顧客ニーズに基づく推奨エンジン
Luca Certini: パートナーマッチングエンジン(PME)の中核となる「顧客ニーズに基づく推奨」の機能について詳しく説明します。AWSでは、私たちの全てのプロセスが「顧客から逆算する」という理念に基づいていますが、これはパートナーマッチングエンジンも例外ではありません。むしろ、PMEはこの理念を新たなレベルに引き上げています。
最も重要な点は、PMEが単純なキーワードマッチングではなく、顧客の真の意図を理解しようとしているということです。例えば、顧客が「セキュリティソリューション」を検索する場合、それが意味するものは顧客によって大きく異なります。金融機関はコンプライアンスとデータ保護に焦点を当てたセキュリティソリューションを探しているかもしれません。一方、小売業者はフラウド検出や顧客データ保護に関心があるかもしれません。PMEはこのような微妙な違いを理解し、それぞれの顧客のニーズに最も適したソリューションを推奨します。
この意図理解はどのように機能するのでしょうか?PMEは高度な自然言語処理(NLP)とLLM(大規模言語モデル)技術を活用して、顧客の検索クエリ、案件説明、過去の購買パターンから真の意図を抽出します。これはAmazon SageMakerやAmazon Bedrockなどのサービスを活用して実現しています。
Abhisheikh Lahoti: 例えば、顧客の案件説明に「クラウド環境におけるデータ侵害リスクの最小化」と記載されている場合、PMEはこれを単に「セキュリティ」というカテゴリに分類するのではなく、より具体的に「データ保護」「プライバシー」「コンプライアンス」などの側面を理解します。そして、これらの特定の課題に対応できるパートナーソリューションを推奨します。
もう一つの重要な側面は、パーソナライズされた推奨です。PMEは顧客の企業属性(firmographics)を考慮します。企業の規模、業界、地理的位置、技術的成熟度などの要素に基づいて推奨をカスタマイズします。例えば、同じ「データセキュリティ」のニーズでも、グローバルな金融機関と地域の医療機関では、適切なソリューションが大きく異なる可能性があります。
Winnie Kuo: 顧客のクラウドジャーニーも重要な考慮要素です。顧客がクラウド導入のどの段階にいるかによって、必要なソリューションは大きく異なります。例えば、クラウドへの移行を始めたばかりの顧客は、基本的なセキュリティとコンプライアンスソリューションを必要としているかもしれません。一方、クラウド環境が成熟している顧客は、より高度な最適化やAIを活用したセキュリティツールを探している可能性があります。
PMEはこれらの要素を総合的に分析し、顧客の具体的なニーズに最も関連性の高いパートナーや製品を推奨します。これにより、顧客はより迅速に適切なソリューションを見つけることができ、パートナーはより関連性の高い機会に集中することができます。
Luca Certini: 特に強調したいのは、顧客の検索行動と購買行動のフィードバックループです。PMEは顧客がどのように検索し、どのような製品を閲覧し、最終的にどのソリューションを採用したかを学習します。この学習に基づいて、推奨アルゴリズムは継続的に改善されます。例えば、特定のタイプの顧客が特定のタイプの製品に繰り返し興味を示すパターンを検出すると、類似の顧客プロファイルに対してそれらの製品がより高く推奨されるようになります。
Abhisheikh Lahoti: このアプローチの真の力は、AWS販売担当者の日常的なワークフローの中で直接推奨が提供されることです。彼らは顧客との関係を持ち、その課題やニーズを直接理解しています。PMEの推奨により、彼らは適切なパートナーソリューションを迅速に特定し、顧客に提案することができます。これは単なる製品発見メカニズムではなく、積極的な紹介システムです。
最終的に、顧客ニーズに基づく推奨エンジンは、「データがあなたのゴートゥーマーケット」という私たちの哲学を具現化したものです。パートナーが提供するデータが豊富で正確であればあるほど、PMEはより良い推奨を行うことができます。そして、より良い推奨は、より多くの機会、より高い成約率、そしてより大きなビジネス成長につながります。
Winnie Kuo: PMEのもう一つの重要な側面は、その透明性です。推奨される際、その理由も提供されます。これにより、AWS販売担当者は顧客に対して、なぜその特定のパートナーや製品が彼らのニーズに適しているのかを明確に説明することができます。これは信頼を構築し、より迅速な意思決定につながります。
5. スタートアップとSMB向け戦略
5.1. パートナーマッチングエンジンの中小企業向け機能
Winnie Kuo: ここでスタートアップとSMB(中小企業)パートナーに焦点を当てましょう。会場のスタートアップやSMBパートナーの方々は手を挙げてください。そのまま手を挙げていただいて、ソフトウェアパートナーの方々はそのままで、サービスパートナーの方は手を挙げるか、サービスの方は手を挙げてください。素晴らしいですね。
私は皆さんの多くが、まず第一にAWSに参加する理由は新しい顧客を獲得するためだと理解しています。また、AWS専門性を獲得して、異なる顧客層に対して際立つことができると知っているため、サービス検証を獲得している方もいらっしゃるでしょう。さらに、多くの方がここに来られているのは、AWSパートナーネットワークから直接公開されている最新の業界やクラウド導入トレンドを学ぶためでもあります。もちろん、この部屋にいる皆さん、そしてre:Inventに参加している全ての方は、AWS顧客や他のパートナーを含む業界や技術の専門家とネットワーキングするためにここにいます。
これまでLucaとLahotiから、パートナーマッチングエンジンがデータから学習するという話を聞きました。これは、「私が小規模な企業である場合、パートナーマッチングエンジンは私を推奨してくれるのだろうか?データが少なくても、共有するデータから学習してくれるのだろうか?」という疑問を持たれるかもしれません。その答えは「はい」です。データが少なくても、パートナーマッチングエンジンはあなたを推奨します。
LucaとLahotiが既に言及した5つの重要な要素について、AWS顧客向けのマーケットプレイスでどのように差別化できるかを説明します。
まず、ソフトウェア企業に戻ると、顧客ニーズを解決する即時デプロイ可能なアプリケーションを持つことが重要です。マーケットプレイスのリスティングで、無料トライアル、従量課金制、デモなどのアクションがあると、それらの顧客インタラクションは、どのような顧客があなたのソリューションを探して関わっているかを把握するのに役立ちます。これはモデルに含まれています。
次に、競争力のある価格オプションを提供することも重要です。先ほど言及したように、従量課金制や様々なセルフサービスオプションは、ある種の顧客セグメントに響きます。他のタイプの顧客の場合、チャネルパートナーと協力してカスタムプライベートオファーを構築し、プロフェッショナルサービスとソフトウェア取引を一つの大きなパッケージにまとめることもできます。
三つ目は、デプロイと請求の容易さです。それはどのようなものでしょうか?スムーズな調達は顧客にとって重要です。AWS Marketplaceにいると、バイヤーがAWSサービスと、またあなたのAWSサービスと関わるための簡単なチャネルが作られます。
四つ目は、サービスパートナーにとって、クラウド経験と専門知識が重要です。既に述べたように、顧客は一貫してAWSに特化したパートナーを探しています。また、Well-Architectedやサービス検証などの追加資格は、あなたの専門知識についての追加の実証された洞察を提供します。AWS販売担当者と、彼らにとって新しいパートナーの紹介について話すと、特定の顧客ユースケースに適した可用性とローカライズされた専門性があれば、彼らは喜んでそれに関わります。
最後に、スピードが重要です。ACEやマーケットプレイスについて話し、パイプライン案件を通じて顧客価値を加速する能力について話しました。そして、成約までの時間は、特定のパートナーを選ぶ際にAWS販売担当者にとって本当に重要です。
まとめると、パートナーマッチングエンジンのアルゴリズムは、あなたが共有するデータから学習します。そして、それは既に私たちの専門家や開発エキスパートから聞いているベストプラクティスを強化します。つまり、各顧客のユースケースごとに特化して差別化し、プロダクト主導の成長を推進するために投資する努力はすべて、モデルに情報を提供するデータを生成します。
私たちのシステムが「顧客インサイト」→「パートナーデータ」→「PMEの推奨」というループを通じて常に学習・改善を続けていることを理解することが重要です。例えば、あなたが特定の業界やユースケースで成功した場合、そのデータがシステムに取り込まれ、将来の類似案件での推奨可能性が高まります。
小規模企業にとって特に重要なのは、「ニッチな専門性」の力です。大企業と同じリソースやブランド認知度がなくても、特定の分野で深い専門知識を持ち、それを明確に伝えることで際立つことができます。パートナーマッチングエンジンは、この専門性を正確に捉え、関連する顧客に紹介する役割を果たします。
5.2. 差別化のための5つの重要要素
Winnie Kuo: スタートアップやSMBパートナーが自らを差別化し、パートナーマッチングエンジン(PME)を通じてAWS顧客に推奨されるための5つの重要な要素について詳しく説明します。これらの要素は、大企業に比べてリソースやブランド認知度が限られている場合でも、効果的に競争するための鍵となります。
まず1つ目の要素は、「即時デプロイ可能なアプリケーション」です。特にソフトウェアパートナーにとって重要です。顧客が抱える具体的な課題を解決する、すぐに使用可能なソリューションを提供することが求められます。マーケットプレイスのリスティングで無料トライアル、デモ、従量課金などのオプションを提供することで、顧客は低リスクで製品を評価できます。これらの顧客インタラクションは重要なデータポイントとなり、どのような顧客が製品に関心を持ち、どのように関わっているかをPMEが理解するのに役立ちます。このデータはモデルのトレーニングに使用され、適切な顧客へのマッチングを向上させます。
2つ目は「競争力のある価格オプション」です。従量課金制やセルフサービスオプションは、特定の顧客セグメント、特に小規模な顧客や試験的にサービスを利用したい顧客に魅力的です。一方、より大きな組織や複雑なニーズを持つ顧客には、チャネルパートナーと協力してカスタムプライベートオファーを構築し、プロフェッショナルサービスとソフトウェアを一つのパッケージにまとめることが効果的です。多様な価格モデルを提供することで、幅広い顧客層にアピールできます。
Abhisheikh Lahoti: 3つ目の要素は「デプロイと請求の容易さ」です。これは見落とされがちですが、非常に重要です。スムーズな調達プロセスは顧客にとって大きな価値があります。AWS Marketplaceに掲載されていると、顧客はAWSの既存の契約関係を通じて簡単に製品を購入できます。これにより、複雑な調達プロセスや法務審査が回避され、販売サイクルが大幅に短縮されます。多くの企業がAWSとの支出コミットメントを持っており、マーケットプレイスでの購入はそのコミットメントにカウントされるため、購入障壁がさらに低くなります。
4つ目の要素、特にサービスパートナーにとって重要なのは「クラウド経験と専門知識」です。顧客は一貫してAWSに特化したパートナーを求めています。Well-Architectedフレームワークに基づく評価やサービス検証などの資格は、あなたの専門知識を証明する強力な手段となります。AWS販売担当者と話すと、彼らは特定の顧客ユースケースに適した可用性とローカライズされた専門性を持つパートナーを紹介することに積極的です。特定の業界や地域、技術領域での実証された専門知識は、大手パートナーと競争する際の強力な差別化要因になります。
Luca Certini: 最後に5つ目の要素は「スピード」です。顧客へのバリュー提供を加速する能力、つまり案件のパイプラインを通じて迅速に進め、成約までの時間を短縮する能力は、AWS販売担当者がパートナーを選定する際の重要な基準です。大企業に比べて小規模な組織は、意思決定が迅速で柔軟性があるという利点を持っています。この機動性を活かし、顧客ニーズに迅速に対応することで、パートナーマッチングエンジンでより高く評価される可能性が高まります。
Winnie Kuo: これら5つの要素はすべて、パートナーマッチングエンジンのアルゴリズムが学習するデータを生成します。特化して差別化し、プロダクト主導の成長を推進するために投資する努力はすべて、モデルに情報を提供するデータとなります。そして、そのデータがより良い顧客マッチングと、より多くのビジネス機会へとつながるのです。
小規模企業にとって最も重要なのは、これが正のサイクルを生み出すということです。顧客との成功事例が増えるにつれて、より多くのデータが生成され、PMEがあなたを推奨する精度が向上します。これがさらなる機会を生み出し、さらに多くの成功事例につながります。大企業と同じリソースがなくても、この差別化戦略を実行することで、AWSエコシステム内で成功を収めることができるのです。
5.3. 専門知識とクラウド経験の重要性
Winnie Kuo: スタートアップやSMBパートナーにとって、専門知識とクラウド経験がいかに重要な差別化要因となるかについて掘り下げたいと思います。大企業に比べてリソースやブランド認知度が限られている場合でも、深い専門性を持つことで競争力を高めることができます。
特にサービスパートナーにとって、「クラウド経験と専門知識」は顧客獲得の鍵となります。顧客は一貫してAWSに特化したパートナーを求めています。これは単なる認定取得以上のものです。特定の業界、技術領域、またはビジネス課題における深い理解と実践的な経験が必要とされています。
AWS販売担当者と話すと、彼らが新しいパートナーを顧客に紹介する際に最も重視するのは、その顧客の特定のユースケースに対する専門知識の実証です。一般的なITサービスプロバイダーは無数にありますが、例えば「医療業界における機械学習モデルのセキュアなデプロイ」や「金融サービスのコンプライアンス要件を満たすクラウド移行」など、特定のニッチなユースケースに特化したパートナーは貴重な存在です。
Abhisheikh Lahoti: 専門知識を証明するための効果的な方法の一つが、AWS専門性プログラムへの参加です。コンピテンシー、サービス検証、Well-Architectedパートナーステータスなどの認定は、あなたの技術力と専門知識を客観的に証明するものです。これらのバッジは単なる飾りではなく、厳格な検証プロセスを経て獲得されるものであり、顧客とAWS販売チームの両方に対する強力な信頼シグナルとなります。
特筆すべきは、これらの専門性がパートナーマッチングエンジンのアルゴリズムに直接影響を与えるという点です。後ほどデータをお見せしますが、専門性認定を取得したパートナーは、そうでないパートナーに比べて、PMEによる推奨率が格段に高くなります。このような専門性は、顧客のユースケースとのマッチングの精度を高める重要なデータポイントなのです。
Luca Certini: もう一つ重要なのが実証された経験です。AWS Well-Architectedフレームワークに基づくレビューの実施、成功したマイグレーションプロジェクト、複雑な技術的課題の解決など、実践的な経験を積み重ねることが重要です。これらの経験は、ケーススタディやサクセスストーリーとして文書化し、ACEやパートナーセントラルで共有するべきです。
特に小規模なパートナーにとって、全ての領域をカバーするのではなく、特定の分野に特化することが効果的な戦略です。例えば、「小売業向けのデータアナリティクス」や「製造業向けのIoTソリューション」など、特定の業界と技術の組み合わせに焦点を当てることで、その領域でのリーダーとして認識される可能性が高まります。
Winnie Kuo: さらに、ローカライズされた専門知識も強力な差別化要因です。特定の地域や国に特化したサービス提供能力、言語サポート、地域特有の規制やコンプライアンス要件への理解は、グローバルパートナーとの競争において大きな優位性となります。
AWS販売担当者がパートナーを紹介する際、彼らにとって新しいパートナーであっても、その顧客の特定のユースケースに適した可用性とローカライズされた専門性があれば、彼らは喜んでそのパートナーを紹介します。つまり、大企業でなくても、特定の需要に応えられる専門性を持っていれば、AWSエコシステム内で重要な役割を果たすことができるのです。
最終的に、クラウド経験と専門知識の構築は継続的なプロセスです。技術の進化、業界トレンドの変化、新しいAWSサービスの登場に合わせて、常に学習し専門性を高め続けることが重要です。そうすることで、パートナーマッチングエンジンによる推奨の可能性を高め、ビジネス成長の機会を最大化することができるのです。
5.4. スピードの重要性と成約までの時間短縮
Winnie Kuo: スタートアップやSMBパートナーにとって、「スピード」は極めて重要な競争優位性です。大企業に比べて意思決定が迅速で官僚主義的な障壁が少ないという特性を活かし、迅速な対応と素早い価値提供を実現することができます。これがパートナーマッチングエンジン(PME)における重要な評価要素となります。
ACEやマーケットプレイスについて話しましたが、パイプライン案件を通じて顧客価値を加速する能力、そして成約までの時間は、特定のパートナーを選ぶ際にAWS販売担当者にとって真に重要な指標です。販売担当者は多くの場合、複数の顧客アカウントを同時に管理しており、素早く対応し、効率的に案件を進められるパートナーを高く評価します。
Abhisheikh Lahoti: 成約までの時間を短縮するには、いくつかの要素が重要です。まず、初期対応の迅速さです。顧客やAWS販売担当者からの問い合わせに対して、どれだけ早く、質の高い返答ができるかが最初の印象を決定づけます。ACEシステムでの応答性が高いパートナーは、PMEにおいてより高いスコアを獲得します。
次に、提案プロセスの効率化です。事前に準備された提案テンプレート、価格設定モデル、ソリューションアーキテクチャなどを用意しておくことで、顧客要件に合わせて迅速にカスタマイズした提案を行うことができます。特に、類似した顧客セグメントや業界向けの標準化されたアプローチを持つことは、提案サイクルを大幅に短縮します。
Luca Certini: また、契約プロセスの簡素化も重要です。AWS Marketplaceを活用することで、顧客は既存のAWS契約を通じて購入できるため、新たなベンダー審査や法務レビューのプロセスを回避できます。これにより、通常3〜6ヶ月かかる調達プロセスが数日または数時間に短縮されることもあります。特に企業規模の顧客との取引では、この時間短縮が決定的な競争優位性となり得ます。
製品デモやPoC(概念実証)の迅速な提供も、成約プロセスを加速します。顧客が製品の価値を素早く体験できるように、無料トライアル、サンドボックス環境、デモ環境などを用意しておくことが効果的です。顧客が実際の価値を目の当たりにすることで、購入決定が促進されます。
Winnie Kuo: パイプライン管理の効率化も成約時間の短縮に直結します。ACEでのパイプライン情報を常に最新の状態に保ち、案件の進捗状況を透明に管理することで、ボトルネックを早期に特定し解消できます。このデータはPMEにも取り込まれ、パートナーの応答性と効率性の指標となります。
スピードを重視したアプローチのもう一つの利点は、顧客満足度の向上です。問題解決や価値提供までの時間が短いほど、顧客の期待を上回る体験を提供できます。満足した顧客はリピート購入や紹介の可能性が高まるため、長期的なビジネス成長につながります。
最終的に、パイプライン案件の中で示されるスピードと効率性は、パートナーマッチングエンジンが学習する重要なシグナルとなります。パイプラインの健全性、案件の進行速度、成約までの期間などのデータは、パートナーの応答性と効率性を示す客観的な指標として評価されます。これらの指標で優れたパフォーマンスを示すパートナーは、PMEによる推奨確率が高まります。
スピードは単独の要素ではなく、先に述べた専門知識や顧客ニーズへの適合性と組み合わさることで、最大の効果を発揮します。正確かつ迅速な対応、専門的なソリューション提供、そして効率的なプロセスの実行―これらの要素を兼ね備えたパートナーは、規模に関わらず、AWSエコシステムで成功を収める可能性が高いのです。
6. デモンストレーション
6.1. 実際のパートナーマッチングエンジンの操作
Abhisheikh Lahoti: 三人から多くの説明をしましたが、ただ信じるだけではなく、実際のデモをお見せします。このパートナーマッチングエンジンは既にAWSフィールドスタッフに提供されており、これを通じて何千ものAWS案件が生成されています。そして、私たちはまだ表面をなでたに過ぎないと考えています。
それでは、パートナーマッチングエンジンの背景について学んだところで、実際の製品の動作をご紹介したいと思います。まず最初に行うのは、AWS内で顧客案件ページを表示することです。APOエンジニアリングチームはAWS CRMチームと提携して、販売担当者が日常的に使用するツール内に直接推奨が表示されるようにしています。
画面を下にスクロールして右側を見ると、推奨センターウィジェット内にPMEによる推奨が表示されています。ACE対象のコンサルティングパートナーとUSマーケットプレイスのリスティングを、それぞれ5つずつ表示しています。これらの推奨の中で、コンピテンシー、サービス、場所などを呼び出しています。
この推奨についてさらに詳しく知りたい場合は、このメニューを展開して、推奨された理由を確認できます。コンサルティングパートナーに対するコールトゥアクションは明確です。文字通りパートナーをクリックして、この顧客案件を直接このパートナーに関連付けることができます。マーケットプレイスのリスティングについても、例えばこの顧客が以前にこのマーケットプレイス販売者と協業したことがあるか、対象となるプログラム、ISBAパートナーであるかどうかなどを明記しています。
ここでのコールトゥアクションは異なります。マーケットプレイスのリスティングを案件に関連付けることはできませんが、潜在的なバイヤー(アカウント)と販売者の間の会話を始めることができます。
視点を変えて、今お見せしたのは進行中のオープン案件、特にAWS起源の案件についてのものです。しかし、まだ案件が利用できない場合でもパートナーを提示する必要があることは認識しています。そのため、PMEは顧客アカウント内でも直接パートナー推奨を表示します。これらも画面の右側に配置され、コンサルティングパートナーとテクノロジーパートナーの分割が見られます。
ここでは、例えばこのアカウントに関連するすべてのオープン案件でトップパートナーとして何回推奨されたかを示しています。その地域内で開始された案件数、業界に沿ったもの、などを示しています。テクノロジーパートナーシップについても同様です。
ここでのコールトゥアクションは、パートナーを重視し、パートナーを第一に考え、これらの推奨を使って、パートナーにメールを送るボタンをクリックするか、パートナーPDMと直接会話を始めることです。
私たちが今見たのはAWS Centralで、AWS販売担当者があなたが共有したデータに基づいて業務の流れの中であなたを発見する様子でした。私たちはここで行ったことだけで満足せず、継続的に改善を重ね、AWS現場スタッフは私たちが持っているものを気に入っています。
最初の引用で私が気に入っているのは、生成AIなどの新しい技術でも、パートナーマッチングエンジンが機能し、技術シフトに対応して適切なパートナーを特定しているという事実です。つまり、これは何年もの作業だけでなく、最近のトレンドにも基づいています。
こちらはCloud Sales Centerのシニアマネージャーである別のAWS現場スタッフからの証言です。この引用で私が気に入っているのは、これが大規模に行われる必要があるという事実です。数千人のAWS販売担当者がいても、それぞれが複数のアカウントを管理しており、各アカウントにどうやって参入するか、どのパートナーがこのユースケースに合うかをどうやって理解するかということを、誰もが知っています。そこでパートナーマッチングエンジンが非常に強力になり、「本当に規模を拡大し、あなたを適切な顧客問題を解決するためのすべてのアカウントに導入することができます」と言えるのです。
6.2. AWS営業ツール内での推奨表示方法
Abhisheikh Lahoti: AWS営業ツール内でのパートナーマッチングエンジン(PME)による推奨表示の仕組みについて、より詳細に説明します。このシステムは、AWS販売担当者の日常業務の流れに自然に組み込まれるよう設計されています。
まず重要なのは、PMEがAWS CRMシステム内に完全に統合されているという点です。APOエンジニアリングチームがAWS CRMチームと緊密に連携し、販売担当者が日常的に使用するツール内に直接推奨が表示されるようにしました。これにより、販売担当者は追加のシステムやインターフェースに切り替えることなく、必要な情報にアクセスできます。
顧客案件ページ内では、画面の右側に「推奨センター」というウィジェットが表示されます。この配置は意図的なものです。販売担当者が案件の詳細を確認しながら、同時に推奨パートナーを簡単に視認できるようになっています。この視覚的な近接性により、パートナー第一の考え方が自然に促進されます。
推奨センターウィジェット内では、PMEによる推奨が明確に表示されます。具体的には、ACE対象のコンサルティングパートナーとマーケットプレイスのリスティングが、それぞれ最大5つずつ表示されます。この数は、選択肢を提供しつつも情報過多にならないよう慎重に選ばれています。
各推奨項目には、意思決定に役立つ重要情報が簡潔に表示されます。コンピテンシー、専門サービス、地理的位置など、パートナー選定の重要な判断材料が一目で分かるようになっています。さらに、各推奨の横にある展開メニューをクリックすると、「なぜこのパートナーが推奨されたのか」という理由の詳細を確認できます。これにより、販売担当者は推奨の背景にあるロジックを理解し、顧客に対してより説得力のある提案ができるようになります。
コンサルティングパートナーの場合、コールトゥアクションは非常に明確です。パートナー名をクリックするだけで、その顧客案件をパートナーに直接関連付けることができます。この単純なワンクリックアクションにより、従来の複雑な手動紹介プロセスが大幅に簡素化されます。
マーケットプレイスのリスティングについては、異なるアプローチが取られています。顧客が以前にそのマーケットプレイス販売者と協業した経験があるか、対象となるプログラム、ISBAパートナーであるかどうかなどの情報が表示されます。ここでのコールトゥアクションは、潜在的なバイヤー(顧客アカウント)と販売者の間の会話を始めることに焦点を当てています。
このように、AWS営業ツール内での推奨表示は、単なる情報提供以上の機能を果たしています。それは販売担当者のワークフローを効率化し、適切なパートナーとの連携を促進し、最終的には顧客価値の創出を加速させる触媒となっているのです。PMEの推奨表示は、AWS販売担当者が顧客のニーズに最も適したパートナーソリューションを素早く特定し、提案するための強力なツールとなっています。
6.3. コンサルティングパートナーとマーケットプレイス製品の表示
Abhisheikh Lahoti: パートナーマッチングエンジン(PME)がAWS CRMシステム内でどのようにコンサルティングパートナーとマーケットプレイス製品を表示するのか、その詳細について説明します。この表示方法は、AWS販売担当者が最適なパートナーを効率的に選定できるよう慎重に設計されています。
推奨センターウィジェット内では、コンサルティングパートナーとマーケットプレイス製品がはっきりと区別されて表示されます。各カテゴリーで上位5つの推奨が表示されるため、合計で最大10の推奨がこのセクションに表示されることになります。この数は、十分な選択肢を提供しつつも、過剰な情報によって意思決定が困難にならないよう、バランスを考慮して決められました。
コンサルティングパートナーの表示では、各パートナーについて次のような重要情報が一目で分かるようになっています。まず、パートナー名と共に、保有するAWSコンピテンシーがバッジとして表示されます。これにより、そのパートナーが特定の技術領域や業界での専門性を持っていることが視覚的に分かります。例えば、セキュリティコンピテンシー、移行コンピテンシー、金融サービスコンピテンシーなどです。
次に、そのパートナーが提供する主要サービスが表示されます。これにより、販売担当者は顧客のニーズに合致するサービスを提供するパートナーをすぐに特定できます。また、パートナーの地理的な位置情報も表示されるため、顧客の地域要件に合致するかどうかを判断できます。
さらに詳細を知りたい場合は、「詳細を表示」オプションをクリックすることで、推奨理由の詳細を確認できます。ここでは、そのパートナーがなぜこの特定の顧客ユースケースに適していると判断されたのかの根拠が示されます。例えば、「類似業界での成功実績あり」「顧客と同じ地域での強い実績」「必要な技術スタックでの専門性」などの理由が表示されます。
Luca Certini: マーケットプレイス製品の表示も同様に情報が豊富です。各製品名に加えて、その製品がどのような問題を解決するのかが簡潔に説明されています。また、提供企業が顧客との過去の取引履歴があるかどうかも明示されます。これは特に重要な情報で、既存の関係がある場合は採用障壁が低くなる傾向があります。
また、その製品が参加しているプログラム、例えばISV Accelerate、ISV SaaSなどの情報も表示されます。これらのプログラムへの参加は、製品の品質や信頼性の指標となります。価格モデル(従量課金、サブスクリプション、一時払いなど)も表示され、顧客の予算計画に合わせた選択の参考になります。
さらに、無料トライアルやデモの有無も示されるため、顧客が低リスクで製品を評価できる可能性が一目で分かります。製品の主要機能やユースケースのハイライトも表示され、顧客のニーズに対する適合性を素早く判断できます。
Winnie Kuo: 特に重要なのは、これらの表示がただ情報を羅列しているだけではないという点です。パートナーマッチングエンジンは、顧客の特定のニーズや状況に基づいて、最も関連性の高いパートナーや製品を上位に表示します。例えば、金融業界の顧客であれば、金融サービスでの実績が豊富なパートナーや、金融機関向けの機能を持つ製品が優先的に表示されます。
また、表示順序はただのリストではなく、適合度や関連性のランキングを反映しています。つまり、最上位に表示されるパートナーや製品は、PMEのアルゴリズムが、その特定の顧客ユースケースに最も適していると判断したものです。
このように、コンサルティングパートナーとマーケットプレイス製品の表示は、単なる情報提供以上の役割を果たしています。それは、データに基づく意思決定を支援し、AWS販売担当者が顧客に最適なソリューションを迅速に提案できるようにする強力なツールなのです。
6.4. 顧客アカウント内での推奨表示
Abhisheikh Lahoti: パートナーマッチングエンジン(PME)は、進行中のオープン案件だけでなく、顧客アカウントのコンテキスト内でも推奨を表示します。これは非常に重要な機能です。なぜなら、多くの場合、具体的な案件が発生する前の段階で、適切なパートナーとの関係構築が始まるからです。
具体的には、AWS CRMシステム内の顧客アカウントページにも、右側のセクションに推奨が表示されます。ここでもコンサルティングパートナーとテクノロジーパートナーの両方が表示されるという分割表示が維持されています。
顧客アカウントレベルでの推奨表示には、特有の情報が含まれます。例えば、「このアカウントに関連するすべてのオープン案件でトップパートナーとして何回推奨されたか」という情報が示されます。これは非常に強力な指標です。複数の案件において繰り返し推奨されるパートナーは、そのアカウント全体にとって戦略的な重要性を持つ可能性が高いためです。
また、「その地域内で開始された案件数」も表示されます。これにより、そのパートナーがその特定の地理的市場でどの程度のアクティビティを持っているかが分かります。地域に特化した知識やリソースが必要な場合、これは重要な選択基準となります。
さらに、「業界に沿った案件数」も示されます。例えば、金融サービス業界の顧客アカウントを閲覧している場合、PMEは金融サービス業界での成功実績が豊富なパートナーを優先的に表示します。業界特有の規制要件や業務慣行への理解は、プロジェクトの成功において重要な要素だからです。
Luca Certini: テクノロジーパートナーシップ、つまりマーケットプレイス製品についても同様の情報が表示されます。ここでは、そのアカウントに特に関連性の高い製品が強調されます。例えば、その顧客が既に使用しているAWSサービスとの統合が優れている製品や、その顧客の業界で広く採用されている製品などです。
顧客アカウントレベルでの推奨表示におけるコールトゥアクションも重要です。ここでの目的は「パートナーを重視し、パートナーを第一に考える」ことを促進することです。具体的なアクションとしては、「パートナーにメールを送る」ボタンをクリックして直接コミュニケーションを開始するか、パートナーPDM(パートナー開発マネージャー)と会話を始めるオプションが提供されています。
Winnie Kuo: この機能が特に価値を発揮するのは、新規アカウントや、まだ具体的な案件が発生していないアカウントの場合です。このような「グリーンフィールド」の状況では、早期からパートナーを関与させることで、より戦略的なアプローチが可能になります。顧客のニーズを深く理解し、適切なソリューションを提案するための時間が確保できるからです。
顧客アカウント内での推奨表示は、AWS販売担当者に「パートナーファースト」のアプローチを常に意識させる役割も果たしています。どの顧客アカウントを閲覧していても、右側には常にパートナー推奨が表示されるため、パートナーとの協業の可能性を常に考慮するよう促されます。
このように、顧客アカウント内での推奨表示は、単に情報を提供するだけではなく、AWS販売文化そのものに影響を与え、「パートナー中心」のマインドセットを育成する役割を担っています。これはMatt Garmanが言及した「すべてのアカウントにパートナーを関与させる」というビジョンを実現するための重要な要素なのです。
7. AWS担当者からのフィードバック
7.1. 新技術への対応
Abhisheikh Lahoti: 実際の現場でパートナーマッチングエンジン(PME)がどのように評価されているかについて、AWS担当者からのフィードバックを共有したいと思います。特に注目すべきは、PMEが新しい技術トレンドや市場の変化に対してどれほど適応力を持っているかということです。
我々が受け取った最初の評価で私が特に気に入っているのは、生成AIなどの新しい技術においてもパートナーマッチングエンジンが効果的に機能し、新技術のシフトに対応して適切なパートナーを特定できているという点です。これは非常に重要な特性です。なぜなら、クラウド技術の世界は常に進化しており、昨日の専門知識が明日には時代遅れになる可能性があるからです。
AWS担当者の一人からは次のようなフィードバックをいただきました:「パートナーマッチングエンジンは、従来の技術ドメインだけでなく、生成AIのような新興技術領域でも適切なパートナーを特定してくれます。これにより、最新のテクノロジートレンドを探求している顧客に対しても、専門知識を持ったパートナーを素早く紹介することができています。」
この評価が示すように、PMEは単に過去のデータだけに基づいているわけではありません。もちろん、過去の成功事例や実績は重要な要素ですが、それと同時に最新のトレンドやパートナーの新しい専門性も認識しています。例えば、従来はデータ分析に特化していたパートナーが、最近になって生成AIの専門性を構築し始めた場合、PMEはそのシフトを認識し、適切な案件で推奨することができます。
Luca Certini: 新技術への対応力は、PMEの設計原則の一つです。システムは継続的に学習し、新しいデータポイントを取り込んでいます。パートナーが新しいコンピテンシーを獲得したり、新しい技術領域での成功事例を記録したりすると、その情報がPMEに取り込まれ、推奨アルゴリズムが更新されます。
さらに、AWS自体が新しいサービスやソリューション領域を発表した際には、PMEもそれに合わせて進化します。例えば、Amazon Bedrockの発表後、PMEは生成AI関連の案件においてAmazon Bedrockの専門知識を持つパートナーを識別し始めました。
Winnie Kuo: AWS担当者が特に評価しているのは、PMEが「新しい」と「実証済み」のバランスを取っている点です。新しい技術は常に注目を集めますが、実際の顧客導入においては、その技術の実装経験を持つパートナーが不可欠です。PMEは新しい技術領域でも、実証された経験を持つパートナーを識別することができます。
これは特にスタートアップやSMBパートナーにとって重要な機会となります。大企業よりも機敏に新技術に適応できる小規模なパートナーは、新興技術分野でいち早く専門性を構築することができます。PMEはこのような専門性を認識し、それに基づいた推奨を行うため、規模に関わらず、新技術の専門家として認められる機会が生まれるのです。
7.2. 大規模な導入効果
Abhisheikh Lahoti: パートナーマッチングエンジン(PME)の大規模な導入効果について、AWS現場スタッフから寄せられた実際のフィードバックを共有したいと思います。特にCloud Sales Centerのシニアマネージャーからいただいた証言は、PMEが大規模に展開された際の影響力を明確に示しています。
この証言で私が特に注目しているのは、PMEが大規模な環境でいかに効果的に機能するかという点です。AWSには数千人の販売担当者がおり、それぞれが複数の顧客アカウントを管理しています。この膨大な規模の中で、各アカウントにどうアクセスし、特定のユースケースにどのパートナーが最適かを理解することは、人力だけでは不可能な課題です。
Cloud Sales Centerのシニアマネージャーは次のように述べています:「パートナーマッチングエンジンにより、私たちのチームは数百の顧客アカウントに対して、一貫性のある質の高いパートナー推奨を提供できるようになりました。以前は、パートナー選定は個々の販売担当者の知識と関係性に大きく依存していましたが、今ではデータ駆動のアプローチにより、すべての顧客が最適なパートナーソリューションにアクセスできるようになっています。」
Luca Certini: この大規模な導入効果は、単に数の問題だけではありません。質の問題でもあります。PMEは、少数の「お気に入り」パートナーだけでなく、特定のニーズに最も適したパートナーを特定することができます。これにより、いわゆる「ロングテール」のパートナー、つまり特定のニッチな領域で高い専門性を持つものの、これまで十分な露出を得られなかったパートナーにも機会が生まれます。
実際、AWS販売組織内では、PMEの導入後、これまで紹介機会の少なかったパートナーへの紹介が増加したというデータが得られています。これは、エコシステム全体の健全性と多様性の向上につながります。
Winnie Kuo: もう一つの重要な大規模効果は、顧客体験の一貫性です。AWS販売担当者が個人的に知っているパートナーだけを紹介するのではなく、データに基づいて本当に最適なパートナーを紹介することで、すべての顧客が質の高いパートナーエクスペリエンスを得られる可能性が高まります。
AWS現場スタッフからは「PMEのおかげで、新しい業界や技術領域を担当することになった際でも、自信を持って適切なパートナーを紹介できるようになった」という声も寄せられています。これは特に新人の販売担当者や、新しい担当領域に移った販売担当者にとって大きな価値があります。
Abhisheikh Lahoti: 最終的に、PMEの大規模な導入効果は、Matt Garmanが述べた「すべてのアカウントにパートナーを関与させる」というビジョンの実現に直接貢献しています。手動プロセスでは実現不可能だった規模で、適切なパートナーと顧客をつなぐことができるようになりました。
これはAWSだけでなく、パートナーと顧客にとっても価値があります。パートナーはより多くの関連性の高い機会にアクセスでき、顧客はそのニーズに最も適したパートナーソリューションを見つけることができます。PMEは、文字通り「すべてのパートナーをすべてのアカウントに」という目標に向けて、AWSエコシステム全体の成長を促進する触媒となっているのです。
8. 効果を最大化するためのベストプラクティス
8.1. CRMとの統合(50%増の推奨率)
Luca Certini: パートナーマッチングエンジン(PME)の効果を最大化するためのベストプラクティスをいくつか共有したいと思います。最初に取り上げるのは、CRMとの統合です。これはPMEのパフォーマンスに大きな影響を与える非常に重要な要素です。
まず、CRM統合にはいくつかのオプションがあります。従来の方法であるCRM統合を利用することもできますし、AWSの独自APIを使用することも、CRM統合に特化したAWSパートナーを利用することもできます。このスライドから持ち帰っていただきたいのは、完全に統合されたパイプラインを持つことは「あれば良いもの」ではなく、ビジネスの成長にとって真のゲームチェンジャーだということです。
データによると、CRM統合されているパートナーは、統合されていない同等のパートナーに比べて50%も多く推奨されることが示されています。これを少し考えてみてください。それは2倍の差です。その理由は、CRM統合されていると、PMEにリアルタイムで豊富なデータを提供することになり、PMEはそのデータを使用して進行中のオープン案件に対する推奨を動的に調整できるからです。
CRM統合の利点は、推奨率の向上だけではありません。統合によって、販売サイクル全体の効率も大幅に向上します。ACEシステムとCRMの間で手動でデータを移動する必要がなくなるため、時間の節約になり、ヒューマンエラーも減少します。さらに、リアルタイムの案件更新により、あなたとAWS販売チームの両方が常に最新情報を把握できます。
Abhisheikh Lahoti: CRM統合を効果的に実施するためのポイントをいくつか紹介します。まず、統合はただデータを同期させるだけではありません。何をどのように同期させるかを戦略的に考える必要があります。案件情報、顧客データ、活動履歴など、PMEがより良い推奨を行うために役立つデータポイントを特定し、それらが正確に同期されるようにしましょう。
また、統合後も定期的にデータ品質を確認することが重要です。統合プロセスで情報が失われたり、誤って転送されたりしていないかを確認してください。データの不整合は、PMEの推奨精度に悪影響を及ぼす可能性があります。
統合の具体的な選択肢について言及すると、直接API統合は技術リソースがある場合に最も柔軟性がありますが、AWSパートナーが提供する既製のコネクタを使用することで、実装時間を大幅に短縮できます。パートナーネットワーク内には、Salesforce、Microsoft Dynamics、HubSpotなど、主要なCRMプラットフォームとの統合に特化したパートナーが存在します。
Winnie Kuo: CRM統合が推奨率を50%向上させるという驚異的な数字は、データが単なる管理上の負担ではなく、真の戦略的資産であることを示しています。統合されたシステムにより、あなたのチームはデータ入力を二重に行う必要がなくなり、その時間を顧客関係の構築や案件の成約に集中できるようになります。
また、CRM統合の別の利点として、案件のライフサイクル全体の可視性が向上することが挙げられます。これにより、どの段階で案件が停滞する傾向があるのか、どのような案件がより高い成約率を示すのかなど、貴重な洞察を得ることができます。これらの知見は、販売戦略の改善に役立つだけでなく、PMEがあなたの成功パターンをより良く学習するのにも役立ちます。
最終的に、CRM統合は単なる技術的な接続以上のものです。それは、あなたの組織とAWSの間のデータフローを最適化し、パートナーマッチングエンジンがあなたの強みを最大限に理解し活用できるようにするための戦略的投資なのです。
8.2. AWS Marketplaceへの掲載(50%増の推奨率)
Luca Certini: 既に述べましたが、AWS Marketplaceへの掲載の重要性を改めて強調したいと思います。これはただの選択肢ではなく、パートナーマッチングエンジン(PME)で推奨されるチャンスを大きく高める戦略的な必須事項です。
AWS Marketplaceへの掲載は単なる露出の問題ではありません。それは重要ですが、それだけが主要な要因ではありません。AWS Marketplaceに掲載することで、潜在的なバイヤーに送るメッセージは「あなたのソリューションは使用準備が整っている」ということです。つまり、そのソリューションは機能し、AWSサービスと統合されており、顧客は数分以内にそれを発見、分析、調達し、自分のインフラにデプロイする可能性があるということです。
このメッセージは非常に強力です。今日の顧客は、長い販売サイクルや複雑な調達プロセスを望んでいません。彼らはすぐに使えるソリューションを求めています。AWS Marketplaceへの掲載は、まさにそのような即時性と利便性を提供します。そのため、AWS Marketplaceへの掲載は案件を大幅に加速します。
しかし、PMEに関連する重要なデータポイントは、AWS Marketplaceに掲載すると、平均して50%多く推奨されるということです。これは非常に大きな違いです。つまり、マーケットプレイスに掲載することで、AWS販売担当者や顧客に自社のソリューションが紹介される機会が1.5倍になるのです。
なぜこれほどの差があるのでしょうか?それは、マーケットプレイスへの掲載が、PMEに豊富なデータを提供するからです。製品の詳細な説明、機能一覧、価格設定モデル、顧客レビュー、実際の使用パターンなど、これらすべてがPMEのアルゴリズムの貴重な入力となります。これにより、PMEはより正確に顧客ニーズとあなたのソリューションをマッチングできるようになります。
Abhisheikh Lahoti: AWS Marketplaceへの掲載には他にも多くの利点があります。まず、AWS顧客は既にAWSとの契約関係を確立しており、新しいベンダーとの契約プロセスをバイパスできるため、調達プロセスが大幅に簡素化されます。これにより、通常3〜6ヶ月かかる販売サイクルが数日または数週間に短縮される可能性があります。
また、多くの企業はAWSとの支出コミットメントを設定しており、AWS Marketplaceでの購入はこのコミットメントにカウントされます。これは顧客にとって強力なインセンティブとなり、購入障壁を低くします。
AWS Marketplaceへの掲載は、ISVだけでなくコンサルティングパートナーにとっても価値があります。Professional Services in AWS Marketplace (PSMP) を通じて、コンサルティングサービスを掲載することができます。これにより、製品とサービスの両方を単一の購入プラットフォームで提供することができ、顧客にとってのワンストップショッピング体験が実現します。
Winnie Kuo: AWS Marketplaceへの掲載戦略を最適化するためのいくつかのヒントをお伝えします。まず、製品の説明は可能な限り詳細にしてください。単に機能を列挙するだけでなく、顧客の課題をどのように解決するかを具体的に説明してください。特に、一般的なマーケティング用語を避け、明確で実用的な言語を使用することが重要です。
次に、製品のカテゴリ分類とタグ付けに注意を払ってください。これらは検索可能性と推奨アルゴリズムに直接影響します。業界、ユースケース、技術カテゴリなど、関連するすべてのタグを活用してください。
さらに、無料トライアル、デモ、従量課金などの購入オプションを提供することで、顧客がリスクなく製品を試せるようにしましょう。これらのオプションがある製品は、一般的に高い閲覧率と購入率を示しています。
最後に、AWS Marketplaceに掲載した後も継続的に最適化することが重要です。顧客のフィードバック、市場動向、技術の進化に応じて、リスティングを定期的に更新してください。新機能の追加、価格モデルの調整、説明の改善など、継続的な最適化はマーケットプレイスでの成功に不可欠です。
AWS Marketplaceへの掲載は、単なる販売チャネルの追加ではなく、PMEを通じてAWS販売チームとの共同販売を強化し、顧客獲得を加速するための戦略的投資なのです。50%の推奨率向上という数字が示すように、この投資のリターンは非常に大きい可能性があります。
8.3. データ品質の維持の重要性
Luca Certini: おそらく、これは誰にとっても最も好まれないベストプラクティスでしょう。その理由は理解できます。しかし、高品質なデータ衛生を維持することは、今日実行できる最も影響力のある取り組みの一つです。これは基本的な管理業務として考えられることが多く、見過ごされがちです。しかしLahotiが言ったように、「データはあなたのゴートゥーマーケットの資産」なのです。
パートナーマッチングエンジン(PME)は、あなたが入力するものしか使用できません。高品質な案件データやマーケットプレイスの取引データをPMEに提供すれば、それに対応して高品質な推奨が得られます。しかし、高品質なデータ衛生とは具体的に何を意味するのでしょうか?それは「具体的であること」を意味します。顧客との取引があった場合、その顧客の成功にどのように貢献したのかを正確に説明してください。
案件の説明において具体的であることが重要です。また、後ほど製品タグについても触れますが、すべてのエンゲージメントにわたって持っているデータをできるだけ多く追加してください。私たちはそのすべてをスキャンし、あらゆるデータポイントが重要だからです。
データ品質を高く維持するための具体的な方法についてご説明します。まず、案件説明は詳細で具体的であるべきです。「クラウド移行プロジェクト」といった一般的な記述ではなく、「レガシーOracleデータベースからAmazon RDSへの金融機関向け移行」のように具体的に記載してください。これにより、PMEはあなたの専門性と顧客のニーズをより正確にマッチングできます。
また、案件のライフサイクル全体にわたってデータを最新の状態に保つことも重要です。案件の進行状況、顧客との対話、技術的な詳細などの情報を定期的に更新してください。これにより、PMEは案件の現在の状態を正確に理解し、より適切な推奨を行うことができます。
Abhisheikh Lahoti: マーケットプレイスのリスティングについても同様です。製品詳細ページは単なるマーケティング資料ではなく、PMEがあなたの製品について学ぶための主要なデータソースです。製品説明では、解決する具体的な顧客課題、主要な機能、技術的な詳細、対象とする顧客セグメントなどを明確に記載してください。
また、適切なカテゴリとタグを選択することも重要です。これらは検索可能性と推奨の精度に直接影響します。関連するすべてのタグ(技術カテゴリ、業界、ユースケースなど)を使用してください。
さらに、ケーススタディや成功事例も質の高いデータポイントです。これらは具体的で、結果に焦点を当てたものにしてください。顧客の課題、提供したソリューション、実現した具体的な成果(パフォーマンス向上、コスト削減、時間短縮など)を含めると良いでしょう。
Winnie Kuo: データ品質維持のもう一つの重要な側面は一貫性です。組織内でデータ入力の基準を確立し、全員がそれに従うようにしてください。案件記述のテンプレート、標準的なフォーマット、共通の用語集などを作成すると良いでしょう。
また、定期的なデータレビューと監査も重要です。古くなったデータ、重複するエントリ、不正確な情報などを特定し修正してください。データの品質チェックを月次または四半期ごとのルーティンの一部にすることをお勧めします。
最後に強調したいのは、データ品質は単なる管理上の問題ではなく、ビジネス成長の鍵となる戦略的な取り組みだということです。高品質のデータは、より多くの推奨、より関連性の高い機会、そして最終的にはより多くの収益につながります。これは「地味な作業」かもしれませんが、その見返りは非常に大きいのです。
8.4. 専門性の証明(15倍の推奨率向上)
Luca Certini: パートナーマッチングエンジン(PME)の推奨率に最も劇的な影響を与える要素について、ぜひ共有したいと思います。AWS Marketplaceカタログと、より広くパートナーネットワークは継続的に成長しています。毎日、新しいユースケース、新しい地域、新しいパートナーがネットワークに加わっています。これは、顧客基盤が拡大し、ますます多様化しているからです。そのため、際立つことが非常に重要になっています。
Winnieが言及したように、専門性を示す具体的な方法の一つが、専門資格を通じてです。コンピテンシー、サービス認定などは、製品詳細ページに表示されるただのバッジではありません。顧客は、あなたがこれらの厳格なプロセスを経てきたことの価値を理解しており、そのような専門性を持つあなたをより信頼し、取引サイクルを短縮できることを知っています。
ここで驚異的なデータポイントを共有したいと思います。専門資格を取得したパートナーは、専門資格を持たないパートナーに比べて、PMEによって15倍多く推奨されます。ここで少し立ち止まってみましょう。15%ではなく、15倍です。これはタイプミスではありません。15倍とは、5%と95%の違いです。これは、AWS販売担当者や顧客に表示されるソリューションがあなたのものである可能性の違いです。
このことがビジネスの成長にどれほどの影響を与えるか考えてみてください。これは単なる小さな改善ではなく、ゲームチェンジャーとなり得る劇的な違いです。専門資格を取得することは、時間と労力がかかりますが、このデータが示すように、その投資リターンは極めて大きい可能性があります。
Abhisheikh Lahoti: 専門性を証明するためのAWSプログラムにはいくつかの種類があります。まずAWSコンピテンシーは、特定の技術領域や業界での深い専門知識を示します。セキュリティ、移行、データ分析、機械学習、メディアサービスなど、様々な技術カテゴリのコンピテンシーがあります。また、ヘルスケア、金融サービス、小売など、業界特化型のコンピテンシーもあります。
次にサービス検証は、特定のAWSサービスに関する専門知識を証明します。例えば、Amazon MSK、Amazon Redshift、Amazon Connect、AWS Control Tower、Amazon VPC などの特定サービスに関する検証があります。
AWS Well-Architectedパートナープログラムも重要です。これは、AWS Well-Architectedフレームワークに基づいて顧客のワークロードを評価する能力を証明します。この認定を受けることで、顧客環境のベストプラクティスを評価・改善する専門知識が認められます。
また、ISVパートナーにとっては、AWS Service Ready Program も重要です。これは、あなたの製品が特定のAWSサービスとの統合が検証済みであることを示します。これにより、顧客はその製品が特定のAWSサービスとシームレスに連携することを確信できます。
Winnie Kuo: ここで強調したいのは、これらの専門性プログラムは単なるマーケティングツールではないということです。それらは厳格な技術審査プロセスを経て取得されるものであり、真の専門知識と経験を反映しています。そのため、PMEのアルゴリズムはこれらの認定を非常に重視し、推奨プロセスにおいて高く評価するのです。
また、専門性は累積的な効果があります。複数の関連するコンピテンシーやサービス検証を取得することで、特定の分野での総合的な専門性を示すことができます。例えば、セキュリティコンピテンシー、AWS Security Hub Service Ready認定、関連するケーススタディを組み合わせることで、セキュリティ分野での包括的な専門性を証明できます。
最終的に、専門性の証明は時間とリソースへの投資を必要としますが、15倍という推奨率の向上が示すように、その見返りは非常に大きいものです。PMEの仕組みを考えると、専門性の証明は単なるオプションではなく、AWSエコシステム内で成功するための必須要素と言えるでしょう。
Luca Certini: 今までの内容をまとめ、これらのベストプラクティスを実施することで得られる効果を示したいと思います。AWS Marketplaceへの掲載による40%の向上、完全に統合されたパイプラインによる50%の向上、専門性の証明による15倍の向上、そして高品質なデータ維持による効果。ACEデータ、製品タグ、ソリューションの更新を含むメタデータなど、リスティングを更新する際には、常に豊富な情報を提供してください。Lahotiが言ったように、データはマーケティングにおいて最も価値ある資産なのです。
9. 今後の開発計画
9.1. パートナー機能のソース拡大
Winnie Kuo: ここまで、パートナーマッチングエンジン(PME)で現在取り込んでいるデータポイントについて説明してきました。私たちはこのシステムの精度と関連性を継続的に向上させるべく、さらなる改良を進めています。アカウントチームからのフィードバックに基づき、最も要望の多い機能をご紹介します。
まず一つ目は、パートナー機能のソースを拡大することです。現在、ACEとマーケットプレイスについて言及しましたが、何が不足しているか考えてみてください。次に、補完的なソリューションです。これはプロフェッショナルサービスとソフトウェアリスティングを組み合わせることや、サードパーティのサービスオファリングとファーストパーティのAWSサービスとの直接統合に関連しています。そして三つ目は、顧客需要とパートナーキャパシティです。
これは非常に興味深いテーマです。現在、パートナーマッチングエンジンは利用可能なパートナーを推奨していますが、顧客需要があってもパートナーが不足している領域をどのように予測できるでしょうか?これは非常に興味深い課題であり、モデルに組み込みたいと考えています。
追加予定のデータソースのいくつかを詳しく説明します。まず第一に、ケーススタディとソリューションを含める予定です。率直に言って、現在はケーススタディ資料やパートナーソリューションリスティングに特化したトレーニングは行っていませんが、これは取り組んでいる課題です。顧客ケーススタディは、専門分野における実証された顧客実績を示すものであり、認定バッジのレベルだけでなく、地域や業界、顧客ユースケースのレベルで専門性を直接顧客に示すことができます。
Abhisheikh Lahoti: ケーススタディは非常に重要なデータソースとなります。これらは実際の成功事例と具体的な成果を示す詳細な記録であり、技術的な複雑さ、業界特有の知識、グローバルな展開能力、規制遵守の経験など、多くの重要な情報を含んでいます。
例えば、あるパートナーが特定の業界で複雑なセキュリティ実装に成功した詳細なケーススタディを持っている場合、そのケーススタディからの情報はパートナーの専門性をより正確に捉え、類似した顧客ニーズに対してそのパートナーを推奨する精度を向上させることができます。
また、ケーススタディに含まれる固有の業界用語や技術的な詳細は、PMEのアルゴリズムがより微妙なニュアンスを理解するのに役立ちます。例えば、「金融サービスにおけるリアルタイムコンプライアンスモニタリング」というような特定のユースケースの専門性を特定するのに役立ちます。
Winnie Kuo: 二つ目の補完的ソリューションについてですが、これはACEにおける製品関連付けとソリューションタギング要件に関連しています。来年、オポチュニティとソリューションのタギング要件をリリースする予定です。これにより、オポチュニティ自体を超えたデータをトレーニングするためのデータが得られるようになります。
ACEで共同販売オポチュニティにソリューションやマーケットプレイスリスティングを関連付ける際、ソリューションに関するすべての情報がオポチュニティにすでにある情報を補完することができます。これにより、より包括的な理解が可能になり、パートナーの専門性と顧客ニーズのマッチングが向上します。
三つ目は、ACEオペレーションの改善です。現在のオープンパイプライン、共同販売を通じて収益を実現する能力、案件を迅速に進める能力に関するすべてのデータを組み込み、対応能力を反映する必要があります。パートナーの反応性、効率性、成功率などのデータは、PMEの推奨アルゴリズムにとって重要な要素となります。
Luca Certini: 顧客データとパートナー対応能力について、もう一つ考えを共有したいと思います。私たちはモデルに組み込む際に、業界別、地域別、ユースケース別にパートナーが必要な場所を直接皆さんに示すことができるようにしたいと考えています。これにより、現在のパートナー対応能力のネットワークマップを構築し、顧客需要を予測している場所と、パートナーと共同販売が必要な場所について洞察を皆さんに提供することができます。
これはパートナーエコシステム全体の健全性と成長を促進するための重要なステップとなります。パートナーが自社の能力開発と専門性の構築に投資する際の戦略的な意思決定に役立つデータ駆動の洞察を提供することを目指しています。
9.2. 補完的ソリューションの提供
Winnie Kuo: パートナーマッチングエンジン(PME)の次の開発段階として計画している「補完的ソリューション」の提供について詳しく説明します。これは、顧客の総合的なニーズに対応するための重要な機能拡張です。
現在、PMEはコンサルティングパートナーとソフトウェア製品を個別に推奨していますが、多くの顧客プロジェクトでは両方が必要とされます。例えば、新しいSaaSソリューションを導入する企業は、そのソフトウェアの実装と統合を支援するプロフェッショナルサービスも必要とすることがよくあります。PMEの次のステップは、これらの補完的なニーズを認識し、統合されたソリューションとして推奨することです。
この機能を実現するために、来年リリース予定のACEにおけるオポチュニティとソリューションのタギング要件を活用します。共同販売オポチュニティにソリューションやマーケットプレイスリスティングを関連付けることで、オポチュニティ自体の情報を超えた、より豊富なデータセットが得られます。例えば、クラウド移行プロジェクトの案件が、特定の移行ツールとそれを実装するサービスパートナーの両方と関連付けられている場合、PMEはこのパターンを学習し、将来の類似案件で同様の補完的な推奨を行うことができます。
Luca Certini: 補完的ソリューションのもう一つの重要な側面は、サードパーティのサービスオファリングとファーストパーティのAWSサービスとの直接統合です。多くの顧客はAWSネイティブサービスを基盤として使用し、それを拡張または強化するサードパーティソリューションを探しています。
例えば、Amazon S3のデータ保護を強化するサードパーティのセキュリティソリューション、Amazon RDSのパフォーマンス監視を改善するツール、あるいはAmazon Connectのカスタマーエクスペリエンスを拡張するCRMインテグレーションなどが考えられます。PMEは、特定のAWSサービスを使用している顧客に対して、そのサービスを補完するパートナーソリューションを推奨できるようになります。
この機能を実現するために、AWS Service Ready Program からのデータを活用します。このプログラムでは、特定のAWSサービスとの統合が検証されたパートナー製品を認定しています。これにより、顧客が現在使用している、または導入を検討しているAWSサービスに基づいて、補完的なパートナーソリューションを推奨することができます。
Abhisheikh Lahoti: パートナー間の相互補完的な関係も重要な考慮事項です。ISVパートナーとコンサルティングパートナーの間の成功した協業パターンを特定し、学習することで、PMEはより効果的なエコシステム全体の推奨を行うことができます。
例えば、特定のISVソリューションの実装に優れた実績を持つコンサルティングパートナーや、特定の業界向けのソリューションを共同開発している複数のパートナーなど、相性の良いパートナーの組み合わせがあります。私たちはACEシステム内でのこれらの協業パターンからデータを収集し、PMEのアルゴリズムに取り込む計画です。
また、AWS Marketplace Channel Partner Private Offers (CPPOs) のデータも活用します。これにより、ISVとチャネルパートナー間の既存の関係を把握し、顧客にとって最も効果的な組み合わせを推奨することができます。
Winnie Kuo: 最終的に、補完的ソリューションの提供は、顧客に「断片化されたソリューション」ではなく「総合的なソリューション」を提供することを目指しています。顧客は単一の製品やサービスを探しているのではなく、ビジネス課題を解決するための包括的なアプローチを求めています。PMEがこのような総合的な視点で推奨を行うことで、顧客の成功率が高まり、パートナーにとってもより価値の高い機会が生まれます。
さらに、このアプローチはAWSのエコシステム全体の健全性を促進します。パートナー間の相互補完的な関係を奨励することで、より強固で多様なパートナーネットワークが構築されます。これは「共創」の精神を体現するものであり、Matt Garmanが強調した「パートナーは共同発明者である」というビジョンに沿ったものです。
9.3. 顧客需要とパートナー対応能力の予測
Winnie Kuo: パートナーマッチングエンジン(PME)の開発における最も革新的な側面の一つが、顧客需要とパートナー対応能力の予測機能です。現在、PMEは既存のパートナーを顧客に推奨することに焦点を当てていますが、私たちはさらに一歩先を行き、市場のギャップを特定して対処することを目指しています。
これは非常に興味深い課題です。現在のPMEは現在利用可能なパートナーを推奨していますが、顧客需要があってもパートナーが不足している領域をどのように予測できるでしょうか?これはモデルに組み込みたい非常に興味深いテーマです。
具体的には、顧客からの需要があるにもかかわらず、適切なパートナーソリューションが不足している領域を特定することを目指しています。例えば、特定の地域での特定の業界向けの専門的なソリューション、あるいは新興技術分野での専門知識などが考えられます。このようなギャップを特定することで、パートナーの皆さんに戦略的なビジネス拡大の機会に関する貴重な洞察を提供することができます。
Luca Certini: この機能を実現するために、複数のデータソースを分析しています。まず、顧客のクエリと実際のマッチングの間のギャップを分析します。例えば、特定のタイプの顧客リクエストに対して適切なパートナーが見つからない、あるいは推奨の信頼度が低い場合、それは市場のギャップを示している可能性があります。
次に、AWS販売担当者からの直接のフィードバックも貴重なデータソースとなります。彼らは顧客と直接対話し、満たされていないニーズを最もよく理解しています。「特定のユースケースに対応できるパートナーを探している」というリクエストのパターンを分析することで、需要と供給のギャップを特定できます。
また、AWSの新サービスや機能のリリースも重要な予測指標となります。新しいAWSサービスが発表された際、それに関連するパートナーエコシステムが十分に発達していない場合があります。このような新技術領域は、早期に参入するパートナーにとって大きな機会となる可能性があります。
Abhisheikh Lahoti: もう一つの重要な側面は地理的な需要とパートナー対応能力のバランスです。AWS顧客は世界中に存在しますが、特定の地域ではパートナーの存在が限られている場合があります。PMEは地域ごとの顧客需要とパートナー分布を分析し、地理的なギャップを特定することができます。
特に多国籍企業は、グローバルな一貫性を持ちながらも地域に特化したサポートを提供できるパートナーを求めています。このようなニーズに応えるため、PMEは地域的な需要と対応能力のバランスを継続的に評価し、戦略的な拡大の機会をパートナーに提示する予定です。
Winnie Kuo: この予測機能によって生み出される価値は双方向的です。一方では、AWSとその顧客がニーズを満たすための適切なパートナーを見つけやすくなります。他方では、パートナーの皆さんが最も需要の高い領域に投資し、ビジネスを戦略的に拡大するための指針となります。
私たちは将来的に、パートナーダッシュボードを通じて「需要の高い領域」に関する洞察を共有することを計画しています。例えば、「金融サービス業界におけるアジア太平洋地域での機械学習実装に対する需要が増加している」といった具体的な洞察を提供し、パートナーがその領域での能力開発に投資できるようにサポートします。
パートナー対応能力の予測モデルも開発中です。このモデルは、パートナーの過去の実績、成長率、リソース能力などを分析し、特定のタイプの案件を処理する能力を予測します。これにより、パートナーが過剰な受注状態になることを防ぎ、高品質なサービス提供を確保することができます。
結局のところ、顧客需要とパートナー対応能力の予測は、AWSエコシステム全体の健全性と成長を促進するための重要なツールとなります。これにより、より多くの顧客ニーズが満たされ、パートナーの成功機会が拡大し、AWS全体のエコシステムがより強固なものになるでしょう。
10. 利用可能なリソースとアクション項目
10.1. CRM統合とマーケットプレイス掲載のためのリソース
Winnie Kuo: 本日は多くのトピックをカバーしましたので、ここで携帯電話を取り出して写真を撮ってください。CRM統合とマーケットプレイス掲載に関する自動化ページについて説明します。これらのリソースにアクセスしていただくことで、より迅速にリスティングを作成し、ACEとCRMを容易に更新するためのワークフローを自動化するのに役立ちます。
CRM統合に関しては、AWSは複数の選択肢を提供しています。従来のCRM統合を利用することもできますし、AWS独自のAPIを使用すること、あるいはCRM統合に特化したAWSパートナーのサービスを利用することも可能です。オートメーションページには、各オプションの詳細な説明と実装ガイド、よくある質問への回答が含まれています。
特に重要なのは、AWSパートナーネットワークAPIへのアクセス方法に関する情報です。これらのAPIを使用すると、パートナー情報、案件データ、マーケットプレイスリスティングなどを自動的に同期させることができます。技術チームや開発者にとって、これらのAPIは強力なツールとなります。また、API統合のためのサンプルコードやリファレンス実装も提供されています。
Luca Certini: マーケットプレイス掲載に関するリソースも充実しています。まず、AWS Marketplaceセラーガイドは、掲載プロセスを最初から最後まで案内する包括的なリソースです。製品準備、掲載申請、価格設定、製品詳細ページの最適化など、各ステップに関する詳細な情報が含まれています。
特に製品詳細ページ(PDP)の最適化に焦点を当てたセクションでは、効果的な製品説明の書き方、適切なカテゴリとタグの選択方法、魅力的な視覚的要素の追加方法などについてのベストプラクティスが紹介されています。
また、様々な購入オプション(公開価格設定、プライベートオファー、CPPOs)の設定方法に関するガイドも提供されています。これらのオプションは、様々な顧客セグメントに対応し、販売の柔軟性を高めるために重要です。
Abhisheikh Lahoti: 技術的なリソースに加えて、成功事例やケーススタディも提供しています。これらは、他のパートナーがCRM統合やマーケットプレイス掲載を通じてどのように成功を収めたかを学ぶのに役立ちます。特に、PMEを最大限に活用するためのベストプラクティスを実施した結果、どのような成果が得られたかについての具体的な事例が含まれています。
サポートリソースも充実しています。技術的な問題やプロセスに関する質問がある場合は、AWSパートナーサポートチームに問い合わせることができます。また、PMEの機能や最適化に関する質問については、専門のチームが対応しています。
Winnie Kuo: これらのリソースを効果的に活用するために、まず自動化ページにアクセスし、CRM統合とマーケットプレイス掲載に関する情報を確認することをお勧めします。その後、自社の具体的なニーズと目標に最も適したアプローチを特定し、必要なリソースやサポートを利用して実装を進めてください。
これらのリソースを活用し、CRM統合を実施し、AWS Marketplaceに製品を掲載することで、パートナーマッチングエンジンによる推奨率を大幅に向上させることができます。これは単なる技術的な統合以上のものであり、AWSエコシステム内でのビジネス成長と成功のための戦略的投資です。
10.2. AWS専門性プログラムの情報
Winnie Kuo: AWS専門性プログラムの詳細について説明します。これらのプログラムは、パートナーマッチングエンジン(PME)の推奨率を最大化するために極めて重要な要素です。先ほどLucaが言及したように、専門性を持つパートナーは専門性のないパートナーよりも15倍多く推奨されるというデータがあります。
AWS専門性プログラムは、コンピテンシー、サービス認定、Well-Architectedパートナーステータスなど、複数のカテゴリに分かれています。これらのプログラムのウェブページでは、各プログラムの詳細、取得するための要件、申請プロセス、そしてプログラム参加によるビジネス上のメリットについての包括的な情報を提供しています。
現在、AWコンピテンシーは業界別、ワークロード別、ユースケース別の三つの主要カテゴリに分類されています。業界別コンピテンシーには、金融サービス、ヘルスケア、小売、通信などがあります。ワークロード別コンピテンシーには、データとアナリティクス、SAP、ストレージ、マイグレーション、セキュリティなどが含まれます。そしてユースケース別コンピテンシーには、DevOps、IoT、機械学習、コンタクトセンターなどがあります。
Abhisheikh Lahoti: 各コンピテンシープログラムには、取得するための具体的な要件があります。これには通常、技術的な検証、顧客事例の提出、専門知識の証明などが含まれます。例えば、セキュリティコンピテンシーを取得するためには、セキュリティに関する技術的な専門知識、セキュリティソリューションの成功した実装事例、およびAWSセキュリティサービスに関する深い理解を証明する必要があります。
AWS専門性プログラムのページでは、各コンピテンシーの詳細な要件リスト、申請フォーム、そして申請プロセスのステップバイステップガイドを提供しています。さらに、各専門性プログラムに関する質問に答えるためのAWSコンピテンシーチームへの問い合わせ情報も記載されています。
Luca Certini: これらの専門性プログラムに参加することの利点は多岐にわたります。まず、先ほど述べたPMEでの推奨率の大幅な向上があります。また、AWSパートナーネットワークのウェブサイトでの優先的な掲載、マーケティング資料での専門性バッジの使用権、AWSイベントへの優先的な参加機会など、多くのマーケティング上の利点もあります。
さらに、特定のコンピテンシープログラムには、追加の資金調達の機会、専用のビジネス開発リソース、技術的なサポートなどの特典が含まれています。これらの特典は、AWSとのビジネスを成長させ、新しい顧客を獲得するための貴重なリソースとなります。
Winnie Kuo: 専門性プログラムに参加するための第一歩として、自社の強みと専門分野を評価し、どのコンピテンシーが最も適しているかを判断することをお勧めします。その後、AWS専門性プログラムのウェブページにアクセスし、選択したコンピテンシーの詳細な要件を確認してください。
要件を理解したら、不足している部分を特定し、それを満たすための計画を立てます。これには、追加の技術的なトレーニング、顧客事例の文書化、あるいはAWSサービスについての知識を深めることなどが含まれるかもしれません。
最終的に申請の準備が整ったら、オンライン申請フォームを通じて必要な情報と証拠を提出します。審査プロセスが完了すると、承認された場合にはコンピテンシーステータスと関連する特典が付与されます。
専門性の取得は一度限りのプロセスではなく、継続的な旅であることを覚えておいてください。定期的な再評価と更新が必要であり、常に進化するAWSテクノロジーとベストプラクティスに合わせて専門知識を更新し続けることが重要です。
10.3. 分析とインサイトへのアクセス
Winnie Kuo: 分析とインサイトページでアクセスできる新しいリソースについてご紹介します。現在、「What's New」ポストでいくつかのリソースを特定していますが、これらは実際に現在皆さんに公開しているものです。
分析とインサイトポータルでは、オープンパイプラインに基づく現在のパイプライン処理能力や、ローンチに関する情報など、パートナーとしてどのように認識されているかを確認できるようになりました。特に専門性を持ちACE対象となっているパートナーの場合、分析インサイトページのオポチュニティタブで、AWS共同販売の推奨スコアを直接確認することができます。
「What's New」ポストにアクセスして、リンクをたどってログインすれば、今すぐこれらの情報を確認することができます。これにより、自社がAWS販売チームにどのように認識されているか、どの領域で強みを持っていると評価されているか、そしてパートナーマッチングエンジン(PME)における自社のパフォーマンスを理解することができます。
Luca Certini: この分析ポータルは非常に強力なツールです。なぜなら、PMEが自社をどのように評価しているかについての透明性を提供するからです。例えば、特定の業界や技術領域での推奨スコアを確認することで、自社の強みと改善が必要な領域を特定することができます。
具体的には、オポチュニティタブでは各案件に対する推奨スコアを確認できます。このスコアは、その特定の顧客ユースケースに対する自社の適合度を示しています。高いスコアは、PMEがその案件に対して自社を強く推奨していることを意味します。一方、低いスコアは、特定の顧客ニーズに対応するための専門性やデータが不足している可能性を示唆しています。
Abhisheikh Lahoti: また、パイプライン処理能力の指標も重要です。これは、案件の進捗状況や成約率など、自社のパイプライン健全性を示しています。この情報は、AWS販売チームが自社の応答性と効率性をどのように評価しているかを理解するのに役立ちます。
この分析データを活用することで、具体的なアクション計画を作成できます。例えば、特定の業界でのスコアが低い場合、その業界での専門性を高めるための投資を検討できます。あるいは、特定のサービス領域での推奨スコアが高い場合、その強みをさらに活かすためのマーケティング戦略を立てることができます。
Winnie Kuo: この分析ポータルは静的なレポートではなく、リアルタイムで更新される動的なツールであることを強調しておきたいと思います。これにより、自社の取り組みやデータ品質の改善がPMEのスコアにどのように影響するかを継続的に監視することができます。
例えば、CRM統合を実施した後や、新しい専門性を取得した後、あるいはAWS Marketplaceに新製品を掲載した後に、推奨スコアがどのように変化するかを追跡できます。これにより、どの取り組みが最も効果的であるかを評価し、リソースを最適に配分することができます。
分析とインサイトポータルへのアクセス方法は非常に簡単です。パートナーセントラルにログインし、「Analytics & Insights」セクションに移動するだけです。「What's New」ポストで紹介されているリンクを使用すれば、直接関連ページにアクセスすることもできます。
このツールを最大限に活用し、データに基づいた戦略的決定を行うことで、AWSエコシステム内での存在感と成功を高めることができます。
10.4. マーケットプレイスとパートナーセントラルアカウントのリンク方法
Winnie Kuo: マーケットプレイスとパートナーセントラルのアカウントをリンクする方法について説明します。私たちは2つのポータルを統合しているところです。これにより、共同販売(ACE)とマーケットプレイスでのプロダクト主導の成長の両方で、皆さんが既に投資したデータから学ぶことができるようになります。
このリンク機能は非常に重要です。これまで、多くのパートナーはマーケットプレイスアカウントとパートナーセントラルアカウントを別々に管理しており、それぞれのプラットフォームで異なるチームが作業していることがよくありました。これにより、データサイロが生まれ、両プラットフォームから得られる洞察の統合が難しくなっていました。
アカウントをリンクすることで、パートナーマッチングエンジン(PME)はより包括的なデータセットにアクセスでき、より正確な推奨が可能になります。例えば、ACEで記録された成功事例とマーケットプレイスでの製品パフォーマンスデータを組み合わせることで、特定の顧客セグメントに対する総合的な強みをより明確に理解できるようになります。
Luca Certini: リンクプロセスは非常にシンプルです。まず、パートナーセントラルのアカウント設定セクションに移動します。そこで「Link AWS Marketplace Account」オプションを見つけることができます。このオプションをクリックすると、マーケットプレイスアカウント認証情報の入力を求められます。
マーケットプレイスアカウントについては、販売者アカウントID、セラー名、承認された管理者の連絡先情報などの基本情報を提供する必要があります。この情報を入力すると、検証プロセスが開始されます。検証が完了すると、両方のアカウントが正式にリンクされます。
リンクプロセスに関する重要な注意点として、このリンクを確立するには両方のアカウントで管理者権限が必要です。そのため、組織内の適切な権限を持つ人が、このプロセスを完了する必要があります。
Abhisheikh Lahoti: アカウントをリンクすることで得られる利点は、データ共有だけではありません。これにより管理作業も簡素化されます。例えば、リンク後は会社情報、連絡先の詳細、基本的なプロファイル情報などを一か所で更新するだけで、両方のプラットフォームに反映されます。これにより、データの一貫性が向上し、管理の手間が軽減されます。
また、アカウントがリンクされると、分析とインサイトポータルで両プラットフォームからの統合されたレポートと分析にアクセスできるようになります。これにより、マーケットプレイス製品の販売データとACEでの共同販売活動を相関させるなど、より包括的な洞察を得ることができます。
Winnie Kuo: アカウントのリンクに関する詳細情報とヘルプは、パートナーセントラルのヘルプセクションで見つけることができます。また、技術的な問題やプロセスに関する質問がある場合は、AWSパートナーサポートチームに問い合わせることができます。
アカウントリンクプロセスを開始する前に、組織内の関連するステークホルダー全員(マーケットプレイスチーム、パートナーアライアンスチーム、技術チームなど)が連携していることを確認してください。これにより、スムーズな移行と、リンク後の両プラットフォームの効果的な活用が保証されます。
最後に、これは単なる技術的な統合ではなく、組織内のチーム間のより緊密な協力を促進する機会でもあることを強調したいと思います。マーケットプレイスチームとパートナー管理チームが緊密に連携することで、AWSエコシステム内での存在感と成功を最大化するための、より統合された戦略的アプローチを実現できます。
10.5. 追加リソースと関連セッション情報
Winnie Kuo: パートナーマッチングエンジン(PME)に関連する追加リソースとセッション情報をご紹介します。今日のセッションで学んだ内容をさらに掘り下げたい方のために、いくつかのライトニングトークと追加セッションが用意されています。
午後からベネチアンに向かう方は、エキスポホールのパートナーブースにお立ち寄りください。そこではバイヤーマーケットプレイス製品リーダーが、リスティングの最適化方法について説明します。プロダクト主導の成長についてLucaが既に少し触れましたが、彼らはさらに詳しく掘り下げ、直接面会して詳細を話し合うことができます。
明日はCRM統合に関する専門家が、販売サイクルを自動化するための方法と、CRM統合の様々なオプションとメリットを紹介します。CRM統合が推奨率を50%向上させるという話をしましたが、この専門家セッションでは、その実装方法について具体的なガイダンスを提供します。
また明日、PEX115セッションでは、LucaがACE製品リーダーと共に登壇し、販売業務を加速するために既に提供しているデータ資産をどのように活用できるかを紹介します。これは、ACEシステムとパートナーマッチングエンジンを最大限に活用するための実践的なセッションになります。
これらのセッションに加えて、パートナーセントラルには広範なドキュメントリソースがあります。特に「パートナーマッチングエンジン」のセクションでは、PMEの機能、最適化方法、よくある質問への回答、トラブルシューティングガイドなど、包括的な情報が提供されています。
Luca Certini: また、AWSパートナーネットワークブログも貴重な情報源です。定期的に更新される記事では、PMEに関する最新情報、成功事例、ベストプラクティスなどが共有されています。RSSフィードを購読するか、ソーシャルメディアでフォローすることで、最新情報を見逃さないようにすることをお勧めします。
技術的な側面に関しては、AWSパートナーネットワークAPIドキュメントが非常に有用です。これには、CRM統合の実装、データ同期の自動化、分析データへのプログラムによるアクセスなど、PMEとのプログラム的な連携に関する詳細情報が含まれています。
Abhisheikh Lahoti: 最後に、AWSパートナーソリューションアーキテクトやパートナーデベロップメントマネージャーなど、皆さんを担当するAWSチームメンバーも重要なリソースです。彼らは皆さんの特定のビジネスニーズに合わせたガイダンスを提供し、PMEを最大限に活用するための戦略的なアドバイスを行うことができます。
定期的に開催されるパートナーウェビナーやバーチャルワークショップにも参加してください。これらはPMEの新機能、最新のベストプラクティス、そして他のパートナーがどのように成功を収めているかについての洞察を得る絶好の機会です。
Winnie Kuo: 皆さん、写真を撮りましたか?我々はセッションの最後に近づいています。モバイルアップでセッション調査を完了してください。質問については、次のセッションの準備ができるよう、ホール外でお受けします。皆さん、どうもありがとうございました。