※本レポートは、2024年衆議院選挙に向けて開催された党首討論会の内容を基に作成されています。討論会の詳細情報は、本ページ最下部にあるURLよりご覧いただけます。 本レポートでは、討論会の内容を要約し分析しております。なお、本レポートの内容は各党首の発言を正確に反映するよう努めていますが、要約や解釈による誤りがある可能性もありますので、正確な情報や文脈については、オリジナルの動画をご視聴いただくことをお勧めいたします。また、各政党の公式ウェブサイトやソーシャルメディアアカウントもご参照ください。本レポートの内容は、特定の政治的立場を支持または反対するものではなく、情報提供を目的としています。
1. 序章:2024年衆議院選挙に向けた党首討論会の概要
1.1 概要
本章では、2024年衆議院選挙に向けて開催された2つの党首討論会の内容を総合的にまとめています。1つは日本記者クラブ主催の討論会、もう1つはニコニコ動画主催のネット党首討論です。これらの討論会は、10月15日に公示され27日に投開票が行われる第50回衆議院議員選挙を前に開催されました。
1.2 参加政党と党首紹介
討論会には以下の政党の党首が参加しました:
- 自由民主党:石破茂総裁
- 立憲民主党:野田佳彦代表
- 日本維新の会:馬場伸幸代表
- 公明党:石井啓一代表
- 日本共産党:田村智子委員長
- 国民民主党:玉木雄一郎代表
- れいわ新選組:山本太郎代表
- 社会民主党:福島みずほ党首
- 参政党:神谷宗幣代表
2. 経済政策
2.1 各党の基本的な経済政策
2.1.1 自由民主党:日本創生と付加価値型経済への転換
石破茂(自由民主党総裁):私たち自由民主党は、「日本創生」をスローガンに掲げ、付加価値型経済への転換を目指しています。具体的には以下の政策を推進します:
- コストカット型経済からの脱却:
- 賃金を上げ、下請けへのしわ寄せをなくす
- 個人消費を上げ、物価上昇を上回る賃金上昇を実現
- 将来不安の払拭と設備投資の促進:
- 社会保障制度の充実などを通じて、将来への不安を解消
- 企業の設備投資を促進し、付加価値の高い商品やサービスを生み出す
- デフレからの完全脱却:
- GDPの54%を占める個人消費の上昇を目指す
- 国内生産の強化:
- 海外に出た生産拠点をできる限り国内に戻す
- 農業、漁業、林業など付加価値が伸びる産業を育成
- 労働分配率の向上:
- 企業収益の中で、労働者への還元を増やす
- 内部留保の過度な蓄積を抑制し、賃金への還元を促進
- 中小企業の賃上げ支援:
- 適正な価格転嫁ができるよう対策を講じる
- 下請けたたきのような行為は許さず、付加価値に見合った適切な対価の支払いを促進
- 安全保障環境への対応:
- 厳しい安全保障環境に対応した経済政策の展開
- 人口減少対策:
- 人口減少に対応した経済構造の構築
- 物価上昇への対応:
- 30年ぶりの物価上昇に苦しむ国民への支援策の実施
- 地方の疲弊と都市の過密解消:
- 地方創生と都市問題解決の両立を目指す
- 災害大国としての対策:
- 世界有数の災害大国である日本の特性を踏まえた経済政策の展開
これらの政策を通じて、日本のあり方を根本から変え、日本経済の復活を実現します。
2.1.2 立憲民主党:人への投資と成長分野への重点施策
野田佳彦(立憲民主党代表):私たち立憲民主党は、人への投資と成長分野への重点的な投資を経済政策の柱としています。具体的には以下の政策を推進します:
- 成長分野への集中投資:
- 環境・エネルギー(グリーン)分野
- デジタル分野
- 雇用確保が見込まれる分野
- 社会起業家支援:
- ビジネスと社会的課題解決を両立するインパクト投資の促進
- 賃上げの実現:
- 物価上昇率を上回る賃金上昇の実現
- 2020年代までに最低賃金1500円を目指す(年率8%の引き上げ)
- 人材投資の強化:
- リカレント教育の推進
- リスキリングの支援
- 労働生産性向上のための取り組み
- 中小企業の賃上げ支援:
- 中堅・中小企業が賃上げできる環境整備
- 具体的な支援策の検討
- 消費税の見直し:
- 抜本的な見直しの必要性を認識
- 20数兆円の財源不足への対応策の検討
- 地方財政への影響を考慮した慎重な検討
- 政権運営の反省を踏まえた政策立案:
- 過去の政権運営の反省(例:官僚主導vs政治主導の問題、マニフェストの実現可能性)
- 熟議の重要性の認識
これらの政策を通じて、強い経済の構築と持続可能な成長の実現を目指します。また、政権交代による政治改革を通じて、これらの政策の実現を図ります。
2.1.3 日本維新の会:中小企業支援と教育無償化
馬場伸幸(日本維新の会代表):私たち日本維新の会は、「古い政治を打ち破れ」をスローガンに掲げ、以下の政策を推進します:
- 中小企業の実態に即した支援:
- 製造業の多層的下請け構造(下請け、孫請け、ひ孫請け)を考慮した政策立案
- 大手企業への過度の依存からの脱却支援
- 価格転嫁の難しさを認識した支援策の検討
- 若年層・子育て世代への直接的支援:
- 消費税の減税
- 教育の無償化推進
- 行財政改革による財源確保:
- 大阪での事例:行財政改革で生み出した財源を教育無償化に活用
- 全国での展開を目指す
- 効果的な財政支出:
- 大企業への補助金や税制優遇よりも、国民への直接還元を重視
- 納税者である国民の近くに税金を投資
- 賃上げ政策の現実的アプローチ:
- 単純な賃上げ要求ではなく、労働者、特に若い世代や子育て世代へのサポートを重視
- 消費喚起策:
- 国民の可処分所得を増やすことで消費を喚起
- 例:1人あたり年間10万円の消費増加で12兆円の経済効果
これらの政策を通じて、国民の生活を改善し、30年間停滞している日本経済を再生させることを目指します。また、夢や希望に満ち溢れた社会を再び作り出すことを目標としています。
2.1.4 公明党:物価高対策と経済の好循環
石井啓一(公明党代表):私たち公明党は、「希望の未来は実現できる」をスローガンに掲げ、以下の政策を推進します:
- 短期的な物価高騰対策: a) 電気・ガス・ガソリンと燃料油への支援継続 b) 低所得世帯や年金世帯への給付 c) 自治体が行う物価高騰対策を支援する重点支援地方交付金の支出
- 中長期的な経済の好循環創出:
- 物価上昇 → 賃金上昇 → 消費拡大 → さらなる物価上昇というプラスの循環を目指す
- 中小企業の賃上げ支援: a) 労務費を含む価格転嫁を促進するための下請法の改正 b) 中小企業の生産性向上支援(人材投資、設備投資、IT投資など) c) 最低賃金の1500円への引き上げ
- 価格転嫁の促進:
- 大企業による優越的地位の濫用を防止
- 下請法の改正による価格転嫁の促進
- 中小企業の生産性向上:
- 人への投資支援
- 設備投資支援
- IT投資支援
これらの政策を組み合わせて実施することで、短期的な物価高騰対策と中長期的な経済成長の両立を図ります。また、国民目線の政策立案を心がけ、国民の期待に応える政治を実現していきます。
2.1.5 日本共産党:大企業優遇是正と中小企業支援
田村智子(日本共産党委員長):私たち日本共産党は、「自民党政治の歪みを正す改革」を目指し、以下の政策を推進します:
- 中小企業への直接支援:
- 大企業向け賃上げ促進税制(法人税減税)に対し、中小企業にも直接支援を実施
- フランスの例を参考に、社会保険料の事業主負担分の減額・免除を検討
- 内部留保課税による財源確保:
- アベノミクスで増加した内部留保に時限的課税を実施
- 5年間で10兆円規模の中小企業賃上げ支援財源を確保
- 最低賃金引き上げ:
- 1500円実現を目指す
- 消費税対策:
- 最終的な廃止を目指しつつ、当面は5%への緊急減税を提案
- 労働時間短縮:
- 賃上げと併せて労働時間短縮を推進
- 自由な時間を増やし、より豊かな経済の実現を目指す
- 憲法に基づく経済政策:
- 憲法に定められた基本的人権の実現を経済政策の基本に据える
- 男女間の賃金格差や間接差別の解消
- 選択的夫婦別姓の実現
- 原発政策の見直し:
- 原発の高コスト体質を指摘
- 再生可能エネルギーの普及による電気代抑制を提案
これらの政策を通じて、大企業優遇・中小企業いじめの経済構造を改革し、全ての国民が豊かさを実感できる経済の実現を目指します。また、憲法に定められた権利を実現する政治への転換を図ります。
2.1.6 国民民主党:手取りを増やす経済政策
玉木雄一郎(国民民主党代表):私たち国民民主党の経済政策は極めてシンプルで、「手取りを増やす経済政策」です。現在の日本経済の問題点は、民間の努力によってようやく5%、4%、3%と33年ぶりの高い賃上げが実現しつつあるにもかかわらず、税金と保険料の負担が高すぎるため、実際の手取りが増えていないことです。
この状況を改善するために、私たちは以下の具体的な政策を提案しています:
- 所得税の壁の引き上げ: 現在の103万円の壁を178万円まで引き上げ、その範囲内であれば無税で働けるようにします。これにより、最低賃金が上がっても実際の手取りが増えるようになります。
- ガソリン税の暫定税率廃止: 50年前に作られたガソリン税の上乗せ部分、いわゆる暫定税率(25円10銭)を廃止します。これにより、ガソリン価格が下がり、物流コストも下がることで、物価上昇を抑える効果が期待できます。
- 医療制度改革: 高齢者医療制度を見直し、現役世代の社会保険料負担を引き下げます。
これらの政策を通じて、減税と社会保険料負担の軽減を実現し、若者の手取りを増やすことを目指します。
さらに、私たちは経済の「高圧経済」という考え方を提唱しています。これは、経済を少し加熱気味に運営し、30年続いたデフレマインドを脱却することを目指すものです。具体的には、あと半年から1年程度は現在の政策を継続的に実施すべきだと考えています。
2.1.7 れいわ新選組:消費税廃止と給付金政策
山本太郎(れいわ新選組代表):私たちれいわ新選組は、「失われた30年を取り戻す」をスローガンに掲げ、大胆な経済政策を提案しています。日本は先進国で唯一、30年間も不景気が続いている国です。そこにコロナ禍と物価高が重なり、国民は三重苦の状態に陥っています。
具体的な数字を見ると、国民の6人に1人が貧困状態にあり、1人暮らしの女性の4人に1人が貧困です。倒産件数も過去最高に迫る勢いで増加しており、その8割が不況型倒産です。
このような状況を改善するために、私たちは以下の政策を提案しています:
- 消費税の廃止
- 社会保険料の減免
- 物価高が収まるまでの現金給付
- 国内製品の政府による買い上げ(政府調達)
特に政府調達については、アメリカの例を挙げ、毎年8兆円規模で実施され、製造業の復活に貢献していることを指摘しています。これを「令和のバイ・ジャパニーズ計画」と呼び、2050年までの間に年間6兆円を超える規模の市場が生まれると予測しています。
私たちは、現在の日本には徹底的な景気刺激策が必要だと考えています。景気が良くならなければ賃金は上がらないため、徹底的な底上げ政策が必要不可欠です。
2.1.8 社会民主党:公平な税制と労働法制改革
福島みずほ(社会民主党党首):私たち社会民主党は、「頑固に平和、暮らしが一番、税金は暮らしに」をスローガンに掲げ、以下の経済政策を提案しています。
- 公平な税制の実現: 3年間消費税を0%にし、その間、大企業の内部留保(現在600兆円)に課税することを提案しています。
- 労働法制の改革: 現在、労働者の4割がパート、派遣、契約社員となっています。これが女性、高齢者、若者の貧困を深刻化させています。労働法制を改革し、正社員化への道を開き、同一価値労働同一賃金の原則を実現することを目指しています。
- 防衛予算の見直し: 防衛予算が約10兆円に達しようとしていることで、福祉、教育、介護などの予算が圧迫されています。この状況を改め、国民の生活を支える分野に予算を振り向けることを提案しています。
- 教育の無償化: 大学の授業料を含む教育費の無償化を目指しています。
これらの政策を通じて、すべての人が安心して暮らせる社会、そして経済的にも豊かな社会を実現することを目指しています。
2.1.9 参政党:積極財政と国産化推進
神谷宗幣(参政党代表):私たち参政党は、「日本をなめるな」をスローガンに掲げ、以下の経済政策を提案しています。
- 積極財政と減税による経済成長: 積極的な財政出動と減税政策を通じて、経済成長を促進し、失われた30年の遅れを取り戻すことを目指しています。例えば、消費税を0%にすることで、10%の賃金上昇と同じ効果が得られると考えています。
- 外国資本による日本買収と過度な移民受け入れの抑制: 日本経済の自立性を保つため、外国資本による過度な日本企業の買収を防ぎ、また過度な移民の受け入れに歯止めをかける必要があると考えています。
- 国民の負担率の引き下げ: 現在45%の国民の負担率を35%程度にキャップをかけることを提案しています。
- インフラの再国有化: 郵便局などの再国有化を通じて、国内でお金が循環する仕組みを取り戻すべきだと考えています。
- ITインフラの国産化: ITの国産化を進めることで、海外への資金流出を防ぎ、日本経済の自立性を高めることを目指しています。
これらの政策を通じて、日本の経済的自立を取り戻し、すべての国民が豊かさを実感できる社会を作り出すことを目指しています。
2.2 経済政策と賃上げに関する議論
2.2.1 賃上げの必要性と課題
石破茂(自由民主党総裁): コストカット型の経済を改め、個人消費を上げることが重要です。物価上昇を上回る賃金上昇を実現し、将来の社会不安を払拭することで設備投資を促進します。これにより付加価値の高い商品・サービスを生み出し、GDP全体の54%を占める個人消費を上昇させ、デフレからの完全脱却を目指します。
野田佳彦(立憲民主党代表): 賃金の引き上げが最重要課題です。労働生産性を向上させるために、人への投資が必要不可欠です。リカレント教育やリスキリングなどを通じて、労働生産性を向上させることが重要です。
馬場伸幸(日本維新の会代表): 中小企業の現状を考慮すると、賃上げは非常に困難です。特に製造業では多層的な下請け構造があり、大手企業の発注に依存せざるを得ない状況です。若い世代や子育て世代へのサポートが重要であり、消費税の減税や教育の無償化を進めるべきです。
2.2.2 労働分配率の向上と企業の役割
石破茂(自由民主党総裁): 労働分配率を上げることが重要です。企業が得た収益を、どれだけ株主に分配し、どれだけ賃上げに使ったか、どれだけ設備投資に使ったかを見る必要があります。これまでは雇用を守ることに重点が置かれてきましたが、今後は賃金を上げることにも注力すべきです。
玉木雄一郎(国民民主党代表): 労働市場から反逆を受ける時代が来ると考えています。これまでは資本の提供者に対して報いることを重視してきましたが、これからは労働力の提供者に対してきちんと報いることができない企業は淘汰されるでしょう。人口減少やAIの導入により、労働力の提供者に対して適切に還元することが重要になります。
2.2.3 具体的な経済政策
山本太郎(れいわ新選組代表): 日本経済は30年間の不景気に加え、コロナ禍と物価高に直面しています。国民の6人に1人が貧困状態にあり、1人暮らしの女性の4人に1人が貧困です。倒産件数も増加しており、その8割が不況型倒産です。景気を徹底的に刺激する必要があります。具体的には、消費税の廃止、悪い物価高が収まるまでの給付金の支給、政府による国内製品の大胆な買い上げなどを提案しています。
玉木雄一郎(国民民主党代表): 手取りを増やす経済政策が重要です。具体的には、所得税の103万円の壁を178万円まで引き上げ、無税で働ける範囲を拡大します。また、ガソリン税の暫定税率を廃止し、物流コストを下げることで物価上昇を抑制します。さらに、医療制度改革を行い、個人と事業主の社会保険料負担を軽減します。
2.3 物価高対策と経済政策
2.3.1 短期的な物価高対策
石井啓一(公明党代表):私は、足元の物価高騰対策をしっかりと行う必要があると考えています。具体的には、電気・ガス代、ガソリンと燃料油への支援の継続が重要です。また、低所得世帯や年金世帯への給付も必要です。さらに、自治体が行う物価高騰対策を支援する重点支援地方交付金の支出も重要だと考えています。
2.3.2 中長期的な経済対策
石井啓一(公明党代表):中長期的には、経済の好循環を作り出すことが重要です。物価の上昇を賃金の上昇につなげ、それが消費の拡大を促し、さらなる物価上昇につながるというプラスの循環を作る必要があります。そのためには、中小企業の賃上げが重要で、労務費を含む価格転嫁を促す下請法の改正も含めて対応すべきです。また、中小企業の生産性向上支援や最低賃金の1500円への引き上げなども組み合わせて実施すべきだと考えています。
2.3.3 エネルギー政策と電気代対策
玉木雄一郎(国民民主党代表):私は、電気代の問題が国民生活に根付いた重要な問題だと考えています。現在の電気代高騰の原因は、再生可能エネルギー政策の間違いにあります。再エネのあり方を見直し、再エネ賦課金を下げれば、国民の生活はだいぶ楽になると考えています。
石破茂(自由民主党総裁):私は、再生可能エネルギーを主力電源にしていくことが重要だと考えています。同時に、原子力発電所の安全基準を満たしたものは再稼働を進めるべきです。例えば、九州電力管内では、家庭用も事業用も電気代が他地域と比べて2割安くなっています。大きな課題はありますが、脱炭素のことを考えると、再生可能エネルギーを主力電源にしていくことは重要です。
田村智子(日本共産党委員長):私は、原子力発電は高コストだと考えています。テロ対策などで、むしろ再エネよりも高くなっています。また、原発を動かすために再エネで発電したものを捨てているという矛盾もあります。長期的に見れば、再エネの普及の方が電気代を抑える上で有効だと考えています。
2.3.4 消費税と経済対策
馬場伸幸(日本維新の会代表):私は、消費税の減税を提案します。例えば、消費税を2%減税すると、1%で2.5兆円ですから、2%で5兆円の減収になります。しかし、5兆円のうち3兆円のお金が消費に回されるというデータがあります。これはGDPに大きな影響を与えると考えます。また、1人10万円年間今よりも使っていただくと、消費額が12兆円増えます。こういった経済を大きくするところから、我々は再スタートさせるということを考えています。
2.3.5 給付金政策
山本太郎(れいわ新選組代表):私は、悪い物価高が収まるまでの給付が必要だと考えています。例えば、米も買えない値段が高くてという人たちもいます。そういう状況を考えると、物価高の時には給付が必要だと思っています。
2.4 財源確保と税制改革
2.4.1 消費税を巡る各党の主張
石破茂(自由民主党総裁):私は、消費税を入れた時のことをよく覚えています。法人税であれ所得税であれ、直接税は景気の影響を非常に大きく受けます。景気が良ければドンと入るし、そうでなければ入りません。これから先の社会保障には安定した財源が必要です。消費税は景気の上がり下がりにほとんど影響されないので、社会保障の財源に当てなければいけないと思っています。
また、この消費税というものがきちんと社会保障に使われているということを示していかなければなりません。何よりも必要なのは、実質賃金を上げていくことです。どんなに給料が上がっても、物価がそれ以上上がったらどうにもなりません。今までのようなコストカット型の経営をやっている限り、失われた30年は戻ってきません。いかにして付加価値型の経済にしていくか、そしていかにして賃金を上げ、物価上昇を上回るようにするかが大事です。消費税の引き下げは現在のところ考えておりません。
馬場伸幸(日本維新の会代表):私たちは消費税の減税を提案します。例えば、消費税を2%減税すると、1%で2.5兆円ですから、2%で5兆円の減収になります。しかし、5兆円のうち3兆円のお金が消費に回されるというデータがあります。これはGDPに大きな影響を与えると考えます。また、1人10万円年間今よりも使っていただくと、消費額が12兆円増えます。こういった経済を大きくするところから、我々は再スタートさせるということを考えています。
山本太郎(れいわ新選組代表):私は消費税の廃止を主張します。国民の生活を守るためにも、事業者の生活を守るためにも、それを考えた時に何もされてないんじゃないかと。やられてたとしても薄味ばっかりなんです。だから経済政策だと言っているんです。
田村智子(日本共産党委員長):私たちも消費税はやはり廃止を目指して、まずは緊急に5%の減税ということを提案しています。
2.4.2 法人税と内部留保課税に関する議論
田村智子(日本共産党委員長):私たちは、内部留保に課税して、つまり溜まりまくっているところから、これは中小企業にまともに払わずに貯めた分もあるわけですから、その分を賃上げができるように中小企業に回すというこのやり方について提案しています。
福島みずほ(社会民主党党首):私たちは3年間消費税0にし、その3年間、大企業の600兆円になった内部留保に課税するということを2001年から言っています。
石破茂(自由民主党総裁):内部留保はこれそもそも課税後の利益を留保し、蓄えているものですから、そこに課税するというのは二重課税という批判もあります。これをやっぱり人や物への投資にしっかりとつなげていくということが重要だと思っています。
2.5 経済政策に関する党首間の主な論点
石破茂(自由民主党総裁):私は、コストカット型の経済を改めます。賃金を上げないあるいは下請けにしわ寄せが行くような形のコストカット型の経済を改めて、いかにして個人消費を上げるか、いかにして物価上昇を上回る賃金上昇を実現するか、そして将来の社会不安を払拭して設備投資を行うことにより、付加価値の高い商品を作る、付加価値の高いサービスを作る。賃金が上がり、そして付加価値が増え、将来不安が払拭する。それによってGDP全体の54%を占める個人消費を上昇させ、デフレから完全脱却をする。そして海外に出た生産拠点をなるべく国内に戻す。農業、漁業、林業、そういうような付加価値が伸びる要素がある産業を目いっぱい伸ばすことによって、日本経済の復活を実現をいたします。
野田佳彦(立憲民主党代表):私は、賃金の引き上げが今後本当に1番重要な当面の課題だと思います。それは労働生産性を引き上げていくことなんです。賃金の引き上げを行う際に底上げをするのがやっぱり最低賃金ですよね。
玉木雄一郎(国民民主党代表):私たち国民民主党の経済政策は極めてシンプルで、手取りを増やす経済政策です。民間の努力でようやく5%、4%、3%、3年ぶりの高い上げ幅になっていますが、やっぱり取られる税金と保険料が高いので、その手取りが増えないんです。具体的に言うと、所得税の103万円のこの控除の壁をグッと上げて、178万円までは無税で働けるようにします。合わせてもう10年前に作ったガソリンの暫定税率、25円10銭、これやめれば、その分ガソリン代が下がって物価が下がって、物流コストも下がって物の値段が下がりますから、速効性があるのでこれぜひやるべき。あともう1つは医療制度改革やって、個人と事業主の社会保険料負担を下げることが中小企業の賃上げの原資を生み出す意味でも大事なんで、こういうことを今的確にやっぱりやるべきだと。これ手取りを増やす経済政策は日本を活性化すると思います。
山本太郎(れいわ新選組代表):私の見える世界というのは、本当にもうそこが抜けちゃってんですよ。日本社会、そこが抜けちゃってる。まさに失われた30年によって傷ついた人々が大勢いるってことですね。先進国で30年間、これ不景気が続く国って日本だけなんですよ。そこにコロナと物価高だと。これ30区なんですね。国民の6人に1人が貧困ってむちゃくちゃじゃないですか。1人暮らし女性4人に1人が貧困ってむちゃくちゃですよ。倒産件数見てみても、これうなぎ登りですからね。その8割はもうこれ不況型の倒産なんですよね。そう考えたとしたら、なんか今みたいな明るい未来が見据えられるな話じゃないってことなんです。徹底的に景気が良くならないと賃金なんて上がらないんだから、景気刺激策徹底的に底上げしていくっていう必要があると思ってます。消費税の廃止、私これマストだと思ってます。そして米も買えない、値段高くてっていう人たちもいますよ。それ考えたとしてやっぱりこの物価高の時には、悪い物価高が収まるまでのこれ給付が必要だ、そう思ってます。
3. 憲法改正論議
3.1 各党の憲法改正に対する基本姿勢
3.1.1 自由民主党:憲法改正の必要性と具体的提案
石破茂(自由民主党総裁):我が党としては、とにかく憲法に自衛隊をメキします。また、国会議員の任期の延長、緊急事態も規定します。これは党で決まっていますので、それを実現するのが総裁の仕事です。早くやった方がいいと思います。
ただ、近々総選挙があるわけです。最高裁判所裁判官国民審査があるわけです。誰か裁判官の名前を知っている人はいますか?そしてどんな判決が下されたか知っていますか?本当にこれでいいですか?政党の規定が憲法になくていいですか?政党が活動していく上に権力介入してはいけませんが、政党のあり方はきちんと決めなければいけないのではないでしょうか?
合意できるものがあるのだから、先ほど野田さんが言われたように、国民のために合意できるもの、早くやりましょう。そうしないと国の形は変わりません。
きちんとした議論をやりましょう。議論が噛み合っていないから全然、本当にこれで大丈夫ですか?日本の国憲法はあらゆる法体系の一番トップにあるものです。それがこのあり様で本当にいいのですか?私は全くよいと思いません。この総選挙の間にそういう議論もちゃんとやりましょう。国の基本法なのだから、それがこんなにバラバラでこの国は大丈夫ですか?私はそうは全く思いません。
もっと真面目な議論をして、もっときちんと突き詰めた議論をして、この国は本当にそういう状況にあるのだから、私は総選挙は国民の皆さんの意思を問う、そういう機会だと思っています。国民の皆さんがにこっちからきちんと示しましょう。9条だけじゃないですよ。政党法だってそうですよ。きちんと政党の規定を設けるべきだと私は思う。そこにおいて権力が政党に介入してはいけない、そのこともきちんと書くべきだと思う。政党助成金をいただくのだったら、政党がどんな義務を果たすべきか、それもきちんと決めるべきだと思う。その機会に総選挙はしたいなという風に思っています。
3.1.2 立憲民主党:立憲主義的改憲論と憲法審査会の役割
野田佳彦(立憲民主党代表):私は憲法というのは不磨の大典ではないですし、一切変えてはいけないという立場ではありません。常にそのあり方というのは議論をすべきだろうと思います。ただし、国家の権力は抑制的にして、国民の権利は拡充をするという立憲主義的な観点から見直しをしていく議論をしていくという立場であって、立憲主義的な改憲論であります。
その議論を避けるつもりはありません。その中で今、喫緊の問題で言うと、例えば臨時国会の要求をするじゃないですか。一定の議員に基づいて、これ憲法に定められているんだけれども、なかなかやってくれないんです。開いてくれない。その実行性を担保するためには期限を入れた方がいいと。いつまでにやるということとか。あるいはそうですね、今回の解散、解散権についても7日以内に解散なんだろうけど、これは倫理的にやっちゃいけないんじゃないですかいくらなんでも。少なくとも新しい内閣ができたらすぐに解散なんてルールは全然ないんで。こういうことも含めて、その解散権のあり方であるとか、憲法論議は大いにすべきです。
憲法改正につながらないかもしれないけど、憲法の実行性を確保するためにはどうしたらいいかという議論なども含めて、大いに議論はすべきだと私は思っています。
立憲主義的改憲論という立場が党の集約した立場ですから、党としてこう憲法を変えなければいけないというお話ではないんです。個人の立場で改憲論議をするということになっているんだということは、これはご理解をいただかなければいけないと思います。
憲法審査会というのは、憲法改正を進めるためだけではなくてね、憲法論からして、憲法論からしてこういう点は議論すべきじゃないのかというのも取り上げていいわけなので、私は別に憲法審査会の精神から逸脱していることはないという風に思っています。
3.1.3 日本維新の会:5項目の憲法改正案と国民投票の必要性
馬場伸幸(日本維新の会代表):日本国憲法は昭和22年に施行されました。当時の日本の情勢を皆さん想像していただくと、現代社会とは全く違うということは、全ての面において言えると思います。いわば77歳になったにも関わらず、2歳の時に来ていた服を無理やり着ているというのが今の日本国憲法の姿だと思います。
日本国憲法の重要な柱の1つとして国民主権ということを謳っています。国民主権を謳っている憲法が1度も国民の審査にさらされたことがない。これもまぁブラックジョーク的な話ではないかなという風に思います。今の時代にあった、そして国民のニーズにあった、そういうことを取り上げて、この憲法を改正していく。マッカーサーさんも日本を離れる時に、日本がもう少し落ち着いたら憲法改正の国民投票をするべきですよというアドバイスを言われて離日をされたというエピソードも残っています。いよいよ新しい国の形を作るためにも、憲法改正やらなければならないと思います。
我々憲法改正項目5項目を既に提案しています。教育の無償化、統治機構改革、憲法裁判所の設置、そして9条の改正、最後に緊急事態条項を改正する、新たに設置するということであります。
緊急事態条項はですね、この東日本大震災の時に民主党政権が、当時の官房長官がテレビの前に出てこられてですね、何を聞かれても想定外、想定外、想定外とおっしゃっていました。何が起こるか分からないからこそ、緊急事態条項のルールを決めておく。これは非常に大事だという風に思います。
3.1.4 公明党:加憲路線と具体的な改正案
石井啓一(公明党代表):公明党の憲法に対する基本的な姿勢は、護憲より加憲。これは憲法の基本原理は当然守った上で、新しい理念が出てきたり、あるいは憲法改正でしなければできないようなことがあれば、それは議論していくという立場です。
先ほどから出ていますように、大規模災害等の緊急時における国会機能の維持、すなわち国会議員の任期延長ですね、これについては衆議院の憲法審査会で相当議論が進んでいます。これは参議院側は参議院の緊急集会というのを非常に重く受け止めていますから、参議院の緊急集会との関係性を整理しつつ、具体的なその発動要件というのをやっぱり詰めていく必要があるのではないかと思っています。
また、ネット上での個人情報の侵害ということもかなり事例が出てきていますから、デジタル社会の進展を踏まえて、この個人情報保護をどう憲法上位置づけるかというのも今後検討すべき課題ではないかと思っています。
緊急政令については我々は慎重な立場です。これはやっぱり具体的な法律の中で要件をきちんと定めておくことが実効的だという風に考えています。
9条に自衛隊を明記することについては、従来の9条の解釈がこれ変わってくる可能性がありますので、私ども自衛隊を憲法上明確に位置づけることは賛成なんですが、それはあくまでも統治機構の中で位置づけるという立場でございます。
それから福島さんがおっしゃったんですが、平和安全法制も決してフルサイズの集団的自衛権を認めたものではなくて、あくまでも専守防衛の範囲内で自衛権の限界を明らかにしたということでありますので、そういったご心配はないという風に思います。
3.1.5 日本共産党:現行憲法の理念実現を優先
田村智子(日本共産党委員長):私たち日本共産党は、憲法改正ではなく、現行憲法を守り生かすことが重要だと考えています。今求められているのは、憲法に追いついていない現状を変えることです。
例えば、憲法14条で保障されている法の下の平等が実現されていません。男女間の賃金格差や間接差別が蔓延し、選択的夫婦別姓も認められていません。結婚して届け出をした夫婦のうち96.7%で女性が名字を変えているという現実があります。
憲法9条に関しては、2015年に成立した安保法制(戦争法)によって集団的自衛権の行使が可能になりましたが、これは明らかに憲法違反です。憲法学者の多くが違憲だと指摘しています。さらに、敵基地攻撃能力の保有や、沖縄・南西諸島における自衛隊配備とミサイル計画など、日本全体が軍事基地化・要塞化されつつあります。
私たちが求めているのは、戦争をさせない、憲法を壊させない政治です。軍学共同を止め、戦争の準備ではなく平和外交と平和構築を進めていくべきです。これは困難な道かもしれませんが、多くの人々と共に力強く進めていきたいと考えています。
3.1.6 国民民主党:現実的な改憲案の提示
玉木雄一郎(国民民主党代表):私たち国民民主党は、現実的な憲法改正を提案しています。2020年12月に憲法改正の論点整理を行い、2023年12月には具体的な緊急事態条項の条文案をまとめました。2024年5月には、日本維新の会や憲法改正を目指す国会議員の会と共同で、3会派合同の条文案を作成しました。
私たちが提案する緊急事態条項は、内閣の権限行使を容易にするものではなく、むしろ権力を適切に統制するためのものです。具体的には、大規模災害等の緊急時における国会機能の維持、すなわち国会議員の任期延長について議論を進めています。
9条改正については、自民党の現在の案では意味がないと考えています。ただし、公明党が提案しているように、自衛隊を内閣の章に位置づけるのであれば、一定の意味があるかもしれません。
私たちは、この5会派共通案を土台に、立憲民主党にも加わっていただき、まずはこの改正案の実現を目指したいと考えています。憲法改正は、丁寧な議論の積み重ねの中で進めるべきであり、現時点で唯一の改正可能案はこれだと考えています。
3.1.7 れいわ新選組:経済再建を最優先
山本太郎(れいわ新選組代表):私たちれいわ新選組は、現時点での憲法改正には反対の立場です。日本が直面している最優先課題は経済問題であり、憲法改正は優先順位が非常に低いと考えています。
日本は30年にわたる経済の低迷により、国民生活が著しく疲弊しています。6人に1人が貧困状態にあり、1人暮らしの女性の4人に1人が貧困という深刻な状況です。倒産件数も急増しており、その8割が不況型倒産です。
現行憲法には、生存権(25条)や幸福追求権(13条)など、国民の生活を守るための重要な条項が含まれていますが、これらの権利が十分に保障されていません。例えば、ヤングケアラーの問題や老老介護、介護離職、介護殺人などの問題が深刻化しています。また、介護職員の低賃金問題も長年改善されていません。
私たちは、憲法を変える前に、まず現行憲法を守り、その理念を実現する政治を行うべきだと考えています。具体的には、消費税の廃止や、悪い物価高が収まるまでの給付金の支給など、国民の生活を直接支援する政策が必要です。
3.1.8 社会民主党:現行憲法の遵守と実現
福島瑞穂(社会民主党党首):私たち社会民主党は、現行憲法を守り、その理念を実現することが最も重要だと考えています。日本国憲法が本当に生かされ、実現されているかを問い直す必要があります。
特に9条については、2015年の安保法制(戦争法)成立後、集団的自衛権の行使が可能になったことを重大な問題と捉えています。さらに、今年の防衛白書を見ると、日本が「戦争のできる国」から「戦争する国」へと変容しつつあることが分かります。
現在提案されている憲法改正案、特に自衛隊の明記については、2015年の安保法制以降、自衛隊が集団的自衛権を行使できる組織となっている以上、単なる自衛のための組織ではなく、アメリカと共に世界で戦争する組織を憲法に位置づけることになります。これは受け入れられません。
また、緊急事態条項については、選挙の停止や国会議員の任期延長を可能にするもので、非常に危険だと考えています。
社会民主党は、戦争させない、憲法を壊させない政治を目指しています。軍事費の増大ではなく、教育や福祉、介護などに予算を振り向け、すべての人が安心して暮らせる社会を作ることが、真の意味で憲法を生かすことにつながると信じています。
3.1.9 参政党:国民的議論を重視した慎重な改憲
神谷宗幣(参政党代表):私たち参政党は、憲法改正については慎重な立場を取っています。現行の日本国憲法がアメリカの占領下で作られたものであり、本来、敗戦国に憲法を押し付けること自体が条約違反であるという認識を持っています。
しかし、だからといって急いで憲法を改正すべきだとは考えていません。現在の自民党が提案している緊急事態条項などを見ると、何か急いでいる印象を受けます。特に、ウクライナ戦争が終わった後、次はアジアで紛争が起きるかもしれないという懸念がある中で、日本が戦争産業のビジネスのための戦争に巻き込まれることは避けなければなりません。
具体的な改正案については、例えば自民党が提案している緊急事態条項に関しては、要件が曖昧であり、パンデミックなどを理由に濫用される可能性があるため、現状では認められないと考えています。
私たちは、憲法改正は必要であると考えていますが、それは十分な国民的議論を経た上でなければならないと主張しています。現在の日本国憲法は、アメリカ軍の駐留と一体のものとして作られています。将来的には、日本が自立した国家となるために、段階的にアメリカ軍に撤退してもらう必要があります。その過程で憲法改正は避けられませんが、それは慎重に、国民的な議論を重ねた上で進めるべきです。
3.2 憲法9条改正を巡る論点 : 自衛隊の明記と集団的自衛権
石破茂(自由民主党総裁):私たち自由民主党は、憲法9条に自衛隊を明記することを提案しています。2015年に成立した平和安全法制によって、限定的な集団的自衛権の行使が可能となりました。これは、日本の安全保障環境の変化に対応するためのものです。
集団的自衛権の行使を完全に認めているわけではありません。あくまでも日本の安全、国民の安全に関係する場合に限定して認めています。例えば、ブダペスト合意によって核を放棄したウクライナが、今回のロシアによる侵略を受けたことを考えれば、抑止力の重要性は明らかです。
しかし、抑止力だけに頼るつもりはありません。核兵器のない世界を究極的な目標として掲げつつ、現実的にどのようにしてそこに至るかを考えていく必要があります。
野田佳彦(立憲民主党代表):私たち立憲民主党は、自衛隊の憲法明記については慎重な立場をとっています。自衛隊は現行憲法の下で合憲であると考えており、あえて明記する立法事実が存在するのか疑問です。
むしろ、自衛隊を明記することで、逆に専守防衛から逸脱する可能性も出てくると懸念しています。この点については、大いに議論を重ねる必要があると考えています。
集団的自衛権については、2015年に成立した安保法制(私たちはこれを戦争法と呼んでいます)によって、その限定的な行使が可能となりました。しかし、これは明らかに憲法違反であると考えています。私たちは、この法律の違憲部分については廃止し、必要な措置を取るべきだと主張しています。
ただし、日米関係が外交安全保障の基軸であることは間違いありません。政権を担当することになった場合には、防衛省やアメリカを含めて再検証しながら、慎重にプロセスを進めていく方針です。
馬場伸幸(日本維新の会代表):我々日本維新の会は、憲法9条の改正を含む5項目の改憲案を提案しています。9条については、現代の安全保障環境に適合した形に改めるべきだと考えています。
石井啓一(公明党代表):私たち公明党は、自衛隊の憲法への明記については賛成の立場です。ただし、これは現行の9条解釈を変更するものではないと考えています。自衛隊を憲法上位置づけるなら、基本的に統治機構の中で位置づけるべきだというのが我々の立場です。
集団的自衛権については、平和安全法制で認められた限定的・部分的な行使は、あくまでも専守防衛の範囲内であると考えています。フルサイズの集団的自衛権を認めたわけではありません。
田村智子(日本共産党委員長):私たち日本共産党は、9条改正には断固反対の立場です。特に、自衛隊の明記については、2015年の安保法制によって集団的自衛権の行使が可能になった現在の自衛隊を憲法に書き込むことは、アメリカとともに海外で戦争する組織を憲法に位置づけることになると考えています。
集団的自衛権の行使を可能にした安保法制は明らかに違憲であり、憲法9条を根本から覆すものです。私たちは、この法律の廃止を求めています。
玉木雄一郎(国民民主党代表):私たち国民民主党は、9条改正については慎重な立場をとっています。自民党が提案している現在の改正案、つまり9条1項、2項をそのままにして自衛隊を明記するだけでは全く意味がないと考えています。
ただし、公明党が提案しているように、自衛隊を内閣の章に位置づけるのであれば、一定の意味があるかもしれません。
山本太郎(れいわ新選組代表):私たちれいわ新選組は、現時点での9条改正には反対です。むしろ、現行憲法の平和主義の理念を徹底して実現することが重要だと考えています。
自衛隊の明記や集団的自衛権の行使よりも、まずは国民の生活を守ること、経済を立て直すことが優先されるべきです。例えば、なぜ日本海側にこれほど多くの原子力発電所が建設されているのでしょうか。これらは有事の際に攻撃目標となる可能性が高く、真の安全保障の観点からは問題があります。
福島瑞穂(社会民主党党首):私たち社会民主党は、9条改正には強く反対します。自衛隊の明記については、2015年の安保法制によって集団的自衛権の行使が可能になった現在の自衛隊を憲法に書き込むことは、平和憲法の理念を根本から覆すことになると考えています。
集団的自衛権の行使を可能にした安保法制は明らかに違憲であり、これを前提とした9条改正は絶対に認められません。私たちは、戦争をさせない、憲法を壊させない政治を目指しています。
神谷宗幣(参政党代表):私たち参政党は、9条改正については慎重な立場をとっています。確かに、現行憲法がアメリカの占領下で作られたものであることを考えれば、将来的には日本独自の憲法を制定する必要があるかもしれません。
しかし、現在提案されている9条改正案には問題があると考えています。特に、自衛隊の明記や集団的自衛権の行使容認が、日本を戦争に巻き込む危険性があることを懸念しています。まずは十分な国民的議論を重ね、慎重に進めるべきだと考えています。
3.3 緊急事態条項の是非
石破茂(自由民主党総裁):私たち自由民主党は、大規模災害等の緊急時における国会機能の維持、具体的には国会議員の任期延長について、憲法に明記する必要があると考えています。東日本大震災の際、当時の民主党政権下で官房長官が「想定外」を連発した事態を二度と繰り返してはなりません。何が起こるかわからないからこそ、緊急事態条項のルールを事前に決めておくことが非常に重要です。
これは決して内閣の権限を強化するものではありません。むしろ、緊急時においても国会による民主的統制を確保するための措置です。
野田佳彦(立憲民主党代表):私たち立憲民主党は、緊急事態条項の創設については慎重な立場をとっています。確かに、大規模災害時の対応は重要な課題ですが、それを理由に憲法を改正することには問題があると考えています。
むしろ、現行の制度の中で対応策を講じるべきです。例えば、臨時国会の召集要求に関する規定はありますが、その実効性を担保するために期限を設けるなど、運用面での改善が可能です。また、解散についても、新しい政権ができたらすぐに解散するようなルールはないのですから、こういったことも含めて、憲法の実効性を確保するための方策を検討すべきだと考えています。
馬場伸幸(日本維新の会代表):私たち日本維新の会は、緊急事態条項の創設を改憲項目の一つとして提案しています。東日本大震災の経験を踏まえ、大規模災害時に迅速かつ効果的に対応するためには、憲法レベルでの規定が必要だと考えています。
石井啓一(公明党代表):私たち公明党は、大規模災害等の緊急時における国会機能の維持、特に国会議員の任期延長について、憲法に明記する必要があると考えています。ただし、その具体的な発動要件については、慎重に検討する必要があります。
特に、参議院の緊急集会との関係性を整理しつつ、具体的な発動要件を詰めていく必要があると考えています。緊急事態条項は、決して政府の権限を無制限に拡大するものではなく、むしろ緊急時においても民主的統制を確保するためのものです。
田村智子(日本共産党委員長):私たち日本共産党は、緊急事態条項の創設に強く反対します。この条項は、選挙の停止や国会議員の任期延長を可能にするもので、民主主義を危機に陥れる可能性があります。
大規模災害時の対応は重要ですが、それは現行の法制度の範囲内で十分に可能です。むしろ、緊急事態を口実に政府の権限を強化することの方が危険だと考えています。
玉木雄一郎(国民民主党代表):私たち国民民主党は、緊急事態条項の必要性を認識していますが、その内容については慎重に検討すべきだと考えています。2020年12月に憲法改正の論点整理を行い、2023年12月には具体的な緊急事態条項の条文案をまとめました。
私たちが提案する緊急事態条項は、内閣の権限行使を容易にするものではなく、むしろ権力を適切に統制するためのものです。具体的には、大規模災害等の緊急時における国会機能の維持、すなわち国会議員の任期延長について規定しています。これは、東日本大震災の際に地方議員や首長の任期延長が行われたことを踏まえたものです。
山本太郎(れいわ新選組代表):私たちれいわ新選組は、緊急事態条項の創設には反対の立場です。この条項は、災害対策を口実に政府の権限を強化し、国民の権利を制限する危険性があると考えています。
むしろ、現在の日本に必要なのは、経済対策や社会保障の充実です。30年にわたる経済の低迷により、国民生活が著しく疲弊しています。6人に1人が貧困状態にあり、1人暮らしの女性の4人に1人が貧困という深刻な状況です。このような状況下で、まず取り組むべきは国民の生活を救うことであり、経済対策が最優先です。
緊急事態条項よりも、まずは現行憲法の生存権(25条)や幸福追求権(13条)を実現する政治を行うべきだと考えています。
福島瑞穂(社会民主党党首):私たち社会民主党は、緊急事態条項の創設に強く反対します。この条項は、選挙の停止や国会議員の任期延長を可能にするもので、民主主義の根幹を揺るがす危険性があります。
参議院では、このような条項が長期間の会期延長につながり、危険であるという議論がなされています。私たちは、災害対策の充実は必要だと考えていますが、それは現行の法制度の範囲内で十分に可能です。むしろ、緊急事態を口実に政府の権限を強化することの方が危険だと考えています。
神谷宗幣(参政党代表):私たち参政党は、緊急事態条項の創設については慎重な立場をとっています。確かに、大規模災害時の対応は重要な課題ですが、その規定の仕方によっては、権力の濫用につながる危険性があります。
特に、自民党が提案している緊急事態条項案については、要件が曖昧であり、パンデミックなどを理由に濫用される可能性があるため、現状では認められないと考えています。緊急事態条項の創設を検討する場合でも、その発動要件や権限の範囲、期間などについて、十分な国民的議論を重ねる必要があります。
3.4 憲法改正に関する各党の主張
玉木雄一郎(国民民主党代表):我々国民民主党は、2020年12月に憲法改正の論点整理を行い、2023年12月に具体的な緊急事態条項の案を提示しました。我々の提案する緊急事態条項は、内閣の権限行使を容易にするものではなく、むしろ権力を適切に統制するものです。2024年5月には、日本維新の会や有志の会と合同で条文案を作成し、これは野党として初めての試みでした。
さらに、自民党や公明党の幹部とも協議を重ね、ほぼ5会派で共通の案ができあがっています。我々は、このような議論の積み重ねの中で丁寧に進められたものこそが、実現されるべきだと考えています。現時点では、これが唯一の実現可能な改正案だと思っています。
石破茂(自由民主党総裁):我が党は、憲法に自衛隊を明記し、国会議員の任期延長や緊急事態についても規定を設けることを主張しています。これらを実現することが総裁である私の責務です。できるだけ早期に実現したいと考えていますが、近々総選挙があるため、その結果を見守る必要があります。
また、最高裁判所裁判官の国民審査についても議論が必要です。多くの国民は裁判官の名前や判決内容をほとんど知りません。さらに、政党に関する規定が憲法にないことも問題です。政党の活動に対する権力の介入は避けるべきですが、政党のあり方についてはきちんと定める必要があると考えています。
野田佳彦(立憲民主党代表):私たち立憲民主党は、憲法は不磨の大典ではなく、常にそのあり方を議論すべきだと考えています。ただし、その際は国家権力を抑制し、国民の権利を拡充するという立憲主義的な観点から見直しを行うべきです。
具体的な例を挙げると、憲法53条に基づく臨時国会の召集要求について、実効性を担保するために期限を設けることなどが考えられます。また、今回の解散のような、新しい内閣ができてすぐに行われる解散については、何らかのルール作りが必要かもしれません。このような憲法の実効性を確保するための議論は積極的に行うべきだと考えています。
馬場伸幸(日本維新の会代表):憲法審査会では、各政党が党を代表して発言していますが、立憲民主党の皆さんは個人の意見であると前置きをされることが多いです。このように各党の姿勢にレベルの差があり、真剣な議論がなされているとは言えません。憲法審査会は最終的に憲法改正を発議する場であるにもかかわらず、単なる学習発表会のような状態が続いています。これでは本当に憲法改正の議論が進むのか疑問です。
田村智子(日本共産党委員長):2015年に成立した安全保障関連法は、集団的自衛権の行使を認めるもので、明らかに憲法違反です。そして今、敵基地攻撃能力の保有が議論され、今年の防衛白書を見ると、日本は「戦争のできる国」から「戦争する国」へと変質しつつあります。さらに、沖縄や南西諸島における自衛隊配備とミサイル計画は、日本全体、特に沖縄と南西諸島を軍事基地化、要塞化しようとするものです。
我々日本共産党は、戦争につながるこのような動きを止め、平和外交と平和構築を進めることが重要だと考えています。これは困難な道のりかもしれませんが、必ず実行しなければなりません。
山本太郎(れいわ新選組代表):私たちれいわ新選組は、現時点で憲法改正の優先順位は非常に低いと考えています。今、日本に最も必要なのは経済対策です。30年間の経済の停滞により、国民の生活は疲弊しています。6人に1人が貧困状態にあり、1人暮らしの女性の4人に1人が貧困という状況です。倒産件数も増加しており、その8割が債務超過による倒産です。
このような状況下で、憲法改正を急ぐのではなく、まずは国民の生活を守ることに全力を注ぐべきです。例えば、消費税の廃止や、物価高騰が収まるまでの給付金の支給など、具体的な経済対策を実施すべきだと考えています。
福島瑞穂(社会民主党党首):我々社会民主党は、現行憲法の理念が十分に実現されているかを問うべきだと考えています。例えば、憲法前文の平和的生存権、14条の法の下の平等、24条の家族における個人の尊厳と両性の本質的平等、25条の生存権、13条の個人の尊重、そして9条の戦争放棄などが、本当に社会に反映されているでしょうか。
最近成立した地方自治法改正案は、個別法を廃止して政府が地方自治体に命令できるようにするもので、これは憲法違反の疑いがあります。憲法を変えるのではなく、むしろ憲法を守り、その理念を実現することこそが重要だと考えています。
神谷宗幣(参政党代表):我々参政党は、現行の日本国憲法がアメリカの占領下で作られたものであり、本来、敗戦国に憲法を変えさせることは条約違反であると考えています。しかし、いずれは日本も自立した国家となるために、米軍の撤退を視野に入れた段階的な憲法改正が必要になると考えています。
ただし、現在の自民党が提案している緊急事態条項などは、あまりに拙速な印象を受けます。ウクライナ紛争後、次はアジアで紛争が起きる可能性があり、日本が軍事産業のビジネスのための戦争に巻き込まれる危険性があります。したがって、憲法改正は慎重に、十分な国民的議論を経て進めるべきだと考えています。
3.5 憲法改正を巡る主な論点
以上の各党の主張を踏まえ、憲法改正を巡る主な論点として以下が挙げられます:
- 9条改正の是非と自衛隊の明記
- 緊急事態条項の創設
- 統治機構の改革(国会議員の任期延長、政党規定の追加など)
- 新しい人権の明記(環境権、プライバシー権など)
- 改憲手続きの在り方(国民投票法の見直しなど)
これらの論点について、各党の立場は大きく異なっています。自民党や日本維新の会が積極的な改憲姿勢を示す一方、立憲民主党は慎重な姿勢を取っています。日本共産党や社民党は現行憲法の理念を守ることを重視し、れいわ新選組は経済対策を優先すべきだと主張しています。
今後の憲法改正論議では、これらの論点について建設的な議論を重ね、国民的な合意形成を図っていくことが求められます。同時に、国民への丁寧な説明と、幅広い層を巻き込んだ議論の活性化が不可欠です。憲法改正は国の根幹に関わる重要な問題であり、拙速な結論は避け、十分な時間をかけて検討を進めていく必要があります。
4. 安全保障政策
4.1 日米同盟の在り方と沖縄の基地問題
4.1.1 沖縄の基地負担軽減
野田佳彦(立憲民主党代表):我々立憲民主党は、沖縄の過重な基地負担を軽減することが重要な課題だと考えています。特に辺野古新基地建設の問題については、工事を中止し、日米地位協定の見直しも含めて、アメリカと再交渉すべきだと主張しています。
沖縄の皆様の思いをしっかりと踏まえ、その上でアメリカと丁寧な交渉を行うことが重要です。基地のあり方と日米地位協定のあり方、この両方を含めて対応しなければなりません。日米地位協定については、私が総理大臣の時に、本体ではありませんでしたが、補足協定について合意できた経験があります。例えば、軍属と呼ばれる米軍関係の仕事を行っている民間の方が公務中に犯罪を起こした場合には、日本の裁判に委ねるという合意を取り付けました。その後、環境に関することでも合意が取り付けられました。
このように、粘り強い交渉を続ければ、全く不可能ではないというのが私の実感です。我々が政権を取った暁には、日米地位協定や沖縄の基地のあり方を含めて真剣に議論し、交渉していきたいと思います。たとえ政権を取れなかったとしても、この問題については協力できる部分があれば積極的に協力していきたいと考えています。
石破茂(自由民主党総裁):在日米軍基地、特に沖縄の基地負担の問題は、我が党にとっても重要な課題です。私は20年前に防衛庁長官を務めていた際、沖縄国際大学に米軍のヘリが墜落した事故を経験しました。その時の衝撃は今も忘れることができません。沖縄県警が全く手を触れられず、ヘリの残骸も全て米軍によって回収されたことは、主権独立国家としてあってはならないことだと強く感じました。
日米地位協定は改定すべきだと私は考えています。しかし、これは簡単な問題ではありません。総裁選挙で私が訴えたことを受けて、党内で議論が始まりました。我が党は独裁政党ではないので、総裁が言ったからといってすぐに物事が決まるわけではありません。しかし、この議論はきちんと詰めていく必要があります。沖縄の思いを無視することはできません。
相手のあることですから、地位協定の見直しがどれほど大変なことか、実際に手掛けてみて痛感しています。しかし、それで諦めてはいけません。どうすれば一歩ずつでも近づくことができるのか、その具体策を考え、これから党内で議論し、各党とも議論を進めていきたいと思います。必ず実現したいと考えています。
馬場伸幸(日本維新の会代表):我々日本維新の会は、沖縄の基地負担軽減について、より具体的な行動を取るべきだと考えています。石破総理の発言には、非常に残念なキーワードがありました。「私が言っても決まるものではない」という言葉です。これは、今の国民が求めるリーダー像、つまり積極的に前線に立って走っていくというイメージとは大きくかけ離れています。
我々は、少なくとも鳩山元総理が言及した「最低でも県外」という普天間基地の移設問題について、二の舞にならないよう、積極的に取り組むべきだと考えています。
4.1.2 日米同盟の在り方と「対等な関係」
石破茂(自由民主党総裁):同盟というのは、アメリカが日本を守る義務を負う一方で、日本はアメリカを守る義務を負わないという非対称な関係です。その代わりに、北海道から九州、沖縄まで基地を提供する義務を負っているのが現状です。
しかし、私はこれが本当に独立主権国家のあり方として適切なのかという疑問を持っています。なぜ三沢にF16が駐留しているのか、なぜ横須賀に原子力空母がいるのか、こういったことをきちんと理解した上でなければ、この議論はできません。
日本にある米軍基地は、単なる前線基地ではありません。アメリカの世界戦略において必要不可欠な根拠地です。そのため、私たちがこれに対して引け目を感じる必要は全くありません。その上で、日本が何をすべきか、同盟国であっても言うべきことはきちんと言う、それが独立主権国家というものだと私は考えています。
玉木雄一郎(国民民主党代表):「対等な日米同盟」について、私たち国民民主党の考えを述べさせていただきます。現在の日米安保条約は、アメリカが日本を守る義務を負う一方で、日本はアメリカを守る義務を負わないという非対称な関係です。これを対等にするということは、日本も対米防衛義務を負うということになりかねません。
例えば、トランプ氏が再び大統領になった場合、「対等な関係」を理由に日本にも対米防衛義務を求めてくる可能性があります。ハリス前駐日大使もそのようなことを言及しています。我々は、このような事態も想定した上で、「対等な同盟関係」の意味を慎重に検討する必要があると考えています。
同時に、日本の安全保障における米軍の重要性も認識しています。日本に駐留する米軍は、単なる日本防衛のためだけではなく、アメリカの世界戦略において重要な位置を占めています。この点を踏まえた上で、日本の国益を最大化するような同盟関係を模索していく必要があります。
4.2 中国との関係と国際秩序の維持
石破茂(自由民主党総裁):私は、中国との関係について、対立ばかりしていても、妥協ばかりしていてもいけないと考えています。我が国の国益を踏まえて、何を言うべきかを慎重に検討する必要があります。
私が防衛庁長官だった時に中国を訪問し、国防大臣と様々な議論をしました。その後、突如として当時の総理大臣である小泉純一郎さんに会いたいという話がありました。そこで、なぜ日本はミサイル防衛をするのか、なぜ有事法制が必要なのかということを、日本政府の立場としてきちんと申し上げました。
言いたいことを言わないのは決していいことではありません。国が違えば国益も違います。しかし、そこにおいて国益を踏まえてきちんとした主張をすることは外交の基本だと思っています。
昨日、私はASEANに行って、ラオスのビエンチャンを訪問しました。ロシアの外務大臣や中国の首相などが参加する会議がありました。今、なぜウクライナはロシアに侵略されてしまったのか、なぜ抑止力が効かなかったのかということをきちんと検証しないと、今ウクライナで起こっていることは明日アジアで起こるかもしれません。そういう思いを持っている方が多いのではないでしょうか。
中国やロシア(ロシアは外務大臣でしたが)が出席する中で、日本が行かなければ完全に中国のリードになってしまいます。そういうことは絶対にあってはならないと思って、私は出席をし、言うべきことはきちんと言いました。
そこにきちんとアメリカもいて、国際秩序についてきちんと議論ができる、それがASEANの大きな意義だと思っています。今後とも、この努力は万全の体制で行っていきます。
野田佳彦(立憲民主党代表):私も、中国との関係改善は重要な課題だと認識しています。しかし、まず指摘したいのは、2014年のクリミア併合の時の制裁が弱すぎて、日本は途中から事実上抜けてしまったことです。この甘さをついてきたのではないかと思います。これは日本外交も反省しなければいけない点だと考えています。
その上で申し上げますと、昨日のASEAN会議でアメリカは国務長官しか出ていませんでした。本来は2012年からロシアと共にアメリカも呼ぶようになったのです。アメリカを呼ぶようにした時は私が呼びました。オバマ大統領が出てきた時は、みんな喜んだのです。今は出てこないから中国とロシアが勝手放題になっています。これは許してはいけません。
今、抑止力の話をしましたが、やはりこういう国際会議にアメリカを引き込むという外交努力をすることがもっと大事です。今度は、アメリカの大統領が誰になるかわかりませんが、まずは個人的な信頼関係を結んで、このような会議に必ず大統領が出てくるようにコミットさせ続けるという外交をまずやるべきだと思います。
4.3 防衛力強化と安全保障政策
4.3.1 防衛費と社会保障のバランス
田村智子(日本共産党委員長):私たち日本共産党は、防衛費の増額に強く反対します。今年の防衛白書を見ると、日本は「戦争のできる国」から「戦争する国」へと変質しつつあります。防衛予算がもう約10兆円にも達しようとしている中で、さらなる増額は福祉や教育、介護などを圧迫することになります。
我々は、軍事費を増やすのではなく、社会保障と教育の予算を増やすべきだと考えています。これこそが国民の生活を安定させ、景気を良くする道です。
福島瑞穂(社会民主党党首):社会民主党も、防衛予算の増額には反対の立場です。防衛予算がもう約10兆円にも目指そうとしている中で、福祉、教育、介護などが圧迫されています。我々は、むしろ教育費の無償化、大学の授業料を含めた廃止に向かうような方向性が、みんなの生活を安定させ、景気を良くすると考えています。
4.3.2 自衛隊の役割と憲法解釈
田村智子(日本共産党委員長):2015年に成立した安全保障関連法は、集団的自衛権の行使を可能にするもので、明らかに憲法違反です。さらに、敵基地攻撃能力の保有が議論され、今年の防衛白書を見ると、日本は「戦争のできる国」から「戦争する国」へと変質しつつあります。
特に、沖縄や南西諸島における自衛隊配備とミサイル計画は、日本全体、特に沖縄と南西諸島を軍事基地化、要塞化しようとするものです。私は全ての島々を回って、この実態を目の当たりにしてきました。
我々は、戦争につながるこのような動きを止め、平和外交と平和構築を進めることが重要だと考えています。これは困難な道のりかもしれませんが、必ず実行しなければなりません。
福島瑞穂(社会民主党党首):社会民主党も、同様の立場です。安保関連法、いわゆる戦争法の集団的自衛権の行使は、憲法学者のほとんどが憲法違反だと指摘しています。そして今、敵基地攻撃能力保有が議論され、今年の防衛白書を見れば、日本は戦争のできる国から戦争する国へ変質しつつあります。
特に、沖縄や南西諸島における自衛隊配備とミサイル計画は、まさに日本全体が、沖縄、南西諸島が軍事基地化、要塞化されていることを示しています。私も全ての島々を回って、この実態を確認してきました。
我々は、戦争させない、戦争の準備ではなく、平和外交、平和構築をやっていくことを社会民主党は力強く、たくさんの人々とともに進めていきたいと思います。これは困難な道であっても、必ずやらなければならないと考えています。
4.3.3 集団的自衛権と安全保障政策
石破茂(自由民主党総裁):先ほど来、集団的自衛権を全面的に認めたと言われていますが、そうではありません。我々が認めたのは、非常に限定的な集団的自衛権の行使です。
例えば、ウクライナの問題を考えてみてください。ウクライナはブダペスト合意によって核を放棄しました。そうすると、ロシア、アメリカ、イギリス、フランス、中国といった核保有国が「守ってあげるから」と言ったにもかかわらず、全くそうはならなかったのです。
核抑止力というものから目を背けてはいけません。同時に、核のない世の中を作っていかなければいけません。これをどうやって両立させるかが重要です。そのために我々は力を尽くしていきます。
4.4 核軍縮・核廃絶への取り組み
4.4.1 核兵器禁止条約への対応
野田佳彦(立憲民主党代表):私は、核兵器禁止条約に関して、日本政府の対応に疑問を感じています。昨日、日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞しました。日本は唯一の被爆国であり、その被爆の悲惨さを語り継ぎ、核廃絶と平和の尊さを発信し続けてきました。その粘り強い地道な取り組みが評価されたことは、とても意義があると思います。
今日的な意義としては、ウクライナでも中東でも核使用の恐れがある中で、このメッセージ性は非常に重要です。そんな時に、核保有や核共有、核持ち込みを許容するような発言をしている日本のトップでいいのでしょうか。私は根本的な疑問を持っています。
政府としては、核兵器禁止条約に少なくともオブザーバー参加すべきだと考えますが、石破総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
石破茂(自由民主党総裁):核のない世界というものを究極的には作っていきたいと思っています。私は野田代表と同い年なのですが、小学校6年生の時にアメリカから公開された広島原爆の映像を見た時の衝撃は一生忘れることができません。今でもできれば広島や長崎の被爆地を訪問したいと思っていますし、実際に訪れています。ああいうことが二度あってはならない、いかにして核を廃絶するかという思いは全く変わりません。
しかし、そこに至るまでの道筋をどうやって現実的に進めていくかということが問題です。今のウクライナの問題を考えてみてください。ウクライナはブダペスト合意によって核を放棄しました。しかし、そうすることで今のような事態になってしまいました。
核抑止力だけに頼るつもりはありませんが、現実として抑止力は機能しています。それと同時に、どうやって核廃絶へと結びつけていくか、これからしっかりと議論していきたいと思います。
田村智子(日本共産党委員長):私は、被爆者の皆さんが核兵器の非人道性を身をもって示してきたことが、核兵器は二度と使われてはならないという核タブーを作り、過去80年近く核兵器を戦争で使わせていないという重要な貢献をしたと考えています。これが核兵器禁止条約に実を結んでいるのです。
核兵器は使われてはならないという立場に立つならば、私は被爆者の皆さんが切望する核兵器禁止条約に日本政府は批准をすべきだと考えます。改めて石破総理にこのことをお聞きしたいと思います。
福島瑞穂(社会民主党党首):社会民主党は、核兵器禁止条約への参加を強く求めます。9条に自衛隊を明記することは、2015年に安保関連法、戦争法ができて集団的自衛権の行使をする自衛隊になったことを考えると、今の時点では専守防衛ではなく、アメリカと共に集団的自衛権の行使で世界で戦争する自衛隊の明記になってしまいます。
私たちは、戦争させない、核兵器を廃絶する、そして憲法9条を改悪させないという立場から、核兵器禁止条約への参加を強く求めます。
4.4.2 核抑止力と非核三原則の両立
石破茂(自由民主党総裁):核がどんなに悲惨なのかということを、もっともっと全世界の人が知らなければいけないと思っています。私が子供の頃に大変な衝撃を受けたように、世界中の人々、特に被爆国である我が国は、その悲惨さを身をもって体験しています。しかし、世界の人の中には知らない人がたくさんいます。通常兵器の延長線上に核兵器があるみたいに思っている人すらいるのです。その悲惨さをどれだけ訴えていくかということが重要です。
一方で、なぜウクライナはロシアから侵略されたのかということを考えた時に、ブダペスト合意で核を放棄することになったにもかかわらず、ロシア、アメリカ、イギリス、フランス、中国といった核保有国が守ってあげると言ったのに、全くそうならなかったという現実があります。
核抑止力というものから目を背けてはいけません。そして同時に、核のない世の中を作っていかなければいけません。これをどうやって両立させるかということが重要です。そのために私どもは力を尽くしてまいります。
野田佳彦(立憲民主党代表):核抑止に対して核タブーということが今の国際世論になっているということを強調したいと思います。結局、核兵器禁止条約には背を向け、答えられないわけです。それどころか日米同盟強化だと言って、アメリカの核抑止力の強化を日米政府一体で進めようとしているわけです。
この核抑止力というのは、いざとなれば核兵器を使うぞという脅しなわけですから、二度と使われてはならないという被爆者の願いを踏みにじるものだということは、厳しく指摘をしなければなりません。
4.5 安全保障政策に関する党首間の主な論点
以上の議論を踏まえ、安全保障政策に関する主な論点として以下が挙げられます:
- 核兵器禁止条約への参加の是非
- 核抑止力と核廃絶の両立可能性
- 集団的自衛権の行使範囲
- 防衛費増額と社会保障のバランス
- 沖縄を含む在日米軍基地の負担軽減
- 日米地位協定の見直し
- 中国との関係改善と国際秩序の維持
これらの論点について、各党の立場は大きく異なっています。自民党は限定的な集団的自衛権の行使を認め、核抑止力の必要性を主張する一方で、立憲民主党、日本共産党、社会民主党は核兵器禁止条約への参加や、より積極的な軍縮・平和外交を主張しています。
今後の安全保障政策の議論においては、これらの意見の相違を踏まえつつ、日本の平和と安全をどのように確保していくか、具体的かつ建設的な議論が求められるでしょう。特に、唯一の被爆国としての日本の立場と、現実の安全保障環境のバランスをどのようにとるかが大きな課題となっています。
5. 社会保障政策
5.1 経済政策と社会保障
石破茂(自由民主党総裁):私は、日本創生を目指し、経済政策と社会保障の両立を図ることが重要だと考えています。現在、日本は厳しい安全保障環境にあり、人口減少や30年ぶりの物価上昇に直面しています。デフレからの完全脱却はまだ実現していません。
具体的には、コストカット型の経済から、付加価値を高める経済への転換が必要です。これまで企業は、賃金を上げずに下請けにしわ寄せをする形で利益を確保してきました。しかし、これでは個人消費が伸びず、経済の好循環は生まれません。
私は、物価上昇を上回る賃金上昇を実現し、将来不安を払拭することで、設備投資を促進し、付加価値の高い商品やサービスを生み出す経済を目指します。これにより、GDPの54%を占める個人消費を拡大し、デフレから完全に脱却することができます。
また、海外に出た生産拠点を国内に戻し、農業、漁業、林業など付加価値の伸びる産業を育成することで、日本経済の復活を実現したいと考えています。
野田佳彦(立憲民主党代表):私は、石破氏の発言に一部同意しますが、より具体的な提案が必要だと考えています。特に、賃金引き上げについては、最低賃金の引き上げが重要です。
2020年代に最低賃金を1500円にするという目標がありますが、これは年間8%の引き上げに相当します。しかし、具体的な道筋が示されていません。特に中小企業がこの賃上げに対応できるかが課題です。
私は、中小企業への支援策を具体化し、最低賃金引き上げの実現可能性を高める必要があると考えています。また、賃上げと同時に、生産性向上のための投資も重要です。政府は、中小企業の生産性向上を支援する具体的な政策を提示すべきです。
馬場伸幸(日本維新の会代表):私は、現場の声を重視する必要があると考えています。地元の中小企業経営者の方々からは、賃上げは困難だという声をよく聞きます。特に製造業では、下請け構造の中で価格転嫁が難しい状況があります。
このため、私は行政や政治が中小企業労働者をサポートする方策を考えるべきだと提案します。具体的には、消費税の減税や教育の無償化など、若い世代や子育て世代を支援する政策が必要だと考えています。
石井啓一(公明党代表):私は、中小企業の価格転嫁を促進する法整備が必要だと考えています。下請け法の改正などを通じて、大企業が優越的地位を利用して価格転嫁を阻害することを防ぐべきです。
また、中小企業の生産性向上のための支援も重要です。政府は中小企業の設備投資やIT投資を支援し、生産性向上を通じた賃上げの実現を後押しすべきです。
田村智子(日本共産党委員長):私は、中小企業への直接支援が不可欠だと考えています。大企業には賃上げ促進税制という形で直接支援が行われているのに、なぜ中小企業には直接支援を行わないのでしょうか。
中小企業への直接支援を通じて、最低賃金1500円の実現を目指すべきです。これにより、労働者の生活を守り、経済の好循環を生み出すことができます。
玉木雄一郎(国民民主党代表):私は、手取りを増やす経済政策が重要だと考えています。現在、賃金は上がっていますが、税金と社会保険料が高いため、手取りが増えていません。
具体的には、所得税の103万円の壁を178万円まで引き上げ、無税で働ける範囲を拡大します。また、ガソリン税の暫定税率を廃止し、物流コストと物価の引き下げを図ります。さらに、医療制度改革を行い、個人と事業主の社会保険料負担を軽減します。これらの政策により、中小企業の賃上げの原資を生み出すことができます。
山本太郎(れいわ新選組代表):私は、日本経済の根本的な問題に取り組む必要があると考えています。失われた30年の間に、国民の6人に1人が貧困状態に陥り、倒産件数も増加しています。
このような状況で、憲法改正などの議論をする前に、経済対策を最優先すべきです。具体的には、消費税の廃止、社会保険料の引き下げ、物価高が収まるまでの給付金支給などを提案します。また、国内製品の政府調達を拡大し、製造業の復活を目指すべきです。
5.2 最低賃金引き上げと中小企業支援
石破茂(自由民主党総裁):私は、最低賃金の引き上げが重要だと考えています。2020年代に全国平均で1500円を目指すという目標を掲げていますが、これは簡単な道のりではありません。しかし、労働分配率を上げ、個人消費を拡大させるためには必要不可欠な施策です。
最低賃金引き上げの影響については、中小企業への影響を慎重に考慮する必要があります。特に、地域によって経済状況が異なることを踏まえ、全国一律ではなく地域の実情に応じた引き上げを行うべきだと考えています。
また、中小企業が賃上げに対応できるよう、生産性向上のための支援策を強化する必要があります。具体的には、設備投資への支援や、IT化・デジタル化支援などを通じて、中小企業の競争力強化を図ります。さらに、下請け企業への不当な価格圧力を防ぐため、下請け取引の適正化にも取り組みます。
野田佳彦(立憲民主党代表):私は、最低賃金の引き上げが格差是正と経済成長の両面で重要だと考えています。しかし、2020年代に1500円を目指すという目標については、具体的な道筋が示されていないことに懸念を感じています。
最低賃金を1500円に引き上げるためには、年率8%程度の引き上げが必要となります。これは中小企業にとって大きな負担となる可能性があります。そのため、中小企業への具体的な支援策を明確にする必要があります。
また、最低賃金引き上げの影響を地域ごとに詳細に分析し、きめ細かな対策を講じる必要があります。特に、地方の中小企業や小規模事業者への影響を慎重に見極め、必要に応じて地域別の支援策を講じるべきです。
馬場伸幸(日本維新の会代表):私は、最低賃金引き上げの必要性は理解していますが、その影響については慎重に考える必要があると考えています。特に、地元の中小企業経営者から聞こえてくる声を重視しています。
多くの中小企業、特に製造業では、最低賃金の引き上げは非常に困難だと訴えています。下請け構造の中で、価格転嫁が難しい状況があるためです。大手企業が単純に発注額を引き上げてくれるわけではありません。
具体的には、消費税の減税や、教育の無償化などを通じて、若い世代や子育て世代の可処分所得を増やすことが重要です。これにより、賃上げが困難な企業の従業員の生活を支援することができます。
石井啓一(公明党代表):私は、最低賃金引き上げの影響について、特に中小企業への影響を慎重に考慮する必要があると考えています。最低賃金の引き上げは重要ですが、同時に中小企業の経営を圧迫しないよう配慮しなければなりません。
そのためには、まず価格転嫁を促進する法整備が必要です。下請け法の改正などを通じて、大企業が優越的地位を利用して価格転嫁を阻害することを防ぐべきです。これにより、中小企業が賃上げのコストを適切に価格に反映できるようになります。
また、中小企業の生産性向上のための支援も重要です。政府は中小企業の設備投資やIT投資を支援し、生産性向上を通じた賃上げの実現を後押しすべきです。
田村智子(日本共産党委員長):私は、最低賃金の大幅な引き上げが格差是正と経済成長の両面で不可欠だと考えています。特に、中小企業への直接支援を通じて、最低賃金1500円の実現を目指すべきです。
大企業には賃上げ促進税制という形で直接支援が行われているのに、なぜ中小企業には直接支援を行わないのでしょうか。これは不公平です。中小企業への直接支援を行うことで、最低賃金引き上げの影響を緩和し、むしろ中小企業の競争力強化にもつながると考えています。
最低賃金引き上げの影響は、労働者の生活改善だけでなく、消費拡大による経済の好循環にもつながります。これは貧困対策としても有効であり、社会全体の底上げにつながると確信しています。
玉木雄一郎(国民民主党代表):私は、最低賃金引き上げの影響について、特に手取りの増加という観点から考える必要があると思います。現在、賃金は上がっていますが、税金と社会保険料が高いため、手取りが増えていないのが現状です。
そこで、私たちは「手取りを増やす経済政策」を提案しています。具体的には、所得税の103万円の壁を178万円まで引き上げ、無税で働ける範囲を拡大します。これにより、パートタイムで働く人々も含め、より多くの労働者の手取りを増やすことができます。
また、ガソリン税の暫定税率を廃止し、物流コストと物価の引き下げを図ります。これは企業の負担軽減にもつながり、賃上げの余地を広げることができます。さらに、医療制度改革を行い、個人と事業主の社会保険料負担を軽減します。
山本太郎(れいわ新選組代表):私は、最低賃金の引き上げは重要ですが、それだけでは不十分だと考えています。日本経済の根本的な問題に取り組む必要があります。失われた30年の間に、国民の6人に1人が貧困状態に陥り、倒産件数も増加しています。この状況を改善するためには、より抜本的な対策が必要です。
最低賃金引き上げの影響を考える前に、まず消費税の廃止を提案します。消費税は逆進性が高く、低所得者ほど負担が重いため、これを廃止することで、実質的な賃金引き上げ効果が得られます。
また、社会保険料の引き下げも重要です。現在の社会保険料は労働者と企業の双方に大きな負担となっています。これを引き下げることで、企業の賃上げ余力を高めると同時に、労働者の手取りも増やすことができます。
さらに、物価高が収まるまでの給付金支給を提案します。これは一時的な措置ですが、最低賃金引き上げの影響が浸透するまでの間、低所得者の生活を支援する効果があります。
5.3 社会保障政策に関する党首間の主な論点
2024年衆議院選挙に向けた党首討論会では、社会保障政策に関して複数の重要な論点が浮かび上がりました。各党首の発言を詳細に分析すると、以下のような主要な議論が展開されていたことがわかります。
- 経済政策と社会保障の関連性
自由民主党の石破茂総裁は、社会保障の充実には経済成長と賃金上昇が不可欠であるという立場を示しました。石破氏は「賃金を上げないあるいは下請けにしわ寄せが行くそうよな形のコストカット型の経済を改めていかにして個人消費を上げるか」と述べ、経済政策の転換が社会保障の基盤となるという考えを示しました。
一方、日本共産党の田村智子委員長は、大企業の内部留保に課税し、その財源を社会保障に回すべきだと主張しました。田村氏は「アベノミクスで増えた分のところの内部流行に次元的な課税をしてこれを中小企業のえ賃上げの直接支援に回すと大体あのいうことをですね5年間で10兆円という規模で提案をしている」と具体的な数字を挙げて説明しました。
- 消費税と社会保障財源
消費税の扱いについては、各党で大きな見解の相違が見られました。れいわ新選組の山本太郎代表は「消費税の廃止私これマストだと思ってます」と述べ、消費税廃止を強く主張しました。山本氏は、消費税が経済に与える悪影響を指摘し、「徹底的に景気が良くならないと賃金なんて上がらない」と主張しました。
社会民主党の福島瑞穂党首も「3年間消費税0にしその3年間大企業の600兆円になった内部留保に課税する」と具体的な提案を行いました。
一方、公明党の石井啓一代表は、具体的な対策として「短期的にはですね足元の物価高等対策をやっぱりしっかりやる必要がある」と述べ、「電気ガス大ガソリンと燃料油への支援の継続え2つ目には低所得世帯や年金世帯への給付で3つ目にあのまこれは自体が行う物価高等対策を支援する重点支援地方交付品これをしっかりと支出をするということをやるべきだ」と具体的な施策を提案しました。
- 最低賃金と中小企業支援
最低賃金の引き上げについては、各党で賛成の声が上がりましたが、その実現方法や中小企業への影響については意見が分かれました。
日本維新の会の馬場伸幸代表は、中小企業の実態を踏まえた慎重な対応を求めました。馬場氏は「私があの地元回ってみて中小例祭企業の経営者の方にお話を聞すると、とても賃上げなんかできないという風におっしゃいます」と述べ、中小企業の実情を考慮した政策の必要性を訴えました。
これに対し、立憲民主党の野田佳彦代表は、最低賃金引き上げの必要性を認めつつ、その実現方法について具体的な提案を求めました。野田氏は「2020年代までに1500円と総裁先代はおっしゃってたと思うんですがこれ年で8%を引き上げていくてことなんです三筋はどのように考えてるのか教えていただきたい」と石破総裁に質問を投げかけました。
- 教育政策と人材投資
教育政策については、特に高等教育の無償化とリカレント教育の推進が議論の焦点となりました。
立憲民主党の野田代表は「人への投資」を重視し、リカレント教育やリスキリングによる労働生産性向上を主張しました。野田氏は「リカレント教育であるとかあるいはえリスニングこういう分野を圧投資をしていくことによって人への投資によって労働生産性を上げていく」と述べました。
日本維新の会の馬場代表は、教育の無償化を主張し、「大阪ではあこの行財政改革によって生み出された財源でえ全ての教育を無償にするということに今チャレンジをしえ前に進んでいます」と述べ、地方での実績を全国に広げる姿勢を示しました。
- 若者支援と世代間格差の是正
若者支援と世代間格差の是正については、国民民主党の玉木雄一郎代表が具体的な提案を行いました。玉木氏は「若者を潰すなってことです」と述べ、「手取りを増やすてこと」を重視する姿勢を示しました。具体的には、「103万の壁これを引き上げて178万までは税金がかからずに働けるようにします」と提案し、若者の就労支援と所得向上を目指す政策を提示しました。
また、玉木氏は「ガソリン税の上乗せの暫定税率25元10線もうこれは最初2年って言ってたのに50年で道路以外にも使ってるのでこれを廃止をして物流コストを引き下げてそして物価上昇を抑えていきます」と述べ、若者世代の負担軽減策を提案しました。
- 社会保障と経済成長のバランス
社会保障の充実と経済成長のバランスについても、各党で見解の相違が見られました。自由民主党の石破総裁は、経済成長を通じた税収増を重視する姿勢を示しました。一方、日本共産党の田村委員長は大企業への課税強化を通じた財源確保を主張し、社会保障の拡充を訴えました。
公明党の石井代表は、短期的な対策と中長期的な政策のバランスを重視し、「中長期的にはやはりあのまこれあの市場総理もおっしゃるようにま経済の公循環を作ってくってことですね物価の上昇を賃金の上昇につなげそれが消費の拡大でまた物価上昇につがっていくというまプラスの循環をやっぱり作っていく」と述べ、経済成長と社会保障の好循環を目指す姿勢を示しました。
これらの議論を通じて、各党の社会保障政策に対する基本的な考え方や具体的な提案が明らかになりました。経済政策と社会保障の関連性、消費税の扱い、最低賃金と中小企業支援、教育政策、若者支援、そして社会保障と経済成長のバランスなど、多岐にわたる論点について各党の主張が展開されました。
6. エネルギー・環境政策
6.1 エネルギー政策に関する各党の立場
石井啓一(公明党代表):私たちは、エネルギー政策において、特に電気代の問題に注目しています。電気代は国民の生活に直結する重要な問題です。現在の電気代高騰の原因の一つは、再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)にあると考えています。この賦課金を下げることで、国民の生活負担を軽減できると考えています。
一方で、再生可能エネルギーの重要性も認識しています。特に太陽光発電と風力発電の導入拡大に注力していく方針です。ただし、再生可能エネルギーの導入には課題もあります。例えば、九州電力管内では、再生可能エネルギーで発電した電力を捨てている状況があります。これは、出力調整が難しい原子力発電所を動かしているためです。このような状況を改善し、より効率的なエネルギー利用を目指す必要があります。
玉木雄一郎(国民民主党代表):私たちは、エネルギー政策において、特に原子力発電の位置づけについて慎重な立場をとっています。原子力発電には安全性の問題や使用済み核燃料の処理問題など、多くの課題があります。しかし、現状では完全に廃止することも難しいと認識しています。
そのため、私たちは原子力発電の段階的な縮小を提案しています。具体的には、新規建設は行わず、既存の原子力発電所についても厳格な安全基準に基づいて再稼働の是非を判断し、再稼働する場合でも40年運転制限を厳守する方針です。
同時に、再生可能エネルギーの導入促進や省エネ技術の開発支援にも力を入れていきます。エネルギー効率の向上や、AI・IoTを活用したエネルギーマネジメントシステムの導入支援なども進めていきたいと考えています。
山本太郎(れいわ新選組代表):私たちは、現在のエネルギー政策、特に原子力発電に対して強い懸念を抱いています。原子力発電所は、地震や津波などの自然災害に対して極めて脆弱であり、一度事故が起これば取り返しのつかない被害をもたらす可能性があります。
特に、日本海側に多くの原子力発電所が立地していることは大きな問題だと考えています。これらは、有事の際にターゲットになる可能性が高く、国防の観点からも危険です。
私たちは、原子力発電からの脱却を目指し、再生可能エネルギーへの転換を強く推進します。同時に、エネルギー効率の向上や省エネ技術の開発にも注力し、持続可能なエネルギー社会の実現を目指します。
福島瑞穂(社会民主党党首):私たちは、原子力発電に反対の立場をとっています。特に、2015年に成立した安全保障関連法(戦争法)以降、自衛隊が集団的自衛権の行使を可能にする中で、原子力発電所の存在はより一層危険なものとなっています。
現在の9条に自衛隊を明記しようとする動きは、実質的に集団的自衛権の行使を認める自衛隊を憲法に位置づけることになります。これは、平和主義の観点からも、エネルギー安全保障の観点からも問題があると考えています。
私たちは、原子力発電から再生可能エネルギーへの転換を強く推進します。再生可能エネルギーの導入拡大と同時に、エネルギーの地産地消や分散型エネルギーシステムの構築を目指します。これにより、エネルギーの安定供給と地域経済の活性化を同時に実現したいと考えています。
6.2 エネルギー政策に関する各党の具体的な主張
石井啓一(公明党代表):私たち公明党は、エネルギー政策において、特に電気代の問題に注目しています。電気代は国民の生活に直結する重要な問題です。現在の電気代高騰の原因の一つは、再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)にあると考えています。この賦課金を下げることで、国民の生活負担を軽減できると考えています。
一方で、再生可能エネルギーの重要性も認識しています。特に太陽光発電と風力発電の導入拡大に注力していく方針です。ただし、再生可能エネルギーの導入には課題もあります。例えば、九州電力管内では、再生可能エネルギーで発電した電力を捨てている状況があります。これは、出力調整が難しい原子力発電所を動かしているためです。このような状況を改善し、より効率的なエネルギー利用を目指す必要があります。
玉木雄一郎(国民民主党代表):私たち国民民主党は、エネルギー政策において、特に原子力発電の位置づけについて慎重な立場をとっています。原子力発電には安全性の問題や使用済み核燃料の処理問題など、多くの課題があります。しかし、現状では完全に廃止することも難しいと認識しています。
そのため、私たちは原子力発電の段階的な縮小を提案しています。具体的には、新規建設は行わず、既存の原子力発電所についても厳格な安全基準に基づいて再稼働の是非を判断し、再稼働する場合でも40年運転制限を厳守する方針です。
同時に、再生可能エネルギーの導入促進や省エネ技術の開発支援にも力を入れていきます。エネルギー効率の向上や、AI・IoTを活用したエネルギーマネジメントシステムの導入支援なども進めていきたいと考えています。
山本太郎(れいわ新選組代表):私たちれいわ新選組は、現在のエネルギー政策、特に原子力発電に対して強い懸念を抱いています。原子力発電所は、地震や津波などの自然災害に対して極めて脆弱であり、一度事故が起これば取り返しのつかない被害をもたらす可能性があります。
特に、日本海側に多くの原子力発電所が立地していることは大きな問題だと考えています。これらは、有事の際にターゲットになる可能性が高く、国防の観点からも危険です。
私たちは、原子力発電からの脱却を目指し、再生可能エネルギーへの転換を強く推進します。同時に、エネルギー効率の向上や省エネ技術の開発にも注力し、持続可能なエネルギー社会の実現を目指します。
福島瑞穂(社会民主党党首):私たち社会民主党は、原子力発電に反対の立場をとっています。特に、2015年に成立した安全保障関連法(戦争法)以降、自衛隊が集団的自衛権の行使を可能にする中で、原子力発電所の存在はより一層危険なものとなっています。
現在の9条に自衛隊を明記しようとする動きは、実質的に集団的自衛権の行使を認める自衛隊を憲法に位置づけることになります。これは、平和主義の観点からも、エネルギー安全保障の観点からも問題があると考えています。
私たちは、原子力発電から再生可能エネルギーへの転換を強く推進します。再生可能エネルギーの導入拡大と同時に、エネルギーの地産地消や分散型エネルギーシステムの構築を目指します。これにより、エネルギーの安定供給と地域経済の活性化を同時に実現したいと考えています。
6.3 エネルギー・環境政策に関する党首間の主な論点
エネルギー・環境政策に関して、各党首の間でいくつかの重要な論点が浮き彫りになりました。
- 原子力発電の位置づけ:
- 公明党:具体的な立場は明確にされていませんが、再生可能エネルギーとの両立に課題があることを指摘しています。
- 国民民主党:段階的な縮小を提案し、新規建設は行わず、既存の原発も40年運転制限を厳守する方針です。
- れいわ新選組:原子力発電からの脱却を目指し、再生可能エネルギーへの転換を強く推進しています。
- 社会民主党:原子力発電に反対の立場をとり、完全な脱原発を目指しています。
- 再生可能エネルギーの導入:
- 公明党:太陽光発電と風力発電の導入拡大に注力する方針ですが、電力の無駄な廃棄などの課題も指摘しています。
- 国民民主党:再生可能エネルギーの導入促進を支持していますが、具体的な目標値は示していません。
- れいわ新選組:再生可能エネルギーへの転換を強く推進しています。
- 社会民主党:再生可能エネルギーの導入拡大と同時に、エネルギーの地産地消や分散型エネルギーシステムの構築を目指しています。
- 電気代問題:
- 公明党:再エネ賦課金の引き下げによる国民の生活負担軽減を提案しています。
- エネルギー効率と省エネ技術:
- 国民民主党:エネルギー効率の向上や、AI・IoTを活用したエネルギーマネジメントシステムの導入支援を提案しています。
- れいわ新選組:エネルギー効率の向上や省エネ技術の開発に注力する方針です。
- エネルギー安全保障:
- 社会民主党:原子力発電所の存在が国防上のリスクになると指摘しています。
- れいわ新選組:日本海側の原子力発電所が有事の際のターゲットになる可能性を懸念しています。
これらの論点について、各党の立場には大きな違いがあります。特に原子力発電の扱いについては意見が分かれており、今後のエネルギー政策の方向性を決める上で重要な争点となることが予想されます。また、再生可能エネルギーの導入促進については多くの党が賛同していますが、その具体的な方法や目標値については差異があります。
7. 地方創生と東京一極集中是正
7.1 地方分権と憲法改正に関する議論
7.1.1 憲法改正と地方自治に関する各党の立場
石破茂(自由民主党総裁):私たち自民党は、憲法改正を通じて地方自治の強化を図ることを提案しています。具体的には、自衛隊の明記、緊急事態条項の創設、国会議員の任期延長などを含む改正案を検討しています。これらの改正は、地方の安全保障や災害対応能力を強化し、より効果的な地方自治の実現につながると考えています。
野田佳彦(立憲民主党代表):立憲民主党は、憲法改正には慎重な立場を取っています。現行憲法の下でも、地方分権を推進することは可能だと考えています。例えば、臨時国会の開催要求に期限を設けるなど、現行制度の運用改善を通じて地方の声をより反映させる方法を模索すべきだと考えています。
馬場伸幸(日本維新の会代表):日本維新の会は、憲法改正に前向きな立場です。特に、憲法審査会での議論を活性化させ、具体的な改正案の検討を進めるべきだと考えています。ただし、現状の憲法審査会は、単なる学習発表会のような状態になっており、実質的な議論が進んでいないことを懸念しています。
石井啓一(公明党代表):公明党は、「加える憲法」の立場を取っています。現行憲法の理念を維持しつつ、必要に応じて新しい理念や規定を追加することを提案しています。例えば、大規模災害時の国会議員の任期延長などは、検討に値する課題だと考えています。
田村智子(日本共産党委員長):日本共産党は、現行憲法の理念を守り、その実現を目指す立場です。特に、集団的自衛権の行使容認や敵基地攻撃能力の保有など、憲法の平和主義に反する動きに強く反対しています。むしろ、現行憲法の下で、平和外交や地方自治の強化を進めるべきだと主張しています。
玉木雄一郎(国民民主党代表):国民民主党は、憲法改正について建設的な議論を行う立場です。特に、大規模災害時の国会機能維持に関する規定など、具体的な改正案について、他党と協力して検討を進めてきました。今後も、実現可能な改正案について議論を深めていきたいと考えています。
山本太郎(れいわ新選組代表):れいわ新選組は、現行憲法の理念を尊重し、その実現を目指す立場です。特に、25条の生存権や13条の幸福追求権など、基本的人権に関する規定の実現に力を入れるべきだと主張しています。憲法改正よりも、現行憲法の下での政策実現を優先すべきだと考えています。
福島瑞穂(社会民主党党首):社会民主党は、現行憲法の平和主義や基本的人権の尊重を守る立場です。特に、9条の改正には強く反対しています。むしろ、現行憲法の理念に基づいて、平和外交の推進や社会保障の充実を図るべきだと主張しています。
神谷宗幣(参政党代表):参政党は、憲法改正については慎重な立場を取っています。特に、緊急事態条項の創設については、要件が曖昧であり、パンデミックなどを理由に濫用される危険性を指摘しています。国民的な議論を十分に行った上で、慎重に検討すべきだと主張しています。
7.1.2 憲法改正と地方自治に関する論点
各党の議論を通じて、以下のような論点が浮かび上がりました:
- 憲法改正の必要性:自民党や日本維新の会は改正の必要性を主張する一方、立憲民主党や共産党は現行憲法の下での運用改善を主張しています。
- 改正の具体的内容:自衛隊の明記、緊急事態条項の創設、国会議員の任期延長などが具体的な論点として挙げられています。
- 憲法審査会の在り方:現状の憲法審査会の運営に対する批判や、より実質的な議論の必要性が指摘されています。
- 現行憲法の理念と実現:特に野党各党から、現行憲法の理念を尊重し、その実現を優先すべきという意見が出されています。
- 地方自治との関連:憲法改正が地方自治にどのような影響を与えるか、慎重に検討する必要性が指摘されています。
これらの論点について、各党の主張には大きな隔たりがあり、今後も継続的な議論が必要とされています。特に、憲法改正と地方自治の関係については、より具体的な議論が求められています。
7.2 地方経済の活性化と課題
石破茂(自由民主党総裁):私たちは、地方創生を最重要課題の一つとして位置づけています。日本は安全保障環境が厳しく、人口が減少し、30年ぶりの物価上昇に国民が苦しんでいます。デフレ脱却もあと一歩です。地方の疲弊や都市の過密、災害大国であることなど、多くの課題があります。
これらの課題に対応するため、日本のあり方を根本から変える必要があります。私たちが目指すのは「日本創生」です。具体的には、個人消費を上げ、物価上昇を上回る賃金上昇を実現し、将来の社会不安を払拭することで設備投資を促進します。これにより、付加価値の高い商品やサービスを生み出し、GDPの54%を占める個人消費を上昇させ、デフレからの完全脱却を目指します。
また、海外に出た生産拠点を国内に戻し、農業、漁業、林業など付加価値が伸びる可能性のある産業を伸ばしていきます。これらの施策を通じて、日本経済の復活を実現したいと考えています。
野田佳彦(立憲民主党代表):私たちは、政権交代こそが最大の政治改革だと考えています。現在の政権は、裏金問題に対して十分な対応ができていません。自民党のトップが変わり、内閣総理大臣が変わっても、政治は変わっていません。
地方経済の活性化には、環境・エネルギー、デジタルなどの成長が期待される分野に集中的に投資することが重要です。これらの分野で強い経済を作り出し、雇用を確実に確保していく必要があります。
また、若い人たちの間で注目されている社会起業家を支援し、ビジネスと社会的課題の解決を両立するインパクト投資の流れを作り出すことも重要です。さらに、人への投資、特にリカレント教育やリスキリングを通じて、労働生産性を向上させる必要があります。
馬場伸幸(日本維新の会代表):私たちは、古い政治を打ち破ることが必要だと考えています。かつての日本は夢や希望に満ち溢れていましたが、現在の日本は基礎がガタガタになり、天井は雨漏りし、床は抜け、柱は倒れそうな状態です。
この状況を改善するためには、政治が変わる必要があります。全ての国民が夢や希望を持ち、ワクワクドキドキするような社会を作っていくことが重要です。そのためには、現在の自民党政治を打ち破り、新しい政治を始める必要があります。
石井啓一(公明党代表):私たちは、徹底した政治改革が必要だと考えています。特に、政治とカネの問題に対しては、政治資金規制法の改正をリードし、政治資金をチェックする第三者機関の設置を提案しています。
また、政党から政治家個人に支給される政策活動費の廃止や、文書通信交通費の改革も進めていく必要があります。これらの改革を通じて、国民の皆様の期待に応える政治を実現したいと考えています。
田村智子(日本共産党委員長):私たちは、政治の責任で賃上げと労働時間の短縮を実現し、消費税を廃止に向けて直ちに5%に引き下げることを提案しています。また、軍事費を2倍にするのではなく、社会保障と教育の予算を増やすべきだと考えています。
さらに、憲法9条を生かした平和外交を進め、軍事同盟強化に断固として反対します。気候危機対策やジェンダー平等の推進も重要な課題です。これらの政策を通じて、日本共産党の躍進を目指します。
玉木雄一郎(国民民主党代表):私たちは、若者を潰さない政策を提案しています。具体的には、手取りを増やすことが重要です。現在の若者や現役世代に偏った負担のあり方では、彼らが潰れてしまいます。
そこで、次の3つの政策を提案します。1つ目は、30年放置されてきた103万円の壁を178万円まで引き上げ、税金がかからずに働ける範囲を拡大します。2つ目は、50年前に作られたガソリン税の上乗せの暫定税率を廃止し、物流コストを引き下げて物価上昇を抑えます。3つ目は、高齢者医療制度を見直して現役世代の社会保険料負担を引き下げます。
これらの政策により、若者の手取りを増やし、経済の活性化を図ります。
山本太郎(れいわ新選組代表):私たちは、失われた30年を取り戻すことを目指しています。先進国で30年間も不景気が続いている国は日本だけです。そこにコロナと物価高が重なり、国民は苦しんでいます。
具体的な数字を見ると、国民の6人に1人が貧困状態にあり、1人暮らしの女性の4人に1人が貧困です。倒産件数も過去最高に迫る勢いで、その8割が不況型倒産です。
この状況を改善するために、大胆な経済政策が必要です。消費税の廃止、社会保険料の減免、悪い物価高が収まるまでの現金給付などを提案しています。また、国内で作られた製品を政府が大胆に買い上げる政府調達も重要です。これらの政策を通じて、失われた30年を取り戻し、物づくり大国日本を復活させたいと考えています。
7.3 地方創生と経済政策に関する党首間の主な論点
各党首の発言から、地方創生と経済政策に関する主要な論点が浮かび上がりました。以下、これらの論点について各党首の見解をまとめます。
- 経済政策と地方創生の関連性
石破茂(自由民主党総裁):私は、日本創生という観点から地方創生を捉えています。日本は現在、厳しい安全保障環境、人口減少、30年ぶりの物価上昇、デフレ脱却の途上など、多くの課題に直面しています。これらの課題に対応するためには、日本のあり方を根本から変える必要があります。
具体的には、個人消費を上げ、物価上昇を上回る賃金上昇を実現し、将来の社会不安を払拭することで設備投資を促進します。これにより、付加価値の高い商品やサービスを生み出し、GDPの54%を占める個人消費を上昇させ、デフレからの完全脱却を目指します。
また、海外に出た生産拠点を国内に戻し、農業、漁業、林業など付加価値が伸びる可能性のある産業を伸ばしていきます。これらの施策を通じて、日本経済の復活を実現し、その中で地方創生を進めていきたいと考えています。
野田佳彦(立憲民主党代表):私たちは、環境・エネルギー、デジタルなどの成長が期待される分野に集中的に投資することが、地方経済の活性化につながると考えています。これらの分野で強い経済を作り出し、雇用を確実に確保していく必要があります。
また、若い人たちの間で注目されている社会起業家を支援し、ビジネスと社会的課題の解決を両立するインパクト投資の流れを作り出すことも重要です。さらに、人への投資、特にリカレント教育やリスキリングを通じて、労働生産性を向上させる必要があります。
馬場伸幸(日本維新の会代表):私たちは、古い政治を打ち破ることが地方創生につながると考えています。現在の日本は基礎がガタガタになり、天井は雨漏りし、床は抜け、柱は倒れそうな状態です。この状況を改善するためには、政治が変わる必要があります。
全ての国民が夢や希望を持ち、ワクワクドキドキするような社会を作っていくことが重要です。そのためには、現在の自民党政治を打ち破り、新しい政治を始める必要があります。この新しい政治の中で、地方創生を進めていきたいと考えています。
田村智子(日本共産党委員長):私たちは、政治の責任で賃上げと労働時間の短縮を実現し、消費税を廃止に向けて直ちに5%に引き下げることを提案しています。また、軍事費を2倍にするのではなく、社会保障と教育の予算を増やすべきだと考えています。
これらの政策は、地方経済の活性化にもつながります。地方の中小企業や労働者の生活を守り、地方の教育や医療を充実させることで、地方創生を実現したいと考えています。
玉木雄一郎(国民民主党代表):私たちは、若者を潰さない政策が地方創生につながると考えています。具体的には、手取りを増やすことが重要です。103万円の壁を178万円まで引き上げ、ガソリン税の暫定税率を廃止し、高齢者医療制度を見直して現役世代の社会保険料負担を引き下げるなどの政策を提案しています。
これらの政策により、若者の手取りを増やし、経済の活性化を図ります。この経済の活性化が、地方創生にもつながると考えています。
山本太郎(れいわ新選組代表):私たちは、失われた30年を取り戻すことが地方創生につながると考えています。先進国で30年間も不景気が続いている国は日本だけです。そこにコロナと物価高が重なり、国民は苦しんでいます。
具体的には、消費税の廃止、社会保険料の減免、悪い物価高が収まるまでの現金給付などを提案しています。また、国内で作られた製品を政府が大胆に買い上げる政府調達も重要です。これらの政策を通じて、日本経済全体を活性化させ、その中で地方経済も活性化させていきたいと考えています。
- 経済政策の具体的方向性
各党首は、経済政策の具体的方向性について以下のような見解を示しています。
石破茂(自由民主党総裁):コストカット型の経済を改め、付加価値型の経済への転換を目指します。賃金を上げ、物価上昇を上回る賃金上昇を実現することで、個人消費の拡大を図ります。
野田佳彦(立憲民主党代表):環境・エネルギー、デジタル分野への投資を重視し、これらの分野での雇用創出を目指します。また、社会起業家支援やインパクト投資の促進も重要な政策と考えています。
馬場伸幸(日本維新の会代表):具体的な経済政策については言及がありませんでしたが、新しい政治の実現を通じて経済の活性化を図る方針を示しています。
田村智子(日本共産党委員長):賃上げと労働時間短縮の実現、消費税の引き下げ、社会保障と教育予算の増額を主な経済政策として掲げています。
玉木雄一郎(国民民主党代表):若者の手取りを増やすことを重視し、具体的には103万円の壁の引き上げ、ガソリン税の暫定税率廃止、社会保険料負担の軽減などを提案しています。
山本太郎(れいわ新選組代表):消費税の廃止、社会保険料の減免、現金給付、政府による国内製品の買い上げなど、大胆な経済政策を提案しています。
これらの論点を通じて、各党首は地方創生と経済政策に対する異なるアプローチを示しています。経済政策の方向性や具体的な施策について、それぞれの党の特色が表れています。今後の選挙戦では、これらの論点についてさらに詳細な議論が行われることが期待されます。
8. デジタル化推進と行政改革
8.1 行政のデジタル化とマイナンバー制度
石破茂(自由民主党総裁):私は、日本の行政のデジタル化を推進するためには、マイナンバー制度の拡充が不可欠だと考えています。現在のマイナンバーカードの普及率は約50%程度にとどまっていますが、これを大幅に引き上げる必要があります。具体的には、健康保険証や運転免許証との一体化を進め、国民の利便性を高めることで普及を促進したいと考えています。また、マイナンバーの利用範囲を拡大し、行政手続きの簡素化や効率化を図ることで、国民の負担軽減と行政コストの削減を同時に実現したいと思います。
野田佳彦(立憲民主党代表):私は、マイナンバー制度の拡充には慎重な立場をとっています。確かに行政のデジタル化を進める上でマイナンバーの活用は有効な手段の一つですが、個人情報保護の観点から懸念が残ります。特に、利用範囲の拡大については、国民のプライバシー保護と情報セキュリティの確保が十分に担保されない限り、賛成することはできません。まずは、現行のマイナンバー制度の運用状況を精査し、課題を洗い出した上で、慎重に議論を進めるべきだと考えています。
馬場伸幸(日本維新の会代表):私は、マイナンバー制度の拡充に積極的に取り組むべきだと考えています。特に、行政手続きのオンライン化を推進する上で、マイナンバーカードの普及は不可欠です。そのためには、カードの取得や更新手続きを簡素化し、国民にとってより使いやすいものにする必要があります。また、マイナポイント等のインセンティブ制度を充実させることで、普及率を高めていくべきだと思います。さらに、マイナンバーを活用した行政サービスの拡充にも取り組み、国民生活の利便性向上を図りたいと考えています。
石井啓一(公明党代表):私は、マイナンバー制度の拡充に賛成ですが、同時に個人情報保護にも十分配慮すべきだと考えています。マイナンバーカードの普及促進については、自治体と連携しながら、きめ細かな広報活動や申請サポートを行うことが重要です。また、カードの機能拡充として、健康保険証や運転免許証との一体化を着実に進めるとともに、民間サービスでの活用も促進すべきだと思います。ただし、情報セキュリティの確保には万全を期し、国民の不安を払拭する努力を怠ってはなりません。
田村智子(日本共産党委員長):私は、マイナンバー制度の拡充には反対の立場です。この制度は、国民のプライバシーを侵害し、個人情報の一元管理につながる危険性があると考えています。特に、利用範囲の拡大は、情報漏洩のリスクを高めるだけでなく、国家による監視社会の構築にもつながりかねません。むしろ、既存の行政システムを改善し、個人情報保護を徹底した上で、必要最小限の範囲でデジタル化を進めるべきだと考えています。
玉木雄一郎(国民民主党代表):私は、マイナンバー制度の拡充には基本的に賛成ですが、国民の理解と信頼を得ながら慎重に進めるべきだと考えています。まずは、マイナンバーカードの利便性を高めることが重要です。例えば、健康保険証や運転免許証との一体化を早期に実現し、国民が日常生活で実感できるメリットを提供する必要があります。同時に、情報セキュリティの強化と個人情報保護の徹底にも取り組み、国民の不安を解消することが不可欠です。また、マイナンバーを活用した行政手続きのオンライン化を推進し、行政コストの削減と国民の利便性向上を両立させたいと考えています。
山本太郎(れいわ新選組代表):私は、マイナンバー制度の拡充には反対です。この制度は、国民のプライバシーを脅かし、国家による管理社会を作り出す危険性があります。特に、利用範囲の拡大は、国民の個人情報を国家が一元管理することにつながり、民主主義の根幹を揺るがしかねません。また、マイナンバーカードの取得を事実上強制することは、国民の自由な選択権を侵害するものです。むしろ、既存の行政システムを改善し、国民のプライバシーを守りながら、必要最小限のデジタル化を進めるべきだと考えています。
福島瑞穂(社会民主党党首):私は、マイナンバー制度の拡充には慎重な立場です。確かに行政のデジタル化は必要ですが、個人情報保護とプライバシーの確保が最優先されるべきです。マイナンバーカードの普及を急ぐあまり、国民の権利が侵害されることがあってはなりません。特に、利用範囲の拡大については、国民的な議論を十分に行い、合意形成を図る必要があります。また、情報セキュリティの確保や個人情報の適切な管理について、具体的な対策を示すことが不可欠だと考えています。
神谷宗幣(参政党代表):私は、マイナンバー制度の拡充には反対の立場です。この制度は、国民のプライバシーを侵害し、国家による監視社会の構築につながる危険性があると考えています。特に、利用範囲の拡大は、個人情報の一元管理を進め、国民の自由を脅かす可能性があります。また、マイナンバーカードの取得を事実上強制することは、国民の選択の自由を奪うものです。むしろ、既存の行政システムを改善し、国民のプライバシーを守りながら、必要最小限のデジタル化を進めるべきだと考えています。
8.2 産業のデジタル化と経済政策
石破茂(自由民主党総裁):私は、日本経済の成長にはデジタル化の推進が不可欠だと考えています。特に、行政のデジタル化を進めることで、国民の利便性向上と行政コストの削減を同時に実現できると考えています。
野田佳彦(立憲民主党代表):私は、デジタル化の推進には慎重な立場をとっています。個人情報保護やセキュリティの確保が十分に担保されない限り、拙速な導入は避けるべきだと考えています。
馬場伸幸(日本維新の会代表):私は、デジタル化の推進に積極的に取り組むべきだと考えています。特に、行政手続きのオンライン化を進めることで、国民生活の利便性向上を図りたいと考えています。
石井啓一(公明党代表):私は、デジタル化の推進に賛成ですが、同時に個人情報保護にも十分配慮すべきだと考えています。国民の不安を払拭する努力を怠ってはなりません。
田村智子(日本共産党委員長):私は、急速なデジタル化の推進には反対の立場です。国民のプライバシーを守りながら、必要最小限の範囲でデジタル化を進めるべきだと考えています。
玉木雄一郎(国民民主党代表):私は、デジタル化の推進には基本的に賛成ですが、国民の理解と信頼を得ながら慎重に進めるべきだと考えています。行政コストの削減と国民の利便性向上を両立させたいと考えています。
山本太郎(れいわ新選組代表):私は、現在のデジタル化推進策には反対です。国民のプライバシーを守り、必要最小限のデジタル化を進めるべきだと考えています。
福島瑞穂(社会民主党党首):私は、デジタル化の推進には慎重な立場です。個人情報保護とプライバシーの確保が最優先されるべきだと考えています。
神谷宗幣(参政党代表):私は、現在のデジタル化推進策には反対の立場です。国民のプライバシーを守りながら、必要最小限のデジタル化を進めるべきだと考えています。
8.3 デジタル政策に関する党首間の主な論点
デジタル政策に関して、各党首の間で直接的な議論は行われませんでしたが、経済政策や地方創生の文脈の中で、デジタル化に関連する発言がありました。これらの発言から、デジタル政策に関する各党の立場や重点を以下にまとめます。
- デジタル化と経済成長の関連性
野田佳彦(立憲民主党代表):私たちは、デジタル分野を今後の成長が期待される重要な分野の一つとして位置づけています。具体的には、「環境・エネルギー、デジタルなどの成長が期待される分野に集中的に投資することが、地方経済の活性化につながる」と考えています。これらの分野で強い経済を作り出し、雇用を確実に確保していく必要があります。
デジタル分野への投資は、単なる技術革新にとどまらず、新たな産業の創出や既存産業の生産性向上、さらには地方創生にもつながる可能性を秘めています。例えば、地方におけるデジタル産業の育成は、若者の雇用創出や地域経済の活性化に貢献する可能性があります。
また、デジタル技術を活用したリモートワークの普及は、地方への移住促進や東京一極集中の是正にもつながる可能性があります。このように、デジタル化の推進は、経済成長と地方創生を同時に実現する重要な手段となり得ると考えています。
- デジタル人材の育成
野田佳彦(立憲民主党代表):デジタル化の推進にあたっては、人材育成が極めて重要です。私たちは、「人への投資、特にリカレント教育やリスキリングを通じて、労働生産性を向上させる必要がある」と考えています。
具体的には、デジタルスキルの習得を支援するプログラムの拡充や、企業におけるデジタル人材の育成を支援する施策の導入を検討しています。例えば、中小企業のデジタル化を支援する専門家の派遣や、デジタルスキル習得のための助成金制度の創設などが考えられます。
また、学校教育においても、プログラミング教育の充実やデータサイエンス教育の強化など、次世代のデジタル人材育成にも力を入れていく必要があります。これらの取り組みを通じて、日本全体のデジタルリテラシーの向上を図り、デジタル社会への対応力を高めていきたいと考えています。
- 地方のデジタル化支援
石破茂(自由民主党総裁):私たちは、地方創生の文脈でデジタル化の重要性を認識しています。具体的な言及はありませんでしたが、「日本のあり方を根本から変える必要がある」という発言の中に、デジタル化推進の必要性も含まれていると解釈できます。
地方のデジタル化支援については、例えば以下のような施策が考えられます:
- 地方自治体のデジタル化支援:行政手続きのオンライン化や、データを活用した政策立案の支援など。
- 地方企業のデジタル化支援:中小企業向けのデジタル化補助金の拡充や、デジタル技術導入のための専門家派遣など。
- 地方のデジタルインフラ整備:5Gネットワークの地方展開加速や、光ファイバー網の整備促進など。
これらの施策を通じて、地方におけるデジタル化を推進し、地域経済の活性化や住民サービスの向上を図ることが重要だと考えています。
- デジタル化と社会保障
玉木雄一郎(国民民主党代表):私たちは、デジタル化を社会保障制度の効率化や公平性の向上に活用することを提案しています。具体的には、「高齢者医療制度を見直して現役世代の社会保険料負担を引き下げる」という提案の中に、デジタル技術を活用した医療費の適正化や保険料徴収の効率化などの施策が含まれています。
例えば、マイナンバーカードと連携した電子カルテシステムの導入により、医療情報の一元管理や重複検査の防止が可能になります。また、AI技術を活用した診断支援システムの導入により、医療の質の向上と効率化を同時に実現することができます。
さらに、デジタル技術を活用した年金制度の運用効率化や、オンライン申請システムの導入による各種社会保障手続きの簡素化なども検討しています。これらの取り組みにより、社会保障制度の持続可能性を高めつつ、国民の利便性向上を図ることができると考えています。
- デジタル化と個人情報保護
各党首から直接的な言及はありませんでしたが、デジタル化の推進にあたっては、個人情報保護の問題が重要な論点となります。特に、マイナンバー制度の拡充や電子政府の実現に向けては、個人情報の適切な管理と利活用のバランスが課題となります。
この点については、例えば以下のような議論が必要になると考えられます:
- 個人情報保護法制の見直し:デジタル時代に対応した個人情報保護の在り方の検討。
- データポータビリティの確保:個人が自身のデータをコントロールできる仕組みの構築。
- セキュリティ対策の強化:サイバー攻撃やデータ漏洩に対する防御策の充実。
これらの課題に対して、各党がどのような立場を取るかは、今後の重要な論点になると予想されます。
- デジタル化と産業競争力
日本のデジタル産業の国際競争力強化という観点から、以下のような施策が考えられます:
- 国内デジタル企業の育成:スタートアップ支援や研究開発投資の促進。
- デジタル分野における政府調達の拡大:国内デジタル企業の製品やサービスの積極的な導入。
- デジタル分野における国際標準化戦略:日本発の技術や規格の国際標準化推進。
これらの施策を通じて、日本のデジタル産業の競争力を高め、経済成長につなげることが重要だと考えられます。
結論として、各党首はデジタル政策に直接言及することは少なかったものの、経済政策や地方創生の文脈の中でデジタル化の重要性を認識していることが伺えます。今後の選挙戦では、デジタル化がもたらす経済効果や社会変革、そしてそれに伴う課題について、より具体的な議論が展開されることが期待されます。
9. 外交政策
9.1 対米関係と安全保障
9.1.1 日米同盟の現状と課題
石破茂(自由民主党総裁):日米同盟は日本外交の基軸ですが、同時に日本の自立性を高める必要があります。現在の日米安全保障条約は非対称的で、アメリカが日本を守る義務を負う一方、日本はアメリカを守る義務はなく、代わりに北海道から九州沖縄まで基地を提供する義務を負っています。これが独立主権国家のあり方として適切かどうか、疑問を感じています。
日米同盟の重要性は認識していますが、日本の国益もきちんと主張すべきです。例えば、私が防衛大臣だった時に中国を訪問し、国防大臣と議論をした際、当時の総理大臣から突然会いたいと言われました。その時、日本がミサイル防衛を行う理由や有事法制が必要な理由について、日本政府の立場をきちんと説明しました。国が違えば国益も違いますから、国益を踏まえてきちんとした主張をすることが外交の基本だと考えています。
野田佳彦(立憲民主党代表):日米関係が外交安全保障の基軸であることは間違いありません。この基軸を踏まえながら、政権を預かる立場になった場合には対応していく方針です。ただし、アメリカとの関係においても、日本の立場をしっかりと主張していく必要があります。
最近のASEAN首脳会議では、アメリカは国務長官しか出席していませんでした。2012年からロシアとともにアメリカも招かれるようになったのに、今回は出席していません。これは問題だと考えています。中国やロシアが勝手に振る舞うのを許してはいけません。今後のアメリカ大統領が誰になるかわかりませんが、まずは個人的な信頼関係を築き、このような国際会議に必ず大統領が出席するようにコミットさせ続けるという外交努力をすべきです。
石井啓一(公明党代表):日米同盟を基軸としつつも、日本の独自性を発揮できる外交を目指しています。例えば、核軍縮や気候変動問題などのグローバルな課題において、日本が主導的な役割を果たすことで、国際社会における存在感を高めることができると考えています。
田村智子(日本共産党委員長):私たちは、対等平等の日米関係を目指すべきだと考えています。現在の日米安保条約は、日本の主権を制限し、アメリカの世界戦略に組み込まれる結果となっています。これを根本から見直し、真に独立した外交政策を展開すべきです。
9.1.2 集団的自衛権と安全保障法制
野田佳彦(立憲民主党代表):安全保障関連法、特に集団的自衛権の行使容認については、私たちは意見部分について廃止をするという立場です。政権をお預かりする立場になった場合には、防衛省やアメリカを含めて再検証しながらプロセスを辿っていくという方針です。これは従来から変わっていません。
田村智子(日本共産党委員長):集団的自衛権の行使容認は、明らかに憲法を踏みにじる決定でした。戦争しないはずの日本が、日本の国はどこも攻撃をされていないにも関わらず、米軍と一体に軍事行動を海外で行うことができてしまいます。さらに、敵基地攻撃能力と称して外国に攻め込むミサイルまで保有しようとしています。これは立憲主義の観点から見て大変重大な問題です。
石井啓一(公明党代表):平和安全法制は、フルサイズの集団的自衛権を認めたものではありません。あくまでも日本の安全、国民の安全に関係ないような事態には行使できません。憲法の範囲内で、限定的・部分的な集団的自衛権の考え方を示したものです。
9.1.3 在日米軍基地問題
石破茂(自由民主党総裁):日米地位協定の見直しについては、20年前から同じことを申し上げています。今回総裁になりましたので、これから先、党の中できちんと議論をしていきます。今までその議論すら始まらなかったということを何とかスタートさせたいと考えています。
馬場伸幸(日本維新の会代表):沖縄の基地問題については、イデオロギーや政治的な色合いに関係なく、沖縄県の皆様方全員が望んでいるテーマだと考えています。しかし、石破総裁からは日米地位協定を見直していくという発言が薄れてきているように感じます。沖縄県民の期待に応えるメッセージを是非お聞きしたいと思います。
9.2 対中関係
9.2.1 中国との外交関係
石破茂(自由民主党総裁):私は、中国との関係において対立ばかりしても、また中国べったりになってもしょうがないと考えています。我が国の国益を踏まえて、何を言うべきかを慎重に判断する必要があります。
私の経験を例に挙げますと、防衛大臣時代に中国を訪問し、国防大臣と議論を行いました。その後、突如として当時の中国の総理大臣から会いたいという話がありました。その際、日本がミサイル防衛を行う理由や有事法制が必要な理由について、日本政府の立場をきちんと説明しました。言いたいことを言わないのは決して良いことではありません。国が違えば国益も違いますから、そこにおいて国益を踏まえてきちんとした主張をすることが外交の基本だと考えています。
最近の例では、昨日ASEAN首脳会議に出席するためラオスのビエンチャンに行ってきました。そこでロシアの外務大臣や中国の首相と議論する機会がありました。日本が行かなければ、中国のリードになってしまうということは絶対に避けなければなりません。そのため、私は出席をし、言うべきことはきちんと言いました。
野田佳彦(立憲民主党代表):私は、中国との関係において、特に国際会議の場での存在感が重要だと考えています。最近のASEAN首脳会議では、アメリカは国務長官しか出席していませんでした。本来、2012年からロシアとともにアメリカも招かれるようになったのに、今回は出席していません。これは問題だと考えています。
中国やロシアが勝手に振る舞うのを許してはいけません。こういう国際会議にアメリカを引き込むという外交努力をすることはもっと大事です。今後のアメリカ大統領が誰になるかわかりませんが、まずは個人的な信頼関係を築き、このような会議に必ず大統領が出てくるようにコミットさせ続けるという外交をまずやるべきだと考えています。
9.2.2 安全保障と中国
田村智子(日本共産党委員長):私たちは、中国との関係において、平和的な解決を目指すべきだと考えています。例えば、南西諸島における自衛隊配備とミサイル計画は、日本全体が沖縄南西諸島が軍事基地化・要塞化をしているのを示しています。私は全ての島々を回って、この状況を確認してきました。
戦争させない、憲法改悪させない、そして軍拡ではなく、戦争の準備ではなく平和外交・平和構築をやっていくことを、社民党は力強くたくさんの人とやっていきたいと思います。それが困難な道でもやらなければならないと考えています。
石井啓一(公明党代表):平和安全法制は、フルサイズの集団的自衛権を認めたものではありません。あくまでも日本の安全、国民の安全に関係ないような事態には行使できません。憲法の範囲内で、限定的・部分的な集団的自衛権の考え方を示したものです。
このような法制は、中国との関係においても、日本の立場を明確にするものだと考えています。
9.4 外交政策に関する党首間の主な論点
石破茂(自由民主党総裁):私は、外交政策において日米同盟の重要性を認識しつつも、日本の自立性を高める必要があると考えています。現在の日米安全保障条約の非対称性について、疑問を感じています。アメリカが日本を守る義務を負う一方、日本はアメリカを守る義務はなく、代わりに北海道から九州沖縄まで基地を提供する義務を負っています。これが独立主権国家のあり方として適切かどうか、真剣に考える必要があります。
また、中国との関係においては、対立ばかりでなく、国益を踏まえた慎重な判断が必要です。私の防衛大臣時代の経験から、相手国の立場を理解しつつ、日本の立場をきちんと説明することの重要性を学びました。
国際会議への参加も重要な論点です。最近のASEAN首脳会議では、日本が行かなければ中国のリードになってしまうことを懸念し、私自身が出席して日本の立場を主張しました。
野田佳彦(立憲民主党代表):私は、日米関係を外交の基軸としつつ、日本の立場をしっかりと主張することが重要だと考えています。特に、国際会議での日本の存在感を高めることが急務です。
最近のASEAN首脳会議でアメリカが国務長官しか派遣しなかったことは問題だと考えています。中国やロシアの勝手な振る舞いを許さないためにも、アメリカの大統領が必ず出席するよう働きかけるべきです。
安全保障政策に関しては、集団的自衛権の行使容認について、意見部分の廃止を主張しています。政権を担当する場合には、防衛省やアメリカも含めて再検証する方針です。
田村智子(日本共産党委員長):私たちは、平和外交を最重視すべきだと考えています。集団的自衛権の行使容認は憲法違反であり、日本が攻撃されていないにもかかわらず、米軍と一体となって海外で軍事行動ができるようになったことは重大な問題です。
さらに、沖縄や南西諸島における自衛隊配備とミサイル計画は、これらの地域の軍事基地化・要塞化につながっています。私は全ての島々を訪れ、この状況を確認しました。
戦争させない、憲法改悪させない、そして軍拡ではなく平和外交・平和構築を推進することが、困難であっても必要不可欠だと考えています。
石井啓一(公明党代表):私たちは、日米同盟を基軸としつつ、日本の独自性を発揮する外交を目指しています。安全保障政策については、平和安全法制が重要だと考えています。
この法制は、フルサイズの集団的自衛権を認めたものではなく、日本の安全、国民の安全に関係する事態に限定して行使できるものです。憲法の範囲内で、限定的・部分的な集団的自衛権の考え方を示しています。
馬場伸幸(日本維新の会代表):私たちは、外交政策において日本の自主性を重視すべきだと考えています。特に、沖縄の基地問題に関しては、日本政府がより主体的に取り組むべきです。
日米地位協定の見直しは、イデオロギーや政治的な立場に関係なく、沖縄県民全体の要望です。しかし、石破総裁の発言からは、この見直しへの意欲が薄れているように感じます。沖縄県民の期待に応える具体的な方針を示すべきだと考えています。
これらの議論を通じて、各党首は日米同盟の在り方、対中関係、安全保障政策、憲法改正など、外交・安全保障に関する様々な論点について、それぞれの立場から主張を展開しました。特に沖縄の基地問題や日米地位協定の見直し、核兵器禁止条約への対応、安全保障関連法の是非などについて、活発な議論が交わされました。
10. 政治改革
10.1 政治とカネの問題
石破茂(自由民主党総裁):政治とカネの問題については、特に政策活動費の使用に関して見直しが必要だと考えています。政策活動費は現行法制の下では合法ですが、その使い方には問題があると認識しています。私は、政策活動費を抑制的に使用し、違法な使い方は一切しないことを約束します。将来的には廃止の方向で検討すべきだと考えており、これから先の国会においてきちんと議論したいと思っています。
野田佳彦(立憲民主党代表):私たち立憲民主党は、政治とカネの問題に関して、政策活動費の使用について厳しい立場をとっています。現在の政策活動費の使用方法は、国民の理解を得られないと考えています。特に、使い道を公開しない限り、違法に使ったのか適法に使ったかわからない状況は問題です。例えば、政策活動費を渡して秘書が公選法違反行為に使用するような事態は絶対に避けなければなりません。我々は、政策活動費を使用せずに選挙戦を戦う覚悟です。平等な条件で選挙を戦わなければ、民意が適切に反映されないと考えています。
馬場伸幸(日本維新の会代表):日本維新の会は、政治とカネの問題に関して、特に選挙時の資金使用について厳しい姿勢で臨んでいます。我々は大阪では、重複立候補者全員が選挙資金の自主返納を行い、この選挙戦に挑む覚悟です。これは、政治資金の透明性を高め、国民の信頼を回復するための取り組みの一環です。
石井啓一(公明党代表):公明党は、政治とカネの問題に関して、徹底した政治改革を掲げています。具体的には、政治資金規制法の改正をリードし、政治献金をチェックする第三者機関の設置を提案しました。また、政党から政治家個人に支給される政策活動費の廃止を目指しています。さらに、文書通信交通費の改革も進めていきたいと考えています。
田村智子(日本共産党委員長):日本共産党は、政治とカネの問題について、特に裏金問題を厳しく追及してきました。我々は、この問題を自民党の組織的犯罪だと考え、徹底的に追求しています。また、企業・団体献金の全面禁止を30年間訴え続けてきました。これらの取り組みにより、政治改革の焦点が政治とカネの問題に当てられるようになったと自負しています。
玉木雄一郎(国民民主党代表):国民民主党は、政治とカネの問題に関して、特に政策活動費の使用について厳しい立場をとっています。我々は、政策活動費を使用せずに選挙戦を戦う方針です。また、政治資金の透明性を高めるため、使途の公開を徹底すべきだと考えています。
10.2 選挙制度改革
石破茂(自由民主党総裁):政策活動費は現行法制の下では合法ですが、その使い方には問題があると認識しています。私は、政策活動費を抑制的に使用し、違法な使い方は一切しないことを約束します。将来的には廃止の方向で検討すべきだと考えており、これから先の国会においてきちんと議論したいと思っています。
野田佳彦(立憲民主党代表):私たち立憲民主党は、政策活動費の使用について厳しい立場をとっています。現在の政策活動費の使用方法は、国民の理解を得られないと考えています。特に、使い道を公開しない限り、違法に使ったのか適法に使ったかわからない状況は問題です。我々は、政策活動費を使用せずに選挙戦を戦う覚悟です。平等な条件で選挙を戦わなければ、民意が適切に反映されないと考えています。
馬場伸幸(日本維新の会代表):日本維新の会は、選挙時の資金使用について厳しい姿勢で臨んでいます。我々は大阪では、重複立候補者全員が選挙資金の自主返納を行い、この選挙戦に挑む覚悟です。これは、政治資金の透明性を高め、国民の信頼を回復するための取り組みの一環です。
10.3 国会改革
石破茂(自由民主党総裁):私は、政治改革の必要性を認識しています。特に、政策活動費の使用方法について見直しが必要だと考えています。政策活動費は現行法制の下では合法ですが、その使い方には問題があると認識しています。私は、政策活動費を抑制的に使用し、違法な使い方は一切しないことを約束します。将来的には廃止の方向で検討すべきだと考えており、これから先の国会においてきちんと議論したいと思っています。
野田佳彦(立憲民主党代表):私たち立憲民主党は、政治の透明性向上を重視しています。特に、政策活動費の使用に関して厳しい立場をとっています。現在の政策活動費の使用方法は、国民の理解を得られないと考えています。特に、使い道を公開しない限り、違法に使ったのか適法に使ったかわからない状況は問題です。我々は、政策活動費を使用せずに選挙戦を戦う覚悟です。平等な条件で選挙を戦わなければ、民意が適切に反映されないと考えています。
馬場伸幸(日本維新の会代表):我々日本維新の会は、政治改革の必要性を強く認識しています。特に、古い政治を打破り、新しい政治を始めていくことの重要性を訴えています。我々は大阪では、重複立候補者全員が選挙資金の自主返納を行い、この選挙戦に挑む覚悟です。これは、政治資金の透明性を高め、国民の信頼を回復するための取り組みの一環です。
石井啓一(公明党代表):私たち公明党は、徹底した政治改革を掲げています。具体的には、政治資金規制法の改正をリードし、政治献金をチェックする第三者機関の設置を提案しました。また、政党から政治家個人に支給される政策活動費の廃止を目指しています。さらに、文書通信交通費の改革も進めていきたいと考えています。
田村智子(日本共産党委員長):私たち日本共産党は、政治改革の必要性を強く認識しています。特に、裏金問題の追及や企業・団体献金の全面禁止を訴えています。我々は、この問題を自民党の組織的犯罪だと考え、徹底的に追及しています。また、企業・団体献金の全面禁止を30年間訴え続けてきました。これらの取り組みにより、政治改革の焦点が政治とカネの問題に当てられるようになったと自負しています。
玉木雄一郎(国民民主党代表):私たち国民民主党は、政治の透明性向上を重視しています。特に、政策活動費の使用に関して厳しい立場をとっています。我々は、政策活動費を使用せずに選挙戦を戦う方針です。また、政治資金の透明性を高めるため、使途の公開を徹底すべきだと考えています。
10.4 政治改革に関する党首間の主な論点
石破茂(自由民主党総裁):私は、政治改革の重要な論点として政策活動費の問題を挙げます。現行法制下では合法ですが、その使い方には問題があると認識しています。私は政策活動費を抑制的に使用し、違法な使い方は一切しないことを約束します。将来的には廃止の方向で検討すべきであり、これから先の国会で議論を深めたいと考えています。
野田佳彦(立憲民主党代表):私たち立憲民主党は、政治改革の最大の論点は政権交代だと考えています。政治とカネの問題、特に裏金問題に対して、自民党は十分な対応ができていません。我々は、政権交代こそが最大の政治改革であると主張します。政策活動費については、使用しない方針を取っています。使い道を公開しない限り、違法か適法か判断できない状況は問題です。平等な条件で選挙を戦わなければ、民意が適切に反映されないと考えています。
馬場伸幸(日本維新の会代表):私たち日本維新の会は、古い政治を打破り、新しい政治を始めることが政治改革の最大の論点だと考えています。具体的には、政治資金の透明性向上が重要です。我々は大阪では、重複立候補者全員が選挙資金の自主返納を行い、この選挙戦に挑む覚悟です。
石井啓一(公明党代表):私たち公明党は、政治改革の最大の論点は政治資金規制の強化だと考えています。具体的には、政治資金規制法の改正をリードし、政治献金をチェックする第三者機関の設置を提案しました。また、政党から政治家個人に支給される政策活動費の廃止を目指しています。
田村智子(日本共産党委員長):私たち日本共産党は、政治改革の最大の論点は政治とカネの問題、特に裏金問題だと考えています。我々は、この問題を自民党の組織的犯罪だと考え、徹底的に追及しています。また、企業・団体献金の全面禁止を30年間訴え続けてきました。
玉木雄一郎(国民民主党代表):私たち国民民主党は、政治資金の透明性向上を重視しています。政策活動費については使用しない方針を取っており、政治資金の使途の公開を徹底すべきだと考えています。
山本太郎(れいわ新選組代表):私たちれいわ新選組は、政治改革の最大の論点は経済政策の転換だと考えています。失われた30年を取り戻すためには、大胆な経済政策が必要です。具体的には、消費税の廃止、社会保険料の減免、物価高が収まるまでの現金給付などを提案しています。
11. コロナ後の社会像
11.1 経済政策と財政
石破茂(自由民主党総裁):私は、日本創生を目指し、この総選挙に臨みます。現在、日本は厳しい安全保障環境にあり、人口減少や30年ぶりの物価上昇に直面しています。デフレ脱却まであと一歩のところまで来ていますが、地方の疲弊や都市の過密、災害大国としての課題など、多くの問題に直面しています。日本のあり方を根本から変えていく必要があり、そのために日本創生を掲げています。
具体的には、コストカット型の経済から脱却し、付加価値を高める経済への転換を目指します。賃金上昇を物価上昇が上回る状況を作り出し、個人消費を増やすことでGDP全体の54%を占める個人消費を上昇させ、デフレからの完全脱却を目指します。また、海外に出た生産拠点を可能な限り国内に戻し、農業、漁業、林業など付加価値が伸びる可能性のある産業を伸ばしていくことで、日本経済の復活を実現したいと考えています。
野田佳彦(立憲民主党代表):私たちは、政権交代こそが最大の政治改革であると考えています。10月1日から始まった臨時国会は、本来、能登半島地震の復旧復興のための補正予算を審議し、1日も早く成立させるべきでした。また、1月から6月に開催された通常国会では、政治と金の問題についてけじめをつけられず、実態も解明できないまま、甘い法律で終わってしまいました。今回の解散は、私の解釈では「裏金解散」だと思います。自民党のトップが変わり、内閣総理大臣が変わっても、政治は変わらないということです。だからこそ、政権交代が最大の政治改革になると考えています。
馬場伸幸(日本維新の会代表):私たちは、「古い政治を打ち破れ」をスローガンに掲げています。私が生まれた昭和40年代の日本は光り輝いていました。今日より明日、明日より来月、来月より来年がどんどん良くなっていくだろうという夢や希望に満ち溢れた日本でした。しかし、今の日本は、皆さん方のお家で例えると、基礎がガタガタになり、天井には穴が開き、床は抜け、柱は倒れそうになっているような状態です。この日本をもう一度輝く日本に再生するためには、政治が変わらなければなりません。今の自民党がやっている古い政治を打ち破り、新しい政治を始めることで、全ての国民が夢や希望を持ち、ワクワクドキドキするような社会を作っていきたいと考えています。
石井啓一(公明党代表):私たちは、徹底した政治改革を掲げています。今回の政治とカネの問題について、公明党はいち早く政治改革ビジョンを公表し、政治資金規制法の改正をリードしました。私どもが主張して改正法に盛り込まれた政治資金をチェックする第三者機関については、閉会中に議論を重ね、10月4日に中間取りまとめを報告しました。本体の施行に合わせてこれを設置していきたいと思います。
また、政党から政治家個人に支給される政策活動費の廃止を目指すとともに、文書通信交通費の改革も進めていきたいと考えています。衆議院選挙は政権選択の選挙です。山積する内外の課題にしっかりと答えを出せるのは自公の連立政権しかないと考えており、その中に国民目線の公明党がいることで、国民の皆様のご期待に応えることができると思っています。
11.2 コロナ後の社会像に関する党首間の主な論点
各党首の発言から、経済政策や政治改革に関する主要な論点を抽出し、それらがコロナ後の社会像にも関連すると解釈することができます。以下に、主な論点をまとめます。
- 経済回復と構造改革
石破茂(自由民主党総裁)は、コストカット型の経済から付加価値を高める経済への転換を主張しています。具体的には、賃金上昇を物価上昇が上回る状況を作り出し、個人消費を増やすことでGDP全体の54%を占める個人消費を上昇させ、デフレからの完全脱却を目指すとしています。また、海外に出た生産拠点を可能な限り国内に戻し、農業、漁業、林業など付加価値が伸びる可能性のある産業を伸ばしていくことで、日本経済の復活を実現したいと考えています。
一方、野田佳彦(立憲民主党代表)や馬場伸幸(日本維新の会代表)は、現状の経済政策に批判的な立場を取っています。野田氏は具体的な経済政策には言及していませんが、政権交代による政治改革の必要性を強調しています。馬場氏は、現在の日本経済を「基礎がガタガタになり、天井には穴が開き、床は抜け、柱は倒れそうになっているような状態」と表現し、抜本的な改革の必要性を訴えています。
- 政治改革と透明性の確保
野田佳彦(立憲民主党代表)は、政治とカネの問題に関する不透明な状況を批判し、政権交代による政治改革の必要性を強調しています。「裏金解散」という表現を用いて、現政権の姿勢を厳しく批判しています。
石井啓一(公明党代表)も政治改革の必要性を認識しており、政治資金規制法の改正や政治資金をチェックする第三者機関の設置など、具体的な改革案を提示しています。また、政党から政治家個人に支給される政策活動費の廃止や文書通信交通費の改革も進めていくとしています。
- 地方創生と格差是正
石破茂(自由民主党総裁)は、地方の疲弊や都市の過密を日本が直面している課題の一つとして挙げています。具体的な対策には言及していませんが、日本のあり方を根本から変える必要性を訴えています。
馬場伸幸(日本維新の会代表)も、現在の日本の状況を批判的に捉えており、全ての国民が夢や希望を持てる社会の実現を目指すとしています。これは間接的に、地域間格差の是正や地方創生の必要性を示唆していると解釈できます。
- 災害対策と復興
野田佳彦(立憲民主党代表)は、能登半島地震の復旧復興のための補正予算審議の必要性を訴えています。これは、災害大国である日本において、迅速な復興支援と将来的な災害対策の重要性を示唆しています。
石破茂(自由民主党総裁)も、日本が災害大国であることを課題の一つとして挙げており、この問題に対する取り組みの必要性を認識していることがうかがえます。
- 社会保障制度の持続可能性
直接的な言及はありませんが、石破茂(自由民主党総裁)が提案する経済政策は、デフレ脱却と経済成長を通じて、社会保障制度の持続可能性を高めることを目指していると解釈できます。
石井啓一(公明党代表)も、山積する内外の課題に答えを出す必要性を訴えており、これには社会保障制度の課題も含まれていると考えられます。
これらの論点は、コロナ後の社会像を形作る重要な要素となりうるものです。各党首の発言は、必ずしもコロナ後の社会を直接的に論じているわけではありませんが、経済回復、政治改革、地方創生、災害対策、社会保障といった課題への取り組みが、結果としてコロナ後の社会のあり方を規定していくことになるでしょう。
12. 各党の選挙戦略と訴求点
12.1 自由民主党:「日本創生」を掲げ経済政策を重視
石破茂(自由民主党総裁):私は、このたび第102代内閣総理大臣に選ばれました。今回の衆議院選挙では、「日本創生」を掲げて戦いたいと思います。日本は現在、最も厳しい安全保障環境に直面しています。人口が減少し、国民の皆さんは30年ぶりの物価上昇に苦しんでおられます。デフレからの脱却もあと一歩のところまで来ています。
地方の疲弊と都市の過密という課題もあります。日本は世界有数の災害大国でありながら、これに対する体制が十分とは言えません。このように多くの課題を抱える日本のあり方を、根本から変えていかなければならない時代に入ったと考えています。
経済政策については、コストカット型の経済を改め、賃金を上げていく政策を進めます。下請けにしわ寄せが行くような形での経済運営は改めなければなりません。いかにして個人消費を上げるか、物価上昇を上回る賃金上昇を実現するか、そして将来の社会不安を払拭して設備投資を促すか、これらが重要です。
付加価値の高い商品やサービスを作り出すことで、賃金が上がり、付加価値が増え、将来不安が払拭されます。それによってGDP全体の54%を占める個人消費を上昇させ、デフレから完全に脱却することを目指します。また、海外に出た生産拠点をなるべく国内に戻すことも重要です。農業、漁業、林業など、付加価値が伸びる要素がある産業を目一杯伸ばすことで、日本経済の復活を実現したいと考えています。
最低賃金については、全国平均で1500円を目指します。ただし、地域によって差があることは認識しています。全国平均で1500円を目指すためには、労働分配率を上げていく必要があります。企業が上げてきた収益の中で、いかにして労働者にそれを回していくかが最重要です。
内部留保が溜まっていくだけではなく、労働者への分配へと変えていくことが重要です。そのためには、下請けいじめのような経済は許さず、きちんとした価格転嫁ができる体制を作っていく必要があります。上げた付加価値にふさわしいお金が払われるよう、下請けにもきちんとしたお金が払われるような体制を作り、プラスの連鎖を広げていきたいと考えています。
12.2 立憲民主党:「政権交代による政治改革」を主張
野田佳彦(立憲民主党代表):私たち立憲民主党は、「政権交代こそ最大の政治改革」というスローガンを掲げて、この選挙戦に臨みます。10月1日から始まった臨時国会は、本来ならば能登の復旧復興のための補正予算を審議して、1日も早く成立させるべきでした。また、1月から6月に開催された通常国会では、裏金の問題についてけじめもつけられず、実態も解明できず、これからどうするかも甘い法律で終わってしまいました。
その問題をもう一度議論をして、政治に対する信頼を取り戻す場であるべきでした。しかし残念ながら、すぐに解散になってしまいました。これは私の解釈するところでは「裏金逃げ解散」だと思います。このことは、自民党のトップが変わり、内閣総理大臣が変わっても、政治は変わらないということを示しています。だからこそ、政権交代こそが最大の政治改革であると考えています。
経済政策については、まずは国際競争にさらされるとは思いますが、これからの成長力が期待される分野、雇用を確実に確保すると思われる分野である環境エネルギー(グリーン)、そしてデジタルといった分野に集中的に重点的に投資をしていくことによって、強い経済を作り出していくことが大事だと思っています。
加えて、これは新しい考え方ですが、若い人の間に今、社会企業家が増えてきました。ビジネスと社会的な課題を解決するというインパクト投資、これを新しい流れとして私は作り出していきたいと思います。
当面は一番大事なのは賃上げだと思います。物価よりも賃金が上がる状況を作るためには、これは人への投資に尽きるでしょう。リカレント教育であるとか、あるいはリスキリングといった分野に大胆投資をしていくことによって、人への投資によって労働生産性を上げていく、そういう工夫をしていかなければいけないと考えています。
12.3 日本維新の会:「古い政治打破」を訴え
馬場伸幸(日本維新の会代表):私たち日本維新の会は、「古い政治を打ち破れ」をスローガンに掲げています。私が生まれた昭和40年当時の日本は光輝いていました。今日より明日、明日より来月、来月より来年がどんどんと良くなっていくだろうという、夢や希望に満ち溢れた日本でありました。
しかし今はどうでしょうか。今の日本の状況を皆さん方のお家で例えると、基礎がガタガタになってしまっている、天井には雨漏りがして、床は抜けている、柱は倒れそうになっている、そういった状態です。この日本をもう一度輝く日本に再生し直すためには、政治が変わらなければなりません。
今、自民党がやっている古い政治、これを打ち破って新しい政治を始めていく。そのことによって、全ての国民が夢や希望を持って、そしてワクワクドキドキするような社会、こういうものを作っていかなければならない。日本維新の会はそれを目標に頑張っていきたいと思います。
経済政策については、私が大阪の堺市の出身で、市内には中小企業の、特に製造業の方がたくさんいらっしゃいます。そういうところを回ってみますと、なかなか賃上げするのは無理だというお声があります。下請けはまだしも、孫請け、ひ孫請け、やし請けと、この製造業でも多くの重層的な製造構造になっているという中では、下請け地獄とか国は言いますけれども、そんな下請け地獄に何か訴えるようなことすれば、すぐに取引はアウトということになります。
このように、大手企業が発注する企業のまいのままに、この中小企業が動いているという実態があります。ですから、そういう中で賃上げをせよということを政治側が言うのは無理です。これはそういった労働者の皆さん方をいかに守っていくか、そしてその方々の消費行動、購買欲をいかに上げていくかということを重点的に考える時期が来ているという風に思います。
限られた税金ですから、いろんな大企業にいろんな形で補助金や税上の措置を取るということもそれは言って効果があるかも分かりませんが、今の30年間経済が成長しないという根元の原因を考えた場合には、この納税者である国民の皆様方のすぐ近くにこの税金を投資していくということが私は一番速効性もありますし、根本的な解決策につながっていくと、そういう風に思います。
12.4 公明党:「希望の未来実現」を目指し、経済対策と憲法改正を提案
石井啓一(公明党代表):私たち公明党は、「希望の未来は実現できる」というスローガンを掲げて、この選挙に臨みます。まず、短期的な経済対策として、以下の3点を重点的に実施したいと考えています。
- 電気、ガス、ガソリンと燃料油への支援の継続
- 低所得世帯や年金世帯への給付
- 自治体が行う物価高騰対策を支援する重点支援地方交付金の支出
中長期的には、経済の好循環を作り出すことが重要です。物価の上昇を賃金の上昇につなげ、それが消費の拡大につながり、さらに物価上昇につながっていくというプラスの循環を作っていく必要があります。そのためには、中小企業の賃上げが重要です。
労務費を含む価格転嫁を促す下請法の改正も含めて、これを実施する必要があります。また、中小企業の生産性向上も重要です。人への投資、設備投資、IT投資といったことを組み合わせて実施すべきです。最低賃金についても、1500円まで引き上げていくことを目指します。
憲法改正については、公明党の基本的な姿勢は「加える憲法」です。これは憲法の基本原理は維持した上で、新しい理念が出てきたり、あるいは憲法改正でしなければできないようなことがあれば、それは議論していくという立場です。
具体的には、大規模災害等の緊急時における国会機能の維持、すなわち国会議員の任期延長については、衆議院の憲法審査会で相当議論が進んでいます。これは参議院側は参議院の緊急集会との関係性を整理しつつ、具体的な発動要件を詰めていく必要があると考えています。
また、ネット上での個人情報の侵害に関する事例が増えていることから、デジタル社会の進展を踏まえて、個人情報保護をどう憲法上位置づけるかも検討すべき課題だと考えています。
緊急政令については慎重な立場をとっており、具体的な法律の中で要件をきちんと定めておくことが実効的だと考えています。
9条については、自衛隊を憲法上明確に位置づけることには賛成ですが、それは基本的に統治機構の中で位置づけるべきだと考えています。平和安全法制も、決して全面的な集団的自衛権を認めたものではなく、あくまでも専守防衛の範囲内で自衛権の限界を明らかにしたものです。
最後に、政治と金の問題については、公明党はいち早く政治改革ビジョンを公表し、政治資金規制法の改正をリードしました。政治資金をチェックする第三者機関の設置や、政党から政治家個人に支給される政策活動費の廃止、文書通信交通費の改革などを進めていきたいと考えています。
12.5 日本共産党:「自民党政治の歪み是正」を掲げ、経済政策と憲法擁護を主張
田村智子(日本共産党委員長):私たち日本共産党は、「自民党政治の歪みを正す改革を」というスローガンを掲げて、この選挙戦に臨みます。
まず、裏金問題について、私たちはこれを自民党の組織的犯罪だと徹底追及してきました。企業・団体献金の全面禁止を30年間訴え続けて、今や政治改革の焦点へと押し上げています。
経済政策については、政治の責任で賃上げと労働時間の短縮を実現すべきだと考えています。消費税については、廃止に向けて直ちに5%へ引き下げるべきです。軍事費を2倍にするのではなく、社会保障と教育の予算を増やすべきです。
賃上げについては、中小企業の賃上げが鍵だと考えています。私たちは、アベノミクスで増えた内部留保に時限的な課税をして、これを中小企業の賃上げの直接支援に回すことを提案しています。具体的には、5年間で10兆円という規模で提案をしています。
また、労働時間の短縮も豊かな経済にとっては必要だと考えています。白書の調査でも、若者が欲しいものの第1位がお金、第2位が時間、第3位が自由となっています。賃上げと一体に、働く時間を短くして自由な時間をみんなが手にできるような社会を作ることが重要です。
憲法については、憲法に追いついていない政治の方を変えることが重要だと考えています。集団的自衛権の行使容認や敵基地攻撃能力保有は憲法を踏みにじるものであり、やってはならないと考えています。
同時に、憲法が定めている基本的人権、例えば男女平等や選択的夫婦別姓などの実現にも取り組むべきだと考えています。変えるべきは憲法ではなく、憲法に追いついていない政治の方だと主張します。
12.6 国民民主党:「手取り増加」を重視し、具体的な経済政策を提案
玉木雄一郎(国民民主党代表):私たち国民民主党の経済政策は極めてシンプルです。それは「手取りを増やす」経済政策です。
民間の努力で賃上げは進んでいますが、税金と保険料が高いため手取りが増えていません。そのため、消費の増加にもつながらず、企業業績の増加にもつながっていない状況です。
具体的な政策として、以下の3点を提案します:
- 所得税の103万円の控除の壁を178万円まで引き上げ、無税で働ける範囲を拡大する。
- ガソリンの暫定税率(25円10銭)を廃止し、物価と物流コストの引き下げを図る。
- 医療制度改革を行い、個人と事業主の社会保険料負担を軽減する。
これらの政策によって、手取りを増やし、日本経済の活性化を目指します。
憲法改正については、2020年12月に論点整理を行い、2023年12月に緊急事態条項の具体的な条文案をまとめました。これは権力をきちんと統制する内容となっています。
2024年5月には、維新の会や有志の会と共に3会派合同の条文案を作成し、さらに自民党や公明党とも協議を重ね、ほぼ5会派共通の案ができています。この案をまず審議に載せ、できれば立憲民主党にも加わっていただいて改正を実現していきたいと考えています。
9条については、自衛隊の合憲性に関する解釈の矛盾を解消することが重要だと考えています。国内的には軍隊ではないが海外的には軍隊だという矛盾を、改正後も続けるべきではないと考えています。
12.7 れいわ新選組:「失われた30年取り戻し」を掲げ、大胆な経済政策を提案
山本太郎(れいわ新選組代表):私たちれいわ新選組は、「失われた30年を取り戻す」というスローガンを掲げています。先進国で30年間も不景気が続く国は日本だけです。そこにコロナと物価高まで加わり、国民は苦しんでいます。
具体的な数字を見てみましょう。国民の6人に1人が貧困状態にあり、1人暮らしの女性に至っては4人に1人が貧困です。倒産件数も過去最高に迫る勢いで、その8割が不況型倒産です。このまま放置すれば、失われた30年が40年になってしまう恐れがあります。
そこで、私たちは大胆な経済政策が必要だと考えています。具体的には以下の4点を提案します:
- 消費税の廃止
- 社会保険料の減免
- 悪い物価高が収まるまでの現金給付
- 国内で作られた製品を政府が大胆に買い上げる政府調達
特に政府調達については、アメリカの例を参考にしています。アメリカは毎年8兆円規模で製造業復活策を実施し、その結果、賃金の高い安定した労働も生まれました。私たちは「令和のバイ・ジャパニーズ計画」と呼んでいますが、これによってものづくり大国日本を復活させたいと考えています。
他の政党の方々の話を聞いていると、少し見ている世界が違うのではないかと思います。私から見える世界は、社会の底が抜けてしまっているような状態です。日本社会はまさに失われた30年によって傷ついた人々が大勢いる状況なのです。
この国において優先順位が最も高いのは経済です。人々の生活は30年の経済破壊によって本当に疲弊しています。まずここをどうするのかということを話し合うべきです。国内の安全保障が第一なのです。
憲法を変えたいという人たちは、これまで憲法違反しかしてきませんでした。例えば、憲法25条の生存権、健康で文化的な最低限度の生活を国民に保障する義務がありますが、6人に1人の国民が貧困という状況は明らかに憲法違反です。
また、憲法13条の個人の尊重と幸福追求権についても問題があります。なぜヤングケアラーや老老介護、介護離職、介護殺人といった問題が起きているのでしょうか。30年間、こういった問題に目を向けず、介護職の低賃金労働を放置し、一部の資本家や大企業ばかりに利益を横流ししてきた政治の結果です。
今すぐ必要なことは、国民の生活を救うことです。30年の疲弊によって、中小企業や零細企業は首が回らなくなっている状態です。消費税は非常に重い負担になっています。例えば、税の滞納の約半分は消費税です。これをやめることで中小企業を救っていくことができます。
憲法改正は、今この国において優先順位が非常に低い問題です。今すぐ必要なのは、徹底的な景気刺激策と経済の底上げです。そうしなければ賃金は上がりません。消費税の廃止は必須だと考えています。また、米も買えないほど物価が高くなっている状況を考えると、悪い物価高が収まるまでの給付も必要です。
12.8 社会民主党:「平和重視」を掲げ、憲法擁護と社会保障の充実を主張
福島みずほ(社会民主党党首):私たち社会民主党は、「平和を第一に、暮らしが一番、税金は暮らしに」というスローガンを掲げています。
まず、軍事費の問題について触れたいと思います。防衛予算がもう約10兆円にも達しようとしています。防衛予算だけがうなぎ登りで、福祉や教育、介護などが圧迫されている状況です。私たちは、教育の無償化、大学の授業料を含めた廃止に向かうような方向が、みんなの生活を安定させ、景気を良くし、みんなが暮らしていける道だと考えています。
次に、経済政策について説明します。日本の不況や経済の停滞は、富の偏在が原因だと考えています。白書によれば、20歳の若者たちの希望の4番目に「安定した暮らし」が挙げられています。これが日本の問題点を表していると思います。
そこで、私たちは以下の3点を提案します:
- 公平な税制の実現:社民党は3年間消費税を0%にし、その3年間で大企業の600兆円に達した内部留保に課税することを2001年から提案しています。
- 労働法制の問題:新自由主義による規制緩和で、現在4割がパート、派遣、契約社員となっています。女性の貧困、高齢者の貧困、若者の貧困が深刻化しています。労働法制を変えて、正社員への道を開き、同一価値労働同一賃金を実現する必要があります。
- 社会保障の充実:介護や教育、福祉に重点を置いた、ケアを中心とした社会を作ることが経済を良くする道だと考えています。
憲法改正については、現在の日本国憲法が本当に生かされ、実現しているのかを問う必要があります。憲法前文の平和的生存権、沖縄にあるでしょうか。憲法14条の法の下の平等、24条の家族の中の個人の尊厳と両性の本質的平等、25条の生存権、13条の個人の尊重、そして9条の戦争放棄。これらが本当に憲法を生かす社会になっているのか、政治がそれを生かしているのかを問う必要があります。
例えば、最近成立した地方自治法の解約法は、個別法をなくして政府が地方自治体に対して命令できるようにするもので、これは憲法違反ではないでしょうか。憲法違反の法律を作り続け、憲法を生かさないことそのものを変えなくてはいけないと思っています。
今提案されている憲法改正案は、集団的自衛権の行使をする自衛隊の明記であり、また緊急事態条項は選挙の停止を認め、国会議員の任期延長を許すことになり、極めて危険だと考えています。
戦争させない、戦争の準備をしない、そして平和外交、平和構築をやっていくことこそが、困難な道であっても、やらなければならないと思っています。社民党は、多くの人々と力を合わせて、この道を進んでいきたいと考えています。
12.9 参政党:「日本をなめるな」を掲げ、経済政策と憲法改正に独自の主張
神谷宗幣(参政党代表):私たち参政党は、「日本をなめるな」というスローガンを掲げています。今、世間では政治と金の問題が騒がれていますが、我々はそれ以上に、今のこの日本の衰退を止めなければいけないと考えています。これを第一の課題として捉えています。
「日本をなめるな」というスローガンに込められた意味は、今の日本人が諦意識を持ち、経済が貧しくなり、国を諦め、国の未来に失望している、そんな方が多く見受けられるという現状への警鐘です。まだまだ我々にはやれることがあるんだ、という思いを国民に持ってもらう。そんな意識改革を訴えていきたいと考えています。
我々の政策は大きく2つあります:
- 積極財政と減税によって経済成長を行い、失われた30年に終止符を打つこと。
- 外国資本による日本の買収と過度な移民の受け入れに歯止めをかけること。
例えば、消費税を仮に0%にしてしまえば、10%賃金が上がったのと同じ効果があります。また、賃上げをしたいのであれば、外国人労働者をあまり安易に入れすぎると、結局市場原理が働いて賃金が下がってしまいます。そういったところをしっかりと考えていかないといけません。
現在、国民の負担率が45%と非常に高くなっています。これを35%くらいにキャップをかけて、その中でやりくりするようなことを考えていかないと、国民の生活がもっと貧しくなると考えられます。
また、この間やってきた政府の誤りで、インフラを民営化しすぎたと思います。郵便局などは再国営化をして、もう一度国内でお金を回す仕組みを取り戻すことが大事だと考えています。
さらに、ITのインフラが完全に外国に依存してしまっているため、どんどん日本のお金が海外に流れています。ITの国産化を進めるべきだと考えています。
憲法改正については、今の日本国憲法はアメリカの占領下で作らされたものであると我々は考えています。そもそも敗戦した国に対して憲法を変えさせるのは条約違反です。そういった経緯で作られた憲法はどこかで見直さないといけません。
ただし、憲法9条等の問題は、アメリカの在日米軍とセットです。米軍が日本を守るということで作られている憲法ですから、いずれ日本も自立した国家になるためには米軍に出ていってもらわないといけません。それも平和的に段階を踏んでですが、やっていかないといけません。その時に憲法の改正は避けられません。
しかし、今の自民党の緊急事態条項などを見ると、何か急いでいる感じがします。ウクライナが終わったら次はアジアで紛争が起きるかもしれない。その時に日本が戦争屋さんの、なんか軍事産業のビジネスのための戦争みたいのに巻き込まれては困るので、憲法の改正はもう少し慎重に、国民的な議論を持って進めていくべきではないかと考えています。
参政党は、国民的な議論をした上での改憲活動というものを中心に取り組んでいきたいと考えています。
13. 討論会を通じて浮かび上がった主要な対立軸
13.1 経済政策:成長と分配のバランス
石破茂(自由民主党総裁):私は、日本創生を掲げてこの総選挙に臨みます。日本は今、厳しい安全保障環境にあり、人口減少や30年ぶりの物価上昇に直面しています。デフレ脱却はもう一歩のところまで来ていますが、これを確実に達成する必要があります。地方の疲弊や都市の過密、災害大国であることへの対応など、多くの課題に直面しています。これらの課題に対応するため、日本のあり方を根本から変えていく必要があります。
具体的には、コストカット型の経済から脱却し、付加価値を高める経済への転換を図ります。賃金を上げ、下請けへのしわ寄せを防ぎ、個人消費を増やすことで経済の好循環を生み出します。物価上昇を上回る賃金上昇を実現し、将来への不安を払拭することで設備投資を促進します。これにより、付加価値の高い商品やサービスを生み出し、GDPの54%を占める個人消費を押し上げ、デフレからの完全脱却を目指します。
また、海外に流出した生産拠点を国内に呼び戻すとともに、農業、漁業、林業など付加価値の伸びる産業を育成することで、日本経済の復活を実現します。賃金引き上げについては、全国平均で1500円を目指しますが、地域による差も考慮します。労働分配率を上げるため、企業が得た収益をいかに労働者に還元するかが重要です。内部留保の蓄積から労働者への分配へと転換を図ります。
野田佳彦(立憲民主党代表):私は、政権交代こそが最大の政治改革であると考えています。10月1日から始まった臨時国会は、本来であれば能登半島地震の復旧復興のための補正予算を審議し、一日も早く成立させるべきでした。また、1月から6月に開催された通常国会では、裏金問題について十分な対応ができませんでした。今回の解散は、私の解釈では「裏金学校解散」と言えます。自民党のトップが変わり、内閣総理大臣が代わっても、政治は変わらないということです。
経済政策については、国際競争にさらされる分野や、これからの成長力が期待される分野、雇用の確保が見込まれる分野である環境・エネルギー(グリーン)、デジタルといった分野に集中的・重点的に投資をすることで、強い経済を作り出していくことが重要だと考えています。
加えて、新しい考え方として、若い人の間で増えている社会企業家の動きに注目しています。ビジネスと社会的課題の解決を両立するインパクト投資という新しい流れを作り出していきたいと考えています。
当面の最重要課題は賃上げです。物価上昇率を上回る賃金上昇を実現するためには、人への投資が不可欠です。リカレント教育やリスキリングといった分野への投資を通じて、労働生産性を向上させていく必要があります。
馬場伸幸(日本維新の会代表):私は大阪の堺市出身で、市内には中小企業、特に製造業の方が多くいらっしゃいます。そういった企業を回ってみると、なかなか賃上げは難しいという声をよく耳にします。下請け、孫請け、ひ孫請け、やし請けと、製造業では多くの重層的な構造になっています。このような状況下で、下請け泣かせという言葉はありますが、実際に下請け企業が元請け企業に対して何か言えば、すぐに取引がなくなってしまう現実があります。
大手企業の発注に中小企業が振り回されている実態があるため、政治の側から賃上げを求めるのは現実的ではありません。むしろ、そういった労働者の皆さんをどのように守り、彼らの消費意欲をいかに高めていくかを重点的に考える時期に来ていると思います。
具体的には、限られた税金の中で、大企業に様々な形で補助金や税制上の措置を講じるのではなく、納税者である国民の皆様の近くに税金を投資していくことが、速効性があり、根本的な解決策につながると考えています。例えば、消費税を2%引き下げれば、5兆円の減収になりますが、そのうち3兆円が消費に回るというデータがあります。これはGDPに大きな影響を与えると考えています。
また、1人当たり年間10万円多く使っていただければ、消費額が12兆円増加します。このように、経済を大きくすることから再スタートさせる必要があります。
石井啓一(公明党代表):私たちは、短期的には足元の物価高騰対策をしっかりと行う必要があると考えています。具体的には、電気・ガス・ガソリンと灯油への支援の継続、低所得世帯や年金世帯への給付、自治体が行う物価高騰対策を支援する重点支援地方交付金の支出などを行うべきだと考えています。
中長期的には、経済の好循環を作り出すことが重要です。物価上昇を賃金上昇につなげ、それが消費の拡大を促し、さらなる物価上昇につながるというプラスの循環を作り出す必要があります。そのためには、何と言っても中小企業の賃上げが重要です。
先ほどから申し上げているように、労務費を含む価格転嫁を促す下請法の改正も含めて対応する必要があります。また、中小企業の生産性向上のため、人への投資、設備投資、IT投資といったことを組み合わせて実施すべきだと考えています。さらに、最低賃金を1500円まで引き上げていくことも必要です。
田村智子(日本共産党委員長):私たちは、賃上げが経済政策の中心課題だと考えています。特に、中小企業の賃上げが鍵となります。私たちは、中小企業への直接支援の方法があると考えています。
アベノミクスは法人税の減税を繰り返してきましたが、その結果、内部留保の蓄積が進みました。そこで、アベノミクスで増えた内部留保に対して時限的な課税を行い、その財源を中小企業の賃上げの直接支援に充てることを提案しています。具体的には、5年間で10兆円規模の支援を行うことで、最低賃金1500円の実現につなげたいと考えています。
また、労働時間の短縮も豊かな経済にとって必要不可欠です。博報堂の調査によると、若者が欲しいものの第1位はお金、第2位は時間、第3位は自由だそうです。賃上げと一体的に、働く時間を短縮し、自由な時間を増やすことで、より豊かな経済社会を実現したいと考えています。
玉木雄一郎(国民民主党代表):私たち国民民主党の経済政策は極めてシンプルで、「手取りを増やす経済政策」です。民間の努力でようやく5%、4%、3%と33年ぶりの高い賃上げが実現していますが、税金と保険料が高いため、手取りが増えていません。そのため、賃上げが消費の増加につながらず、次なる企業業績の向上にもつながっていません。この悪循環を断ち切るため、手取りを増やす経済政策が必要だと考えています。
具体的には、まず所得税の103万円の壁を引き上げ、178万円までは無税で働けるようにします。次に、10年前に作られたガソリンの暫定税率(25円10銭)を廃止します。これにより、ガソリン価格が下がり、物価全体の低下にもつながります。さらに、医療制度改革を行い、個人と事業主の社会保険料負担を軽減します。これは中小企業の賃上げの原資を生み出す意味でも重要です。
このような手取りを増やす経済政策は、日本経済全体を活性化させると確信しています。
山本太郎(れいわ新選組代表):私から見える日本の現状は、社会の土台が抜け落ちているように感じます。失われた30年によって傷ついた人々が大勢います。先進国で30年間も不景気が続いている国は日本だけです。そこにコロナ禍と物価高が重なり、国民は三重苦に陥っています。
具体的な数字を見ると、国民の6人に1人が貧困状態にあり、1人暮らしの女性の4人に1人が貧困です。さらに、子どもの2人に1人が貧困という状況です。倒産件数も急増しており、その8割が債務超過型の倒産です。
このような状況下で、明るい未来を語ることはできません。徹底的に景気を良くしない限り、賃金は上がりません。そのため、徹底的な景気刺激策と底上げ政策が必要だと考えています。
具体的には、消費税の廃止が必須だと考えています。また、物価高騰が続く間は、悪い物価高が収まるまでの給付金が必要です。これらの政策によって、国民の購買力を高め、需要を喚起することが重要です。需要がなければ、この国は縮小し続け、企業も海外に逃げ続けることになります。イノベーションも生まれなくなります。
まずは、お金を出すことが必要です。みんなの手取りを増やすために、減税や社会保険料の引き下げを行うべきだと考えています。
福島瑞穂(社会民主党党首):日本の不況や経済の停滞は、富の偏在が一因だと考えています。博報堂の調査によると、20歳の若者たちの4番目の願いが「安定した暮らし」だそうです。これが日本の問題点を示していると思います。
そこで、まず公平な税制の実現が必要です。社民党は、3年間消費税を0%にし、その3年間で大企業の600兆円に達した内部留保に課税することを2001年から提案しています。
次に、労働法制の問題があります。新自由主義的な規制緩和により、現在パート・派遣・契約社員が全労働者の4割を占めています。その結果、女性の貧困、高齢者の貧困、若者の貧困が深刻化しています。労働法制を変え、正社員化への道を開くとともに、同一価値労働同一賃金を実現する必要があります。
さらに、防衛予算が約10兆円にも達しようとしている一方で、福祉や教育、介護などが圧迫されています。教育費については、大学の授業料を含めて無償化に向かうべきだと考えています。
これらの政策によって、みんなの生活を安定させ、景気を良くし、皆が暮らしていける社会を実現したいと思います。
神谷宗幣(参政党代表):我々参政党は、経済について大きく2つの行動を掲げています。1つは積極財政と減税によって経済成長を行い、失われた30年に終止符を打つことです。もう1つは、外国資本による日本企業の買収と過度な移民の受け入れに歯止めをかけることです。
賃上げの議論がありますが、消費税を仮に0%にすれば、10%賃金が上がったのと同じ効果があります。また、賃上げを実現するためには、外国人労働者の受け入れを過度に進めすぎると、市場原理が働いて賃金が下がってしまうので、そういった点もしっかりと考えていく必要があります。
現在、国民の負担率が45%と非常に高くなっています。これを35%程度にキャップをかけて、その中でやりくりするようなことを考えていかないと、国民の生活がさらに貧しくなる可能性があります。
また、この間の政府の誤りとして、インフラの民営化を進めすぎたと考えています。例えば、郵便局などは再国営化をして、もう一度国内でお金を回す仕組みを取り戻すことが大事だと考えています。
さらに、ITインフラが完全に外資に依存してしまっているため、どんどん日本のお金が海外に流れています。ITの国産化を進めるべきだと考えています。
13.2 憲法改正:改憲積極派 vs 慎重派
野田佳彦(立憲民主党代表):私は憲法というのは不磨の大典ではなく、一時代変えてはいけないという立場でもありません。常にそのあり方については議論すべきだと思います。ただし、その立場は国家の権力は抑制的にして、国民の権利は拡充をするという立憲主義的な観点から見直しをしていくべきだと考えています。
具体的な問題で言えば、例えば臨時国会の要求をする際、一定の要件に基づいて憲法で定められているにもかかわらず、なかなか開いてくれないという問題があります。その実行性を担保するためには期限を入れた方がいいのではないかと考えています。
また、今回の解散についても、7月解散なのか、これは法的にやってはいけないのではないでしょうか。少なくとも新しい内閣ができたらすぐに解散するというルールは全くありません。こういったことも含めて、ラジ解散のあり方であるとか、憲法論議は大いにすべきだと思います。
馬場伸幸(日本維新の会代表):憲法審査会の中継等がありませんので、国民の皆様方はほとんどお聞きになられたり見られたりしたことがないと思います。立憲民主党の皆様方は、憲法審査会でご発言される際に、いつも前置きとして「これは党の意見ではありません。個人の意見を申し上げます」とおっしゃいます。
そういう中で、それぞれの政党は党を代表して発言しているかなり、レベルが開いてしまっていると思うんですね。ですから、そういう中でいくら憲法議論しても、審査会の場は最終的には憲法改正を発議する場ということになっていますから、この発議まで至らない、ただ議論をし、学習発表会のようなことを続けていて本当にいいんでしょうか。
玉木雄一郎(国民民主党代表):私たちは2020年12月に憲法改正の論点整理をし、2023年の12月に具体的な、いわゆる緊急事態条項、我々はその権力をきちんと統制する緊急事態条項で内閣の権限の行使を容易にするものではないので、この誤解はぜひ解いていただきたいと思います。
いずれにしても、条文案を衆議院の中で最も早くまとめたのは我々です。それを2024年の5月に、維新の皆さんそして有志の会の皆さん、3会派で合同の条文案を、多分憲政史上初めて野党合同で作って、それを提起をいたしました。
実はもう最後、ちょっと外に出ていませんが、自民党も、そして公明党の幹部の皆さんとも話をして、ほぼ5会派共通、我々の案も変えました。修正をした上で、ほぼ5会派共有の案ができたので、それをまずきちんと俎上に載せて、できれば立憲民主党さんにも加わっていただいて、それをまず改正を実現していきたいと。
田村智子(日本共産党委員長):今私たちが求めるのは、憲法に追いついていない政治の方を変えることです。憲法を下回る、先ほど来の集団的自衛権のこの行使容認、そして敵基地攻撃能力保有、これはもう全く憲法を踏みにじるものですから、やってはならないということと同時に、例えば個人の尊厳、憲法14条ですね、性別あるいは社会的身分などで差別されないと言いながら、女性に対する男女賃金格差、間接差別、これが蔓延をしています。
そしてまた、選択的夫婦別姓も認められず、結婚して届け出をした夫婦のうち96.7%で女性が名前を変えているという、こういう現実もあります。一体いつまでこうした憲法が定めている基本的人権をまともに向き合わない政治を続けていくのか。変えるべきは憲法ではない。憲法に追いついていない、本当に追いついていないこの国の政治の遅れ、こちらの方を大いに議論して、変えていくことが求められているというふうに考えます。
山本太郎(れいわ新選組代表):憲法改正というのは、この国においての優先順位がかなり低いです。この国においての優先順位第1位は経済です。人々の生活、30年のこの経済破壊という行為によって、人々本当に疲弊していますから、まずここをどうするのかということを話していくべきです。国内の安全保障が第一なんですよ。
憲法変えたいって言ってきている人たち、何してきたかといったら、憲法違反しかしてないんですよ。例えばですけど、憲法25条、これ生存権ですね。健康で文化的な、皆さんご存知の通り、最低限度の生活というものを、皆さん送らせるようにしなきゃいけないんですよ、国民を。一方で、どうですか。6人に1人の国民が貧困だって。おかしいですね。さっさとこれ何とかしてもらえません?憲法違反ですよ。
それだけじゃない。例えばですけど、13条ね、これ個人として尊重されるという幸福追求権。どうしてヤングケアラーというものがあるんですか。老老介護がどうしてあるんですか。介護離職は、介護殺人は。全く30年間、そういったものに対して当てにそして介護職というものの賃金さえも低賃金で働かせ続けて、一部の資本家だったりとか大企業ばっかりこれリッチになっていくような政治やってきたじゃないですか。憲法改正、これごめんなさい。変わって出直していただきたい、そういう話です。
福島瑞穂(社会民主党党首):日本国憲法が本当に生かされて実現しているのか。憲法前文の平和的生存権、沖縄にあるでしょうか。朝のテレビドラマの「翼は」じゃないけれど、法の下の平等14条、憲法24条家族の中の個人の尊厳と両性の本質的平等、25条の生存権、13条の個人の尊重、そして9条、戦争しないと決めた9条、これらが本当に憲法生かす社会になっているのか、政治がそれを生かしているのか。
例えば地方自治の話を先ほど馬場さんされたけれど、この間、地方自治法の解釈法が成立をしました。個別法制をなくして、政府が地方自治体に対して命令ができる。これ憲法違反じゃないですか。だから憲法違反の法律を作り続け、そして憲法を生かさないということそのものを変えなくちゃいけないと思っています。
今言われている憲法改悪ですが、まさに集団的自衛権の行使をする自衛隊の明記であり、また緊急事態条項は選挙の停止をして国会議員の任期を延長することで、極めて危険だという風に考えています。
神谷宗幣(参政党代表):先ほど申し上げましたが、今の日本国憲法はアメリカの占領下で作らされたものであるという風に我々は考えています。そもそも敗戦した国に対して憲法を変えさせるのは条約違反ですね。そういった経緯で作られた憲法はどっかで見直さないといけない。
ただ今、憲法9条等の問題になっていますけども、これはアメリカの在日米軍とセットです。要は米軍が日本を守るということで作られている憲法ですから、いずれやはり日本も自立した国家になるためには米軍に出ていってもらわないといけない。それもあの平和的に段階を追ってですけども、やっていかないといけない。その時に憲法の改正は避けられないんですが、今の自民党の緊急事態条項などを見ると、何か急いでる感じがします。
ウクライナが終わったら次はアジアで紛争が起きるかもしれない。その時に日本が戦争屋さんの、何か軍事産業のビジネスのための戦争みたいのに巻き込まれては困るので、憲法の改正はもう少し慎重に、国民的な議論を持って進めていくべきではないかという風に考えております。
石破茂(自由民主党総裁):やはりきちんとした議論をやりましょう。議論が噛み合っていないから、全然本当にこれで大丈夫ですか。日本の国の憲法ってあらゆる法体系の1番トップにあるものです。それがこのあり様で本当にいいんですか。私は全くいいと思わない。この総選挙の間にそういう議論もちゃんとやりましょうよ。国の基本法なんだから。それこんなにバラバラでこの国大丈夫ですか。私はそうは全く思わない。
もっと真面目な議論をして、もっときちんと突き詰めた議論をして、この国は本当にそういう状況にあるのだから。私はね、総選挙って国民の皆さんの意思を問う、そういう機会だと思っています。国民の皆さんが、にこっちからきちんと理解しましょうよ。9条だけじゃないですよ。政党法だってそうですよ。きちんと政党の規定を設けるべきだと私は思う。そこにおいて権力が政党に介入しちゃいけない。そのこともきちんと書くべきだと思う。政党助成金をいただくんだったら、政党がどんな義務を果たすべきか、それもきちんと書くべきだと思う。その機会に総選挙はしたいなという風に思っています。
13.3 安全保障:日米同盟と自衛隊の位置づけ
石破茂(自由民主党総裁):私は、日米地位協定の見直しについて、20年前に防衛庁長官だった時の経験から、その必要性を強く感じています。沖縄国際大学に米軍のヘリが墜落した際、沖縄県警が全く手を触れられず、ヘリの残骸も全部回収されました。これは主権独立国家のあり方ではありません。
地位協定は改定したいと思っていますが、これは簡単なことではありません。私は総裁選挙で訴え、今、政務調査会長に指示をして自民党の中でそういう議論が始まりました。我が国は独裁国家ではないので、総裁が言ったからすぐに実現するというものではありません。この議論はきちんと詰めてまいります。沖縄の思いを無視することなく、相手のある話なので、いかにして地位協定を見直すか、実際に手掛けてみてどんなに大変かはよく分かっています。しかし、それで諦めてはいけません。どうすればそれに一歩ずつ近づくことができるか、その具体策と合わせて、これから党内で議論し、各党とも議論を進めてまいります。必ず実現したいと思っています。
野田佳彦(立憲民主党代表):私たちは、安全保障政策において、日米同盟を外交・安全保障の基軸と位置づけています。しかし、安保法制、特に集団的自衛権の行使容認については問題があると考えています。我々は、違憲部分については廃止をする、そのために必要な措置を取るという立場です。
政権を預かる立場になった場合には、防衛省やアメリカも含めて、その再検証をしながらプロセスを辿っていくという方針です。これは従来から変わっていません。
沖縄の基地負担軽減については、沖縄の皆様の思いをしっかり踏まえた上で、アメリカと丁寧な交渉をする必要があります。これは基地のあり方と日米地位協定のあり方、両方を含めて対応しなければいけないと考えています。
日米地位協定については、石破さんも見直しの必要性を指摘されていますが、私どもも後押ししたいと思います。私が総理の時に、日米地位協定本体ではありませんでしたが、補足協定について合意できたものがあります。それは軍属と言って、米軍関係の仕事を行っている民間の方が公務中に犯罪を起こした場合には、日本の裁判にかけるということで合意を取り付けました。その後、環境に関することでも後から合意を取り付けました。粘り強い交渉が必要ですが、全く不可能ではないというのが私の実感です。
馬場伸幸(日本維新の会代表):私たちは、安全保障政策において、日米同盟の重要性を認識しつつも、日本の自主性を高める必要があると考えています。特に、沖縄の基地負担の問題は重要です。
沖縄県民の皆様は、日米地位協定の見直しを強く望んでいます。不幸の時のように、最低でも県外移設と言った総理もいましたが、結局実現しませんでした。石破総裁には、沖縄県民のこの期待に応えるメッセージを発信していただきたいと思います。
石井啓一(公明党代表):私たちは、平和安全法制について、フルサイズの集団的自衛権を認めたものではなく、あくまでも限定的・部分的な集団的自衛権の行使を認めたものだと考えています。日本の安全、国民の安全に関係ないような事態には全く行使できません。あくまでも憲法の範囲内での自衛権の限界を明らかにしたというのが、平和安全法制の部分的・限定的な集団的自衛権の考え方です。
田村智子(日本共産党委員長):私たちは、集団的自衛権の行使容認を含む安保法制(戦争法)は明らかに憲法違反だと考えています。憲法学者のほとんどが憲法違反だと指摘している集団的自衛権の行使を認めたことは、憲法違反であると考えています。
さらに、安保3文書や敵基地攻撃能力の保有、今年の防衛白書を見れば、日本は「戦争のできる国」から「戦争する国」へと変質しつつあります。沖縄や南西諸島における自衛隊配備とミサイル計画は、まさに日本全体が、沖縄・南西諸島が軍事基地化・要塞化していることを示しています。私は全ての島々を回って、この状況を確認してきました。
私たちは、戦争をさせない、憲法改悪をさせない、そして軍拡をやめさせる、戦争の準備ではなく平和外交・平和構築を進めていくことを強く訴えていきます。これは困難な道かもしれませんが、多くの人々と共に進めていかなければならないと考えています。
玉木雄一郎(国民民主党代表):安全保障政策において、日米同盟の重要性は認識していますが、同時に日本の自主性を高める必要があると考えています。特に、9条の解釈については慎重に検討すべきです。
現在の自民党の9条改正案は、1項、2項をそのままにして自衛隊を明記するだけです。私ははっきり言って、これでは全く意味がないと思っています。むしろ、内閣の専権事項として位置付けるのであれば、一定の意味があるかもしれません。
山本太郎(れいわ新選組代表):安全保障の議論において、国防や安全保障という言葉が頻繁に使われますが、食の安全保障や国内の安全保障、人々の生活の安定といった点にはあまり関心が向けられていないように感じます。
また、国防を重視するのであれば、なぜ日本海側にあれだけの原発が乱立しているのでしょうか。これらはもはやターゲットになる以外の何物でもありません。今や戦争になれば、それもターゲットになることは明らかです。
本当の意味での安全保障を考えるなら、まず国民の生活を守ることが最優先されるべきです。
福島瑞穂(社会民主党党首):私たちは、安保関連法(戦争法)の集団的自衛権の行使容認は明らかに憲法違反だと考えています。2015年に安保関連法が成立し、集団的自衛権の行使を可能にする自衛隊になりました。このような状況下で、9条に自衛隊を明記することは、今の時点では専守防衛ではなく、アメリカと共に集団的自衛権の行使で世界で戦争する自衛隊の明記になってしまいます。
また、安保3文書や敵基地攻撃能力保有、今年の防衛白書を見れば、日本は「戦争のできる国」から「戦争する国」へと変質しつつあります。沖縄や南西諸島における自衛隊配備とミサイル計画は、まさに日本全体が、沖縄・南西諸島が軍事基地化・要塞化していることを示しています。
私たちは、戦争をさせない、戦争の準備ではなく平和外交・平和構築を進めていくことを強く訴えていきます。国を守る手段は、戦争させない、戦争の心配のない、まさに紛争の平和的解決を目指すことだと主張したいと思います。
神谷宗幣(参政党代表):私たちは、日本の安全保障政策において、より自主的な立場を取るべきだと考えています。現在の日本国憲法は、アメリカの占領下で作られたものであり、米軍が日本を守るという前提で作られています。
しかし、日本が真に自立した国家になるためには、段階的にではありますが、米軍に撤退してもらう必要があります。その過程で、憲法改正は避けられません。ただし、現在の自民党の緊急事態条項などを見ると、性急すぎる印象を受けます。
特に懸念されるのは、ウクライナ戦争後にアジアで紛争が起きる可能性です。その際に、日本が戦争産業や軍事産業のビジネスのための戦争に巻き込まれることは避けなければなりません。したがって、憲法改正はより慎重に、十分な国民的議論を経て進めるべきだと考えています。
13.4 社会保障:高齢者医療と若者支援の在り方
石破茂(自由民主党総裁):私は、高齢者医療費の窓口負担について、現役世代との公平性を考慮しつつ、慎重に検討する必要があると考えています。現在、後期高齢者の7割は窓口負担が1割となっていますが、現役世代と同じ所得がある方はわずか7%です。93%の方は1割または2割負担です。
したがって、これらの方々が3割負担となった場合、急激な負担増となります。そこで、所得に応じた負担のあり方を検討する必要があります。同時に、高齢者の方々が必要な医療を受けられなくなることのないよう配慮しなければなりません。
馬場伸幸(日本維新の会代表):私たちは、高齢者医療費の窓口負担について、現役世代と同じ原則3割とすることを提案しています。ただし、低所得者への配慮は必要です。
我々は日本大改革プランを打ち出しており、先手先手のセーフティネットを提唱しています。これは年金制度も含め、低所得者への保証を全て一本化し、ベーシックインカムを初めとする所得保障制度を導入することで対応したいと考えています。
3割負担にすることで、病院に行かなくてもいいんじゃないかという方は少し受診を控えるかもしれません。それが重症化につながってはいけませんが、適正な医療を受けられる体制を実現したいと思います。
石井啓一(公明党代表):私たちは、高齢者医療費の窓口負担について、馬場さんの提案は高齢者に対してあまりにも冷たい政策ではないかと考えています。窓口での支払いを嫌って医療にアクセスしない高齢者が圧倒的に増えるのではないでしょうか。
田村智子(日本共産党委員長):私たちは、社会保険料について、赤字の企業であっても事業主負担分を払わなければならない現状に注目しています。フランスなどでは、社会保険料の事業主負担を減額・免除するというやり方で最低賃金を大幅に上げていく政策が現実に取られています。これは有効な方法だと考えています。
また、原発についても触れたいと思います。原発は高いのです。テロ対策などでお金をかければかけるほど、今やサエネよりも高くなっています。九州電力の例が出ましたが、原発を動かすがために出力調整が難しく、せっかく再エネで発電したものを捨てているという状況です。これは全く逆行しています。再エネの普及の方が将来的な電気代を抑える意味でも有効だと考えます。
玉木雄一郎(国民民主党代表):私たちは、手取りを増やす経済政策を提案しています。具体的には、所得税の103万円の壁を引き上げ、178万円までは無税で働けるようにします。また、10年前に作られたガソリンの暫定税率(25円10銭)を廃止し、さらに医療制度改革を行って個人と事業主の社会保険料負担を下げることを提案しています。
これらの政策は、中小企業の賃上げの原資を生み出す意味でも大事だと考えています。手取りを増やす経済政策は日本を活性化すると確信しています。
山本太郎(れいわ新選組代表):私は、現在の日本社会が非常に厳しい状況にあると認識しています。国民の6人に1人が貧困状態にあり、1人暮らしの女性の4人に1人が貧困、子どもの2人に1人が貧困という状況です。
このような状況を改善するためには、消費税の廃止が必須だと考えています。また、悪い物価高が収まるまでの給付金も必要です。さらに、国内で作られた製品を政府が大胆に買い上げる政府調達を提案しています。アメリカは毎年8兆円規模でこれを行い、製造業を復活させ、賃金の高い安定した労働も生み出しています。
福島瑞穂(社会民主党党首):私たちは、公平な税制の実現が必要だと考えています。社民党は、3年間消費税を0%にし、その3年間で大企業の600兆円に達した内部留保に課税することを2001年から提案しています。
また、労働法制の問題も重要です。新自由主義的な規制緩和により、現在パート・派遣・契約社員が全労働者の4割を占めています。その結果、女性の貧困、高齢者の貧困、若者の貧困が深刻化しています。労働法制を変え、正社員化への道を開くとともに、同一価値労働同一賃金を実現する必要があります。
さらに、防衛予算が約10兆円にも達しようとしている一方で、福祉や教育、介護などが圧迫されています。教育費については、大学の授業料を含めて無償化に向かうべきだと考えています。
神谷宗幣(参政党代表):私たちは、国民の負担率が45%と非常に高くなっていることを問題視しています。これを35%ぐらいにキャップをかけて、その中でやりくりするようなことを考えていかないと、国民の生活がもっと貧しくなると考えています。
また、この間の政府の誤りとして、インフラを民営化しすぎたと考えています。例えば、郵便局などは再国営化をして、もう一度国内でお金を回す仕組みを取り戻すことが大事だと考えています。
さらに、ITのインフラが完全に外資に依存してしまっているため、どんどん日本のお金が海外に流れています。ITの国産化を進めるべきだと考えています。
13.5 エネルギー政策と電力料金:原発維持 vs 再生可能エネルギー推進
玉木雄一郎(国民民主党代表):私は、働く人にとっても企業にとっても電気代が安いことは極めて大事だと考えています。特に低所得の方々にとっては、電気代の上昇は生活を直撃します。その意味では、安全基準を満たした原子力発電所をしっかり動かすことが、安定的かつ安価な電力供給に役立つのではないでしょうか。例えば、九州電力管内は東日本に比べて家庭用も事業用も電気代が2割安いのです。これは原発を稼働させているからこそ実現できている面があります。再生可能エネルギーだけで安定的に電力価格を下げることができるのか、疑問に思います。原発を動かさないで電気料金を下げられるのか、この点について他の党の考えを聞きたいと思います。
田村智子(日本共産党委員長):原発は決して安価なエネルギー源ではありません。テロ対策などの安全対策にお金をかければかけるほど、むしろ再生可能エネルギーよりも高くなっているのが現状です。九州の例を挙げられましたが、原発を動かすがために出力調整が難しく、せっかく再生可能エネルギーで発電したものを捨てているという問題があります。これは全く逆行しています。再生可能エネルギーの普及こそが、将来的な電気代の抑制につながると考えています。
山本太郎(れいわ新選組代表):日本は地震大国です。南海トラフ巨大地震や首都直下地震など、大規模な地震の発生が予測されています。そのような状況で原発を動かし続けることは、あまりにも危険です。特に、日本海側に多くの原発が集中していることは、国防の観点からも問題があります。有事の際には格好の標的になってしまいます。本当の意味での安全保障を考えるなら、原発に依存しない社会を目指すべきです。
石井啓一(公明党代表):原子力発電所を安全基準に適合させて、しっかりと動かすことが安定的な電力供給に役立ち、また電気代を安く抑えることにつながります。例えば九州電力管内は、この東日本に比べて家庭用も事業用も電気代が2割安いんです。これは原発を動かしているからこそできることです。再生可能エネルギーだけで電力を安定的に供給し、電気代を下げることができるのかどうか、この点については疑問があります。原発を動かさずに電気料金を下げられるのか、この点について共産党の考えを聞きたいと思います。
14. 討論会の評価と課題
14.1 各党の主張の明確さと具体性:経済政策を中心に
石破茂(自由民主党総裁):私たち自民党は、「日本創生」をキーワードに掲げています。具体的には、コストカット型の経済からの脱却を強調し、「いかにして個人消費を上げるか、いかにして物価上昇を上回る賃金上昇を実現するか、そして将来の社会不安を払拭して設備投資を行うことにより付加価値の高い商品を作る、付加価値の高いサービスを作る」という方向性を示しました。GDPの54%を占める個人消費を上昇させ、デフレから完全脱却することを目指しています。また、海外に出た生産拠点を国内に戻すこと、農業、漁業、林業といった産業の付加価値を伸ばすことにも言及しました。
野田佳彦(立憲民主党代表):私たち立憲民主党は、環境エネルギー(グリーン)とデジタルの分野に集中的・重点的に投資することで強い経済を作り出すという方針を示しました。また、社会企業家の増加を踏まえ、ビジネスと社会的課題解決を両立するインパクト投資という新しい流れを作り出すことにも言及しました。賃上げについては、「物価よりも賃金が上がる状況を作るためには、人への投資に尽きる」として、リカレント教育やリスキリングの分野への投資を通じて労働生産性を上げていく必要性を強調しました。
馬場伸幸(日本維新の会代表):我々日本維新の会は、中小企業・零細企業への支援、特に若い世代や子育て世代、現役世代へのサポートの必要性を強調しました。その方策として、消費税の減税や教育の無償化の推進を挙げています。具体的には、「消費税2%減税をしますと1%2.5兆円ですから2%で5兆円の減収になります。しかし5兆円の中でえいくら消費に回されるかと言えばあデータでは3兆円えのお金が消費に回されるという風になっています」と、具体的な数字を挙げて説明しました。
石井啓一(公明党代表):公明党は、短期的には足元の物価高騰対策をしっかりやる必要があると主張しました。具体的には、電気・ガス・ガソリンと燃料油への支援の継続、低所得世帯や年金世帯への給付、自治体が行う物価高騰対策を支援する臨時交付金の支出を挙げています。中長期的には、経済の好循環を作ることを目指し、物価の上昇を賃金の上昇につなげ、それが消費の拡大、さらなる物価上昇につながるというプラスの循環を作ることを提案しました。
田村智子(日本共産党委員長):日本共産党は、中小企業の賃上げが経済政策の鍵だと主張しました。具体的には、大企業には賃上げ促進税制という法人税減税による直接支援があるのに、なぜ中小企業への直接支援をやらないのかと指摘しています。また、内部留保に課税して、これを中小企業の賃上げの直接支援に回すことを提案しました。
玉木雄一郎(国民民主党代表):国民民主党の主張は「手取りを増やす」ことに集約されます。具体的には、103万円の壁を引き上げて178万円まで税金がかからずに働けるようにすること、ガソリン税の上乗せの暫定税率(25円10銭)を廃止して物流コストを引き下げること、高齢者医療制度を見直して現役世代の社会保険料負担を引き下げることなどを提案しました。また、ブラケットクリープ(物価上昇による実質的な増税)の問題を指摘し、適切な還元の必要性を主張しました。
山本太郎(れいわ新選組代表):れいわ新選組は、消費税の廃止、社会保険料の減免、物価高が収まるまでの現金給付、国内で作られた製品の政府による大胆な買い上げ(政府調達)などを提案しています。特に、需要創出の重要性を強調し、「1人1人に軍資金を渡すこと」「購買力を上げること」が重要だと主張しました。
福島瑞穂(社会民主党党首):社会民主党は、3年間消費税を0にし、その3年間で大企業の600兆円になった内部留保に課税することを提案しました。また、労働法制の改正による正社員化の推進、同一価値労働同一賃金の実現を主張しています。
神谷宗幣(参政党代表):参政党は、積極財政と減税によって経済成長を促すことを提案しています。また、国民の負担率が45%と非常に高いことを指摘し、これを35%程度にキャップをかけることを主張しました。
14.2 議論の深まりと建設的対話:経済政策と憲法改正を中心に
この討論会では、特に経済政策と憲法改正に関して、ある程度の議論の深まりと建設的対話が見られました。以下、具体的なやり取りを詳細に分析します。
経済政策に関する議論:
玉木雄一郎(国民民主党代表):私は、立憲民主党の金融政策について具体的な質問をしました。「0%超のえ物価目標と今ま2%が高すぎるということで引き下げるということであの発表されたに聞いてるんですが、そうなると今の2%目標から0%超にするってことは何らかの金融引き締めを行っていくことになるのか」と尋ねました。
野田佳彦(立憲民主党代表):私は玉木代表の質問に対して、次のように回答しました。「0%に抑えるんじゃないんです。0%超ならいいという話であって、それはあの賃金があの物価より上回っているような状況を作り出すてことですから。例えば物価が2%でえ賃金の上昇が3%ならばねそれは0%超なんですよね。あの2%でも1%でもいいんです。0%超ですから。」さらに、金融政策の独立性にも言及し、「私はもう1回政府と日銀がえ2013年の1月にアコードを締結してますけどもねもう1回そのアコードというのは作り直した方がいいだろうと」と提案しました。
山本太郎(れいわ新選組代表):私は、立憲民主党の金融政策に関して異なる視点から意見を述べました。「為替がこれだけ進んでるのはやっぱり日米の金利差つまり日米のこれはえ景気の差であると根本的な部分を見つめ直して日本経済の底上げをした上で金利を調整していくっていうことを目指さなきゃいけないのに」と指摘しました。
これらの議論は、金融政策に関する各党の見解の違いを明確にし、有権者にとって有益な情報となりました。
憲法改正に関する議論:
馬場伸幸(日本維新の会代表):私は、立憲民主党の憲法審査会での態度について指摘しました。「立憲民主党の皆さん方はあこの憲法審査会でご発言される際にいつも前置きに言うのはこれは党の意見ではありません個人の意見を申し上げますということをおっしゃいます」と述べ、建設的な議論を阻害する要因について言及しました。
野田佳彦(立憲民主党代表):私は馬場代表の指摘に対して、次のように回答しました。「立憲主義的論議という立場が党の集約した立場ですから党としてこう憲法を変えなければいけないとお話しではないんです。だから個人の立場で論議をするということになってるんだということはこれはご理解を抱かなければいけないと思う」と説明しました。
石破茂(自由民主党総裁):私は、憲法改正の必要性を強調しました。「きちんとした議論やりましょう。議論が噛み合ってないから全然。本当にこれで大丈夫ですか日本の国。憲法ってあらゆる法体系の1番トップにあるものです。」さらに、「総選挙って国民の皆さん意思を問うそういう機会だと思っています。」と述べ、憲法改正を含めた議論の重要性を訴えました。
野田佳彦(立憲民主党代表):私は石破総裁の発言に対して、「政党法のお話されでしょでこれは憲法改正にかかわることですよ。大事なテーマです。このね短い選挙期間中だけで話すんじゃなくて普段からやってて点にするべきなのに、そんなこんな簡単に解散するから丁寧な議論ができないんですよ。」と反論しました。
14.3 有権者への情報提供:経済政策と憲法改正を中心に
この討論会は、有権者に各党の政策や立場を直接伝える重要な機会となりました。特に、経済政策と憲法改正について、各党の考えを比較検討できる情報が提供されました。以下、各党の代表的な発言を通じて、有権者への情報提供としての効果を分析します。
経済政策に関する情報提供:
石破茂(自由民主党総裁):私は、「日本創生」というキーワードのもと、コストカット型経済からの脱却を訴えました。「いかにして個人消費を上げるか、いかにして物価上昇を上回る賃金上昇を実現するか、そして将来の社会不安を払拭して設備投資を行うことにより付加価値の高い商品を作る、付加価値の高いサービスを作る」という具体的な方向性を示しました。また、「GDPの54%を占める個人消費を上昇させ、デフレから完全脱却することを目指している」と述べ、具体的な数字を挙げて説明しました。
野田佳彦(立憲民主党代表):私は、金融政策について「0%超のえ物価目標」を掲げていることを説明しました。「例えば物価が2%でえ賃金の上昇が3%ならばねそれは0%超なんですよね。あの2%でも1%でもいいんです。0%超ですから」と具体的に述べ、物価上昇率よりも賃金上昇率が上回る状況を目指す立場を明確にしました。
馬場伸幸(日本維新の会代表):私は、消費税減税の効果について具体的な数字を挙げて説明しました。「消費税2%減税をしますと1%2.5兆円ですから2%で5兆円の減収になります。しかし5兆円の中でえいくら消費に回されるかと言えばあデータでは3兆円えのお金が消費に回される」と述べ、減税の経済効果を示しました。
玉木雄一郎(国民民主党代表):私は、「手取りを増やす」という政策を具体的に説明しました。「103万円の壁を引き上げて178万円まで税金がかからずに働けるようにする」「ガソリン税の上乗せの暫定税率(25円10銭)を廃止して物流コストを引き下げる」などの提案を行いました。また、ブラケットクリープの問題を指摘し、「化になってることと所得税も物価の上昇ってのは所得税率のアップと同じ効果を持ちますから国にはたくさんお金が入ってくるんですよ」と説明しました。
山本太郎(れいわ新選組代表):私は、経済政策について「1人1人に軍資金を渡すこと」「購買力を上げること」の重要性を強調しました。具体的には「消費税の廃止」「社会保険料の減免」「物価高が収まるまでの現金給付」などを提案しました。また、「先進国で30年間も不景気が続く国っていうのは日本だけなんですね」と指摘し、日本経済の現状に対する認識を示しました。
憲法改正に関する情報提供:
石破茂(自由民主党総裁):私は、憲法改正の必要性を強調しました。「きちんとした議論やりましょう。議論が噛み合ってないから全然。本当にこれで大丈夫ですか日本の国。憲法ってあらゆる法体系の1番トップにあるものです。」さらに、「総選挙って国民の皆さん意思を問うそういう機会だと思っています。」と述べ、憲法改正を含めた議論の重要性を訴えました。
野田佳彦(立憲民主党代表):私は、憲法改正について「憲法というのはですねえ不磨の大典ではないですし一時たりとも変えてはいけないという立場ではありません」と述べ、建設的な議論の姿勢を示しました。また、「立憲主義的論議という立場が党の集約した立場ですから党としてこう憲法を変えなければいけないとお話しではないんです」と説明し、立憲民主党の立場を明確にしました。
馬場伸幸(日本維新の会代表):私は、憲法改正の必要性を訴えました。「日本国憲法は昭和22年に施行されました。ま当時の日本の情勢を皆さん想像していただくとえ現代社会とは全く違うということはあ全ての面において言えると思います」と述べ、現代社会に適した憲法への改正の必要性を主張しました。
14.4 今後の討論会改善への示唆
今後の討論会改善への示唆として以下の点が挙げられます:
- より深い議論を可能にする時間配分と形式の見直し
- 継続的な政策討論の場の設定
- 具体的な政策立案につながる議論の進め方の工夫
- 各党の政策を客観的に比較できる情報提示方法の改善
- ファシリテーターの役割強化による建設的な対話の促進
- 視覚的な情報提示など、有権者にとってより分かりやすい情報提供方法の採用
- 各党が互いの政策や主張について質問し合える機会の確保
これらの改善を行うことで、有権者にとってより有益な情報を提供し、政策に基づいた投票判断を促すことができるでしょう。また、政党間の建設的な対話を促進し、より良い政策立案につながる可能性も高まると考えられます。
15. 2024年衆議院選挙における主要争点
15.1 経済政策をめぐる各党の主張
2024年衆議院選挙に向けた最大の争点は、経済政策です。長引く景気低迷からの脱却と賃金上昇が焦点となっています。
自由民主党の石破茂総裁は、コストカット型の経済から付加価値型の経済への転換を主張しています。個人消費の拡大と物価上昇を上回る賃金上昇の実現を目指すとしており、具体的には労働分配率を上げることを提案しています。石破氏は「企業が上げてきた収益の中でいかにして労働者にそれを回していくかということが最重要」と述べ、内部留保を賃上げに回すよう企業に求める方針を示しました。
一方、立憲民主党の野田佳彦代表は、環境・エネルギー、デジタル分野への重点投資による経済成長を掲げています。また、リカレント教育などの人材投資を通じた労働生産性の向上を主張しています。野田氏は「人への投資に尽きる」と述べ、リカレント教育やリスキリングの重要性を強調しました。
国民民主党の玉木雄一郎代表は「手取りを増やす経済政策」を掲げています。具体的には、所得税の控除拡大(103万円の壁を178万円まで引き上げ)、ガソリン税の暫定税率廃止、社会保険料負担の軽減などを提案しています。玉木氏は「手取りが増えないから消費の増加につながっていない」と指摘し、これらの政策が経済循環を生み出すと主張しています。
日本維新の会の馬場伸幸代表は、中小企業の実態を踏まえた政策の必要性を指摘しています。馬場氏は「中小企業の経営者の方にお話を聞くととても賃上げなんかできないとおっしゃる」と述べ、消費税減税や教育無償化などを通じた若年層・子育て世代への支援を主張しています。
共産党の田村智子委員長は、大企業の内部留保への課税による中小企業支援や、最低賃金の引き上げを提案しています。田村氏は「中小企業への直接支援をやらないのか」と他党を批判し、5年間で10兆円規模の中小企業支援を提案しています。
れいわ新選組の山本太郎代表は、30年間の経済停滞からの脱却を最優先課題と位置づけ、消費税廃止や給付金支給などの大胆な景気刺激策を主張しています。山本氏は「失われた30年によって傷ついた人々が大勢いる」と指摘し、「徹底的に景気が良くならないと賃金なんて上がらない」と述べています。
社民党の福島瑞穂党首は、3年間の消費税ゼロ化や大企業への課税強化を提案しています。福島氏は「公平な税制の実現」を訴え、法人税の累進課税の復活や内部留保への課税を主張しています。
公明党の石井啓一代表は、短期的には物価高騰対策として電気・ガス・ガソリンへの支援継続、低所得世帯や年金世帯への給付、地方自治体の物価高騰対策支援を提案しています。中長期的には、最低賃金の1500円への引き上げや、中小企業の生産性向上支援を主張しています。
参政党の神谷幸則代表は、積極財政と減税による経済成長を掲げるとともに、外国資本による日本企業の買収や過度な移民受け入参政歯止めをかけるべきだと主張しています。
これらの経済政策をめぐる議論では、賃上げの実現方法や中小企業支援、税制改革などが焦点となっています。各党は具体的な数値目標や実現手段を示しながら、有権者の支持を得るべく競争を展開しています。
15.2 各党の強みと課題
自由民主党: 石破茂総裁が率いる自由民主党の強みは、経済政策に関する具体的な提案です。石破氏は「コストカット型の経済を改めます」と述べ、付加価値型経済への転換を主張しています。「賃金を上げないあるいは下請けにしわ寄せが行くそうよな形のコストカット型の経済を改めていかにして個人消費を上げるか」と具体的に言及し、労働分配率の向上を通じた賃上げを推進する姿勢を示しています。
課題としては、憲法改正に関する具体的な進め方が挙げられます。石破氏は「我が党としてとにかく憲法に自衛隊をメキしますとはい国会議員の人気の延長緊急事態も規定しますという風に党で決まってるんでそれを実現するのが総裁の仕事です」と述べていますが、野党との合意形成や国民の理解促進についてはさらなる説明が必要かもしれません。
立憲民主党: 野田佳彦代表が率いる立憲民主党の強みは、経済成長と人材投資に関する具体的な提案です。野田氏は「環境エネルギーグリーンですねそれからデジタルこういう分野に集中的に重点的に投資をしていく」と述べ、成長分野への投資を通じた経済活性化を提案しています。また、「人への投資」を重視し、リカレント教育やリスキリングによる労働生産性向上を主張しています。
課題としては、憲法改正に関する党内の意見集約が挙げられます。野田氏は「立憲主義的論件という立場が党の集約した立場ですから党としてこうを変えなければいけないとお話ではないんです」と述べており、党としての統一見解の形成が求められるかもしれません。
日本維新の会: 馬場伸幸代表が率いる日本維新の会の強みは、地方自治の経験を生かした具体的な政策提案です。馬場氏は「大阪ではあこの行財政改革によって生み出された財源でえ全ての教育を無償にするということに今チャレンジをしえ前に進んでいます」と述べ、地方での実績を全国に広げる姿勢を示しています。
課題としては、全国での支持拡大が挙げられます。馬場氏は「162名の校舎立させていただいておりますえ全員の当選を目指すという姿勢でやらせていただきたいと思いますが中でもですねえこの大阪関西以外でなかなか小選局でえ勝利を得ることができませんのでえ関西以外での小選局制での小選挙での勝利を議席を獲得を目指していく」と述べており、地盤拡大への意欲を示しています。
公明党: 石井啓一代表が率いる公明党の強みは、具体的な経済対策の提案です。石井氏は「短期的にはですね足元の物価高等対策をやっぱりしっかりやる必要がある」と述べ、電気・ガス・ガソリンへの支援継続、低所得世帯や年金世帯への給付、地方自治体の物価高騰対策支援を提案しています。
課題としては、憲法改正に関する他党との調整が挙げられます。石井氏は「大規模災害等のま緊急時におけるえま国会機能の維持すなわち国会議員の人気延長ですねこれについてはま衆議院の憲法審査会で相当議論があの進んでいます」と述べていますが、具体的な合意形成のプロセスについてはさらなる説明が必要かもしれません。
日本共産党: 田村智子委員長が率いる日本共産党の強みは、大企業への課税強化を通じた再分配政策の具体的な提案です。田村氏は「アベノミクスで増えた分のところの内部流行に次元的な課税をしてこれを中小企業のえ賃上げの直接支援に回すと大体あのいうことをですね5年間で10兆円という規模で提案をしている」と述べ、具体的な数字を示しています。
課題としては、憲法改正に関する他党との対話が挙げられます。田村氏は「集団的自衛権の講師要人というですね明らかにその憲法を踏みにるえ確認決定がなされた」と批判していますが、建設的な議論を進める方策についてはさらなる説明が求められるかもしれません。
国民民主党: 玉木雄一郎代表が率いる国民民主党の強みは、具体的な経済政策の提案です。玉木氏は「手取りを増やす経済政策」を掲げ、「所得税の103万円のこの控除の壁をグっと上げてですね178円までは無税で働けるようにします」など、具体的な数字を示しながら政策を提案しています。
課題としては、他の野党との差別化が挙げられます。玉木氏は「まずは国民民主と国民民主として大きくしていきたい」と述べており、独自路線を強調していますが、より明確な政党の特色を示す必要があるかもしれません。
れいわ新選組: 山本太郎代表が率いるれいわ新選組の強みは、大胆な経済政策の提案です。山本氏は「消費税の廃止私これマストだと思ってます」と述べ、従来の政党では踏み込めない政策を提示しています。
課題としては、政策の実現可能性への説明が挙げられます。山本氏は「徹底的に景気刺激策徹底的に底上げしていくっていう必要がある」と主張していますが、財源の問題などについてより詳細な説明が求められるかもしれません。
社会民主党: 福島瑞穂党首が率いる社会民主党の強みは、具体的な経済政策と労働政策の提案です。福島氏は「3年間消費税0にしその3年間大企業の600兆円になった内部留保に課税する」と具体的な提案を行っています。
課題としては、他の野党との差別化が挙げられます。福島氏は「社民党は3年間消費税0にしその3年間大企業の600兆円になった内部留保に課税するていうことを2001年から言っています」と述べ、政策の一貫性を強調していますが、より幅広い政策分野での提案が求められるかもしれません。
参政党: 神谷幸則代表が率いる参政党の強みは、独自の経済政策の提案です。神谷氏は「積極財政と減税によって経済成長を行いえ失われた30年に収支付を打つ」と述べ、独自の経済政策を提示しています。
課題としては、政策の実現可能性への説明が挙げられます。神谷氏は「国民的な議論をした上での権活動というものを中心に取り組んでいきたい」と述べていますが、より具体的な政策実現のロードマップを示す必要があるかもしれません。
各政党は、それぞれの強みを生かしつつ課題に取り組むことで、有権者の支持獲得を目指しています。2024年の衆議院選挙に向けて、これらの強みと課題がどのように選挙戦略に反映されるか、そして有権者の判断にどう影響するかが注目されます。
15.3 有権者の選択:政策と優先課題
2024年の衆議院選挙において、有権者は複雑かつ重要な判断を迫られることになります。各党が提示する政策や主張を比較検討し、日本の将来にとって最適な選択をすることが求められます。
経済政策に関する判断: 有権者は、各党が提案する経済政策の中から、日本の経済再生に最も効果的だと考えるものを選択する必要があります。例えば、自由民主党の石破茂総裁は、コストカット型経済から付加価値型経済への転換を主張し、「いかにして個人消費を上げるか」「いかにして物価上昇を上回る賃金上昇を実現するか」という具体的な目標を掲げています。
一方、国民民主党の玉木雄一郎代表は「手取りを増やす経済政策」を提案し、所得税の控除拡大(103万円の壁を178万円まで引き上げ)やガソリン税の暫定税率廃止などの具体策を示しています。れいわ新選組の山本太郎代表は消費税廃止を主張し、「失われた30年によって傷ついた人々が大勢いる」という現状認識を示しています。
有権者は、これらの政策の実現可能性や長期的な経済への影響を考慮しつつ、どの政策が日本経済の再生に最も効果的かを判断する必要があります。
憲法改正に関する判断: 憲法改正については、各党の立場が大きく異なります。自由民主党の石破総裁は「我が党としてとにかく憲法に自衛隊をメキしますとはい国会議員の人気の延長緊急事態も規定します」と明確な改正案を示しています。
一方、立憲民主党の野田佳彦代表は「立憲主義的論件という立場が党の集約した立場」と述べ、慎重な姿勢を示しています。日本共産党の田村智子委員長は「集団的自衛権の講師要人というですね明らかにその憲法を踏みにるえ確認決定がなされた」と批判的な立場を取っています。
有権者は、憲法改正の必要性や具体的な改正内容について、各党の主張を比較検討し、自らの判断を下す必要があります。
優先課題の選択: 山本太郎代表が指摘するように、「この国においての優先順位第1位は経済です」という認識がある一方で、自由民主党や公明党は安全保障や憲法改正も重要課題として挙げています。有権者は、どの課題を最優先すべきかについても判断を迫られます。
例えば、経済政策を最優先すべきか、それとも安全保障や憲法改正などの課題にも同等の重要性を置くべきかを考える必要があります。山本代表は「徹底的に景気が良くならないと賃金なんて上がらない」と主張していますが、他の党は経済以外の課題にも注力しています。
政治と金の問題: 政治と金の問題に関しても、有権者の判断が求められます。公明党の石井啓一代表は「政治金員をチェックする第3者期間」の設置や「政策活動費の廃止」を提案しています。有権者は、各党が提示する政治資金規正法の改正案や、政治とカネの問題に対する姿勢を評価し、より透明性の高い政治の実現に向けた判断を下す必要があります。
政党間の連携と政権のあり方: 野党第一党の立憲民主党が政権交代を目指す一方で、他の野党との連携については各党で異なる姿勢を示しています。有権者は、単一政党による政権運営と連立政権のどちらが望ましいか、また野党の役割をどのように評価するかについても考える必要があります。
長期的視点と短期的対策のバランス: 有権者は、短期的な経済対策と長期的な構造改革のバランスについても判断を迫られます。例えば、れいわ新選組や社民党が主張する消費税の廃止や一時的なゼロ化といった短期的な対策と、自由民主党や立憲民主党が提案する産業構造の転換や人材投資といった長期的な戦略のどちらを重視すべきかを考える必要があります。
結論として、2024年の衆議院選挙では、有権者一人一人が、自らの判断の重要性を認識し、慎重かつ主体的に選択を行うことが求められます。各党の政策や主張を十分に理解し、批判的に検討する姿勢が重要です。同時に、短期的な利益だけでなく、長期的な視点から日本の将来を考え、判断を下すことが必要です。この選挙における有権者の選択が、日本の進路を大きく左右することになるでしょう。
16. 討論会のまとめ
以下の表は、2024年衆議院選挙に向けた党首討論会での各政党の主な主張をまとめたものです。実際の政策や立場は、より詳細で複雑である可能性があります。有権者の皆様には、この表を参考にしつつ、各政党の公式ウェブサイトや選挙公約なども併せてご確認いただくことをお勧めします。
テーマ | 自由民主党 | 立憲民主党 | 日本維新の会 | 公明党 | 日本共産党 | 国民民主党 | れいわ新選組 | 社会民主党 | 参政党 |
経済政策 | コストカット型経済から付加価値型経済への転換。賃金上昇と個人消費拡大を目指す。 | 環境・エネルギー、デジタル分野への重点投資。人材投資による労働生産性向上。 | 中小企業の実態を踏まえた政策。消費税減税や教育無償化を提案。 | 短期的な物価高騰対策と中長期的な経済の好循環創出。 | 大企業の内部留保への課税による中小企業支援。最低賃金引き上げ。 | 「手取りを増やす経済政策」。所得税控除拡大、ガソリン税暫定税率廃止など。 | 消費税廃止、給付金支給などの大胆な景気刺激策。 | 3年間の消費税ゼロ化。大企業への課税強化。 | 積極財政と減税による経済成長。外資規制と移民抑制。 |
憲法改正 | 自衛隊の明記、緊急事態条項の創設を主張。 | 立憲主義的な観点からの改憲論議を主張。 | 憲法改正に積極的。具体的な改正案を提示。 | 「加える憲法」の立場。緊急事態条項などを提案。 | 現行憲法の理念実現を優先。改憲に反対。 | 緊急事態条項など具体的な改正案を提示。 | 憲法改正よりも経済政策を優先。 | 現行憲法の理念実現を優先。改憲に反対。 | 憲法改正の必要性を認識しつつ、慎重な国民的議論を求める。 |
安全保障政策 | 日米同盟の強化と自衛隊の憲法明記を主張。 | 日米同盟を基軸としつつ、安保法制の見直しを主張。 | 日米同盟の重要性を認識しつつ、日本の自主性強化を主張。 | 限定的・部分的な集団的自衛権行使を支持。 | 安保法制の廃止と平和外交の推進を主張。 | 日米同盟の重要性を認識しつつ、9条解釈の慎重な検討を主張。 | 経済政策を優先し、安全保障政策には慎重。 | 安保法制の廃止と平和外交の推進を主張。 | 段階的な在日米軍の撤退と日本の自主独立を主張。 |
社会保障政策 | 賃金上昇と経済成長による社会保障の安定化を目指す。 | 人への投資を通じた労働生産性向上と社会保障の充実。 | 教育無償化など若年層・子育て世代への支援を重視。 | 物価高騰対策と中小企業の生産性向上支援。 | 大企業への課税強化による社会保障財源の確保。 | 手取り増加と社会保険料負担軽減による生活支援。 | 消費税廃止と給付金支給による生活支援。 | 消費税ゼロ化と大企業への課税強化による社会保障充実。 | 国民負担率の引き下げと効率的な社会保障制度の構築。 |
エネルギー政策 | 再生可能エネルギーの主力電源化と原発の安全な再稼働。 | 再生可能エネルギーの推進と原発依存度の低減。 | 具体的な言及なし。 | 再生可能エネルギーの推進と原発の安全性確保。 | 原発ゼロと再生可能エネルギーの推進。 | 原発の段階的縮小と再生可能エネルギーの推進。 | 原発からの脱却と再生可能エネルギーへの転換。 | 脱原発と再生可能エネルギーの推進。 | 具体的な言及なし。 |