※本レポートは、「党首討論」、「2野田代表ぶら下がり(党首討論の受け止め)」、および「石破首相の衆院解散、総選挙についての会見」の3つの動画の内容を基に作成されています。これらの動画は、2024年10月9日に行われた政治イベントの様子を記録したものです。本レポートでは、これらの動画の内容を要約し、解説を加えており、原動画の内容を正確に反映するよう努めていますが、要約や解釈による誤りがある可能性もありますので、正確な情報や文脈については、オリジナルの動画をご覧いただくことをお勧めいたします。
党首討論
1. はじめに
1.1 2024年10月9日党首討論の開催
2024年10月9日、衆参両院の議長、副議長、そして衆議院の根本匠委員長の協力のもと、国家の基本政策に関する調査を議題とした党首討論が開催されました。この討論は、国会における重要な政策議論の場として位置づけられています。
討論の冒頭、司会者から発言に関する注意事項が述べられました。野党党首および内閣総理大臣には、申し合わせの時間内で活発な討議が進められるよう、発言を簡潔にすることが求められました。また、時間表示装置を使用し、持ち時間が終了した際には赤色のランプが点灯することが説明されました。
さらに、委員および傍聴人に対しては、議事の妨げとなるような言動を控えるよう協力が要請されました。これらの注意事項は、公正かつ効果的な討論を行うための重要な前提条件として示されました。
1.2 参加政党と代表者
この党首討論には、以下の政党代表者が参加しました:
- 立憲民主党:野田佳彦 代表
- 日本維新の会:馬場信之 代表
- 日本共産党:田村智子 副委員長
- 国民民主党:玉木雄一郎 代表
- 自由民主党:石破茂 首相(党総裁)
各党代表は、それぞれの持ち時間内で質問や主張を展開し、石破首相がそれに応答する形で討論が進められました。
特筆すべきは、この討論が従来の45分から80分に延長されたことです。これは、より深い議論を可能にするための措置でした。また、本会議においても、首相の答弁時間を2時間近くまで延長する努力がなされたことが言及されました。
この討論は、近く予定されている衆議院の解散と総選挙を前に、各党の政策や主張を国民に示す重要な機会となりました。特に、政治資金問題や経済政策、憲法改正など、現在の日本政治における重要課題について、各党の立場が明確にされることが期待されました。
2. 政治資金問題を巡る議論
2.1 政治資金規制法改正の経緯と課題
野田佳彦代表(立憲民主党):私は、1994年の政治改革関連4法案の成立を振り返りたいと思います。94年の1月に、最後の最後は細川総理と河野自民党総裁が丸の内で握手を交わして、政治改革関連4法案が成立しました。雪の降る夜だったと思います。6時間から7時間の長い議論を経た末に合意をしたんですね。私は政治家は懸命に議論をしながらも最後は一点を立つ、その原点を見た思いでありました。
この法律の柱は二つありました。一つは小選挙区比例代表並立制、もう一つは国民の皆様からコーヒー1杯分と言ってましたけども、お一人当たり250円を払っていただいて政党の活動を助けてもらうという政党交付金の導入です。合わせて、残念ながら不正の温床になったり政策をねじ曲げたりする可能性のあった企業・団体献金は廃止していくという方向、この確認があったと思います。
確認はされましたけども、企業・団体献金については個人への寄付はもらえなくなっても、政党本部や支部はもらえる。あるいは今、形を変えて政治資金パーティーという形で企業からたくさんお金をいただくということが一般的になっています。もう一回ですね、政治改革の原点に立って政治資金規制法の見直しを行う時には、この企業・団体の献金の禁止からスタートするのが私は大事だと思います。総理の見解をお伺いします。
石破茂内閣総理大臣:野田代表とは本当に同じ昭和32年生まれで、同じように政治改革を体験をいたしてまいりました。代表のおっしゃいますように、あの時の政治改革の議論、本当に真摯なものでありましたし、我々自由党はあの時に宮澤内閣、政権を降りて細川連立政権が成立をし、その経緯は代表ご指摘の通りであります。
私どもがあの頃考えておりましたのは、お金に左右されない政治を作りたいと思ってまいりました。ある程度民主主義にコストはかかります。それはどれだけかかるか、いろんな議論があるでしょう。ある程度のコストはかかる。それをお金持ちでなければ出れないとか、そういうことであってはいかん。国民の皆様方にご負担もお願いする。自らも努力をしてお金を作る。あるいは企業・団体からいただく。そこにおいての考え方は左右されないということでございました。
企業・団体であっても、それが社会の公正な一員である以上、そこからお金をいただいてはならないということには必ずしもなりません。それは私ども35年前の政治改革大綱というのを自由民主党で決めました。そこにも明記をいたしております。大事なことは、誰からいくらもらったのか、どの企業からいくらいただいたのか、そしてそれによって政治が、政策が左右されないかどうか。そのことをきちんと有権者の方々にお見せするということが必要だと思ってまいりました。政治資金規制法の趣旨はそういうことであったと思っております。
2.2 企業・団体献金の廃止に関する議論
野田佳彦代表:透明性を大事にする、これはもうもちろん大事だと思います。で、私どもも企業・団体献金は廃止するけど、逆に税制の優遇措置で個人献金は助長していこうという考え方で、献金全体を否定してるわけではありません。ただ先ほど申し上げた通り、政治改革の原点は政党助成金、政党公金を導入する代わり、企業・団体献金は廃止の方向、これ原点なんですね。
で、今どうでしょうか。企業・団体献金はもらいっぱなし。一方で政党公金は例えば自民党の場合は議員が多いから令和6年だけでも160億円じゃないですか。160億円のお金をもらいながら、一方で企業・団体献金もらいっぱなし。これは私は国民の理解を得ることはできないと思います。透明性はもちろんですけど、原点に立った方がいいというふうに思うんですね。
石破茂内閣総理大臣:代表は本当に言葉を大切にされる方だということは長いお付き合いでよく存じております。裏金っていうのは私は決めつけだと思っているんです。それは記載漏れということであって、つまり誰からいくらいただき、それをどのように使ったか、それの出入りがきちんと示されるということが重要なのであって、その記載をしなかったということであります。そのことは政治資金規制法が正しいという事を書くように、誰からどれだけいただいたかということをきちんと書くということは極めて重要なことなのであって、それを書かなかったということで本当にお詫びしていかなければなりません。そこの当該議員はそれをきちんと正したということだという風に認識をいたしております。
2.3 政党交付金と企業・団体献金の両立問題
野田佳彦代表:あの、私は脱税と断定した言い方はしていません。脱税の疑いのあるという言い方をしました。疑いがあるというのは、使ったか全部説明しきれてない人が結構いますよね。じゃあ疑いがあるじゃないですか。ある方はね、2800万円近くを机の中に入れていたって使ってないってことじゃないですか。雑所得として考えられないですか。それは疑いはあるんです。正確に私は言葉を使っているつもりであることはまずご指摘をさせていただきたいというふうに思います。
その上でですね、ちょっとは端的に聞きますよ。非公認で立候補された場合、当選しますよね。それ追加公認されるんですか。
石破茂内閣総理大臣:それは仮定のお話でございますが、主権者たる国民の皆様方が、これは憲法によって全ての国民の代表者としてふさわしいというふうに主権者たる国民の皆様方がご判断をされた場合には、それは公認するということはございます。
野田佳彦代表:かなり本音のお話であって、早く総選挙やって幕を終わらせて早く陽が当たるようにしようというお考えだと私は思いました。その上でね、よくよく考えてご判断をされたという今回のお話をさっきされましたけども、果たしてそうなんですか。私には2点ほど気になりながら決めてきたと見えました。そもそも解散に当たってはね、ご支持相場があるうちに解散すれば勝てるだろうという思いから早期解散を決めた。その上で元々の方針は全てのいわゆる裏金に関わった人たちを、要は全員重複公認させる、誓約書を書かせる、それが最初の方針だったんじゃないんですか、元々は。
2.4 政治資金の透明性確保に向けた取り組み
馬場伸幸代表(日本維新の会):私は、政治と金の問題について触れざるを得ないと考えています。そもそも論として、石破総理がこの問題が発生した時にテレビ等でもおっしゃっていましたが、この問題は平成元年に石破総理もスタッフで関与された自民党政治改革大綱で処理をしていくべきだ、あれを実行していけば今回の問題も包含されてより分かりやすい可視化された、そして曇りのない政治が実現するんだと、これテレビ等でもおっしゃっておられました。なぜやらないんですか。
石破茂内閣総理大臣:私は、選挙の真を問うべきだということは申し上げてまいりました。真を問わねばならないということと、主権者たる国民の皆様方にご判断をいただく、そういうような材料という方がいいかどうか別でございますが、提供してということを申し上げました。例えば本当に参議院のご努力をいただいてこの党首討論、国家基本政策委員会、今まで45分でしたが、ほぼ倍の80分ということになっております。そしてまた本会議におきましても私なりに一生懸命答弁をさせていただき、2時間に近づけるように大変なご努力をいただいたという風に考えております。そこにおいて精一杯いろんな議論をさせていただき、たくさんのご指摘をたまわりたいと思っております。
2.5 政策活動費の使途と公開の必要性
馬場伸幸代表:石破総理が幹事長を務められた2年間、この2年間で政策活動費17億5000万円が総理に支給がされています。これあの、ざっとでも結構ですからどういうことにお使いになったか、ここでつまびらかにご説明お願いします。
石破茂内閣総理大臣:ざっとつまびらかにというのは結構難しいご指摘でございますが、それはこれから先、政策活動費というのはそれぞれの選挙において、あるいは私どもが自由民主党として活動します際において、どんな必要なお金がございます。そういうことに使ってまいりました。選挙の時もそうでしょう。あるいは政治活動通常の上においてもそうでしょう。あるいは国会でいろんなご議論をたまわる時に、それを円滑にするための費用というものもそれは適切な範囲で、そういうこと今まで使ってまいりました。何にいくらということは私自身ここでつまびらかにざっとお話をすることはいたしかねます。しかし、代表質問でもお答えを申し上げましたが、これから先政策活動費は我が党として廃止も含めて議論をしてまいりたいと思っております。何に使われたかわけわからんというようなことが、これから先もつづくことがあっていいとは思っておりません。政策活動費に税金は入っておりませんが、だからと言って何に使ってもいいというものではございませんでしょう。そのことをこれから先、廃止なら廃止、私どもとしても党内できちんと議論をいたしてまいります。お金によって政治が左右されないように、そういうことはこれから先も努力をいたしてまいります。
2.6 政策活動費の選挙利用問題
玉木雄一郎代表(国民民主党):今日解散して来週12日間選挙戦行われます。この選挙に関して1円も政策活動費は使わないということをここで明言してください。
石破茂内閣総理大臣:これから先選挙を行うにあたりまして、現在認められております政策活動費ということを使うことはございます。それは色々、選挙区におきましていろんな事情もございます。そして我が党の中で、本当にはじめいろんな党と厳しい戦いをしておる、そういう地域もございます。そこにおいて適切な範囲内に許されております政策活動費を使うということは、可能性としては否定はいたしません。
玉木雄一郎代表:これ結構問題発言ですよ。森山幹事長、そして小泉総務会長。政策活動費は幹事長、総務会長が使うんですが、我が党も使ってました。ただ不透明なので言っときますが、党としては一切使ってません。ただ義務付けられていないので不透明だということで我々もやめました。文書通信費についても2年前から全てホームページに出して公開しています。文書通信費を廃止して、文書通信費を公開して、そして政策活動費廃止した。これ現に2つ実行してるのは国民民主党だけです。だから私は申し上げてます。
それ今ね、結構大事な発言をされていて、選挙に仮に使うんであれば選挙としての支出が報告に必ず求められますね。その収入に関して分からないもの、それを計上して選挙を戦うんですか。その今選挙に使うとおっしゃいましたね。選挙にどのように使うんですか。じゃあその選挙に使った政策活動費は支出は、受け取った総支部長がどっかで計上するんですか。お答えください。
石破茂内閣総理大臣:それは法律に許された範囲で適切に使うということでございます。
玉木雄一郎代表:であればですね、出す支出についても誰々に出したっていうことは公開をしますね。あの先般の通常国会で成立した政治資金規制法の改正案は施行日が2026年1月1日です。それまではあの大きな区分に分けてやるという義務さえかからない。だから今回の衆議院選挙でいくら何に自民党が使おうが報告する義務全くないんですね。党から例えば総支部あるいは誰か議員に出したということについては出す必要もないし分からないんですね。じゃそれはむしろ積極的に公開をされるということですか。明言してください。
石破茂内閣総理大臣:現在法律で許されている範囲内で適切適切に行ってまいります。現在の法律では政策活動費については公開は義務付けられておりません。報告をするということです。
玉木雄一郎代表:いやどの党も一緒じゃないですよ。我々は使いませんし、そんな何に使ったか分からない、誰に渡したか分からないお金を使って選挙をやったら選挙自体が歪むじゃないですか。全て公開されたお金で、入りでもきちんとお示しをする。そういった公平なルールで戦うからこそ選挙の公平性は担保されるんじゃないですか。
それが自由民主党だけ、これまで幹事長には年間約10億、5年で50億とか、石破幹事長も使われたということですけども、それを今総理自身、この石破内閣の中で、内閣総理大臣にあたる石破茂自民党総裁は、間もなく始まる選挙に公開義務のまだかかっていない政策活動費を使うと明言された。これはこれから行われる選挙の公平性を担保することになるんでしょうか。あるいは仮に、仮に100歩譲ったとして合法だと思いますよ。まだ法律化されてませんから。でもこれだけのことを自民党は起こしておいて、政治の透明性や資金の透明性や政治の公平性ということが問われる中で、自民党は公開義務のかかってない10億単位のお金をもって、まもなく始まる選挙を戦うんですか。
石破茂内閣総理大臣:私は、対決より解決、政策本位でやってきましたから、本当の政策であっても協力できるとか協力してきましたよ。でも政治に対する信頼が失われてしまったら難しい政策なんか何一つできないんですよ。だから本当の危機じゃないんです。今総理が見てるのは日本の危機なんです。だからやめましょうよ。そういった公開の義務はかかってないお金は一切使わず、この選挙をお互い堂々と戦う。そして新しい議席の中で新しい政治を作り上げていこうと。
玉木雄一郎代表:総理、名言してください。
石破茂内閣総理大臣:問題意識は委員と一緒です。これは自民党の危機ではなくて日本政治全体の危機だという認識は私強く持っておるところでございます。そしてまた委員ご指摘のように、政治に対する信頼がなくて何を言っても意味がないということもよく存じてますし、委員と長い間議論してきた憲法改正だってそうでしょう。誰もそれに耳を傾けてくれるとは私は思いません。ですから委員がおっしゃいますように、この選挙何だったんだと、自民党は何でもやるのかというような批判を浴びることがないよう、私自身お金の使い道には心して望みたいと思っております。
3. 解散・総選挙に関する議論
3.1 解散のタイミングと被災地への配慮
野田佳彦代表(立憲民主党):私は、今回の解散のタイミングについて深刻な懸念を抱いています。被災地を見て選挙できると思いましたか。例えば和島だけで土砂災害が60箇所あるんですよ。道路の寸断、交通止め、通行止め40箇所あるんですよ。投票所、避難所に行けなくなってるところもあるんですよ。大事な道路がなくなってしまって、海底の仮設道路作っているところもあるんですよ。そこが要は投票箱回収したら集計所に持っていくためのどうしても必要な道路、危なくてしょうがないと思いますね。伝家の宝刀も使えない。あの場面を見るならば到底選挙なんかできないと思うはずです。そうだと見てこなかったんですか。不見識ですか。その目は失礼な言い方して申し訳ないけど、おかしいですよ。あれで選挙行けると思ったんですか。
私はね、今回あの被災地の地域においては投票時間短くするとかってなんとか対応されようとしてる。私はそれでいいのかと思うんですよ。1番訴えたい気持ちをある人たちが投票時間短くなるがゆえに行けなくなるんじゃないんですか。そうだ、それで民意を表すというやり方がいいんですか。そこまで急ぐんですか。そうだ、ならば提案があるんですけど、国政選挙の繰り延べっていうのは今まであるんですよ。過去に例えば東日本大震災の時にはあの地方選挙を半年ずらしたんですよね。同じように過去に参議院選挙でも2回、中継合点があって、それもう投票日近かったんだけど一定の地域が繰り延べたってことがあるんです。むしろ通行止めとかなくなったりとかするような環境を整えて繰り延べ投票を認めた方がよろしいんじゃないですか。
石破茂内閣総理大臣:私は被災地の方々が本当に切実な願いを持っておられる、代表に対してもそうだったでしょう。私に対してもそうです。これはこうならないのか、ああならないのかそういうような切実なお声を聞きましたし、本当にあなた方は分かってるんですかというような厳しいお声もいただきました。そういう方々のご審判を賜るということも私たちは必要なことだと思っております。その上で今回被災地にそういう問題に通じたアドバイザーというものを派遣をいたしました。ここにおいて本当に投票が可能であるのかどうか、今の政治に対していろんな思いを最も持っておられるのはひょっとしたら被災地の方々かもしれません。そういう方々の思いが決して埋没することがないよう、この選挙の執行に関しましては私は責任を持って万全を期してまいります。
3.2 予算委員会開催の必要性と課題
野田佳彦代表:予算委員会を開くか開かないかは国会に任せるみたいなお話ですけど、会期延長しなきゃできないんですよね。そこのところをちゃんと答えてないじゃないですか。で、また、能登の話持ってきましたがそちらからも反論する権利があるんでそれに私は答えたいと思います。当然答弁するのはルールだと思いますのでお答えしたいと思いますけど、私もずっと財政担当してきました。補正予算に2ヶ月かけるってそれ違いますよ。最初はね災害は予見しがたいことですから予備費を当てる。これ憲法に認められてることであります、一般的です。だから1月の大きな地震の後も最初は予備費当てた。これはこれまでもよくあることです。だけどですね、阪神淡路大震災の時も最初は予備費使ったけど、ほどなく1ヶ月でほぼ閣議決定して国会で補正予算整理させてるんです。東日本大震災の時は本当に大きな被害でした。あの時私、財務大臣です。最初予備費当てましたけども復旧復興に向けてまず大型の補正予算を閣議決定いただきながら、これもほぼ1ヶ月作ってます。1か月作ってます。
熊本地震もそうです。一般的には最初は予備費なんです。だけど能登は2回3回4回5回6回小刻みに使ってきて今回7回目やろうとしてるんでしょ。補正予算は制度をきちっと設計して雇用調整助成金などどうするか決めて、まさに生活の見通しや業務の見通しが立つようにすることにこそ意味がある。2ヶ月もかからない。我々も協力する。だから会期延長して、サボタージュじゃありませんか。
石破茂内閣総理大臣:阪神淡路の時に極めて短い期間で補正予算というものを編成をし、そして審議をいただいたということがあったことは確かに事実でございます。しかし、それは年度をまたぐという特別な事情もございました。そしてまた、それに限定した補正予算でございました。今回の補正予算はそれにとどまるものではございません。広く国民生活をいかに向上するか、このデフレの状況をいかに脱却をするか、そういうようなことを全て盛り込んだ補正予算でございます。
私どもとして切れ目のない予算、そしてまたそれのご審議、補正予算があり、そしてまた本予算があり、切れ目のない予算執行、当然濃密なご審議をいただくものでございます。それが最も国民生活のためだ、国家のためだという風に考えて、このようなスケジュールにいたした次第でございます。決して補正予算審議を逃げているつもりは私はございません。それはこの編成の間、これはただ単に決めたものではございません。あらゆる方面に配慮した補正予算を編成し、国会のご審議を賜りたいと考えております。逃げるというつもりは全くございません。そのような言い訳なことを私どもはいたしません。
3.3 解散の意図と国民に問う内容
馬場伸幸代表(日本維新の会):石破総理、この解散は国民の皆様方に何を問うとされておられるのでしょうか。まず冒頭お答えください。
石破茂内閣総理大臣:それは新しい内閣が発足をいたしました。憲法の規定に基づきまして、第69条は代表ご存知の通り、不信任案が可決された場合、あるいは信任案が否決をされた場合には、総辞職しない限り解散ということになっておるわけでございます。でそういう場合には全く該当いたしません。しかしながら新しい内閣ができたことは事実でございます。そしてまたそこにおいて私としていろんなことを皆様方とお諮りをしながら、いろんな審議を経ながら実現をしてまいりたいと思っております。そこにおいて内閣の信を主権者たる国民の皆様方にいただくということは極めて重要なことだと思っております。私どもは私どもとして、もちろん野党の皆様方、新しい政権の枠組みをお示しになるかどうか私は存じませんが、それぞれの信任を問うために選挙をなさるのだという風に考えております。私は何を問うのだという風なお尋ねをいただきましたので、私どもの内閣がやろうとしておりますこと、私どもの政権としてやろうとしておりますこと、そういうことに対して信任をいただくということが今回の解散総選挙の意義だという風に考えておる次第でございます。
馬場伸幸代表:今、後ろから色々おっしゃっていただいていますが、これが国民の声だと思いますよね。何を問われているのかよくわからない。総理は総裁選挙の前、最中にはすぐに解散はやらないとおっしゃった。自分が総理になれば予算委員会を開いて、この日本の国内外の大きな課題を議論したいとおっしゃった。それはどこかに行ってしまった。そして政策もそうです。アジア版NATOをやりたい、所得課税、金融所得課税を廃止したい、憲法9条2項を削除したい。そんなことって、総理になられた瞬間にその考え方は全て消え去っている。今、これ国民が石破総理に対して感じているところだと思います。
3.4 石破首相の政策一貫性と国民の信頼
馬場伸幸代表:今、国民の皆さん方からはですね、石破総理はあれほど議員時代は「闘う野党」であると胸を張っておっしゃっておられましたが、それが全て、おっしゃっていることが変わっていく中で、国民の中からは「なんだ、単なる自民党の非主流派だったんだな」とこういう声が上がってきてるんですね。私はこの総理の一連のアクションは、非常に国民からは疑問を持たれていると思います。私はこの解散、命名するとすればですね、「猫の目解散」。くるくるくるくると、リーダーである総理、総裁の言うことが変わるという、そんな解散ではないかなということで、是非まあそういう観点でですね、国民の皆さん方も選挙に望んでいただきたいということを、まあ願うところであります。
石破茂内閣総理大臣:私は初めて防衛庁長官になったのが今から22年前です。その時から庁内の文書は「検討する」で終わることは絶対にしてまいりませんでした。検討し、いついつまでに答案を出す、ということでなければ防衛庁の文書として認めないということを言ってまいりました。それは農林水産省においてもそうでした。内閣府においてもそうでした。「検討、検討、検討」で終わるということは、結局何もしないと一緒だということは、私自身強い意識を持っております。その点は委員と全く一緒であります。政策活動費をどうするかということにつきましては、きちんと結論を得て、その上で今委員がおっしゃいましたことをよく心して、この選挙に望ませていただきます。
玉木雄一郎代表(国民民主党):石破総理、自民党を変える前に石破総理自身が変わってしまった。そのことを厳しく指摘して終わりたいと思います。
4. 経済政策と労働環境に関する議論
4.1 最低賃金引き上げと中小企業支援策
田村智子副委員長(日本共産党):私は、本当に豊かな社会というのは人間らしい暮らしを支える収入と、そして自由な時間、これが必要だと不可欠だという風に思えるんですね。それこそが本当に豊かな社会と言えるのではないかと思います。まず収入についてなんですが、これだけの物価高ですから政治の責任でどうやって賃上げを進めるのか。最大の鍵は中小企業、働く人の7割を占めてます。この中小企業への直接の支援が必要だと。最低賃金時給1500円、これ年収で月収20万円程度ですから、これはもうすぐにでも引き上げなきゃいけない物価高騰の元ですから。その実現のためにはやはり中小企業への支援不可欠だと。昨日の代表質問でも私このことを強調して直接支援をという風に求めましたが、総理の答弁は間接的な支援、価格の転嫁だとですね、こういう答弁だけだったんです。もう1度端的にお聞きします。やはり最低賃金の大幅な引き上げのためには中小企業への直接の支援、ここが鍵だ、必要だ、不可欠だ、こう思いますが、いかがでしょうか。
石破茂内閣総理大臣:行き着くところは一緒だと思っております。問題はその手法をどうするかということでございます。私どもは全体主義国家ではございませんので、社会主義国家ではございませんので、政府が主導してそこに直接お金を払うというのは正しいと私は思っておりません。中小企業の皆様方が労働者の方々に十分な賃金が支払えるだけのそういうような生産性を上げ、付加価値を上げ、そしてまた労働分配率、中小企業の方が労働分配率が高いことよく承知いたしております。そうしますと、いかにして付加価値を上げ、生産性を上げ、従業員の皆様方にお支払いをする、そういうような原資ができるかということに私どもは努力をいたしてまいりたいと思っております。賃金に対しましても、どうすれば物価上昇を上回る賃金上昇が実現するかということにおきましては、これからも本当に議論させていただきたいと思っております。
田村智子副委員長:結局ね、直接支援はやらないってことになってるんですよ。これ求めてるの日本共産党だけではありません。今年の地方最低賃金審議会もう大多数の都道府県委員会から何らかの支援、中小企業への支援が必要なんだと。私たちと同じように直接支援を求める意見というのは次々と上がってるんですよ。他の国だって直接支援やって最低賃金の大幅引き上げあって。これをやらないから日本はいつまでだっても賃金が上がらない国ということになってるんじゃないかという風に私は言わざるを得ないんですね。
私たちは中小企業への直接支援、本当に具体的に提案してきました。大企業の内部留保が驚くほど増えているとせめてアベノミクス以降で増えた分に一定の課税をして、そして10兆円の財源作って中小企業の賃上げの直接支援に当てようじゃないかと。それやれば最低賃金1500円、直ちに速やかに引き上げることができるんだと。これね慎重に検討って言い続けてんですよ。慎重じゃなくて真面目にどうしたらできるのかと、こういう立場で検討していただきたい。
4.2 労働時間短縮と生活の質向上
田村智子副委員長:賃上げと一体の労働時間の短縮、これ新しい私たちも提案なんです。自由な時間を増やすには労働時間短縮する。それでこそ人間らしい働き方、人間らしい生活が送れるようになるじゃないかということなんですね。実際あの日本の労働時間長すぎます。欧州の諸国と比べて年300時間長いとはいうデータもあるわけですね。で実際に過労死やメンタル疾患、今も深刻な社会問題となっています。これ若者調査、最近注目されてるんですけれども、1番欲しいものランキングで第1位がお金、2位が時間、3位が自由。これ若い人たちが自分の時間大切にしたい、自由な時間欲しい、こういう思い強めているということの現れだと私は思います。これね我がままじゃないと思う。封じ込めていい思いでもないと思う。当然の要求。そしてもう1つ私自身の実感もあるんですよ。子育て中、定時で帰ってもやることが多すぎる。頑張りすぎないと仕事と家事育児は両立ができない。そしてこの頑張りすぎることを美徳にするようにしていては後が続かない。そして社会が発展しない。これ私の痛感でもあるんです。だからジェンダー平等社会作る上でも労働時間をやはり短くするということが急がれている。
ただ働いて食べて寝るだけのそういう毎日は人間らしい生活と言えるんだろうか。学びたいこと、やりたいことに向き合える。家族との時間大切にできる。社会との繋がりを築いて様々な社会活動に取り組む。そのためには自由な時間が必要だと。昨日の質問では労働時間の短縮に私は求めましたらね、総理も答弁でそれは必要だという風にお認めになった。そならば提案したいんです。ゆとりが欲しい、自由な時間が欲しい、この切実な声に答えて1日7時間、週35時間労働制を大きな目標として、これを実現するために政治の責任果たしていくと。これやるべきだと思います。いかがでしょうか。
石破茂内閣総理大臣:内部留保課税につきまして、私も随分勉強させていただきました。オルグの機関誌も私大臣在任中からですね、大臣机で大丈夫ですかみたいなご指摘もいただいたのですが、やっぱりどの党が何を言っておられるかはそれぞれ立憲民主党であれ、国民民主党であれ、私は可能な限り目を通すようにいたしております。そして内部留保課税につきまして、東大の先生でしたかしら、会計の先生でありますが、議論しておられるのも相当に拝読いたしました。それが二重課税になるかならないかという問題、あるいは韓国で実施して本当にうまくいったかどうかという検証、そういうものは必要なんだろうと思ってます。どうすれば労働者の賃金が上がっていくかということにつきまして、私も強い問題意識を持っておりますので、今後とも議論させていただきたいと思っております。
その上で今の労働時間の話がありました。これはもっと短くなければいけないと思っております。長ければ長いほど生産性が上がるかと言えば、そんなことは全くございません。私も都市銀行に4年ぐらい勤めたことがございますが、終電以外で帰ったことはほとんどございません。大体10時11時になるとものすごい能率が下がるんですね。で上司が帰らないと帰れないみたいなことがございました。そして日本の場合に通勤時間がまた異様に長いということがございます。そうしますと家に帰ってきたらもう12時過ぎるということになります。本当にそんなことがあっていいと私は思っておりません。
と同時に日本の女性の睡眠時間がおそらく世界で1番短いということは決していいことだと思っておりませんし、男性の家事分担率は低いということはいいことだとも思っておりません。私も最近掃除、洗濯、水遣り、あまりしなくなっちゃったのでありますが、やはりそういうことは育児にしてもそうで、お母さんのワンオペであっていいはずがないのであって、私はフランスの育児政策で随分勉強したつもりでございますが、いかにして男親と言うんでしょうか、それが赤ちゃんの抱き方、ミルクの揚げ方、離乳食の作り方、お風呂の入れ方、そういうことをきちんと学んでいかないと女性の自由な時間は増えません。そういうことのために今後とも取り組んで参ることはお約束を申し上げます。
4.3 ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた具体策
田村智子副委員長:お考え分かったんですけど、私の問に答えてないんですよ。1日7時間、週35時間労働にまあ踏み出していくと。これ必要でしょうという風に質問したんです。私たちは自由時間拡大推進法というのを提案しています。法定労働時間1日7時間、週35時間労働制に速やかに移行する。これを国の目標とするんだと。そしてそのためにやっぱり中小企業支援なんですよ。これ欠かせられないんです。あの人手不足がと言われてる分野もあります。医療、教育、運輸、そして建設などね。こういうところでも労働条件の改善など必要な条件取っていくための対策を取る。これはやっぱ政府やっていかなきゃいけない。1日8時間さえ崩されている現状、これも正すためには残業規制の強化、サービス残業、これ不払い残業はもう根絶しなければならないと。こういうですねね、今はパッケージの提案なんですよ。今のお気持ちを本当に政治の責任で実現するためには、私たちのこのパッケージ提案検討していただきたい。具体化していただきたい。どうでしょう。
石破茂内閣総理大臣:手法は色々ございます。いずれにいたしましても、どうすれば労働時間が減るかということ、そして余暇を作り、それが人間らしい暮らしをしていく上においてできるか。そして中小企業がそういうことを可能にしていくためには、価格転嫁がきちんと行われていかなければなりません。きちんと価格転嫁が行われるか、そしてまた生産性を上げるための、今業種のご指摘がございましたが、そういうところにおきまして生産性の向上に対する支援が未だ十分だとは思っておりません。生産性を向上し、価格転嫁を円滑に行うことによって労働者の方々に十分な賃金をお支払いし、そして十分な自由な時間、それはもっと短くて可能だと思っております。その実現のために私ども全力を挙げて取り組んでまいります。
田村智子副委員長:今石破総理の考え方のところは新しい答弁がありましたけれども、政治の責任でどうやって賃上げするのか、政治の責任でどうやって労働時間短縮するのか、ここについてはねこれまでの答弁、古い答弁のままですよ。これでは変わらない。政治を変えなきゃだめだということを申し上げて終わります。
5. 憲法改正に関する議論
5.1 憲法審査会の現状と課題
馬場伸幸代表(日本維新の会):私は、憲法改正について少しだけ話をさせてください。憲法改正は衆参両院の憲法審査会で議論されていますが、ギリギリのところに来ると進みません。総理も憲法審査会の委員であった、私も当選以来一貫して憲法審査会のメンバーです。これなぜかはっきりしています。これは通常国会始まって予算の審議がされる、その後重要法案の議論が始まる、その間は一切突っ込んだ議論というのは審査会で行われません。それはご経験上よくお分かりだと思います。ですからその壁を突破するにはですね、これは総理総裁のスタートボタンを押さなければ、現場の皆さん方がいくら努力をしてもですね前に進まないんです。
5.2 改憲議論推進に向けた石破首相の具体的アプローチ
馬場伸幸代表:総理がやれと、何を置いてもやれと、予算の審査が止まってもやれ、そして重要法案の議論を止めてでもやれというその意気込みがないとできません。ですから総理も任期中に必ず発議をするとおっしゃってるわけですから、最後に私が申し上げたことを踏まえた意気込みをおっしゃっていただきたいと思います。
石破茂内閣総理大臣:私も憲法審査会、あるいは調査会と申しておりました。政府におります時以外は常にあの委員会に席を置いてまいりました。なんでこれが進まないのだろうという思いはずっと持ってまいりました。つまり、あそこでいろんな議論だけしておってもちっとも前に進みません。総理大臣としてそういう指示はいたしかねますが、自由民主党総裁として私どもとして憲法改正を当然いたしております以上、これが発議がなされ、そしてまた国民の権利であります国民投票に付する日が1日も早く来るよう、自由民主党総裁として可能な限りの努力をいたしてまいりますので、今後ともご指導たまりますようお願いをいたします。
馬場伸幸代表:本当に日本維新の会で改革合戦やりましょう。是非お願いします。
野田代表の党首討論後コメント
6. 党首討論直後の評価
6.1 「裏金隠し解散」という評価
本日の党首討論を受けて、次のように評価します。今日の討論の途中でも言いましたが、新しい事実が出てきても再調査しないなど、早く解散したいという理由がよくわかりました。「裏金隠し解散」と今日は感想を申し上げましたが、まさにその通りだったと思います。
この解散の真意について、本人が一番自論で言ってきた「ご支持相場みたいなある時に自分たちが勝てそうだという時に解散をする」と。やってはいけないことと本人が言ってきたことを、ご本人が総理に就任したら戦後最短でやるということです。これは本人が否定してきたことをやるということで、極めて華々しい現れだと思います。
政治というのはやはり言葉に対する信頼が大事ですが、何を言っても信用されなくなると思います。
6.2 石破総理の答弁に対する批判
石破総理が党総裁選で選出された時の私の評価は、「お互いあの少し逃げるタイプじゃない」と申し上げました。「がっくりしないで、どっちが石破さんかというのをやってみたい」という風に申し上げていました。しかし、今日の党首討論を見ると、その評価は変わらざるを得ません。
なんか苦しい答弁ばっかりだったんじゃないですか。予備費の話を含めて、きちんと答えてないものが多かったと思います。最近の石破さんらしくないなと感じます。この間の代表質問でもそうでしたけど、もう石破さんじゃない人と議論しているような感じです。
特に気になったのは、政策活動費の使用に関する発言です。「適切の範囲内で適法に使う」という発言がありましたが、これは非常に問題があります。政策活動費は領収書が不要な私的経費です。適法の範囲をどうやって証明するのでしょうか。今回の裏金問題で公認しない人に渡す可能性があるのではないでしょうか。重複立候補しない接戦区の人に渡す可能性があるのではないでしょうか。そういうのは全部領収書がないはずです。そんなことに使うのは、いくらなんでもフェアじゃないですね。やっちゃいけないことだと思います。
7. 政策活動費の使用に関する懸念
7.1 適法の範囲内での使用の問題点
政策活動費の使用に関して深刻な懸念を抱いています。特に気になったのは、石破総理が党首討論で述べた「適切の範囲内で適法に使う」という発言です。この言葉の裏に潜む問題点を指摘せざるを得ません。
まず、「適法の範囲」という表現自体が非常に曖昧です。政策活動費は、その性質上、使途の詳細な報告が義務付けられていません。そのため、何をもって「適法」とするのか、その基準が不明確です。さらに、この「適法」をどのように証明するのかという点も大きな疑問です。
7.2 領収書不要の政策活動費の危険性
政策活動費の最大の問題点は、領収書が不要な私的経費として扱われていることです。これは、使途の透明性を著しく損なう要因となっています。私は、この点について次のような具体的な懸念を抱いています。
今回の裏金問題で公認を取り消された人に渡す可能性があるでしょう。重複立候補しない接戦区の人に渡す可能性があるでしょう。そういうのは全部領収書がないはずです。そんなことに使うのは、いくらなんでもフェアじゃないですね。やっちゃいけないことだと思います。
このような使用方法は、公平な選挙の実施を脅かす重大な問題です。選挙戦において、一部の候補者だけが不透明な資金を利用できるという状況は、民主主義の原則に反します。
政策活動費の使用に関して「適法の範囲」や「適切に使う」という曖昧な表現が用いられることで、実質的に野放し状態になる危険性があります。これでは、政治資金の透明性確保という本来の目的が達成されません。
私は、このような状況を「いくらなんでもフェアじゃない」と考えています。政治資金の使用には、高い透明性と厳格な管理が求められます。領収書不要の政策活動費は、その要件を満たしていないと言わざるを得ません。
8. 解散のタイミングと被災地への配慮
8.1 批判的見解
今回の解散のタイミングについて、特に被災地への配慮という観点から強い懸念を抱いています。党首討論の中で私が指摘したように、被災地の状況を考えると、このタイミングでの選挙実施は適切ではありません。
具体的に申し上げますと、和島だけでも土砂災害が60箇所あり、道路の寸断や通行止めが40箇所もあります。投票所や避難所に行けなくなっているところもあります。大事な道路がなくなってしまい、海底に仮設道路を作っているところもあります。そこが投票箱を回収して集計所に持っていくための道路になるわけですが、非常に危険です。
このような状況下で選挙を行うことは、到底適切とは言えません。石破総理は、この現状をご覧になっていないのでしょうか。あの被災地の状況を見て、選挙ができるとお考えになったのですか?私には理解できません。
8.2 石破総理の真意に関する分析
今回の解散の真意について、石破総理の過去の発言と照らし合わせて分析せざるを得ません。本人が一番自論で言ってきた「ご支持相場みたいなある時に自分たちが勝てそうだという時に解散をする」と。やってはいけないことと本人が言ってきたことを、ご本人が総理に就任したら戦後最短でやるということです。
これは本人が否定してきたことをやるということで、極めて華々しい現れだと思います。政治というのはやはり言葉に対する信頼が大事ですが、何を言っても信用されなくなると思います。
このような解散のタイミングは、政治への信頼を大きく損なう可能性があります。我々立憲民主党は、この問題を厳しく追及していく所存です。
9. 今後の衆院選に向けた立憲民主党の姿勢
9.1 厳しい対決姿勢の表明
今後の衆院選に向けた立憲民主党の姿勢について、厳しい対決の構えを明確にしたいと思います。特に、政策活動費の問題については徹底的に追及していく考えです。
我が党は、政策活動費までつぎ込んでくる与党に対し、厳しく対決する姿勢を示します。確かに、我々にはそれほど潤沢な資金はありませんが、それでも全力を尽くして戦う覚悟です。私はこう述べました:「いやもう厳しく対決ですね。で特に政策活動費までつぎ込んでやってくるんだったら、我々そんなお金ないですけど、しっかりとあのいっぱい汗かいて、そして特に裏金議員のところとか、そういう接戦区とか、1つでもやっぱり席増やしていくような全力で頑張っていきたいと思います。」
9.2 裏金問題を抱える議員との対決
特に注目すべきは、いわゆる裏金問題を抱える議員との対決です。我が党は、このような問題を抱える議員が立候補する選挙区、特に接戦区において、全力で戦いを挑む考えです。
私は、このような議員との対決を通じて、政治の清廉性を取り戻すことが極めて重要だと考えています。具体的には、裏金問題を抱える議員が立候補する選挙区において、我が党の候補者がその問題点を明確に指摘し、有権者の皆様に判断を仰ぐ考えです。
我が党は、一つでも多くの議席を獲得することを目指します。特に、裏金問題を抱える議員との対決が予想される接戦区では、党の総力を挙げて戦う所存です。これは単なる議席獲得の戦いではなく、政治の信頼回復をかけた闘いであると認識しています。
我々立憲民主党は、この選挙戦を通じて、政治の在り方を根本から変える決意です。裏金問題を含む政治と金の問題に厳しく対峙し、透明性の高い、国民の皆様に信頼される政治を実現するため、全力で戦ってまいります。
10. 政治と金の問題に関する今後の取り組み
10.1 野党共同での政治改革法案の可能性
政治と金の問題に関する今後の取り組みについて、野党共同での政治改革法案の可能性を探っていきたいと考えています。具体的には、衆議院選挙後の国会において、このような取り組みを進めていく所存です。
私はこの点について、次のように述べました:「どの段階で国会を開くかね、あるいは我々が開くのか分かりませんけども、あの野党で全部調整しきれなかった、今回ちょっと時間がなくて。ただ、方向性とは大体一致してるね。そういう本気の政治改革法案というみたいなをまとめて、それを自民党に実現を迫っていくという構図をやっぱり位置付けていきたいというふうに思います。」
この取り組みは、単に与党に対抗するためだけではなく、日本の政治全体の信頼回復のために不可欠だと考えています。野党各党との協力関係を築きながら、実効性のある政治改革法案の策定を目指していきます。
10.2 政権獲得後の具体的な取り組み
政権獲得後の具体的な取り組みについても、現時点で可能な範囲で検討を進めています。しかし、政権獲得後も国会がねじれる可能性があることを考慮すると、改革の実現は簡単ではないと認識しています。
私はこの点について、次のように述べました:「政権取った後は自分たちでできると思いますですけど、政権取った場合はこう、どのように。そういう法案は出せますよ。できる、実現できるかどうかは、政権取った場合、取っても、取ってもねじれてるわけでしょ。そう簡単じゃないですよ。」
したがって、我々としては、政権獲得後も引き続き他党との協力関係を維持し、粘り強く改革の実現を目指していく必要があります。これらの改革を実現するためには、国民の皆様の理解と支持が不可欠です。我々は、政権獲得後も常に国民の皆様との対話を重視し、透明性の高い政治の実現に向けて全力を尽くす所存です。
11. 追加公認問題と自民党の対応
11.1 批判的見解
自民党の追加公認問題について深刻な懸念を抱いています。党首討論の中で石破総理が追加公認の可能性を示唆したことについて、次のように述べました:「追加公認のあり得るという趣旨のあの発言をしていましたが、これについて、どう見ても早く大堀先生にね、比較的大きな大物ですから、戻ってきて養殖につけるということをやるだろうと思います。」
さらに、この問題の本質について、こう指摘しました:「もうすでに幹事長代理が養殖についているじゃないですか。どんどんとつけていくということじゃないですか。」これは、自民党が表向きは厳しい姿勢を示しながらも、実際には問題のある議員を温存しようとしている証左だと考えています。
11.2 具体的な事例への言及
具体的な事例として、私は次のような懸念を表明しました:「離党勧告を受けた和歌山の参議院議員が衆議院議員に立候補できるんですか。」これは、政治と金の問題で批判を受けた議員が、形式的に所属を変えるだけで再び立候補できるという問題を指摘したものです。
さらに、「伊藤新議員や福田議員と並び立つことができるんですかね。」と述べ、過去に政治資金の問題で批判を受けた議員との関係性についても疑問を呈しました。
私は、このような自民党の姿勢が政治への信頼を大きく損なうものだと考えています。政治資金の問題で批判を受けた議員を、形を変えて復帰させるような行為は、国民の皆様の政治不信を助長するだけです。
我々立憲民主党は、このような問題に対して厳しい姿勢で臨む所存です。追加公認問題は、今回の選挙の焦点の一つとなるでしょう。我々は、この問題を通じて自民党の政治姿勢を厳しく問い、有権者の皆様に判断を仰ぐ考えです。
12. 衆院選での重点的な訴え
12.1 政治改革の必要性の強調
この衆院選において、政治改革の必要性を最重要課題として訴えていく所存です。この点について、次のように述べました:「本当はねだから部中間層の復活とか地米同盟軸とした安全保障とかね対応性認めはといくつも柱を立てて言ってますもちろんそれは一生懸命訴えなきゃいけませんけどまずはやっぱり新なは立たずというこの状況に対してやぱ危機感を持ってこの裏の問題まだ決着はついてないとで自民党じゃはそれは全然ね進まないということを申し上げてでやっぱり政権交代こそ最大の政治改革ということが1番強くやなければいけないことだと改めて思いました。」
この発言は、現在の政治状況が「信なくば立たず」という危機的な状況にあるという認識を示しています。裏金問題がまだ決着していない現状で、他の政策を議論しても国民の信頼を得ることは難しいと考えています。
12.2 政権交代の意義の説明
政治改革の実現のためには、政権交代が不可欠だと考えています。私は「政権交代こそ最大の政治改革」というメッセージを強く訴えていく所存です。
政権交代の意義を説明する上で、有権者に対して政権能力があることをどのように示すかという質問に対し、次のように回答しました:「それはやっぱり政策実現性などなど含めてご理解をいただけるということが大事だと思いますしあのかつてのね我々の政権の運営に対して不満を持ってらっしゃるか不安を持ってらっしゃる方もいらっしゃると思いますけどもでも政権交代によって高校事業のの無償化とかあるいは子供手当とかその後他の政党が自民党も追随する追随せなるを得ない政策を打ち出した政党性ということもよくこれ訴えていきたいという思うんですよねぱ予算哲学のコなる政党が時折り成金を変えた時にやっぱり政策的に正しい方向が生まれるってことがありえますんでそういう政策面でのあの自信を持った訴ということもやっていきたいというに思います。」
13. 他の野党との連携
13.1 選挙協力の現状
他の野党との選挙協力について、現在の状況と今後の方針を説明します。この点について、次のように述べました:「いやもう解散ですし工事が重行にともう限れた時間でありますけどもあの可能な限りそれぞれ論調査もやってると思いますんでそういうものなどあの突き合わせながらえ誠意ある対はし続けていきたいと思います時間とる勝負かもしれま続けていきたいという風に思います。」
13.2 今後の対話の継続
選挙後も含めて、他の野党との対話を継続していく意向です。具体的な協力の形として、不信任案の共同提出などを例に挙げ、次のように述べました:「今日はあの4等でね不審にも共同で提出しましたんで足並みを揃えて総選挙突入していきますんでねこういう正意ある対話っていうのもまだ続けることができるという風に思います。」
これらの発言は、選挙戦中も、そして選挙後も、他の野党との協力関係を維持し、政治改革の実現に向けて共に取り組んでいく意志を示しています。
石破首相による衆議院解散・総選挙に関する記者会見
14. 解散の理由と「日本創生解散」の意義
14.1 国民の納得と共感を得るための解散
本日、衆議院を解散いたしました。国民の皆様のご納得、そして共感、これなくして政治を前に進めることはできません。国民の皆様方に真を問い、そのご信認を得て新政権の掲げる政策に力強い後押しをお願いしたい、このように考えております。
14.2 新政権の政策への後押しを求める
この解散は日本創生解散です。我々の政権は日本を守ります。国民を守ります。都市の安全安心を確保し、地方の暮らしを守ります。若者、女性の機会を守ります。どうぞ我々に政権を託してください。心よりお願いを申し上げます。
15. 政治への信頼回復に向けた取り組み
15.1 公認・比例名簿搭載に関する新方針
今回の総選挙に臨むにあたりまして、当総裁として政治への信頼を回復するための取り組みとして、公認・比例名簿への搭載について新たな方針を示させていただきました。自民党党則における選挙に関する非違行為により、重い処分を受けたものなどは非公認といたします。またその他の不記載があった議員につきましても比例名簿には搭載しないとの方針といたします。
15.2 重複立候補の制限
所属議員が1人1人の有権者にに向き合い説明を尽くし理解を得なければ、国民の皆様方の信頼を取り戻すことはできません。従いまして、一部の議員の重複立候補を行わないこととしました。私も含め当四役も重複立候補は行わないとこのようにいたしました。
16. 能登半島地震・豪雨被災地への対応
16.1 激甚災害指定と予備費措置
私は内閣総理大臣に就任をして直ちに能登半島の被災地へ向かいました。地震と豪雨の二重災害に苦しんでおられる方々の「なんで自分たちだけがこんな目に会わなければならないのだ」という悲痛な叫びが今も耳に強く残っております。政治はこうした声に答えていかなければなりません。
国としてこうした声に最大限答えるべく、能登の9月の豪雨を激甚災害に指定することを決断をいたしました。合わせて早急な対応を可能とするため、予備費措置を講ずることといたします。
16.2 支援策の拡充
施設設備を復旧する災害復旧補助金や農業用機械施設を復旧する農業用施設等災害復旧事業などについて、地震による被害を受けた方々が再度今度の豪雨で被害を受けた場合につきましても、支援の対象として追加することといたします。
災害からの備えである事前防災を強化をしていかなければなりません。災害が起きてからでは遅い。被災して絶望の淵におられる方々が不自由な生活を強いられることのないよう、多くの先進国で見られるような数時間のうちにコンテナ、トイレ、キッチンカー、プライバシーが確保されたテントがやってくる、このような体制を早急に整えてまいります。
17. 防災・減災対策の強化
17.1 事前防災の重要性
私は、防災・減災対策の強化、特に事前防災の重要性を強く認識しています。1995年のことかと思います。阪神淡路大震災がございました。その時に災害管理のエキスパートであります河田正先生がこのようなことをおっしゃいました。天災は防ぐことはできない。しかし、その後に起こることは全て人災である。このように河田先生がおっしゃったことを私はよく覚えておるのであります。
17.2 防災庁設置に向けた検討
世界有数の災害発生国である我が日本において、国民の皆様を災害から守らなければなりません。それができるのは誰なのか、国民の皆様方に是非ともご判断をいただきたいと思っております。
11人の大臣をきき、そして災害対応のエキスパートを揃えた防災庁の設置に向け、まずは内閣防災担当の機能、予算、人員の両面におきまして抜本的に強化すべく、担当大臣に検討の加速を指示をいたしました。
18. 地方創生2.0の展開
18.1 地方創生交付金の倍増
この政権は守り政権であります。今や全国の地方におきましては、地域そのものが消滅する、いわば静かな有事が起きております。私は10年前、初代の地方創生大臣を務め、地方の皆様方に叱咤激励され、そして自らの情熱を燃やしてまいりました。しかし、当初の目的が達成されたとは到底言い難い状況にあります。この10年間の成果、そして反省を踏まえ、地方創生2.0として次の10年を期間として地方創生を再起動いたします。
地方創生に向けた新しい本部を今週にも設置し、年末に向け基本的な考え方を取りまとめてまいります。地方創生の交付金を当初予算ベースで倍増させ、地域の独自の取り組みを強力に後押しをいたしてまいります。
18.2 農林水産業の活性化と観光業の高付加価値化
地方の成長の根幹であります農林水産業の持てる力、これを最大限に引き出し、観光業をはじめとするサービス産業の高付加価値化、AI・ロボット等に対する民間企業の投資を引き出す計画的な支援などを進めてまいります。
19. 経済政策と物価高対策
19.1 賃上げと投資の促進
地道な取り組みによりデフレからの脱却に向けた歩みは確かなものとなりつつあります。その一方、国民の皆様方が約30年ぶりの物価上昇に直面しておられることも事実であり、当面の物価高対策と共に実質賃金の上昇を実現していかなければなりません。
経済あっての財政との大方針のもと、賃上げと投資が牽引する成長型経済を実現するため、物価高の克服、日本経済の成長、国民の安心安全の確保を柱とする経済対策を実行するよう全閣僚に指示をいたしました。
19.2 最低賃金引き上げと中小企業支援
2020年代に全国平均1500円という高い目標に向けて最低賃金を着実に引き上げるための支援を強化をいたしてまいります。企業数の99.7%、雇用者数・労働者数の約7割を占める中小企業を強力に支援するため、生産性の向上の促進と価格転嫁を確実に定着させる下請け法の改正等による取引適正化を徹底をいたします。
何よりも国民の皆様方の目線に立って、生活が良くなった、安心して暮らせるようになったと実感していただけるように政策パッケージを速やかに練り上げ、実現をいたしてまいります。
20. 安全保障政策
20.1 日米同盟の強化
中国やロシアの領土膨張、北朝鮮の度重なるミサイル発射など、今日本は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面をいたしております。平穏な日々が一瞬で失われてしまうような光景、我々は何度も目にするようになりました。それは決してテレビの画面の中だけではない。アジアで起きてもおかしくない時代を迎えております。
日本を守ることができるのは誰なのか。安全保障の世界に長く身を置いたものとして、私は今こそこの国のために、日本国のために持てる力の全てを使ってまいります。この政権では国民の皆様のため、外交力と防衛力、両輪をバランスよく強化し、我が国の平和、地域の安定を実現をいたします。
私は就任早々、バイデン米国大統領と電話会談を行い、日米同盟をさらに力強く発展させていくことを確認をいたしました。北朝鮮の拉致問題につきましても連携していくことを確認をいたしました。自由で開かれたインド太平洋を守り抜くため、韓国のユン大統領、そしてオーストラリアのアルバニー首相との電話会談も行い、関係の強化を確認をいたしました。
中東情勢の緊迫化を受け、G7の首脳とも電話協議を行いました。本日深夜からASEAN関連首脳会議に向け出発し、ASEAN諸国並びに中国、インドなどと首脳同士の関係を構築をいたしてまいります。引き続き地域の安全と安定を一層確保するための取り組みを主導をいたしてまいります。
20.2 アジアにおける安全保障体制の検討
このため、アジアにおける安全保障のあり方について検討するよう、本日自由民主党に指示をいたしました。
21. 自衛官の処遇改善と退職後の活躍支援
防衛力の最大の基盤である自衛官の処遇、勤務環境の改善の他、若くして定年退職を迎える自衛官が現役時代の知見や技能を生かしつつ、退職後も社会で存分に活躍できるキャリア設計を描けるよう、私が議長を務める関係閣僚会議を本日設置をいたしました。
関係省庁が連携して取り組むべき具体的な方向性と令和7年度予算に計上すべき項目を年内に取りまとめてまいります。
22. 質疑応答
22.1 勝敗ラインと責任論
今回の選挙が非常に厳しいということは私自身よく承知をいたしております。勝敗ラインにつきましては、自民党公明党で過半数を目指したいと考えております。全ての同志が当選ができますよう、そしてなんとか私ども自民党公明党で過半数を確保できますよう、全身全霊を尽くしてまいります。
仮にこの勝敗ラインを割り込みました場合はどうするかということでございますが、現段階では先ほど申し上げましたように過半数で過半数を獲得することに全身全霊を尽くしてまいりますので、そういう場合につきましての対応につきましては、ただ今コメントすることは控えさせていただきます。
22.2 選挙前の国会審議の妥当性
私は総裁選挙の間から、新政権が発足をすれば国民の信任を仰がねばならないということは申し上げてまいりました。そしてそのために主権者である国民の皆様方にご判断をいただく、そのような判断材料というものを可能な限り提供いたしたい。この2つのことを念頭に日々色々な考え方、決定のもとに進めてまいりました。
私は代表質問におきましても可能な限り自分の言葉でお答えをしたつもりであります。所信表明におきましても可能な限り自分の言葉で国民の皆様方にご理解いただけるように努めてまいりました。そして本日は参議院の格段のご配慮により、いわゆる党首討論、参議院の番でございましたが、これは通常45分でございましたが、ほぼ倍に近い80分という時間を取って野党の皆様方と議論をいたしてまいりました。
22.3 地方創生政策の具体策
地方創生政策については、政府と47都道府県、1718市町村、あるいは23東京特別区、そういうような自治体がもう1度心を1つにすることだと思っております。
先ほど地方創生関係の予算を倍増するということを申し上げました。私が10年前、地方創生担当大臣を務めました時に、それは1000億円でございました。もちろん1000億円といっても大変なお金でございます。ただ、それを1718市町村に配分をいたした場合に、本当にそこにおいてやりたいことがやれたのかということは確かにございました。あの時の一体感を私はもう1度取り戻したいと思っております。
1人1人の市町村長の皆様方、そしてそこにおられる住民の皆様方が一緒にやろうと、そういう思いをもう1度取り戻したいと思っております。それは行政だけがやるものではございません。10年前に申し上げましたように、産官学金労言と申します。それぞれの商工会議所であり、商工会であり、いろんな経済団体であり、産業界の方々、市役所あるいは町役場という官、大学だけではない高等学校であり中学校でありそういうような方々が一緒に地方創生に取り組んできた、そういう例を私は全国でたくさん見ました。
22.4 経済政策の重点項目
経済政策の重点項目については、初心表明でも申し上げましたし、あるいは代表質問にもお答えいたしましたが、コストカット型の経済をやめようと思っております。いかにして賃金を下げるかとか、いかにして下請けの方々にいろんな負担をいただくかとか、いかにして設備投資というものについてそのコストを下げるかとか、そういうようなコストカット型の経済というのはやめたい、やめなければいけないと思っております。
ではそれに変わって何なんだということですが、難しい言葉で恐縮でございますけれども、高付加価値型経済、そういうものに変えていかなければならないと思っております。高付加価値というのは、このお金を出してもこの商品が買いたい、このお金を出してもこのサービスが受けたい、こういうものを付加価値と申しております。GDPの54%は個人消費が占めております。個人消費が上がっていかなければデフレの脱却はございません。コストカットではない、付加価値を上げる、そして労働者の賃金を上げる、賃金をカットしたり設備投資をカットしたり、そういう経済から脱却することが必要だと私は極めに考えておる次第でございます。
22.5 政治改革への取り組み姿勢
政治改革への取り組み姿勢について、いわゆる裏金問題、これは正式には不記載という風に申し上げます。これは今日の野田代表との議論の間でも確認をされたことでございます。そういうことに対しまして、私どもとして党の選挙対策委員会で本当に長い時間、喧々諤々の議論を重ねながら、公認そしてまた公認できない、そういう判断を行ってまいりました。
そこは党においていかなる処分を受けたか、あるいはどのような金額であったか、そしてまたそれぞれの選挙区においてどれだけの信認を得ているかというようなことを総合的に判断をいたしたものでございます。重複立候補をするかしないか、このこともそのような判断基準に基づいて決したものでございます。有権者の皆様方に、それぞれの選挙区においてご信任をいただくことができるよう最大限の努力をする、ということでございまして、そこの判断におきましては正直、そして精神誠意議論を重ね決したものでございます。
22.6 被災地での選挙実施の是非
被災地も随分回りました。専門のアドバイザーも現地に派遣をして、そういう有権者の方々の投票行動というものが円滑に行くように、そういうことはきちんと確認の上で今回の解散総選挙に望んでおります。今後もそういう地域の方々がきちんと主権者としての権利が行使できますよう万全を期してまいりたいと思っております。
また選挙においてどこに応援に行くかということは、これから全体で決めてまることでございます。1番絶望の縁におられる方々が、政治は分かってくれたんだね、そういう思いを持っていただくために党として持てる力を尽くしてまいりたいと存じます。
22.7 政策活動費の使用に関する見解
私は、代表質問に対します答弁で申し上げましたが、政策活動費は廃止も含めてこれから我が党の中で検討いたしてまいります。そういうものがないということは、それは私はあって然るべきことだという風に思っております。
ましてや、ご指摘のように政策活動費がこともあろうに買収に使われるなということは、言語道断であって、あっていいことだと思っておりません。政策活動費というものを全部公開をすべきだというご意見もございます。そうしますと、プライバシー、個人のプライバシーあるいは企業団体の営業秘密、そういうもの侵害につながるのではないかというご懸念もございます。ますだとしたら全部やめちゃえばいいだろう、こういう選択もあるんだと思っております。
しかしながら、現在政策活動費というものは合法でございます。その使い方は当然抑制的でなければならないと思っております。それがましてや法に触れるような使われ方というのをしていいはずはございませんので、それは抑制的に使いながら、これから先廃止も含めて我が党として検討をいたしてまいりたいと、このように考えているところでございます。
22.8 新たなアメリカ政権との関係構築
米国の政権がどのような政権になるかということは、合衆国の有権者の方々が判断をなさることは当然でございます。どのような政権になりましょうとも、我が国の安全保障政策が日米同盟を基軸とするということは今後も変わるものではございません。
ただ、私が防衛庁長官を務めております時に沖縄国際大学でヘリが墜落するという事故がございました。お盆の頃であったかと思います。そこにおいて日本の警察は全く近づくことができなかったということがありました。私はそういうことであっていいとは思っておりません。我が日本国が主権国家として対等な日米同盟というものを、法的地位という観点において実現していくために、そういう努力はしていかなければならないと思っております。
対等な地位協定って何なんだろうかということを言った時に、じゃあイタリアと比べてどうなんだ、ドイツと比べてどうなんだ、韓国と比べてどうなんだということもございますが、日本に駐留します合衆国軍隊に対する法的な地位というものに対応するとするならば、合衆国における日本自衛隊の地位と対等でなければ、それは対等な関係とは言わないと思っております。そういうことは可能であるのかどうなのか、それが日米同盟の強化につながるものであるのかどうなのか、そういうことも含めて議論を現実的にやっていきませんと、これは前に進まないと思っております。