※本稿は、2024年10月2日に行われた石破茂首相の新内閣発足記者会見の内容を要約したものです。記者会見の詳細な内容や文脈については、原文の動画や公式な議事録を参照してください。
1. はじめに
1.1 新内閣発足の報告
私、石茂は、第102代内閣総理大臣に指名され、本日、自由民主党と公明党による連立内閣を発足させました。この新内閣の発足にあたり、まず冒頭に、半島自身そして先般の豪雨で犠牲になられた方、傷つかれた方、そういう皆様方に心から哀悼の誠を表し、お見舞いを申し上げる次第であります。そして今この瞬間も懸命に職務に当たっておられる多くの皆様方に心から感謝を申し上げる次第であります。
1.2 石破茂首相の政治理念
私が長い間、政治家として大切にしてまいりましたのは、国民の皆様方の納得と共感ということであります。これはいつも申し上げていることでありますが、国民の皆様方に対して勇気と真心を持って真実を語る、それが政治の役割だという風に私は40年近く信じてまいりました。
1.3 新内閣の基本方針:「守る」
この内閣での基本方針は「守る」ということであります。5つの「守る」ということを実行いたしてまいります。
- ルールを守る政治
- 日本を守る
- 国民を守る
- 地方を守る
- 若者と女性の機会を守る
これらの「守る」政策を通じて、虚実のない、温かい政治を行ってまいります。
1.4 国民との信頼関係の構築
我々は国民を信じ、国民から信頼される内閣でありたいと思っております。我々は国民を信じ、勇気と真心を持って真実を語りたいと思っております。
そして国民から信頼されるために我々が大切に取り組まなければならないのは政治改革であります。国民の皆様方の政治への信頼を取り戻すために、不断の政治改革、この姿勢が求められております。
1.5 政治資金の透明性確保
政治のためにお金がかかるならば、国民の皆様方にそれを丁寧に説明をし、当然のことでありますが、節度を持って集めたお金を限りない透明性のもとで公開していくことが必要であります。
2. 「守る」政治の5つの柱
この内閣での基本方針は「守る」ということであります。5つの「守る」ということを実行いたしてまいります。
2.1 ルールを守る政治
まず第1に、ルールを守る政治であらねばなりません。ルールを守る政治を実現していかねばなりません。国民を信じ、国民から信頼される内閣でありたいと思っております。我々は国民を信じ、勇気と真心を持って真実を語りたいと思っております。
そして、国民から信頼されるために我々が大切に取り組まなければならないのは政治改革であります。国民の皆様方の政治への信頼を取り戻すために、不断の政治改革、この姿勢が求められております。
政治のためにお金がかかるならば、国民の皆様方にそれを丁寧に説明をし、当然のことでありますが、節度を持って集めたお金を限りない透明性のもとで公開していくことが必要であります。
先般成立いたしました政治資金規制法に基づき、第三者機関を早期に立ち上げるための具体的議論を進めてまいります。同時に、政治資金のルールを見直し、ルールが守られるための体制を確立してまいります。
2.2 日本を守る
第2は、日本を守るということであります。我が国を取り巻く安全保障環境は戦後最も厳しいものだと認識をいたしております。国家安全保障戦略に基づき、平和を守るための抑止力の強化、防衛力の抜本強化に取り組んでまいります。
現実的な国益を踏まえました外交によりまして、日米同盟を基軸に友好国同士の輪を広げ、外交力、防衛力の両輪で我が国の平和、地域の安定を実現いたしてまいります。
その際、自由で開かれたインド太平洋というビジョンのもと、法の支配を重視し、地域の安全と安定を一層確保するための取り組みを主導してまいります。
防衛力の抜本的な強化は着実に進めてまいりますが、防衛力の抜本的強化と申しました時に、それは装備だけを意味するものではございません。現在、定員割れとなっております自衛官、その処遇改善、勤務環境の改善、そして新たな人材の確保が急務の課題であると認識をいたしておるところでございます。
このことにつきましては、私が内閣総理大臣の下に関係閣僚会議を設置をし、早急に検討するものといたします。
これらの抑止力、対処力の強化に加え、沖縄の基地負担の軽減にも続いて取り組んでまいります。経済安全保障、サイバーセキュリティの強化にも取り組んでまいります。
拉致問題は、私どもの内閣の最重要課題であります。全ての拉致被害者の方々の1日も早い帰国を実現すべく、強い決意を持って取り組んでまいります。在外邦人の皆様方の安全確保にも力を尽くしてまいります。
2.3 国民を守る
第3は、国民を守るということであります。国民を1人1人の生活を守るため、今般の経済対策におきまして、低所得者世帯向け給付金など、物価高への緊急対策を行います。
また、中小企業の生産性向上や価格転嫁の支援を進めつつ、最低賃金を2020年代に全国平均1500円への引き上げを目指してまいります。
将来不安に対応するため、医療、年金、社会保障などは今の時代に本当に合っているものなのだろうか、国民の将来不安を取り除くため、見直しに着手をいたします。
賃金が上がり、消費が増え、人手不足対策を含む設備投資の拡大により、さらなる賃金上昇につなげる好循環を作り出し、一部の企業だけではなく、小さな地域の企業の皆様にまで恩恵を広げてまいります。
我が国は近年、多くの自然災害に見舞われております。度重なる巨大台風の襲来、豪雨災害の発生など、毎年のように各地で自然災害が起きております。我が国は世界有数の災害発生国でありますが、こうした中、我々は国民の不安に正面から向き合うため、防災庁の設置、国民保護体制の実効性確保に取り組んでまいります。
本年の能登半島地震や大雨からの復旧・復興を着実に進めてまいります。東日本大震災の被災地の復興・再生に全力を上げてまいります。
2.4 地方を守る
第4は、地方を守るということであります。地方こそが成長の主役であります。我が日本は、農業、漁業、林業の多くの潜在力を備えております。農業、漁業、林業が発展するために多くの潜在力を備えている、こういう認識を私は持っておるところでございます。
観光やサービス産業を含め、日本経済成長の原動力として、地方創生政策を、初代大臣を務め、人口最少県の鳥取を故郷に持つものとして、私自身強い決意を持って取り組んでまいります。
これは地方創生大臣の時によく申し上げたことでございますが、「産官学金労言」と申します。産業界であり、そして行政であり、そして大学に限りません。高等学校であり、中学校であり、学問、「金」というのは金融機関でございます。「労」というのは労働者の皆様方であります。「言」というのは地元の報道機関であります。
役所だけが地方創生を行うのではございません。地域の様々なステークホルダーの皆様方が知恵を出し合い、地方がそれぞれの特徴に応じて発展していくこと、これが本質であり、それを政府も後押しをいたしてまいります。
新しい地方・生活環境創生本部を創設をし、担当大臣を設置し、今後10年間集中的に取り組む基本構想を作成をいたしてまいります。この取り組みを「地方創生2.0」として強力に推進をいたしてまいります。
2.5 若者、女性の機会を守る
第5は、若者、女性の機会を守るということであります。若い方、女性の方、それぞれの方々の幸せ、そして人権が守られる社会にしていかなければなりません。あらゆる人が最適な教育を受けられる社会を実現をしていかなければなりません。このため、教育の改革に力を尽くしてまいります。
女性の権利が尊重され、社会のあらゆる組織において、あらゆる場面の意思決定において、女性が参画することを官民共通の目標としてまいります。多くの女性の方々に社会活動に参加していただくためにはどうすれば良いのか、国民的議論を主導し、制度改革に取り組んでまいります。
以上が、「守る」政治の5つの柱であります。これらを着実に実行することで、全ての人が安心と安全を感じることができる、そういう日本を作り上げていきたいと思っております。そして、全ての人に笑顔が戻ってくる、そういう日本を作っていきたいと思っております。
3. 政治改革への取り組み
政治改革は、我が国の民主主義の健全な発展と国民の信頼回復のために不可欠な課題です。私は、政治家としての経験を通じて、この問題の重要性を痛感してまいりました。
3.1 政治資金規制法の見直し
当選間もない1回生であった頃に、リクルート事件に端を発した政治不信が吹き荒れました。政治改革に私どもは若かったのですが、本当に情熱を傾けてまいりました。
それから30数年が経過をし、このたび私は自由民主党の総裁として、令和の政治改革これを断行してまいる所存であります。
政治のためにお金がかかるならば、国民の皆様方にそれを丁寧に説明をし、当然のことでありますが、節度を持って集めたお金を限りない透明性のもとで公開していくことが必要であります。
3.2 第三者機関の設置
先般成立をいたしました政治資金規制法に基づき、第三者機関を早期に立ち上げるための具体的議論を進めてまいります。
同時に、政治資金のルールを見直し、ルールが守られるための体制を確立をしてまいります。
これらの取り組みを通じて、国民の皆様方の政治への信頼を取り戻すために、不断の政治改革、この姿勢が求められております。我々は国民を信じ、勇気と真心を持って真実を語りたいと思っております。そして国民から信頼されるために、我々が大切に取り組まなければならないのは政治改革であります。
4. 安全保障政策
4.1 防衛力の抜本的強化
我が国を取り巻く安全保障環境は戦後最も厳しいものだと認識をいたしております。国家安全保障戦略に基づき、平和を守るための抑止力の強化、防衛力の抜本強化に取り組んでまいります。
現実的な国益を踏まえました外交によりまして、日米同盟を基軸に友好国同士の輪を広げ、外交力、防衛力の両輪で我が国の平和、地域の安定を実現いたしてまいります。
その際、自由で開かれたインド太平洋というビジョンのもと、法の支配を重視し、地域の安全と安定を一層確保するための取り組みを主導してまいります。
防衛力の抜本的な強化は着実に進めてまいりますが、防衛力の抜本的強化と申しました時に、それは装備だけを意味するものではございません。
4.2 自衛官の処遇改善
現在、定員割れとなっております自衛官、その処遇改善、勤務環境の改善、そして新たな人材の確保が急務の課題であると認識をいたしておるところでございます。
このことにつきましては、私が内閣総理大臣の下に関係閣僚会議を設置をし、早急に検討するものといたします。
4.3 日米同盟の強化
これらの抑止力、対処力の強化に加え、沖縄の基地負担の軽減にも続いて取り組んでまいります。経済安全保障、サイバーセキュリティの強化にも取り組んでまいります。
4.4 日米地位協定の改定
日米地位協定の改定については、私も20数年にわたりこの問題の提起をしてまいりました。自民党の安全保障調査会でも何度も問題提起をしてまいりました。
地位協定を改定していくことが日米同盟を強化することにつながると思っております。そしてまた、それを改定していくための手法として、例えて申し上げれば、合衆国に自衛隊の訓練基地を作るということは、日本国内において陸上自衛隊、航空自衛隊は国土が狭いせいもございまして、十分な訓練ができる環境というものが整っておりません。
それが十分にできる環境を整備をし、そしてまた日米同盟を強化するために、合衆国に訓練基地を作るということは昔から申し上げておりますし、軍事的合理性があるものだと考えております。
そうすれば当然、地位協定というものは必要なものになるのであって、これは論理的にどうなのだということ、外交的にどうなのだということ、そして安全保障強化という点においてどうなのだということをきちんと議論を進めてまりたいと思っております。
なお、日米地位協定の改定は、日米同盟における日本の義務を変更するものではありません。これは全く別の問題でございます。日米安全保障体制というのは合衆国が日本を守る義務を負い、日本国は合衆国に基地を提供する義務を負うという、提供する義務の内容が全く違っておるという世界でたった1つの同盟関係であります。非対称的同盟関係とも申しております。
私どもとして、少なくとも私として、陸上自衛隊、航空自衛隊がフルスケールの訓練が行えないということがございますので、その適地を合衆国にあるとすれば求めたいと思っております。それは合衆国が日本の自衛隊を受け入れる義務を負うとか、そういうものでは全くございません。そうであるからといって日本が合衆国防衛の義務を負うものでも全くございません。
これは集団的自衛権を念頭においたご質問かと思いますけれども、集団的自衛権の問題とは関係ございませんので、単に訓練をより効果的に行うために、日米同盟をより強固なものとするために、そしてそうであるとすれば当然地位協定の改定というものが伴いますので、日米が果たすべき義務というものに変化はございません。
5. 経済政策
5.1 デフレ脱却と成長戦略
我々の日本経済はデフレを脱却するかどうかの瀬戸際にいるという認識を持っております。賃上げと投資が牽引する成長型経済を実現するため、岸田政権で進めてまいりました成長戦略を着実に引き継いでまいります。経済あっての財政との考え方に立ちまして、デフレ脱却最優先の経済財政運営を行ってまいります。
従来のコストカット型の経営から、付加価値創出型経済へと転換をし、投資大国日本を実現をいたしてまいります。新たなサービスを作り出す自動車、半導体、農業など輸出企業が外からしっかりと稼ぐ、そして産業の生産性を向上させる、そのための投資を促進してまいります。
岸田内閣の資産運用立国の取り組みをしっかりと引き継ぎ、さらに発展させてまいります。GDPの半分以上、54%であったと記憶をいたしておりますが、個人消費が占めております。この後押しが鍵となると私は認識をしております。このため、持続的な実質賃金の向上、将来負担不安を取り除くこと、この2つに取り組んでまいります。
5.2 早期の経済対策
まずその第一歩といたしまして、早期に物価高で苦しんでおられる方々を支援するための経済対策の検討指示を行ってまいります。
5.3 賃上げと投資の促進
中小企業の生産性向上や価格転嫁の支援を進めつつ、最低賃金を2020年代に全国平均1500円への引き上げを目指してまいります。
将来不安に対応するため、医療、年金、社会保障などは今の時代に本当に合っているものなのだろうか、国民の将来不安を取り除くため、見直しに着手をいたします。
賃金が上がり、消費が増え、人手不足対策を含む設備投資の拡大により、さらなる賃金上昇につなげる好循環を作り出し、一部の企業だけではなく、小さな地域の企業の皆様にまで恩恵を広げてまいります。
5.4 金融政策への期待
金融政策について私どもあれこれ申し上げる立場にはございませんが、これから先デフレを脱却していくために現在の姿勢というものを私どもとして期待を持って見ておるところでございます。そしてまた、これから先も緊密な連携のもとに金融緩和の基本的な基調というものは維持されるべく、私どもとして期待をしながら見守っているところでございます。
ですから、金融緩和につきましてはそういうことでありますし、為替についてやかく申し上げることではございませんが、私どもとして注意深く見守っていきたい。貯蓄から投資へという流れがさらに確実なものになるように、私どもとして努力をいたしてまいりたいと考えておるところでございます。
6. 地方創生2.0
地方こそが成長の主役であります。我が日本は、農業、漁業、林業の多くの潜在力を備えております。農業、漁業、林業が発展するために多くの潜在力を備えている、こういう認識を私は持っておるところでございます。
観光やサービス産業を含め、日本経済成長の原動力として、地方創生政策を、初代大臣を務め、人口最少県の鳥取を故郷に持つものとして、私自身強い決意を持って取り組んでまいります。
6.1 新しい地方経済生活環境創生本部の設置
新しい地方・生活環境創生本部を創設をし、担当大臣を設置し、今後10年間集中的に取り組む基本構想を作成をいたしてまいります。この取り組みを「地方創生2.0」として強力に推進をいたしてまいります。
6.2 地方と中央の一体感の回復
これは地方創生大臣の時によく申し上げたことでございますが、「産官学金労言」と申します。産業界であり、そして行政であり、そして大学に限りません。高等学校であり、中学校であり、学問、「金」というのは金融機関でございます。「労」というのは労働者の皆様方であります。「言」というのは地元の報道機関であります。
役所だけが地方創生を行うのではございません。地域の様々なステークホルダーの皆様方が知恵を出し合い、地方がそれぞれの特徴に応じて発展していくこと、これが本質であり、それを政府も後押しをいたしてまいります。
6.3 省庁の地方移転
省庁の移転は、それ京都が1番ご存知だと思いますが、まさしく府であり市でありあるいは大学であり、そして民間であり、本当に大勢の方々が文化庁が京都に移転するのはふさわしいのかということを本当に精力的に展開をなさいました。
正直言って役所が大喜びでいったとは私は思っておりません。あの時に私が地方創生大臣で、今一憲知事お務めの馳さんが文科大臣でありました。省庁はそんなに喜んでいくわけではありませんが、どうしたらその省庁がどこに移ることが1番日本のためなのかということの議論はもう一度徹底させたいと思っております。
東京に全ての役所が集中しておるような形の一極集中行政の、それは世界の中でも日本ぐらいのものでして、それは変えていかねばならないと思っております。役所の理屈のために本省があるわけではございませんので、そういう強い意識を持って望んでまいります。
7. 外交政策
7.1 首脳外交の基本方針
日韓関係というのはそれは合衆国とは極めて重要な二国間関係は大事でありますし、それは韓国ともそうでしょう。オーストラリアともそうでしょう、ASEAN諸国ともそうでしょう。だどもお話こ聞いているとやはりこう合衆国とは大事だねということだと思っております。私は合衆国もそうですし韓国も大事だという風に思っております。
首脳外交をやります時に、この会談は何のためのものなのかということが明確でなければならないと思っております。信頼関係を高め、友好を深めるというのも大事なことですが、何のためにこの会談をやるのかということがあらかじめ設定をされていて、それぞれ国が違えば国益も違うのでありまして、それぞれが国益を踏まえてどのように真剣な議論を行い、いかなる成果を得るか。私は防衛の仕事が長いのですが、いろんな国の防衛大臣あるいは総理大臣、大統領とも話をしてまいりました。やはり何のためにその会談を行うのかということが極めて重要だと思っております。
7.2 アメリカとの関係強化
合衆国は近々大統領選挙を行われ、来年早々には新政権が発足をいたします。他国の大統領選挙について私どもがやかく申し上げるべきものではありませんが、どういう形であれ、つまり今のところ全く予断を許さないのであって、どちらともお話ができる状況というのは作っておかねばならないという風に考えております。そのために多くの努力をいたしてまいりたいと考えております。
7.3 アジア版NATOの構想
地域協定とアジア版NATOの構想については、私も20数年にわたりこの問題の提起をしてまいりました。自民党の安全保障調査会でも何度も問題提起をしてまいりました。
総理大臣になったからといって、いきなりそれが実現するとは思っておりません。しかしながら、政府においてあるいは党において私の問題意識を認識しておる人はたくさんおられます。今具体的にそういう指示は出しているわけではございませんが、そういう認識を持っている人たち、そしてそれがこの地域の平和と安定を守ること、必ずするものだという信念を持っている人たち、それが条約上どうなのか、憲法解釈上どうなのかということについて正確な知識を持っている人たち、そういう人たちの動きをこれから先加速をしてまいりたいと思っております。
これはもう30年もそれどこじゃないですね、日米地協定というものはできて以来、ずっとこの議論はあったのです。一朝一夕にそういうのは変わると思っていません。しかしだからと言って諦めていいと私は全く思っておりませんので、そういうことに着実に取り組んでまいります。
8. その他の重要政策
8.1 リニア中央新幹線の早期開業
私といたしまして、岸田政権が進めてこられた方針を引き継いでまいります。静岡工区の早期着工も含め、リニア中央新幹線の早期開業に向けた環境整備というものを行ってまいります。
また、リニアというものが開業することによって、それがリニアが通る地域のみならず日本全国においてその効果は波及していくということを目指していかなければなりません。それはリニアが通れば自動的にそうなるものではなくて、リニアが開業することが日本全体の発展につながるものだということを私どもとしてはきちんと実現をしていかねばならないものだと思っております。
それは私もこれから先また色々研究をいたしてまいりますが、リニアができるということによってさらなる経済効果が発現するため、例えて申し上げれば、東海道新幹線には輸送余力が生ずるものでございます。これをいかにして活用するかということも含めまして、地域だけ、リニアが通る地域だけ良くなればいいと、そういうことではない。そのような経済効果もきちんと見据えたリニアの早期開業というものを実現をいたしてまいりたいと思っております。
8.2 拉致問題への取り組み
拉致問題は、私どもの内閣の最重要課題であります。全ての拉致被害者の方々の1日も早いご帰国を実現すべく、強い決意を持って取り組んでまいります。
在外邦人の皆様方の安全確保にも力を尽くしてまいります。
8.3 災害対策と防災庁の設置
我が国は近年多くの自然災害に見舞われております。度重なる巨大台風の襲来、豪雨災害の発生など、毎年のように各地で自然災害が起きております。我が国は世界有数の災害発生国でありますが、こうした中、我々は国民の不安に正面から向き合うため、防災庁の設置、国民保護体制の実効性確保に取り組んでまいります。
本年の能登半島地震や大雨からの復旧・復興を着実に進めてまいります。東日本大震災の被災地の復興・再生に全力を上げてまいります。
9. 衆議院解散と総選挙
9.1 解散・総選挙の日程
最後に政治日程について申し上げます。10月9日に衆議院を解散し、10月15日公示、10月27日に総選挙を行うことといたします。選挙期間が短いため、関係者の皆様方にはご負担をおかけをいたします。誠に恐縮でありますが、何卒よろしくお願いを申し上げます。国民の皆様方のご理解、ご協力を心よりお願いして冒頭発言を終わります。
9.2 選挙に向けての姿勢
新内閣が発足をいたしました。これは憲法第69条上、内閣不信任案が可決をした時、あるいは信任案が否決された時、解散を行わない場合は総辞職するとこれが憲法の69条の規定でありますが、今回不信任案が可決されたわけでも、信任案が否決をされたわけでもございませんが、新しい内閣というものは発足をいたしました。
そうしますと新しい内閣について国民の皆様方の信を問うということは、憲法の趣旨からもそういうことだと思っておりますが、同時に選挙中に議論をして、その上で国民の皆様方にご判断いただける材料を提供するべきだということを申し上げてまいりました。
これから国会においていろんな議論が行われるということであります。代表質問そしてそれに対する答弁、あるいはその後の委員会がどういう形式で行われるか、私、十分に存じ上げてはおりませんが、私は代表質問に対するお答えも、その前も、その前の所信表明演説も、本当に自分の言葉で語りたいと思っております。そこにおいての質問に対する答えも、本当に誠心誠意やってまいりたいと思います。
主な法案の他にそういう機会が与えられれば、それは十分とは言えないかもしれないが、国民の皆様方の心に響くようにやってまいりたいと思っております。早く信を問うべきだということと、ご判断いただける材料をきちんと提供するということ、そのことに努めておるところでございます。なお努力をいたしてまいります。
続きまして、大義というのは今申し上げたのが大義だと思っております。やはり新しい内閣が発足をしたからには、国民の皆様方に信を問う。そしてこの内閣がいかなるものであるかということは、これから先、今日もそうですが、申し上げてまいります。この内閣をご信認いただけるか、あるいは他の選択があるのか、それを審判者たる国民の皆様方に問うのが私は大義だと思っております。
10. おわりに
10.1 石破内閣の展望
私は長い間準備というものを積み重ねてまいりました。今まさに準備を積み重ねてきた政治家として持てる力全てを出して国民の皆様お1人お1人のために仕事をさせていただく機会をいただきました。
ご本柱5つの守るを実現をし、未来を作り、そして未来を守っていくため、粉骨砕身取り組んでまいります。初当選から38年、多くの地方を回り、多くの方々からお話を伺ってまいりました。今政治に求められていることは何か。それは今一度国民お1人お1人と正面から向き合うことだと、このように思っております。
そして国民の皆様と対話をし、全ての人が安心と安全を感じることができる、そういう日本を作り上げていかねばなりません。全ての人が安心と安全、そして全ての人に笑顔が戻ってくる、そういう日本を作っていきたいと思っています。
この内閣は、納得と共感内閣という風に考えております。国民のための政治、何よりも第一に国民の皆様方に納得していただき、共感していただける、共感と納得の政治をまっすぐ進めてまいります。
10.2 国民への呼びかけ
最後に政治日程について申し上げます。10月9日に衆議院を解散し、10月15日公示、10月27日に総選挙を行うことといたします。選挙期間が短いため、関係者の皆様方にはご負担をおかけをいたします。誠に恐縮でありますが、何卒よろしくお願いを申し上げます。国民の皆様方のご理解、ご協力を心よりお願いして冒頭発言を終わります。ありがとうございました。