※本稿は、2024年の自民党総裁選に立候補した9名による討論会の内容を要約したものです。
1. 討論会の概要
1.1 開催日時
日本記者クラブ主催の自由民主党総裁選挙立候補者による討論会は、2024年9月14日に開催されました。具体的な開始時刻は明記されていませんが、討論会の進行から、午後から開始されたと推測されます。
1.2 参加候補者の紹介
討論会には、9月27日に投票が行われる自由民主党の総裁選挙に立候補した9名の候補者全員が参加しました。候補者は以下の通りです(紹介順):
- 高市早苗氏
- 小林鷹之氏
- 林芳正氏
- 小泉進次郎氏
- 上川陽子氏
- 加藤勝信氏
- 河野太郎氏
- 石破茂氏
- 茂木敏充氏
各候補者は、討論会の冒頭で写真撮影のために並び、その後それぞれの席に着席しました。
2. 候補者の基本政策と主張
2.1 高市早苗氏の経済成長戦略
私、高市早苗は、経済成長を最重要課題として掲げています。国の究極の使命は、国民の皆様の生命と財産を守り、領土・領海・領空・資源を守り、そして国家の尊厳と名誉を守ることだと考えています。そのためには、今あらゆる国力を強くしていかなければなりません。具体的には、外交力、防衛力、経済力、技術力、情報力、そして何より人材力です。これら全ての力を強くしていくためには、何よりも強い経済が必要です。
私は経済を成長させる、あくまでもどこまでも経済成長を追い求めるという姿勢を貫きます。そのために必要な政策をしっかりと打っていきます。
2.2 小林鷹之氏の国力向上政策
私、小林鷹之は、日本を世界をリードする国にします。もう少し分解して言いますと、他国の動向に右往左往しない本当の意味で自立した国にします。自立というのは立つ法ではなく、立する法の自立です。そして世界から信頼されるだけではなくて、世界から必要とされる国にします。
そのためには国力を高めていかなければいけません。私の考える国力とは、国家の運営の基本には暮らしを豊かにする経済と国を守る安全保障、これがあると思っています。その2つをそこで支えているのがイノベーション、世の中に新たな価値を生み出していく力です。そのイノベーションを生み出すのは人ですし、そのイノベーションの成果を社会にどうやって生かすのかを決めるのは結局人なので、全ての今回には人づくり教育があると思っています。
経済と安全保障、イノベーション、教育、この力をバランスよく高めていくことで日本の国力を増して、世界をリードする日本を作ってまいります。
2.3 林芳正氏の実感できる経済再生策
私、林芳正は、実感できる経済再生を是非やらせていただきたいと思います。アベノミクスでなんとか厳しいデフレから首を出し、そして新しい資本主義成長と分配の好循環、これでなんとかここまでやってまいりました。悲願の実質賃金プラス、この数字がちらほら出てまいりました。まさにこの流れを確かなものにしていかなければなりません。
その一方で、マクロの数字GDP600兆円、そして実質賃金プラス、このことが本当に国民の皆様に実感されているんだろうかと。地元の皆様から時々「あれどこの国の話ですか」という風に聞かれることがあります。まさに平均値や統計は出ていますけれども、中間層はどうなのか、そしていろんな中小企業、小規模事業、農林水産業はどうなのかと。こういうところにしっかりと目配りをしていきたいと思います。
2.4 小泉進次郎氏の政治改革案
私、小泉進次郎は、政治改革を掲げています。やはり今回の自民党の総裁選は、自民党が本当に変われるか、変えられるのは誰かが問われる選挙だと思っています。今のこの政治不信を引き起こしてしまったのは我々自民党です。その自民党がなぜ未だに前に進めないでいるのか。それは国民の皆さんから見て、未だに政治のお金の流れは不透明だと。ここを断ち切ることができないからです。
10年後の公開でいいという使い道の分からない政策活動費は廃止します。そして使い道が公開をする義務がなかった旧分通費は公開を義務化、そして残った場合は残金は国庫に返納。こういう形で今まで政治にだけ許されてきた不透明なお金の使い方、これは断ち切ります。これをやらなければ自民党は、政治は前に進めません。政策に耳を傾けてもらえません。私はこの政治改革、断固たる決意で前に進めていきたいと思っています。
2.5 上川陽子氏の「誰一人取り残さない」政策
私、上川陽子は、殺人などの犯罪に巻き込まれた皆様の声に耳を傾け、犯罪被害者等基本法を制定し、また犯罪被害者の支援制度などについて充実をさせてまいりました。正犯罪の被害者の方々、こうした声なこにも耳を傾けながら、戦後大変大きな警報改正もしたところでございます。
また女性と平和と安全保障WPSのこの考え方を、ウクライナやまた中東、さらには朝鮮半島の災害の現場にしっかりと届ける、こうした外交の取り組みもしてまいりました。
戦後日本を作ってこられたシニア世代の方々の老後の幸せ、また若い世代の皆さんも希望を持ってこの国をしっかりと国際社会の中で誇りと存在感のある国にしていくためにも、私は孤独孤立の中で今取り残されている1人1人の皆様の声にしっかりと耳を傾けながら、皆さんの参加と協力とご理解をいただきながらこの国を前に進めて参りたいと考えております。
誰1人取り残さない新しい日本の景色を作ってまいります。
2.6 加藤勝信氏の国民所得倍増計画
私、加藤勝信は、国民の所得倍増、命がけで実現をいたします。今日本の企業は過去最高水準の収益、また内部留保もこの10年間で倍となっています。これらを活用して賃上げを起点とした新しい好循環、これを是非生み出してまいります。
具体的には1点目として、教職員、保育士、医療介護福祉職員など公的セクターで働く方々の賃上げ、労務費の転嫁、また中小企業の支援など賃上げにつながる政策、これを徹底します。2つ目は成長、しっかりと経済をしっかりと成長に向かわせる投資、特にスタートアップ、新産業、こうした支援をしっかりと進めてまいります。3つ目は、同一労働同一賃金、また非正規で働いてる方の正規化などを通じて、今低下している労働分配率、これを引き上げてまいります。
これ以外にも広く国民の皆さんから様々なアイデアを頂戴し、そしてできる政策ではなく、やるべき政策、これを皆さんと一緒に実現いたします。
2.7 河野太郎氏の改革推進政策
私、河野太郎は、日本は自由主義市場経済の国だと考えています。政府がどこかに補助金をつけたらそこが良くなる、政府が次の産業はこれだと言ったらその産業が伸びるということではありません。そんなことができるんだったら、ソ連は崩壊してなかったと思います。
政府の仕事は公平な土俵を作り、民間の活力を解き放つための改革をしっかりやるということに尽きると思います。私はこれまで大引の廃止であったり、ワクチン摂取であったり、オンライン教育、オンライン診療、ドローン、3.5書かない窓口、様々な改革を実現をしてまいりました。
外務大臣の時には延べ123カ国を訪問し、950回の会談を行って日本と海外とのしっかりとした意通ができる、それまでにない外交をやってまいりました。この改革をしっかりとスピードを持って深掘りをしていく、そのおかげで日本の経済が発展したと、そう言われるような改革を断行してまいります。
2.8 石破茂氏の「全ての人に安心と安全を」政策
私、石破茂は、全ての人に安心と安全をということを掲げました。大勢の人が不安の中に今いませんか。今日のウクライナは明日の東アジアだ。じゃどうしたらそうならないで済むのかということ。あるいはお正月から能登半島で大きな震災がありました。南海トラフの警戒情報も出ました。首都直下地震どうなる、富士山噴火どうなるんだ。大勢の人が不安の中にいます。
お米が高いです。食料は一体どうなるんだ。これだけ若い人が減ってくる、人口が減る。医療は大丈夫なのか、年金は大丈夫なのか、介護は大丈夫なのか。大勢の人が不安の中にいませんか。今さえ良ければいいというお話にならない。将来どうなるのかということをお示しし、そうならないためにどうするのかということを示す。それが政治の役割であって、今さえよければいいのではありません。
2.9 茂木敏充氏の増税ゼロ政策
私、茂木敏充は、増税ゼロの政策推進、これを実現します。私だけが提唱している政策で、本当にできるの、こういう声もあると思いますが、私は幼児教育の無償化、さらには厳しかった日米貿易交渉も妥結をさせました。必ず実現をいたします。
日本は今物価高、人口減少、厳しい安全保障環境、様々な課題に直面をしています。そして国民の間には負担増への不安というのが高まっているところであります。誰も掲げていないこの増税ゼロの政策を推進して、経済を再生し、1人1人の所得年収を上げていきます。
そして海外のリーダー、誰であっても堂々と向き合い、そして国益をしっかりと守り抜いてまいります。結果を出します。
3. 候補者同士の質疑応答
3.1 原発政策に関する議論(小林氏vs石破氏)
小林氏:石破候補に原発政策について質問させていただきます。今後電力需要は劇的に増加していくわけですね。経済成長を続けるためには安価で安定した電力供給が不可欠になると。私はバランスの取れた電源の構成が必要であって、特にこの再エネに偏りすぎた現行のエネルギー基本計画は年内にも私は変えるべきだと思っています。安全性が確認された原発の再稼働、そしてリプレース新増設、私は取り組んでいくべきだと考えてまして、再稼働が進んでいる海域で電気料金にもう東西の格差が生じているんですね。
石破候補は先月原発ゼロに近づける努力を最大限にするとおっしゃり、今月に入って原発ゼロを実現するとは考えていないと述べたと伺っております。結局原発ゼロ、少なくとも原発比率を下げるというお考えなのか。仮にそうである場合、電力需要はこれから激増すると見込まれる中で、どうやって安価で安定した電力供給を確保していくのかお考えをお聞かせいただければと思います。
石破氏:3.11の教訓は決して忘れてはいけません。あの時に原子力災害というのがいかに恐ろしいかということを思い知ったはずです。私は22年前に防衛庁長官をやっていた時に原発はどれぐらいの攻撃に耐えられるのかということは被災に検討をいたしました。本当に原発の安全性は最大限に高めていかなければなりません。
再生可能エネルギーは最大限にその可能性を引き出したでしょう。地熱は世界第3位の潜在力を持っています。これだけ傾斜のきつい国です。少水力発電、その可能性は最大限に引き出していくべきです。AI社会は確かに電力を食います。しかし新しい半導体の向上は従来の半分の電力でやっていけるということです。省エネも最大限にやっていかなければなりません。
それは結果として原発のウェイトを下げることになっていくということでありますが、そのこと自体が目的なのではありません。安全性を最大限に高め、引き出せる可能性は最大限に引き出していく。当然のことです。
小林氏:私はエネルギー政策っていうのは本当に根幹だと思ってますんで、省エネが進まない最悪のケースにもですね、しっかりと備えるべきであると思うし、時間軸をしっかりと考えていかなきゃいけないと思ってます。つまり再エネを増やせば少なくとも当面は電気料金は上がります。で国内の国民の暮らしは圧迫しますし産業競争力は低下します。最近ドイツで言えばフォルクスワーゲンがもう国内の工場を閉鎖を検討するという報道も出ておりますんで、そういったより現実的な視点に立ったエネルギー政策を求めていくべきだと私は考えています。
3.2 防災省構想に関する議論(林氏vs石破氏)
林氏:石破候補にお尋ねしたいと思います。石破候補は兼ねてより防災省の設置、防災庁の設置ということをおっしゃっておられると思いますが、少し具体的なイメージを教えていただけたらという風に思います。1月1日の能登半島地震、視察をさせていただきましたが、例えば自衛隊、例えば警察、例えば消防、いろんな支援に入ります。しかしこの方々はいつもは自衛隊、消防、警察に属して仕事があると。こういう方々は防災省に入って行くのか。人数ということがよく議論になりますが、この指揮系統をどうするのか。どれぐらいの人たちが普段はやってる仕事でない災害にこの対応できるのか。この辺も少し詳しくですね、防災省構想について、防災省構想についてお教えいただけたらと思います。
石破氏:今の内閣防災担当予算74億、人員100名。それが今の防災に当たっています。これで事前の対処ができるのか、そしていざ発生した時に対応ができるのか。それは不可能と言わざるを得ません。そして各省庁から防衛省から国土交通省から厚生労働省から2年来ては元の役所に帰っている。それでは知識も経験も蓄積できない。私はこういう状況は即刻改めます。
今ある内閣防災担当の人員を強化し、そして予算を増やす。これが第1段階です。その次に内閣府の外局としての防災庁というのを作ってまいります。これは今申し上げた内閣府防災担当を拡充するという形で作ります。
今林官房長官からご指摘の防災省、自衛隊まで含めたということは、その先に自衛隊、警察のみならず各省庁との関係をどうする、それが最終的究極系としての防災省であって、それは霞が関の上において霞が関の中において検討され、いい答えを出してまいります。
林氏:少しイメージが見えてきた気がいたします。ただ、省を作るということよりも、私はあの今の知見を蓄積して諸外国という時にはそれぞれの人が有機的につながる。この中身の議論をまずやってからですね、必要があれば新たな組織にしていくということが非常に現実的だということは思っておるということを言わせていただきたいと思います。
3.3 政治資金規制法改正に関する議論(小泉氏vs茂木氏)
小泉氏:私は茂木さんに質問をしたいと思ってます。先ほど冒頭に私はフリップで政治改革という風に掲げましたけども、その政治改革の具体策の1つが政策活動費の廃止です。これは本当にできるのか、やって大丈夫なのか、こういう声もありますが大丈夫だと。それを証明してくれたのが幹事長である茂木さんが廃止ができると今回私と同じ主張されてます。ですので私は非常に心強く思っているんですが、党運営に支障はないという風に考えているからこそ、私と同じ政策活動費の廃止を訴えておられると思うので、幹事長としてそこにどのようなお考えかお伺いをしたいと思います。
茂木氏:私も3年間幹事長を務めて、政策活動費使ってまいりました。党勢の拡大であったり、候補の充実であったり、様々な形で適当にこれは使って参りました。ただ今回政治資金規制法が改正をされ、その最終段階でこの政策活動費の透明性を高めよう、上限をどうするのか、そして10年後には公開する、そのあり方をどうするか、これを検討するということが検討事項として残りました。
その上で自分なりに考えて、私が使ってきた政策活動費、これが公開できるものなのかどうか、じっくりと考えて、公開できる政策活動費でなくても組織活動費であったり広報費であったりと仕訳ができる。こういう自分内の確信を持って政策活動費は廃止しようということを訴させていただきました。
小泉氏:やはり現役の幹事長が政策活動費を廃止できるということは、私は何よりも改革ができる具体的なやはり1つの証明だと思います。私が総理・総裁になった暁には、そういう改革を同じ方向性をできると言ってくれる方々と一緒に協力をして、そして前に進めて言ったことはやる、そういう政治改革を進めていきたいと改めて思いました。
3.4 外交政策に関する議論(上川氏vs小泉氏)
上川氏:小泉先生にお願いいたします。昨年日本はG7サミットの議長国でありました。また国連の安保理事国2年間、また今年もその役を続けております。来年は2025年カナダのこのカナナキスというところでG7の首脳会議が行われます。その場は大変重要な、日本はメンバーとしてG7の国々のメッセージを発信する場でもあります。総理として、主要国会議におきまして、どのような発信をなさるのでしょうか。お伺いします。
小泉氏:ありがとうございます。まず外務大臣でもあられる上川大臣から来年のG7のサミット、私が仮に総理になったらということですけども、カナダの首相はトルドー首相です。トルドー首相は就任した年は43歳です。私は今43歳です。この43歳総理就任というトップ同士が胸襟を開き、新たな未来思考の外交を切り開いて、新たな新時代の扉を開けることができるG7サミットに、主催国であるカナダとしていきたいと考えています。
外交の時代というのは最後はトップ外交だと思います。この今総裁選で戦ってるメンバーの皆さんで外務大臣経験者は何人かおられます。しかし首脳外交をやった方はいません。同じステージに立っていると思って、来年のカナダのサミット、総理就任同年のトルドー首相と共にG7の連携がさらに深まる、そんなサミットにしていくことをお約束します。
上川氏:日本のG7サミット議長国の中で、広島サミットは世界中に核兵器、原発のこの被爆国としての平和のメッセージを力強く発信をいたしました。私はそれをしっかりと受け止めながら、安保理理事会におきましても、またG7の様々な会合で平和ということをしっかりと念頭に置きつつ、またその平和の中に女性の目線を入れる、このことを訴えてまいりました。この流れを是非強めていきたい、また大きく発展をしていきたいと思っております。
3.5 解雇規制見直しに関する議論(加藤氏vs小泉氏)
加藤氏:続いて申し訳ないんですが小泉候補に、雇用規制の見直しについて少しお話を聞きたいと思います。私自身も成長分野に対して労働移動円滑化あるいは促進をしていくことは、私の思う国民の所得倍増には必要だと思っています。その上で昨日のテレビ番組でのやり取りの中で、今の時代にあった働き方のルールに変えていかなければならないとされた。企業からすると予見可能性が低い時代に世の中が変わっているから、どうしても非正規の方を雇うインセンティブが強い。そこをしっかり今の時代にあったルールに変えて正規の方を働きやすくする、正規の方を雇いやすくすると言われたわけでありますが、おっしゃる意味で正規の方を、正規雇用って言いますかね、正規の方を雇いやすくするというこれは具体的にどういうイメージを持っておられるのか。でその場合における正規雇用、一般的には無限定フルタイムっていうのが正規雇用の通常今言われてる定義でありますけれども、そのイメージ、そこが同じなのか違うのか、そこを教えていただきたいと思います。
小泉氏:ありがとうございます。この雇用規制の見直しっていう風に私が言っていることは、今の時代に合わせて1人1人が自分らしい働き方ができる環境を作らなければいけないという思いです。今のルールを続けているとどうなるかというと、例えば大企業で整理解雇を100名しなければならない、そういったことがあったとします。40人はその企業の中での配置転換です。そして60名は今は雇用保障がない、そのまま首を切られると。
私がやるべきだと言ってることはそこに対して、リスキリング、そして転職支援、これをしっかり提供する義務を企業に対して義務づける。そのことによって外部労働市場を労働市場をしっかりと結びつけていくっていうことをやっていくことでもあります。ですのでこういったことを進めていくことによって、今必要な成長産業に人がしっかりと移動できる。今のままだったら首を切られてしまう人に、私はより安心した企業の役割を新たに義務づけることを考えています。
加藤氏:今の聞くと正規雇用の定義そのものを変えようとおっしゃってるわけではないということを認識をいたしました。より多様な、多様な働き方ができる柔軟な働き方が必要なのは間違いありません。その上でこの多様な働き方、今整理解雇を前提とされましたけれども、まさにそこに至る前に本人が自発的に行く道を作っていく。そのために企業がリスキリングするとの支援をする。私はむしろそこを大事にしていくと。
3.6 ライドシェア導入に関する議論(高市氏vs小泉氏)
高市氏:それでは小泉さんにお願いいたします。おそらく河野さんも同じお考えなのかと思いますが、あえてすいません。ライドシェアの完全解禁についてお伺いをしておられると思います。今の実証事業などで、行政ですとかまたタクシー事業者がこう責任を持ってやってらっしゃる。それについては特に心配はしてないんですけれども、例えばこれが一般のドライバーが行われるということになりますと、例えばちゃんと車両が整備されているのかと。その安全性ですとか、それから犯罪に合わないかとか、それから家まで送っていただいた場合に、私ぐらいの年でしたら大丈夫ですけれども、ストーカーにその後住所まで分かられてしまわないかとか、それから事故が起きた時の責任を誰が担うのかとか、それから盗難被害ですね。ドライバーの方も危険な目に合う可能性もあるし乗ってるお客さんもその可能性があります。そういったことを考えるとその責任を担う主体というものをどのようにお考えなのか教えてください。
小泉氏:ありがとうございます。このライドシェアの議論については私は今までもずっと取り組んでる中で、日本の中で大きな誤解もあるなっていうことは感じます。ライドシェアのドライバーは誰が来るかが分からない、だからタクシーより危ないんだ。これを大分自民党内でも言われました。しかしこれ利用した方がいればお分りだと思うんですけども、タクシーのドライバーさんの情報よりもライドシェアのドライバーさんの情報の方が分かります。まず何回今までお客さんを乗せたか、これライドシェア分かります。そして今までどのような評価をお客さんから受けたか、これも分かります。そして双方向で評価もできます。
この今のライドシェアの世界で取り組まれてる状況ってのを今一度しっかりと説明をしたいと思います。そして今高市さんから乗った場合の女性の安全をどのように守るのかってことありましたが、海外のライドシェアではお1人で乗ったお客さんが乗ってる間1人で不安だったらずっと警備会社とつながっているというサービスもあります。これ日本ではタクシー会社も今ありません。ライドシェアの世界で取り組まれてる状況ってのを今一度しっかりと説明をしたいと思います。
そういった形で日本はしっかりと今国際社会でどのようなサービスとどのような安全対策を講じられてライドシェアという移動手段ができているかを私は広めていって、これだけ移動の手段が不足してバス不足、タクシー不足、電車のダイヤの不足。私の地元の三浦市、夜の7時以降タクシーありません。全国の中で駅前にタクシーがない。この移動不足を解消していくためにはライドシェアの全面解禁、私は取り組んでいきたいと思います。
高市氏:地域の移動の足が不足していることは、私も十分承知いたしております。でまたこれからですね、自動運転もすごく精度の高いものをたくさん上げていきますので、そういう意味では自動運転に向けた体制も整ってくると思います。今海外の場合、ポイントがついてですね、やっぱこのドライバーは優秀だというようなことなんですけれども、それだとかえってドライバーの新規参入には割と壁があるんだろうなということを感じました。それから、できたらやっぱり私は安全の確保ということで、許可制ということを求めたいなと思っております。
4. 記者クラブによる代表質問
4.1 政治姿勢に関する質問
4.1.1 高市氏の保守的思考と包容力
記者:高市さんはこの9人の候補者の中では最も保守的な思考の持ち主だと言われています。例えば総務大臣の時の放送法の解釈問題などでは、かなり高市さんが強行な姿勢を取られたという印象も外にも見られました。総理大臣になりますと、そこはやはりもっと対局的な判断だとか、それからやっぱり異論に対して耳を傾ける包容力とか、そういうものをやっぱり求められいくんではないのかと。そのギャップをこれからどのように埋めようと思っておられるのか、そのことをまずお伺いしたいと思います。
高市氏:私はリーダーにとって最も大事なことは、自分の信念、国家経営の理念はしっかりと打ち出す。でも重大な決定をする時には、やはり周知を集める、たくさんの方の知恵を集めて、もう実行に移すまでですね、最善の手、最善の策を考え続ける。これが大事なことだと思っております。
先ほど電波法及び放送法のお話がありましたが、私は所管の総務大臣でございました。電波法につきましては、その76条の規定はあの放送法全体にかかるものです。ですからあの時は4条について、これに違反をしても電波停止処分をすることはないのかというご質問でしたが、現在ある法律についてですね、これは無効です、全く機能しませんと答えたら、所管大臣としては絶対いけないと思っておりました。以上です。
4.1.2 小林氏の出馬タイミングと政策活動費問題
記者:小林さんにお伺いします。小林さんは早く手をあげられました。ただね、あの時の出馬表明の時に、この政治とカネの問題で岸田内閣が岸田さんが撤退するという状況の中で、その1番の当事者であった旧安倍派の人たちが応援してるっていう図式は、これはやはりマイナスではなかったのか。その認識はなかったのかってことが1つ。
それから、これは政策活動費の透明化の問題でも、最初はね23年後に公開と。それが今度は1年後になっちゃったと。なんかずるずる変わったという印象を受けましたね。一体その辺りの、これは責任の所在っていうか、それはどういう具合にその覚悟のほどっていうか、どうだったのかっていうちょっと疑問がつきましたんで、そのことをお伺いしたいと思います。
小林氏:2点いただきました。まず1点目の私の出馬会見の時につきましては、この当日どなたがどの同僚議員が来られるかっていうのは私自身はあの当事者全く把握していなくって、この私を応援していただけそうな方に対して、この出馬会見の確か当日だったと思いますけれども、お仲間から告知をさせていただいて、来れる仲間が集まったということであります。結果として旧派閥に偏りが出てしまったのかもしれませんが、そういうご事情であるということはご理解いただければと思います。
2点目、政策活動費ですけれども、一部報道で私が最初から、この10年っていうのは私は長いなら国民のその常識に照らしてちょっと長すぎると判断しました。私は最初から1年、できるだけ1年毎年公開っていう風のを申し上げていたんです。ただ一部報道である番組に出た時に、キャスターの方がそれ難しいから23年ぐらいの方がいいんじゃないですかっていう風にこう相手が言ったことを受けて、なぜか私が23年という風になっていた。そこは報道のあり方だと思ってます。
私は当初から毎年公開で、毎年公開っていうことはこれまで政策活動費というのは、公開されないところに1つのポイントがありましたので、毎年公開ということにするということは、結局事実上その政策、その制度は使えないということを意味しますので、今はそのまたはその、それが公開できないのであればですね、もうそのこと廃止していいという風に思っておりますので、一切そこにブレはないというふうに思ってます。
記者の発言をわかりやすく正しい日本語に修正すると、以下のようになります:
記者:小林さんは岸田内閣の官房長官として、岸田首相を最も近くで支える立場にありました。そうであるなら、なぜ岸田内閣がこのような窮地に陥ってしまったのでしょうか。その責任の一端は小林さんにもあるのではないでしょうか。もし責任を自覚しているのであれば、自分には9人目の候補者として立候補する能力があるという主張は矛盾しているように思えます。これからその能力を発揮して、ピンチヒッターとして活躍したいとおっしゃいますが、まずは岸田内閣での責任をきちんと取らなければ、説得力に欠けるのではないでしょうか。このような見方について、どのようにお考えですか。
小林氏:ご指摘は真摯に受け止めなければいけないと思います。就任したのが12月でしたので支持率が一番低かったと思います。私なりに努力をして説明をしっかりやる。それから主に官房長官というのは政府の方の仕事で総理を支える。党の方は幹事長、副総裁をはじめ党の役員がお支えするという立て付けの中で、政治とカネの問題に非常にエネルギーが費やされる中で、政府としてしっかりとした政策をやって、これで総理をお支えしなきゃいけないという思いの中で就任早々能登半島の地震が起きました。危機管理をやりながら、この実質賃金プラスまでですね、やっとこぎつけて。
総理が辞めになるという情報に接した時は、半日ぐらい呆然としておりました。けれども仲間とお話をする中で、誰かがですね、このいい流れ、ここまで来た流れをしっかり引き継いでいかなきゃいけないんじゃないか。そういう多くの声をいただいてですね、力不足を覚悟で決断をした次第でございます。
4.1.4 小泉氏の若手議員の決起と改革案
記者:小泉さんは、今度の政治とカネの問題、その前の旧統一協会の問題で自民党のやっぱり最大の危機を迎えているという状況の中で、私たち古い人間は思いました。きっと若い人が30年前と同じように決起するだろうと、立ち上がるだろうと。そう思いましたが、小泉さんが中心とした人たちは立ち上がりましたか。ということに対して私は非常に期待外れということを思いました。そのことは一体どうだったのかということが1つ。
それから非常に賛否のある、これは選択的夫婦別姓の問題とか解雇規制、先ほど色々ご議論はあるんですけど、それを1年以内にやるということは、これはかなり分断とまではいかないにしても対立混乱が予想されるということが考えられます。このことに対してどういう風に対処しようとしているのか。その2点についてお伺いしたいと思います。
小泉氏:1点目の、なぜ若手が決起をしなかったのかと。総裁選に決起をした以上の決起はないと思います。今私は自民党で、日本の中で戦後最年少で総理総裁になれるかどうかという戦いに挑んでいます。やはりこの全てをかけて挑む総裁選に私が15年間無派閥で来て、この総裁選に挑み、私の元にあらゆる旧グループ、旧派閥、そして無派閥、多くの議員が集まってくれています。これは若手中堅ベテラン含めてでございます。そういったところは思いを持ちながら、ここが決起のタイミングだと、そういう風に受け止めていただければと思います。これが1点目です。
2点目の、私が1年で3つやると、これについて分断が生まれないかということについては、例えば選択的夫婦別姓については、私は今のままがいいという方には今のままの選択肢を、そして例え少数であったとしても私は別姓を選びたいという方には、その新たな選択肢を。そして最終的に国会に法案を提出した暁には、議員の中でも考え方が分かれますから、その違いを尊重した上で価値観、家族観を1人1人の投票行動でしっかりと決めていただきたい。党議拘束をかけないと。そういった形で多くの方の思いを分断を招くことなく、新しい選択肢を1人1人に用意する。その1人1人の希望と願いに正面から向き合う政治を実現をしたい。それが私の思いです。
4.1.5 上川氏の準備状況と政策立案
記者:上川さん、立候補者の中で一番え推薦人集めにご苦労された。ただ私ずっと見てますと、失礼ながらここに至るまでどれだけの準備をされていたのか。自分が総理大臣になったら何をすべきか、そのために人脈をどれだけ広げる深める、そういう努力をされたのか。それから政策的なレマをどれだけま外務大臣という要職が務められながらそれをされたのか。そこがなかなか見えないんではないかという不安を抱いてる方もいらっしゃるということで、それに対してどう答えになりますか。
上川氏:私は政治家として、自分の方針をしっかり持ちつつ政策の様々な課題に対して、特に今声なき声と申し上げましたけれども、そうした問題については例えばSDGsの問題、例えば水問題、例えば大陸棚の問題、これは領土領海に関わることでありますが、この内政外交に関してあらゆる面で必要な政策は、将来に向かって必要なものはしっかりと取り組む。こういう中で仲間を集い、そしてテーマをしながら法律にしたり政策に落とし込む。このことにある意味では30年活動を積み上げてきました。
私は当選まで7年半かかっています。地域の声をしっかりと聞きながら外交の現場でも、その地域の皆さんの声が例えば農業のあり方1つ取ってみても、日本の農業と世界の農業の中の安全保障の問題も、これは同一の軸の中で考える。こういう中で進めてきたところであります。
その意味では、同志という定義が私は、今おっしゃった派閥の定義とか、あるいは一緒に行動をする定義とか、そういうところではなく新しい同志の定義という形でこれまで進めてきました。もちろん大変推薦人を集めるには苦労はいたしましたけれども、ギリギリの中でありましたが、しかし確実にお1人お1人の思いをしっかりと託していただきつつ、一緒にチームとして活動する仲間、結束をしながら進めていく仲間ができたという風に思っております。さらに広げてまいりたいと思います。
4.1.6 加藤氏のアベノミクス評価と経済政策
記者:加藤さん、こうおっしゃってますね。私の中にはアベノミクスの精神が染み込んでいるんだと。そういう形で安倍晋三さんとの関係を強調されて、実際アベノミクスが岸田政権の元でこれ継続されていた。当然ながらそうしますのね、アベノミクスの影の部分、決して光の部分だけだったわけではない。その影の部分がいかなるものかってこともご認識されてるでしょう。
そうやって見ますと、この状況を1番よく知っておられる加藤さんが、じゃこういう課題がありますから私はこうやるんだということを示して欲しいんですね。そうするとかなり納得されると。そう思うんですがその点はいかがですか。
加藤氏:今課題とおっしゃいましたけれども、効果が現れていない部分もありました。特にアベノミクスで言えば金融、財政、成長戦略、これなかなか成長戦略進みませんでした。そして一番大事なのは国民の所得、賃金を上げていくってとこまで行きませんでした。
あの最初にスタートした時には日本は失業率が5%、有効求人倍率は1を下回る地域が色々ありました。その中で雇用が改善され、そして女性が働く、そして高齢者も働き続けていかれる。トータルとしての総雇用者報酬は増えてきましたが、しかし残念ながら1人あたりの賃金という意味においてはそこまで行きませんでした。
一方で企業は先ほど申し上げたように収益は上がってきた、内部留保も上がってきました。ですから私はその第2ステージとして、国民にしっかり還元する、国民の生活を豊かにする。この原点に立って今回国民所得の倍増ということを先ほど説明させていただきました。
またこれからもちろん金利が動く、物価が動く、賃金が動く、本来の経済の姿に持ってくることにしたわけでありますから、そういった意味においては物価、これは先に上がってしまいましたから物価対策をどうしていくのか。それからこれから金利をいわば正常化していくプロセス、これも当然問われていきます。そこは金利はやはり動くものであるべきだと私は思いますが、しかし足元の経済、これはしっかり見ながら慎重にやっていきたいと思います。
4.1.7 河野氏の突破力と調整能力
記者:河野さんにお伺いします。突破力があるっていうことは、これ自他ともに認めるところでありましょう。ただこの後の質問に出ますその保険証の一本化することを唐突に表明されたり、それから防衛大臣時代のイージス・アショアの問題で、これはその配備の中止をアメリカとは全く調整しないまま打ち出したりと。ということでこれに対していろんな意見があります。
脳も突破力があるっていうばかりに、悪い言い方をすると自分を過信することや、あまり異なる意見に耳を傾けないという、そういう感じがあるんではないかというふうに思われている。このことについてどうお考えですか。
河野氏:例えばイージス・アショアについては、これは演習場に確実にブースターを落としますということをもう私の前の防衛大臣から100%それは保証しますということを地域の皆様にずっと約束をし続けて、その前提でアメリカと開発の話し合いをしてまいりました。ところがアメリカ側からそれをやるにはミサイルの開発と同額、しかもあと10年ぐらいの時間がかかるという返事が来たものですから、これは安倍総理とご相談をして、これはできないということで配備中止をしようということになりました。
この件については、これまでも様々な情報がリークされて、当該県の知事がメディアから話を聞くというようなことがありましたから、今回配備を中止するというような大きなことがリークされて知事の耳に入るということになってはいけないということで、これは内部の事前説明をせず私が記者会見をやって発表しますという安倍総理とお話をして、そういうことにさせていただきました。
そのでメディアの方が内幕を知らずにいろんなことを言われているのは、かなり事実誤認のところがあると思っております。
マイナンバー保険証についても、これはあの当時の厚労大臣、総務大臣あるいは官房長官と調整をして最終的に総理のご了解をいただいて、こういう風にやっていこうということにしたわけでございますから、私が何か我を通すというよりは、この一番批判を浴びやすいところを私が記者会見などで受け持ってお話を申し上げてきたというのが正しいことだと思います。
4.1.8 石破氏の世論と党内支持のギャップ
記者:石破さんにお伺いします。世論調査では常にトップで1位なんですね。ところが国会議員票がむしろ減っていくと。これについては石破さんご自身もお認めになってると思うんですけども。問題はそうするとこれはま安倍さんが大統領は国民によって倒される、総理大臣は与党内で倒される、こう言ってますけども、一番の懸念はそこはやっぱり自民党をきちんと抑えてないと、それ総理としても務まらないでしょうっていうこの見方に対してはどういかがですか。
石破氏:それはなお努力をしていかなければならないということだと思っています。いろんなご批判をいただくのはありがたいことで、そこをどうやって己れを正していくかということは常々心がけてまいりたいと思っております。
顔が怖いとか、これはどうしようもないのでありますが、そこもなるべく笑顔が必要だよねと言われるので心がけておるところでありますが、ここはこうやはりこうもう少し人に対する思いやり持ったらいいんじゃないの、その一言が人の心を傷つけることがあるんだよということは、このたびもよくご指摘をいただきました。
足らざるところは直していかねばなりませんし、独尊的なところはあるのだと思っております。お前自分だけ正しいと思うなよというようなお叱り、昔あの竹下登先生に石破お前は自分の言うことが正しいと思っているんだろうと。はいと。よく聞けと。正しいことを言う時は人を傷つけるということを忘れるなということを竹下登先生から教わったことがありますが、その辺りまだまだ修行は足りなくて直していかねばならないところたくさんありますし、不快な思いをされた方にはこれからお詫びを申し上げる次第でございます。
4.1.9 茂木氏の政治とカネの問題への対応
記者:茂木さんにお伺いします。もうこれはね耳にたこができるほど言われてきてると思うんですけども、岸田さんが撤退せざるを得なかったのが政治とカネの問題が直接的にありますし、しかしその責任の一端どころじゃなくて大いなる責任が幹事長である茂木さんにあると。これについて支えきれなかったとの指摘があるなら謙虚に受け止めたいという風におっしゃってますよね。
普通に考えると謙虚に受け止めるなら出馬を控えるのが人の道ではないのかという具に思っちゃうんですね。この人の道論に対してどういう具合にこれ反応されますか。それが1つ。
それからこのたびの防衛増税について自分も決定に加わったのに、それと全然違うことをおっしゃるっていうのは、これはまたそれ人の道といっちゃなんですけどそれに外れるんではないかという風に指摘がある。これについてはいかがですか。
茂木氏:官房長官としてですね、岸田政権自分なりにはできるだけ支えてきたつもりであります。選挙では勝利をする。また統一協会の問題難しかったですが、どうにか法案を成立させることができました。残念ながら政治とカネの問題については、国民皆様から納得の行く評価をいただいていない。これについてはさらなる改革をしっかり進めていく責任があるな、こんな風に考えております。
また防衛費の問題でありますが、防衛力を増強していく、このことについては政権の方針を引き継ぎたいと思っております。一方国民の間には、また負担が増えるということに対する不安というのは広がってるのは間違いないと思います。そして決定をしてから1年半以上が経ちました。この間に日本経済間違いなく改善をしてきてます。
そして成長戦略によって1%成長すれば2兆円の税収アップになります。さらには税外収入も相当まだ切り込むというか改善する部分があると思っておりまして、そういったことを通じて不安を解消しながら、これは消費の拡大にもつながると思います。それによって政策というものはしっかり前に進めていきたいと、こんな風に考えてます。
4.2 経済政策に関する質問
4.2.1 高市氏の積極財政と成長戦略
記者:高市さん、先ほど経済成長、あくまでもどこまでもということをおっしゃいました。いわゆる積極財政ですね。そのために危機管理、それから成長のために投資をするということなんですが、どのぐらいの規模感があるのかっていうのを是非教えていただきたいと思います。日本の成長率、今高々1%ぐらいですね。これを何%に引き上げれば高市さんは満足なのか。そのためにですね、今国家予算一般会計で110兆円です。これをどのくらいの規模で膨らませるつもりなのか。そしてデフレはいつ完全に脱却できるか。この3点お願いします。
高市氏:全てにおいてですね、数値目標を明らかにするということは、現時点では難しいです。ただ物価安定目標を掲げました。2%の物価安定目標を掲げました。大体諸外国見ても同じようなものだと思うんですけれども、今なんでこう物価が上がってるかと言いますとね、やはりもうエネルギーとか食料とか、そういったものが上がってる。要はコストプッシュ型の、インフレにもなってないですが、コストプッシュ型の物価上昇でこれはあんまりいいものではありません。
自然にこの需要が増えて、できたら供給を超えるような、この需要が出てきて、そしてまたそれが供給サイドに対して圧力となって、供給サイドも生産性をもっと上げなきゃ。こういう形ができてきて、皆さんの給料も上がる購買力も上がる。いい循環ができていく。こういう形を作りたいと私は考えております。
どれぐらいの規模感かというのは、おそらく財政赤字、これのご心配、債務が増えるということのご心配なんですけれども、私はこれはグロス債務だけで見るか、ネット資産と債務の両方で見るかの違いだと思っております。ネットで見ますとね、例えば政府保有資産、ここの利払収入というものも入ってくるわけでございますので、それほど私は今ネットで見るとG7で健全の方から2番目になんとかつけておりますので、そこはあまり心配をしていません。
ただし私が行う投資というのはスペンディングです。多くの方々のこの不安を払拭していくために、食料安全保障また資源エネルギー安全保障、そして国土強靭化サイバーセキュリティ対策の強化、そして健康医療安全保障。こういったものに絞ってまずは投資をしていくと。これは将来の方々にとっても贈り物になります。安全な国土であってそしていろんなリスクが最小化される。そういう姿を目指しております。
記者:一点、日銀がですね既に金利を2回引き上げております。物価安定目標まだ安定的に達成されてないんだってことですが、これ違和感があるということですか。
高市氏:ここで率直に、現職閣僚でもありますので申し上げにくいですけれども、はっきり言うと早いと思っております。まだですね私は金融緩和は続けるべき時であり、ここはもう少し我慢をして続けるべきであると思ってます。若い方々がお家を買いにくくなったりですね、それからやっぱりこの生産性を上げるための投資、これ企業が戸惑うとか、こういったことになってはいけないので金利に関しては、私はまだ金融緩和を続けるべきだと考えております。
しかしこの金融政策の正常化っていうのがですねどこかで遅れてしまうと結局インフレが高まる、それから円安進むということで国民生活に悪影響が出ないか不安があると思います。この点について、それから社会保障の改革ですね、これについてなんかどの候補もほとんどきちんとした負担の問題に触れてないんですが、高市さん負担の問題きちんと議論するということですか、そもそもしなくても大丈夫だってことですか。
高市氏:私はあくまでも経済成長をまず最優先にいたします。税率上げずとも税収が増えるその形を作るために最善の策を打っていくということでございます。
4.2.2 茂木氏の増税ゼロ政策の実現可能性
記者:茂木さんに伺います。増税ゼロとおっしゃいましたが、これはどのぐらいの時間軸を見ていらっしゃるんですか。
茂木氏:基本的には3年以内と、そんな風に考えております。1年目からできることもあると思っております。まず経済成長率ですけれど、来年は名目で2.5%から2%台の中盤は行くと思います。再来年以降はですねそれを上回る状態を作れると。3年以内にデフレから脱却できる、私はこんな風に考えているところであります。
そこの中でですね、先ほども若干申し上げましたけれど、1.5%の成長で税収は2兆円上がってきます。3月には今ですね外為特会だけでも185兆円お金が貯まっております。30兆円ぐらいは為替介入等々のために必要ですけれど、残りの150兆円、大半が今ですね米国債で運用されております。その一部だけでもですね違った運用を行うことによって数千億円単位の財源というのが出てくると思います。半年1年ぐらいの準備は必要かもしれませんけれど、必ずこの財源は出るとこんな風に思ってます。
そして大切なことはですね、一度決めたんだろうとこんな話はありますが。決めたんだから変えないというよりも状況が変わったら変える、国民のために何が必要なのかということを常に追求するのが私は政治の役割だとこんな風に考えてます。
記者:増税ゼロって言葉聞こえはいいんですけれども、非常にその自分の政権の人気がないということですと、ちょっとそれでは人気取りではないかという批判が出てくると思います。この点についてはいかがですか。
茂木氏:基本的にですね人気は私3年で終わると思っていません。もしできないんならそれぐらいの責任を取るとこういう覚悟で望むっていうことでありまして、それはですね増税をしないで、さらに成長できるような状態を作っていきたいと思います。
ただ社会保障の問題もあります。私やっぱり負担と給付のあり方見直していかなければいけない、こんな風に思っておりまして、ある程度余裕のある方には払っていただく、その分ですね若者で低所得の方であったり困ってる方に対する給付を充実する。こういうですねバランスの取り方というのは必要になってくると思います。
そういった過程においてですね社会保障費、これから自然増も出てくるでしょう。そうすると全てについてですね絶対に負担増なしでやれるということではありませんけど、少なくとも防衛増税の1兆円、それから子育て支援金の追加負担の1兆円、これについて必ず財源が出せる。こういう確信を持ってます。
4.2.3 河野氏の財政健全化策
記者:河野さん、財政健全化を重視するという風に言われています。危機に備えて財政を健全な姿に戻すということですけれども、そんなことしたら日本経済デフレに逆戻りするんじゃないかという批判があります。また党内でですね河野さんのようなことをおっしゃる方があまりいない少数派なんじゃないかと思いますが、総理になった時にそういうことが進められるのかどうか、それいかがですか。
河野氏:遅かれ早かれ金利が徐々に上がっていく中で、これだけの政府債務がありますから利払いが増えていきます。調子よく借金をしてどんどんお金を使ったからといって、経済が果たして成長をするんだろうか。あるいは補助金をもらって利益を出している企業経済というのは、これは正常な市場経済の企業と言えるんだろうか。我々はそこをもう少ししっかり見なければいけないという風に思います。
そろそろプライマリーバランスを均衡させますという話だけではなくて、財政収支をどうするんだという議論をしなければなりません。プライマリーバランスをほっとけば戻ってくる、均衡するんだという議論がありますが、あれは地方の黒字のおかげで均衡するわけでありますから、財政というのはもう少しシビアに見ていかなければいけない。
今、基金の事業だけでも200兆円になりましたが、中には効果をどう図るのか、どうやって図るのかも決まっていないようなものもあります。そこは予算事業の中で切れるところはたくさんあると思います。
4.2.4 小林氏の社会保障改革案
記者:小林さんに社会保障についてお伺いしたいと思います。若い世代の社会保険料の軽減ということ言われてます。大事なことだと思うんですけど問題は財源ですね。どこにあるんですか。結局のところですね、一定以上の所得とか資産のある高齢者からですね負担を求める。かなり抵抗が強いてことになると思うんですが、そういった覚悟がありますか。
小林氏:これまで今の制度をベースにですね、プラスなのかマイナスなのかということではなくて、より広い意味でのあらゆる選択肢を俎上に載せて、私はより広くこの社会保障制度というものを捉えるべきだと思ってます。なので総理に就任すれば社会保障改革会議というものを立ち上げて、そこに全ての選択肢を載せます。
例えばこのEBPM(証拠に基づく政策立案)、このデータを使ってですね、この医療資源の配置というものがより適正にできないのかということもできますし、あるいはそのDXを進めることで重複する検査や投薬、こうしたものも出てくると思います。あるいはその健康増進にインセンティブを与える、あるいは予防に力を入れる、そうしたことだって考えられます。
そしてこれは現行制度そのものの話ではないんですけれども、私がよくいろんな有権者の方たちに接して思うのは、例えば人工透析ですよね。これはご本人も家族の負担っていうものすごく大きい。財政的にも大きい。こうしたところに対しても例えば腎臓の臓器移植をどうやって進めていくかとか、そういうことも全て載せてですね考えていくものだと思っています。
4.2.5 上川氏の財政健全化と社会保障改革
記者:上川さん、社会保障改革の財政健全化っていうことをおっしゃってると思います。ゼロベースで色々再点検することですが、予算の最大項目社会保障です。その負担について給付と負担、負担についてもきちんと議論するということですか。
上川氏:この社会保障のあり方につきましては、日本の大変重要な年金改革を含めまして大変重要な課題でございます。持続可能になるためには給付と負担の関係の見直しということは極めて重要であると認識をしております。
今特に女性の問題ということで、この健康に対して大きな問題課題がございまして、それに対してしっかりと投資をすることによりまして、そしてさらにその活躍を推進していくということを通して、経済の面におきましても活躍をしていただく。こうした循環を掛け算型の政策、この面ではこれ全部縦割りの中で考えるのではなくて、トータルのところで考えていく必要があるのではないかと思います。
日本全体が全体に前に進んでいくための掛け算経済というところを含めて進めてまいりたいと思っております。
4.3 労働市場改革に関する質問
4.3.1 小泉氏の解雇規制見直し案
記者:小泉さん、解雇規制の見直しというのを出馬会見で言われて、来年法案を提出するとおっしゃいました。具体的には整理解雇の4要件、この4要件を満たさないと人員整理が認められないという状況を変えていくんだとおっしゃいました。非常に批判が特に野党とかですね労働界とかいろんなところから出ておりまして、ちょっと最近の発言はどちらかというと正規非正規の格差解消、それによってやっていくんだとそちらの方に重点を移すようにややこう発言の修正があるかなとこちらで見てるとそういう風に見えるんですね。
会場からもこの問題非常に関心が高くて質問が来てまして、結局小泉さんのおっしゃってるやり方だとその正規非正規の解消っていっても正規が非正規化する、さらに非正規化するだけじゃないかと。労働者よりも大企業優先するんじゃないかというご意見も来てます質問も来てます。お聞きしたいのはその整理解雇の4要件、これは判例が積み重なったものなのでこれ本当に見直せるかっていう疑問があるんですが、この見直しを本当にやるのかどうかが一点。それからその正規非正規の解消につなげていくってここの論理がもう1つ分からないんですが、どうしたら正規非正規の解消につながっていくのかここの説明をお願いします。
小泉氏:ありがとうございます。まずこれは私がずっと言っているのは、解雇規制の緩和ではなくて見直しです。この見直しはなぜやるのかと言えば、もしも今のままの労働市場の形を維持すると、大企業が特にこれだけ今世の中の変化が早いですから、業績が悪くなって一部の部門を例えばこれは整理解雇しなければいけないっていう時になった時に、100人整理解雇しますと。で今だと40人はその企業の中での配置転換です。しかしそこへの残りの60人どうしますかて言ったら今のままだとこれ解雇なんですよ。雇用保障ないんです。
私はそこにこれだけ今人手不足の時代で労働市場の形もだいぶ変わってきて多くの企業で成長分野に人が欲しい。この大きな環境変わってきた時には、縦割りで企業の中だけで配置転換だけでやって、それに合わない方々は全く守られないままを変えようてこと言ってるんです。ですから今の4要件の2つ目は解雇を回避する義務を履行してるかどうかですよね。でそこに対して今選択肢としてないのがリスキリングなんです。こういったことを企業にやってもらうことによって、1人1人働いてる方が今までだったらそのまま解雇されてしまったところを、リスキリング、リカレント教育、そして最終的転職支援、企業がその働く方に対して細やかな対応をしているかっていうことは私は図られる時代になっていくと思います。
そしてそのような環境が整っていけば正規と非正規の長年続いた格差、この収入格差賃金格差7割違いますから、ここに対してより正規の方を雇いやすい労働市場の環境になることによって、正規の方が正規として雇用されやすい社会を作っていきたいと思っています。
記者:小泉さん、その辺もよく考えておっしゃっておられるなと思うけれども、この4要件1つ1つ精査をしてみる、それを条文化するとどうなるかという作業、これは急がないとイメージが分かりません。そこは是非お願いしたいと思っております。
4.3.2 他候補の労働市場改革への見解
石破氏:4要件をどのように見直していくのかということが具体的になり、これは判例を法律化したものなので、それが本当に労働者の権利が守られるのかということはこれをきちんと確認をしていかなければなりません。それは経営者の給与のカットとか報酬の削減にいたような話です。そういうこともそうなんだけれども、じゃあ非正規のリストラとかそういうことも4要件の中に入ってるわけであって、それをどのようにして見直していくのかということが具体的になっていかないとどうもよくわからないというところがあります。
加藤氏:今の話を聞くと正規雇用の定義そのものを変えようとおっしゃってるわけではないということを認識いたしました。より多様な、多様な働き方ができる柔軟な働き方が必要なのは間違いありません。その上でこの多様な働き方、今整理解雇を前提とされましたけれども、まさにそこに至る前に本人が自発的に行く道を作っていく。そのために企業がリスキリングするとの支援をする。私はむしろそこを大事にしていくと。
4.4 外交・安全保障政策に関する質問
4.4.1 日米関係の強化策
記者:日米関係についてお伺いします。アメリカの大統領選挙がありまして、ハリス氏かトランプ氏かどちらが勝つか分かりませんが、どちらが勝っても内向きの思考は変わらないだろうということで、今典型的な例としてUSスティールの日本製鉄がUSスティールを買収するという計画が止まりそうだという話になっています。安全保障上のリスクだということなんですけれども、日本は同盟国です。そこで安全保障上のリスクと言われるというのはどうなのかということがあります。経済安保大臣でもある高市さん、この点についてどう考えですか。中国のような懸念国と同盟国が一緒に扱われているじゃないかという印象を持つんですが、いかがでしょう。
高市氏:これですね、CFIUSを使ってこれを経済安全保障上の問題と捉えようとしている部分がございますけれども、ただこれは日米同盟国であって、そしてまたその鉄鋼業界ですね、ここの体力をしっかりと力を合わせて強めていく、これが本来の目的でございますので、今大統領選挙の争点にはなってるかもしれませんけれども、私も複数のアメリカ関係者と意見交換をいたしましたけれども、やっぱり鉄鋼大事だよね、鉄大事だよねと。これを守っていかなきゃいけないよねと。あのちょっとその懸念国と言われるようなところに持っていかれるよりは、やっぱり日米で力を合わせて強くしていかなきゃいけないよね。こういう本音もたくさん聞いております。
記者:小泉さん、最後はトップ外交だとさっきおっしゃいました。このUSスティールの問題に関わらず、もっと毅然と対応しなきゃいけないっていう局面があると思います。小泉さん総理になったら大統領にどういう風にこういう時に言いますか。
小泉氏:まずこのUSスティールの問題については、今高市さんがお話をされた通りですね。鉄鋼の問題で日米が対立をするのではなくて、日米が共に向き合っていかなきゃいけない課題です。それはなぜかと言うと、世界的にこの鉄鋼の問題は中国によるダンピングなんです。しかもこれからの時代、鉄というのは再生可能エネルギーやクリーンなエネルギーによって作られた水素還元製鉄もそうです。この新たな価値が世界の市場で評価をされる世界の中で戦う時に、中国が安くて再生可能エネルギーなどクリーンなエネルギーではない形で生産をした鉄が世界に出回った場合、誰が一番悪影響を受けるのか。それは公正な市場で勝負をしている我々民主主義国です。
こういったところでしっかりと丁寧に説明をしていくこと、そして今の時代我々も選挙やってますけどアメリカも選挙やってますから、選挙の最中に1つ1ついろんなことが考えられたと思いますので、そこに過剰に反応するということは私は外交的なセンスがむしろ疑われると思ってます。
4.4.2 対中国政策
記者:小林さん、日中関係伺います。今日中間には非常にま外交安全保障大きなあの課題が案あの懸案がたくさんありますえ。例えば原発処理水の問題、あと先日はま中国軍の領空審判事案もありました。こういう外交安全保障上の問題について日中関係えどういう風にマネージメントしていきますか。
小林氏:まず重要なことは、この中国のこの出方に対して日本が受け身に行動するようなことではなくて、日本自身として中国に対してどう向き合っていくかという戦略を日本自身としてしっかり持つべきだと思ってます。その上で安全保障と経済については分けて考えるべきだと思ってます。
安保については見たくない現実を直視する勇気が必要だと思っています。つまりこの今南海東中で行われている力による一方的な現状変更の試み、あるいは中露連携の中で中国がこう軍事的に相当プレゼンス、この軍事力を高めている、あるいは経済的圧のようなこともやってくる。そういう状況の中で、まず日本自身の防衛力を抜本的に強化をすること、日米同盟の強化によって抑止力を強化すること、そして韓国フィリピンオーストラリアといった同士国との連携を強化しよう。こういうことで対処していくべきだと思います。
経済についてはやはりこの望ましい状況に対話を通じて、上げていくということが重要だと思ってまして、いわゆる戦略的語計関係、あるいは安定的かつ建設的なこの関係の構築ということで、いかにその経済安全保障上のポイントもしっかりと抑えつつですね、中国というそのある意味国力を日本の国益にいかに戦略的に活用していくかという視点で付き合っていくことが大切だと思っています。
記者:林さん、日中有効議連の会長も務められたりして親中派として知られてます。一部ある批判には中国に対して非常に強行な態度に出にくいんではないかと。林さん非常に中国のことよく知ってらっしゃり中国の友人も多いということです。そういう懸念、逆にその強い態度毅然とした態度を取れないじゃないかっていう批判もあることことについてどういう風にお答えになりますか。
林氏:私はあの知中派だという風に自ら思っておりまして、己れを知り相手を知れば百戦危うからずというようにですね、どこを押せばいいのか、どこを押せばま交渉が優位に進められるのかということをですね少しは分かっているつもりでございます。そうしたことを活用しながら中国は習近平1期目までとですね、それ以降っていうのは少し変わりつつある。これは政府としてではなくて私個人としての見解でありますけれども、そういった鄧小平、江沢民路線からのですね、この逸脱というものが既定路線になってくる中で、この国とどういう風に付き合っていくのかということをしっかり考えなければいけないと思っております。
そして地方に行くと中国に例えば和牛を輸出してほしい、米を輸出してほしいとこういう声をこないだも聞きました。質権総局というところはこれをやっていてということをですねしっかり踏まえて、言うべきことは言って日本の国益を実現していく。外務大臣の時代を見ていただいても1度も向こうにですね仲がいいから譲ったということはないということだけは申して申し上げておきたいと思います。
記者:小泉さんにも日中関係をお聞きします。小泉さんどっちかというとアメリカのイメージがすごく強いんですが、中国の訪問のご経験っていうのはございますか。過去どうでしょう。
小泉氏:台湾は多くありますね。自民党青年局長の時に自民党青年局は基本的に台湾との窓口をやってましたから。中国には当時私の父が総理の年から務めていて、その時に靖国に参拝といったことで大変なこともありました。そういった後になかなかですね行くリスクが高いと、これは何を言わんとしてるかはジャーナリストの皆さんだから分かると思いますが、そういったリスクをいろんなことを考めた時に、あまりそのリスクを取ることは懸命ではないだろうと。そういった形で私は台湾には行ったことあります。中国にはありません。
記者:そういう小泉さんが総理になられた場合、日中関係をどういう風にこう組み立てていくのか。今岸田政権はもう1回戦略的互恵関係ということで規定し直してますけれども、小泉さんならではの日中関係の目指す姿ってのはどういうことになるでしょう。
小泉氏:これは外交の基本軸として日本にとって日米同盟をしっかりと強化をしていく。この日米の同盟関係が強固にできない総理に他の国との良好な外交は私は打開も大きく展開もできないと思います。そして中国に対しては今、集団指導体制から1人独裁になりつつあります。最終的にいかにトップ同士が話すか、これができない限り様々な懸案事項に大きな展開や前向きな打開はないと思います。
そういったことを踏まえて私としては総理になった暁には、これは北朝鮮の問題についても言えますけども、やはり最終的にはトップです。その北朝鮮について一言触れさせていただくと、やはり拉致問題この解決に向けては私が総理になったら同世代同士のトップになりますから、父親同士が会っていますからそういった歴史の中で関係を築いたことの礎の上にですね、今までのアプローチにとらわれない前提条件をつけない同世代同士新たな対話の機会を模索したい。そういったトップの動く外交によって今まで切り開けなかった新たな展開を切り開いていきたいと思ってます。
記者:河野さんにも日中関係をお聞きします。河野流で日中関係、中国に対する外交の要点は何でしょうか。
河野氏:もちろん日中関係というのは大事ですが、日中でどうするかというものはやはり同志国民主主義の国々としっかりと共同戦線を持って、共同戦略を持っていかに中国のこの過剰生産の問題に当たるのか、あるいはこの中国の覇権主義その他の問題に当たるのか。この民主主義の国々でしっかりと同じ戦略を持って当たっていくということがこの中国に対しての力になっていくんだと思います。そこが崩れてしまうと付け込まれるということにもなってくる。だからそこはまず日中をどうするかという前に同志国でどうするか。
それから日本の場合にはさらにグローバルサウスと一緒になって、この中国とここは共同戦線というわけにはいきませんけども、それぞれの国が実際に何を課題としているのか、どこを取りたいと思っているのかということを日本とそういう国々との間でしっかりと理解をしておくことで、そういう国々と裏で共同戦線を張っていく。そういうことが大事なのではないかと思います。
4.4.3 北朝鮮問題への対応
記者:上川さん、外務大臣として岸田政権の元で色々日朝の接触を図ってらしたと思いますが、なかなかうまく行かなかったという風にお見受けします。この原因は何でしょうか。そして上川さんが総理大臣になられたら日朝関係どういう風にやっていくおつもりでしょうか。
上川氏:北朝鮮でありますが、今年に入りまして計7回、この少なくとも10発以上の弾道ミサイルを発射しているという極めてこの安全保障環境に脅威を与える行動をしているところであります。これに対して特に北朝鮮とロシアの関係、極めて安全保障的な繋がりを深めているということでありまして、それはウクライナ情勢との関連性も含めて深刻な状況にあるとこうした認識をしております。
拉致の問題、これにつきましては岸田総理非常に強くこの問題についての解決を打ち出しておりまして、これについては首脳のトップ外交としての役割を果たされていきたいとこうおっしゃって、それをしっかりと支えてまいりました。このことについては就任になっても同じような方向性の中でしっかりと対応しながら進めてまいりたいと考えております。
記者:加藤さんにも北朝鮮お聞きします。拉致問題担当もやられてて非常に熱心に取り組まれたと認識してます。日朝関係を中心として北朝鮮への対応をどういう風に考えてらっしゃいますか。
加藤氏:まずは残念ながら5人が帰ってこられたが、1人の拉致被害者の帰国も実現できていない。この現実これを率直に受け止め、そしてご家族の方も既に多くの方が亡くなられて時間がない、これもすべての方が認識をしてると思います。その上で安倍総理以来、日朝首脳会談で答えを出す、そしてそれを実現をしていく。この方針でずっとやってきたわけであります。
ただ日朝関係だけでことが動くわけではありません。過去見てもアメリカとの関係等、いろんな動きの中で決まっていく。ですからそのタイミングっていうものをしっかり見極めなきゃいけない。しかしそのタイミングの時にしっかりと話ができる、そう持っていける、そういう関係を国交がない間ではありますけれども、しっかり作っていくって努力を引き続き重ねていくことが大事だと思います。
4.5 社会制度改革に関する質問
4.5.1 選択的夫婦別姓制度の導入
記者:小泉さん、総理総裁になればですね選択的夫婦別姓のための法案、民法の改正とことあると思いますけれども、これを国会へ提出するということを明言されています。これ当然内閣提出案ですが、閣議決定が必要になります。ということはですね、選択的夫婦別姓制度に反対の方は小泉内閣当初はですね、初速当初のこの小泉内閣には入らない気がしないということなんでしょうか。
小泉氏:人事について言及するのはまだ早すぎると思います。まず選択的夫婦別姓については私がずっと申し上げてる通りで、長年議論ばかりを続け答えを出していない課題に決着をつけるといった、その1つの象徴だと思います。もう議論を続けて30年です。そして法制審も答申をすでに出しています。そういった中で今この選択的夫婦別姓は選択的という言葉がそのままの通り、今のまま同姓を選び続けたい方にはその選択肢は守られ続けます。そして少数であったとしても私は別姓を選択をしたいという方にその選択肢を用意すること。それがダメなんでしょうか。
国民の皆さんに私はそのことも含めて私の改革プランをお諮りをしたい、聞いてみたい。その思いが私が早期解散だと言ってるのはそこも含めての話です。ただそこまで具体的にですね法案を提出するとおっしゃるのであれば、当然その陣立てについても当然頭の中に入っているということですよね。
政治家というのはですね1つの政策で立場が異なっても全体的に協力関係が築けるという関係性もあるんです。なので1つの政策だけに目を投じるわけではなく、様々な今までの人間関係、そして自分に足りないもの、時にはそういったものが生かされると思います。例えば私が先ほど中国に行ったことがないという話がありました。隣には中国に詳しい方もいます。そういったことも含めて自分だけで全部をやる、そんな内閣総理大臣はいません。自分にないもの、自分以外の発想がある方、そういった方とチーム自民党、チームとしての内閣、こういった最高のチームを作り上げていきたいと思います。
記者:小林さんにお尋ねします。同じくですが、経団連などですねアンケートによるとやはりその海外でですね女性が活躍する際に今の制度ではなかなかですね不便が多いというアンケート結果もあります。経済成長おっしゃるのであればこの選択的夫婦別姓の導入というのは経済成長女性活躍とも整合的だと思うんですけれども、どうして反対なんですか。
小林氏:私は慎重であるべきだと申し上げてます。こうした社会の根幹をなす制度というのは、単にその経済成長というところだけで語るべきものではないと思うんですね。もっと本質的に語るべきものだと思います。私は今こうしたニーズがその改正による改正によって不便を感じておられる、そのニーズというのは認識してますし、それは早急に解消すべきだと思うんです。
その現実的かつスピーディなアプローチとしては通称の使用というものが最も現実的だと思いますし、そこは令和4年に内閣府がやったアンケート調査によってもその同姓を維持すべき方とここは1番大きな塊なんですけど、同姓を維持しつつその通称使用を法制化するという方、これが4割ぐらいいらっしゃいます。そこを合わせると7割いらっしゃるんですね。そういうまだ社会のコンセンサス、世論がこうあのまだそのコンセンサスが形成されてない中でですね、私は早急にバンと決断するということは政治のあり方として適切ではないという風に思っています。
プラス重要なのはその大人の選択の権利を認めるにしても、そこで生まれてくる子供たちの視点というものを私たち政治家は無視してはいけないと思っています。その家族その兄弟姉妹の中で姓が異なりうる過程というのが出てくる可能性がある以上、そうした子供たちの視点にも立って、慎重にコンセンサスを丁寧に粘り強く作っていくのが政治の本質だと私は考えます。
記者:上川さんのお尋ねします。かつてですね私も選択的夫婦別姓制度については賛成で、そのために議員として活動してきましたという風に雑誌のインタビューで答えられています。先ほどですね女性平和安全保障に関する行動計画WPSですね、これについて上川さん外務大臣として大変熱心に取り組まれると聞いてますが、なぜその上川さんがですねせっかくの総裁選の機会にこの推進ということを訴えられないのか。そこをお尋ねします。
上川氏:私は個人的には賛成という立場でございます。当時の私自身もですね結婚をし姓を変えて、通称を使用しておりません。姓を変えました。その時の私自身のアイデンティティというか半分削がれたような思いがいたしました。そういう立場に立って、そして今賛成反対ということでありますが、私は賛成の立場をこれまでも貫いてきましたけれども、社会が深い分断に陥る危険性リスク、このことについては私はしっかりと納得をしていくプロセス、これをさらに深めていく必要があるのではないか。これが今の私の思いであります。
こういった1つの事柄で社会全体が分断をしてしまうような案件を、賛成反対さらには分断をしてしまうのではないかという状態を残したまま決定してしまうということは、日本の国のある意味ではこの力を注ぐことにも繋がりかねない。こういうことにつきましては時間をしっかりとかけながら、政府の中で検討会などもしっかりとしながら進めていく、そうした態度が方針が必要ではないかと思っております。
はい、誤字を修正して記述し直します。以下が修正版です:
4.5.2 マイナンバーカード・保険証問題
記者:マイナンバー保険証について先ほどもありましたけれども、紙やプラスチックの健康保険証の新規発行が12月2日に終わるということで、マイナ保険証を基本にする仕組みに移行するということです。これ、岸田さんが納得の上でスムーズに移行できるよう必要な検討をしたいということをおっしゃいました。移行の時期を見直すことかなという、見直す余地があるということかと思うんですけども、これ一体何をして欲しいということですか。
岸田氏:1つ、いろんな声を聞くのは廃止という言葉でお伝えをしていたんですが、実際はそこから新しい切り替えがなくなるということなんですね。そうすると今の保険証は12月3日以降も次の期限が来るまでは使える。さらには期限が来ると希望すれば資格確認書というのが出る。これも聞くところによると今の保険証とほぼ同じようなものがある。ですから私は廃止と言わずに、まず新規発行がそこからなくなりますということを丁寧に説明するだけでかなりの不安は解消するんではないかという風に思っております。
さらにはマイナ運転免許証というものも始まるという風に承知しておりますが、これは完全な選択制になっています。ここのバランスをどう考えるのか。さらにはiPhoneにマイナンバーカードが入ってくるとこういう風に承知をしておりますが、じゃあここに入ったものについての手当てはどうするのか。こういうことも出てきますので、分かりやすい説明をして現場でこの混乱が起きないようにする。マイナカードにしていくというデジタル化について私は賛成でありますが、それだからこそインフォームドコンセント、納得の上で選んで欲しいと思っております。
記者:皆さんにお願いですが1分間守っていただきたいです。時間が厳しくなっております。加藤さん、この日程の見直しという議論が出ていますが、いかがですか。
加藤氏:まず医療DXとか病院DX、これしっかり進めないと日本の医療は立ち行かない、私はコロナを経験してそう思いました。その1つの入り口が今回のマイナ保険証です。ただ今マイナ保険証、使い勝手確かに悪いんです。その先がDX化されてないから。逆にそれをしっかり進めることによってこのマイナ保険証をしっかり活用していく。それからすでにこれ、廃止という言葉がやや重たいという感じはしなくもないというのは、引き続き先ほどあったように使えるということ。それから紙の保険証がない人には資格確認書がほぼ保険証と同じ機能を持ちます。それからマイナ保険証を交付される方に対してもその方がちゃんと保険に入っていますよという通知書が送られます。この通知書がいわば保険証的に使えるという説明を厚労省がしているわけでありますから、やはりそういう説明をきちんとして、それぞれ皆さんの不安がない形で、しかしやるべきことはしっかり進み、やはり効率を、そして引いては国民にとってプラスの医療改革につなげていかなければならないです。
記者:河野さん、この問題で批判を一身に引き受けたということなんですけども、やはり河野さんが、年末調整を全ての納税者がやめて全ての納税者が確定申告した方がいいというようなことを言われて皆さん戸惑いが広がるというところがありまして、河野さんがやはりどうもちょっと進め方が乱暴すぎるんじゃないかという印象が持たれているかと思いますが、この辺りについていかがでしょう。
河野氏:私はこのパンデミックで10万円の給付を全員にするしかできなかったように、今政府にはこの所得情報をリアルタイムに取る術がありません。ですからデジタルセーフティネットを築いて政府が本当に困っている人を政府側が見つけてプッシュ型で支援が出せるようにしようということを申し上げました。そうすると、その副次的な効果で所得のデジタルデータ、保険料還付徴収のデジタルデータが一箇所に集まってきて、それを税務署がe-Taxに入れれば全ての人が自分の数字を確認してボタンを押すだけで確定申告ができるようになります。そうすれば年末調整もいらなくなりますということを申し上げましたけども、そこだけを切り取って年末調整廃止という見出しを出したメディアがありました。そこは何が本筋なのかということをきちんとやはり報道していただかないと、世の中の議論というのはできないんではないでしょうか。そこはしっかりと報道していただきたいと思います。
4.6 衆議院解散・総選挙に関する質問
4.6.1 小泉氏の早期解散論
記者:小泉さんから聞かざるを得ないでしょう。お自分だけが早期解散を言ってるんだとこう言ってますからね。聞かざるを得ませんけども、しかし何を基準に国民は選んだらいいのかと。せめて党内の論戦があって、それによってああそうか新しい総理大臣っていうのはそういう態度でこういう態度でこれは国政を運営しようとしてるんだなと。それを分からずしてただもう選べと言ったってそれは無茶な話ではないのかと。
これについてはどうでしょう。先ほどもあまりはっきりしませんでしたね、いつやるかについては。ちゃんと予算委員会やってからやるのか、そうじゃなくていきなりやるのか。そのことについては意識的に触れないような感じがしてたんですけども、いかがですか。これは橋本さんみたいなベテランの方だったらお若いで今聞いてるんだと思いますけど、それは何月何日とは言わないですよね。
小泉氏:それは言いませんよ。だって早期って言ってるでしょ。できる限り早期にと言ってます。今まるで27日に総裁選が終わってその日に解散するかのような印象で、橋本さんもしくは一部の方々は言ってるかもしれませんが、それはできないんです。なぜなら、その後に首班指名を受けて...そんなこと分かってます。はい。ですから印象として間髪入れずって思われてる方は、いや、まずそれはできないんですと。
ただし、内閣総理大臣に指名をされた暁にできるだけ早期に解散をするというのは、判断材料がないじゃないかというのは全く当たりません。史上最長の総裁選です。そして選ばれた首班指名を受けた時に、それまでの主張とガラっと変えて選挙打つなんて人いますか。そして立憲民主党代表選ですよ。まるで早期解散を何逃げてんだってことを言ってる方がいますけど、野党が政権交代をしたいんだったら早く解散しろっていうのは当たり前じゃないですか。
これはね、総裁選にしろそれみんないいことしか言わないですよ。見てるとそのいいことしか言わないのを比較せよってどうするんですか。今度は総理大臣になって何をするかってことをやるわけですから、それとは全然総裁選とは違いますよ。これ我々全員総理大臣になったら何をするかを話してんです。総裁になったらっていう範囲内で語ってる方誰もいないですよ。もうすでに総理大臣になったら何をやりたいかを話してるんです。
それを選ばれた方がこの9人の中で誰か、そしていつ解散をするかは私以外の方は分かりません。ただ私だったらできるだけ早期に解散をするというのは改革プランは明確に話しています。その上で政治と金の問題があって早く国民の皆さんに信を問うたことを以て政権運営をしなければどんな政策だって前に進まない。そういった判断と考え方は私はご理解いただけるのではないかなという風に思います。
はい、誤字を修正して記述し直します。以下が修正版です:
4.6.2 他候補の解散時期に関する見解
記者:まあ一応分かりました。それに対して石破さんどうですか。
石破氏:私は国民の判断というのは本当に厳粛に受けなければいけないと思っています。そうすると国民の皆様方が判断していただける材料を提供するのはそれは政府の責任であり新しい総理の責任だと思っています。私も随分議員もやっていますし閣僚も随分やりましたが、本会議というのはもう基本一方通行です。問われたことにこっちが答える。なかなかやり取りというのはないですね。やはり本当のやり取りというのは予算委員会だと思っています。
そうすると1日ずつやるのかはともかくとして、国民の皆様方がご判断いただける材料を提供するというのは、やはり政府の責任だ与党の責任だと私は思います。同時になってもいないものはこのことについて言及すべきではありませんが、衆議院議員がこの国からいなくなるんですよ。解散というのは。それがどういうことなのかというのはよく認識した方がいいです。そして世界情勢がどうなるかわからないのにすぐ解散しますという言い方私はしません。解散していい状況が整うかどうかということを判断するということであって、私は国民に対する畏れというのは常に持っていきたいと思っています。
5. 討論会の総括
5.1 各候補の主張の要点
本討論会では、自由民主党総裁選挙に立候補した9名の候補者がそれぞれの政策や見解を表明しました。各候補の主張の要点は以下の通りです。
高市早苗氏は、経済成長を最重要課題として掲げ、積極的な財政政策を通じて国力の強化を図ることを主張しました。具体的には、食料安全保障、資源エネルギー安全保障、国土強靭化、サイバーセキュリティ対策の強化、健康医療安全保障などへの投資を重視する姿勢を示しました。
小林鷹之氏は、国力向上を主要政策として掲げ、経済と安全保障、イノベーション、教育の4つの力をバランスよく高めることで、世界をリードする日本を作ることを主張しました。社会保障改革については、通称使用の法制化など現実的なアプローチを提案しました。
林芳正氏は、実感できる経済再生を目指し、アベノミクスの成果を踏まえつつ、中間層や中小企業、小規模事業者、農林水産業への配慮を強調しました。防災省構想については慎重な姿勢を示しました。
小泉進次郎氏は、政治改革を最重要課題として掲げ、政策活動費の廃止や選択的夫婦別姓制度の導入など、具体的な改革案を提示しました。また、早期の衆議院解散・総選挙を主張し、国民の信を問う必要性を強調しました。
上川陽子氏は、「誰一人取り残さない」政策を掲げ、女性の視点を重視した外交や社会保障改革を主張しました。選択的夫婦別姓制度については個人的には賛成だが、社会の分断を避けるため慎重な検討が必要だとの立場を示しました。
加藤勝信氏は、国民所得倍増計画を掲げ、アベノミクスの成果を踏まえつつ、賃上げや経済成長を通じた国民生活の向上を目指す姿勢を示しました。労働市場改革については、多様な働き方の実現を重視する立場を表明しました。
河野太郎氏は、改革推進政策を掲げ、デジタル化やマイナンバー制度の活用による行政の効率化を主張しました。財政健全化の必要性も強調し、補助金依存からの脱却を訴えました。
石破茂氏は、「全ての人に安心と安全を」を政策の柱とし、災害対策や社会保障制度の持続可能性などに言及しました。解散・総選挙については慎重な姿勢を示し、国民への十分な説明の必要性を強調しました。
茂木敏充氏は、増税ゼロ政策を掲げ、経済成長による税収増や特別会計の活用などを通じて財源を確保する方針を示しました。政治とカネの問題については、さらなる改革の必要性を認めつつ、政策活動費の廃止を主張しました。
5.2 討論会で浮き彫りになった主要争点
本討論会を通じて、いくつかの主要な争点が浮き彫りとなりました。
- 経済政策:各候補が経済成長の重要性を訴える中、積極財政を主張する高市氏や増税ゼロを掲げる茂木氏と、財政健全化を重視する河野氏との間で見解の相違が見られました。
- 政治とカネの問題:政策活動費の扱いや政治資金規制法改正について、小泉氏や茂木氏が廃止を主張する一方、他の候補者からは慎重な意見も出されました。
- 社会制度改革:選択的夫婦別姓制度の導入について、小泉氏が積極的な姿勢を示す一方、小林氏や上川氏からは慎重論が出されるなど、意見の相違が見られました。
- 労働市場改革:小泉氏が解雇規制の見直しを主張する一方、他の候補者からは慎重な意見が出され、議論が交わされました。
- 外交・安全保障政策:日米関係の強化や対中国政策、北朝鮮問題への対応など、各候補が自身の経験や見解を基に主張を展開しました。
- 衆議院解散・総選挙:小泉氏が早期解散を主張する一方、石破氏をはじめとする他の候補者からは慎重論が出され、意見の対立が見られました。
6. 討論会における主要政策の比較表
候補者 | 経済政策 | 政治改革 | 社会制度改革 | 外交・安全保障 | 解散・総選挙 |
高市早苗 | 積極財政、経済成長重視 | - | - | - | - |
小林鷹之 | 国力向上、4分野バランス | - | 通称使用法制化 | - | - |
林芳正 | 実感できる経済再生 | - | - | - | 慎重姿勢 |
小泉進次郎 | - | 政策活動費廃止 | 選択的夫婦別姓導入 | - | 早期解散主張 |
上川陽子 | - | - | 選択的夫婦別姓慎重 | 女性視点重視 | - |
加藤勝信 | 国民所得倍増計画 | - | - | - | - |
河野太郎 | 財政健全化、行政効率化 | - | - | - | - |
石破茂 | - | - | - | - | 慎重姿勢 |
茂木敏充 | 増税ゼロ政策 | 政策活動費廃止 | - | - | - |
注: 「-」は討論会で言及していない項目を示します。
政治改革