※本稿は、加藤勝信元官房長官の自由民主党総裁選挙への出馬表明会見の内容を要約したものです。
1. はじめに
1.1 出馬表明
皆さん、おはようございます。私、加藤勝信から皆さんにご報告したいことがございます。私は今回の自由民主党総裁選挙に立候補いたします。
1.2 感謝の言葉
まず、多くの課題に取り組んでこられた岸田総理、岸田内閣を支えてこられた皆さんに心から感謝を申し上げたいと思います。そして今ここに立たせていただいている私に、未来をかけてくださった、推薦をしていただいた議員の皆さん方、そして私の21年間の議員生活を支えてくださってきた多くの皆さん方に心から感謝を申し上げます。
2. 政策ビジョン「日本総活躍プラン」
私が今回の総裁選挙でお訴えしたい政策目標であり、スローガンは「競争、新しい日本、日本の強みを呼び覚ます、1人1人の思いを形に、日本総活躍プラン」です。
2.1 競争と新しい日本
私が考える競争とは、それぞれの価値観や個性を認め合い、協力し、新しい力を生み出し、そして課題を問題を解決する仕組みであります。これは和の国である日本の強みにもつながることであります。改革を押し進めるのは当然ですし、同時に私はこの競争という価値観を大切に、改革を断固として政策を進めていきたいと考えています。
2.2 日本の強みを呼び覚ます
日本には多くの強みがありますが、残念ながら、その強みが本当に十分に生かされているのか、私は疑問を感じています。そこで、日本総活躍プランを通じて、日本の強みを最大限に引き出し、活用していきたいと考えています。
2.3 1人1人の思いを形に
日本総活躍プランの核心は、1人1人の思いを形にすることです。これは、すべての国民が自分の能力を最大限に発揮し、社会に貢献できる環境を整えることを意味します。
このように、日本総活躍プランは、競争と協調のバランスを取りながら、日本の強みを最大限に引き出し、1人1人の思いを形にすることで、新しい日本を創造することを目指しています。この政策ビジョンの実現に向けて、私は全力で取り組む所存です。
正しくお伝えするために、時として原稿を使いながら読ませて説明をさせていただきたいと思います。党の改革の公約、競争につながる党改革、政治と金問題へのけじめと透明性の向上、政権公約は、目指すべき世界から信頼される国、全ての人が幸せを感じ安心して活躍できる社会、そして私が最も重要だと考えている最優先で押し進めたいことは国民の所得であります。これ以上に重要な政策はありません。
3. 党改革と政治信頼回復への取り組み
3.1 政治と金銭問題へのけじめと透明性向上
まず申し上げたいことは、私はみんなで作った法律やルール、そして決定したこと、これはしっかり尊重していきたいというのが私の基本的な立場であります。今回の問題については、すでに検察の捜査が入り結論が出ています。また、自由民主党においても有識者を交えた党紀委員会が開かれて、すでに処分が決定をされています。
しかし、国民の皆さんからは納得できないという強い批判を頂いております。私はその怒りをよく分かります。
また今般の不記載問題について、これは派閥である各議員における違法行為ではありますが、こうした違反を是正するチェックをする体制を自民党が持っていなかったこれは自民党の責任だと思っています。まず党として不相当額について国庫に返還する手続きを検討すべきと考えています。
3.2 説明責任の徹底
まず取り組むべきは説明責任です。衆議院の政治倫理審査会の議決によって各議員に説明が求められています。また、広く国民から説明を求める声が湧き上がっています。そうした声を真摯に受け止め、私はそれぞれの議員に対して説明責任を果たすよう徹底して働きかけをするつもりであります。
3.3 ガバナンス改革の実施と監視
改正政治資金規正法に定められている重要検討事項、これは当然1年以内に法制化を図ってまいります。同時に、このようなことが起こってしまった背景や原因を考えてみるべきです。
今回の件について、私も話を聞く中で、このようなやり方は問題ではないか、見直すべきではないかという声があったとお聞きをいたします。しかし、それが議論されないまま今日まで来てしまいました。つまり、党における自浄作用が損なわれていた、その結果が今日の事態を生み出したと思っております。
今回、自民党はそうしたことを踏まえてガバナンス改革を改定いたしました。このガバナンス改革を徹底して遵守し、違反があれば厳正に対処する、そしてこれでも足りない、こうした事態があれば直ちにさらなる改革を断行します。
以上が、党改革と政治信頼回復への取り組みについての私の考えです。政治と金の問題は、民主主義の根幹に関わる重要な課題です。この問題に真摯に向き合い、解決することで、より透明で信頼される政治を実現してまいります。
4. 国民所得倍増計画
4.1 現状分析と課題認識
私が最も重要だと考えている最優先で押し進めたいことは国民の所得です。これ以上に重要な政策はありません。30年間にわたりデフレが続いてきた日本経済、この間世界の国々は成長を続けてまいりました。安倍・菅・岸田政権における取り組みにおいて今様々な良い兆しが見え始めてはいます。しかし日本の経済の状況は国民の皆さんが考えている以上に深刻です。
昨年、日本のGDPは人口が2億のドイツに抜かれ、そして今やインドに追い抜かれようとしています。1人当たりのGDPはもっと厳しい状況です。2024年に対するIMFの発表によります日本の水準は、順位はなんと38位となっています。また名目賃金を見ていただきたい。欧米諸国の水準は日本の倍です。また購買力平価で見た実質賃金、これは1.5倍、そして資産、これも2倍から2倍以上欧米の水準が高まっているところであります。
こうした状況が続いて良いと思うのでしょうか。国民の所得倍増はまったなしであります。強い覚悟を持ってこれに取り組み、国民の豊かな生活を必ず実現していかなければなりません。短期間で必ず成果を出していく、立ち止まっている時間や余裕はありません。
今回の総裁選挙は、まさにこうした状況に立ち向かうことのできるリーダーを選ぶ選挙です。今、国民の所得倍増という難しい目標から逃げることなく真正面から立ち向かい、成果を出すことのできるリーダー、これが必要です。
4.2 具体的な数値目標と達成時期
国民の所得倍増の時期、なぜ倍増と言っているか、先ほどご説明したように私は倍増でも多分足りないと思います。というのは、これを実現するには10年や15年はかかる。この30年間日本は賃上げしていないわけであります。それを克服するにはそれだけの時間がかかると思います。しかし逆に、それだけ時間がかかるということは、これからさらに他の国も賃金が上がっていく。当然それを考えれば私は2倍でも足らない。
しかし明確にやはりまず倍増を図るんだ、進めていくんだ、この強い意思。決して簡単なことではありませんけれども、しかしそれを言い続け実現し続ける、そのことが今の流れを変えていくことになる、確信しています。
4.3 実現のための戦略と施策
私にはそれを実現するプランがあります。それが日本総活躍プランです。中象論や関連論ではなくて具体的なプランに基づいてこれを実現する。私加藤勝信はその強い覚悟を持って今回の総裁選挙に立候補いたしました。
私は議員としての20年間、国民の利益第一、これを考えて取り組んでまいりました。また大臣として1億総活躍社会の実現、働き方改革にも取り組みました。またコロナという未曽有の事態において、苦しくても諦めず多くの皆さんの協力をいただいて、これを乗り越えてくることができました。
私はこれまでの経験で培ってきた全ての力を投入し、皆さんの所得倍増を図っていく。あらゆる手段を尽くしてこれに取り組んでまいります。これが私の国民の皆さんや党員の皆さんへの約束です。
様々なしがらみからあり得ないとされる政策についても、断固としてそれを跳ね除け実行してまいります。国民の所得倍増に、私は命をかけて取り組んでまいります。
以上が、国民所得倍増計画についての私の考えです。この計画を通じて、日本経済を再び成長軌道に乗せ、国民一人一人が豊かさを実感できる社会を作り上げる決意です。
5. 8つの重点政策プラン
私の政権公約として、8つの重点政策プランを掲げます。これらのプランは、日本の未来を切り拓くための総合的な戦略です。
5.1 国民所得倍増
私が最も重要だと考えている最優先で押し進めたいことは国民の所得です。これ以上に重要な政策はありません。30年間にわたりデフレが続いてきた日本経済、この間世界の国々は成長を続けてまいりました。安倍・菅・岸田政権における取り組みにおいて今様々な良い兆しが見え始めてはいますが、日本の経済の状況は国民の皆さんが考えている以上に深刻です。国民の所得倍増はまったなしであり、強い覚悟を持ってこれに取り組み、国民の豊かな生活を必ず実現していかなければなりません。
5.2 地方の持続的成長
特に深刻化する地域の人口減少に対応するため、地域を支える企業や事業者をしっかりと支えていく必要があります。そしてそれと共に、医療、教育、子育て、介護、買い物、移動など、まさにそこで暮らす人々の生活を維持するサービス、これを地域の持てる力を組み合わせた形で存続させる新たな仕組みを作っていかなければなりません。このことは、まさに存続の危機に瀕している過疎地の皆さんの声にも答えていきたいと思います。
5.3 子育て支援の強化
最近の急激な出生数の減少は、我が国の持続可能性を考える上においても危機的な状況であります。所得の倍増、また弾力的な働き方の推進、こうしたこともしっかり進めていく必要があります。しかし同時に、給食費、子供医療、そして出産費用、この負担をなくす3つのゼロ、これを目指します。
5.4 社会保障制度の持続可能性確保
私も3回の厚生労働大臣を含め長らく社会保障には取り組んでまいりました。しかし今、本当にこの制度は持続可能なんだろうかという懸念の声を聞きます。そしてこれからや、すでに人手不足でなかなかサービスの提供が難しい、こうした課題にもしっかり対応するために、必要な方に必要なサービスが提供される仕組みを、そして同時に能力に応じて負担し支え合う仕組みを、これを構築してまいります。
5.5 女性活躍の推進
私は内閣人事局長として、女性の幹部の登用あるいは女性の採用枠の拡大に取り組んでまいりました。そうした経験をもとに、働きやすい環境を整備をしていくことを積極的に進め、女性の活躍を推進していきます。究極的には、女性活躍という言葉をむしろ死語にしていきたいという風に思っています。
5.6 農林水産業の活性化
地球環境の温暖化が進む中で、また肥料や資材高、こうした状況の中で、今農林水産業を営む人たちは大変苦労をしておられます。そして農林水産業はまさに地域の支えでもあります。私は生産性の向上、環境との調和、こうしたことを図ることによって、農林水産業の持続的な発展、これを実現してまいります。
5.7 外交・防衛・拉致問題への取り組み
副長官時代に安倍首相の首脳会談に同席をし、そこでのやり取りを垣間見いたしました。我が国の平和と繁栄を守る、先を見据えた戦略的な外交と安全保障の強化、これを進めていきたいと思います。また、全ての拉致被害者の即時帰国に向けて、日朝首脳会談の早期実現に努力をしてまいります。
5.8 憲法改正と危機管理体制の整備
憲法改正については、私自身、党の憲法改正実現本部の事務総長としてこの間、論点の整理などに取り組んでまいりました。ご承知のように、憲法改正は衆参各院の3分の2以上の賛成、国民投票の過半数の賛成が必要であります。そのことを念頭に、憲法改正に関する方向性を同じくする政党とも連携をして、自衛隊と緊急事態条項を明記する憲法改正を実現します。
危機管理については、能登半島の復旧復興、東日本大震災・原発事故からの復興支援、福島の創生、これを進めるとともに、大規模地震対策を強化していくためにも、人材・ノウハウ・備蓄、これらを一元的に管理する総理直轄の危機管理庁を創設してまいります。
そしてこれらの8つのプランの徹底により、私が目指す世界から信頼される国、全ての人が幸せを感じ安心して活躍できる社会が実現されると考えています。もちろんその中で一番大事なことは国民の所得倍増です。
6. 経済対策と補正予算編成
この説明に入る前に、私はやらないことがある、やらなければいけないことがある、早期に経済対策をしなければならないと思います。それは能登半島自身の復旧・復興、そして台風被害からの復旧、そして国土の強靱化であります。
それに加えて、賃上げ・所得向上を促すさらなる環境の整備、成長を引き上げる国内投資の促進、地方の活性化です。こうした案件に関して速やかに経済対策を策定し、実効性のある大胆な補正予算を編成し、その成立を目指したいと思います。
7. 社会保障制度改革
私も3回の厚生労働大臣を含め長らく社会保障には取り組んでまいりました。しかし今、本当にこの制度は持続可能なんだろうかという懸念の声を聞きます。そして、これからや、すでに人手不足で、なかなかサービスの提供が難しい、こうした課題にもしっかり対応するために、必要な方に必要なサービスが提供される仕組みを、そして同時に能力に応じて負担し支え合う仕組みを、これを構築してまいります。
7.1 負担と給付の適正化
社会保障制度の持続可能性を確保するためには、負担と給付の適正化が不可欠です。今の実際、保険料の算定根拠、それになっているものに、その人の加入しているものが全部入っているんだろうか。主としてサラリーマンのいわゆる雇用所得、これが中心になっています。ですから、そういったところも私は見直していくべきだと考えています。
7.2 世代間格差の是正
若い人、高齢者という年齢ではなくて、その人がどれだけ負担する能力があるのか、それで決めていく。そして高齢者の場合は、やはりそれだけ費用がかかります。若い時はほとんど病院にも行きませんが、かかるわけですから、やっぱりそこがかかっているということも前提としながら、その生活に与える影響をよく見て負担割合を決めていく、これが大事です。
7.3 負担能力に応じた負担
そして負担割合を決める時には、やはり負担能力に応じて決める。ですから若い人と高齢者の方と同じ所得であれば、例えばやっぱり同じ費用負担を求めていく、これは私は一つの考え方だと思っています。
今でも高齢者の方、所得の高い方に対しては、そうした負担を上げていくという議論をさせていただいています。そこは負担能力に応じて、医療費の負担も保険料の負担も含めて、当然考えていくべきだと考えています。
これらの改革を通じて、社会保障制度の持続可能性を高めつつ、世代間・世代内の公平性を確保し、すべての国民が安心して暮らせる社会の実現を目指します。改革の過程では、様々な立場の方々の意見を丁寧に聞きながら、国民的な合意形成を図っていくことが重要だと考えています。
8. 地方創生と過疎対策
特に深刻化する地域の人口減少に対応するため、地域を支える企業や事業者をしっかりと支えていく必要があります。そしてそれと共に、医療、教育、子育て、介護、買い物、移動など、まさにそこで暮らす人々の生活を維持するサービス、これを地域の持てる力を組み合わせた形で存続させる新たな仕組みを作っていかなければなりません。このことは、まさに存続の危機に瀕している過疎地の皆さんの声にも答えていきたいと思います。
8.1 新たな地域経済循環モデルの構築
このままでいくと医療もなくなる、介護もなくなる、教育施設もなくなる、子育てもなくなる。そこに誰が住み続けられるのか。じゃあそこに帰ってきてくれと言ったって帰ってくることができない。しかし、今ある素材と言うんでしょうか、今ある人たち、力を組み直していけば、私はまだ地域は維持できると考えています。
例えば介護サービスを考えてみてください。今、基本は競争です。A社とB社がそれぞれ競争し合っている。人口が多いところは私はそれがうまくいくんだろうと思います。けれども、だんだん人口が少なくなり、山の上に一軒家、こっちの上に一軒家、あるいは山の上に2軒家が、それをAとBの事業者がそれぞれ行っていたら、これはもう商売にならなくなる。そして商売にならなくなった瞬間、何が起こると思いますか。みんないなくなっちゃうんです。
だから、そうならないように、例えば今の例で言えば1者がきちんと経営して責任を持ってやってもらえる。しかし、そのためには量も減りますから、いろんな業務をやってもらわなきゃいけない。そうすると、そこで働く人もマルチタスク、これを求められると思います。
8.2 地域の実情に応じた柔軟な対応
私はこのような新たな仕組みを導入すべきだと考えています。東京に入れると言っているのではありません。そういった地域にはそういった新たな仕組みと新たな発想を入れることによって、これだったら地域は維持できるぞ、こういう思いを私は是非持ってもらいたいし、一緒に持っていきたいという風に思っています。
地方創生の流れの中で、やっぱりいろんないい動きは出てきているとは思います。だからいい動きが出てきているところがある反面で、今申し上げたような過疎が一層進み、維持が難しくなってきたところもある。従って、前向きな話はこれはいろんな形で私は進めるべきだと思うし、しかしそうしたことの対応がなかなか取れない地域、そこにもしっかり目配りをして、そうした地域においても進められる仕組み、これをしっかり作っていく。
これがやっぱり私も中山間地域を多く抱える議員としても、また日本全体を見る立場としても、やっていかなきゃならないことだと思っています。
9. 女性活躍推進と働き方改革
私は内閣人事局長として、女性の幹部の登用あるいは女性の採用枠の拡大に取り組んでまいりました。そうした経験をもとに、働きやすい環境を整備をしていくことを積極的に進め、女性の活躍を推進していきます。究極的には、女性活躍という言葉をむしろ死語にしていきたいという風に思っています。
9.1 男女賃金格差の是正
まず、やはり賃金格差をどう解消していくのか、これが重要な課題です。これには企業に対してこうした問題を開示していただくという女性活躍推進法など含めて、やっぱり開示が色んな意味でやっぱり世の中が変ってきたと思っています。ですから、そういった意味で改善をしていくということと、しかし明らかな異なる取り扱い、これやっぱりしっかり是正をしていかなきゃいけないと思います。まそれはまさに同一労働同一賃金という考え方だと思っています。
9.2 柔軟な働き方の促進
それから同時に、より弾力的に働くことのできる環境を作っていく、こういったことも大事であります。
9.3 社会保険制度の見直し
年収の壁、こいくつか壁がありますが、あのいわゆる130万円の壁、これについては今年も最低賃金が上がりました。来年も多分同じぐらい上がることを期待をしています。そうなってくると、ほとんどの地域が20時間というこの制限の中では、その水準を超えていってしまうということになる。だこれはもうなくなっていく。もちろん20時間という壁はありますけれども、その賃金の壁は私はなくなっていく、なくしていくしま。それが見えてきてるわけですから、それをなくしていいという風に考えています。
あの第3号の問題、これはあの働いてる方と全く働いてない方、あるいは働くことにできない方もいらっしゃいますから、やっぱり一遍に廃止するというのは乱暴な議論だと思います。ま、ただし実態を見てるとだんだんだんだん第3号の被保険者も減ってきてるわけであります。まより働ける環境、より働いてもらう環境、これをしっかり作る中で、この3号の問題にも対応していきたいと思っています。
以上が、女性活躍推進と働き方改革に関する私の考えです。これらの施策を通じて、すべての人がその能力を最大限に発揮できる社会の実現を目指します。
10. マイナンバーカードの普及と活用
マイナンバーカードの普及と活用は、デジタル社会の基盤となる重要な施策です。この点について、私の考えを詳しく説明いたします。
まさに今のスケジュール感自体は、私の厚生労働大臣の時に決めさせたスケジュール感であります。そしてその時の私の思いは、やはりコロナ禍の対応を考えた時に、やはり日本の医療、いや日本の社会そのものでDXを本当に進めていかなければ、対応できないという強い思いがありました。
もちろんマイナンバーカードだけで進むわけではありませんけれども、それと一方で院内のDXあるいは医療のDX、これをしっかり進めていく。そういうことでより効率的な社会、あるいは効率的な医療が私は実現できるという風に思っています。
従って、ベースは決めたスケジュールは、やっぱりしっかり守っていくべきだとは思います。しかし一方で、いろんな懸念があることは事実であります。マイナンバーカードを保険証として使っている方には、私の理解では資格確認書は届きません。しかし一方で、その方に対する資格がありますよという通知書が届くはずであります。
例えばそれを活用しながら、当面の間はそれと本人確認が必要かもしれませんけれども、それで対応していくとか、やっぱりそこは柔軟な対応を求め、あるいは柔軟な対応しながら、しかし大事なことはやっぱりそれに向けて、いわゆるDX化に向けて社会を進めていく。私はこの努力を、いやいやこれを止めては私は絶対にならないと思います。
この方針に基づき、マイナンバーカードの普及と活用を進めていくとともに、医療分野を含む様々な分野でのDX推進を図っていきます。同時に、国民の皆様の懸念や不安にも耳を傾け、丁寧な説明と必要に応じた柔軟な対応を行いながら、デジタル社会の実現に向けて着実に前進していく所存です。
11. 子育て支援の強化
最近の急激な出生数の減少は、我が国の持続可能性を考える上においても危機的な状況であります。この課題に対応するため、以下の政策を実施します。
11.1 所得倍増と弾力的な働き方の推進
所得の倍増、また弾力的な働き方の推進、こうしたこともしっかり進めていく必要があります。これらの施策は、子育て世帯の経済的基盤を強化し、仕事と育児の両立を支援することを目的としています。
11.2 「3つのゼロ」政策
しかし同時に、給食費、子供医療、そして出産費用、この負担をなくす3つのゼロ、これを目指します。
この「3つのゼロ」政策は、子育て世帯の経済的負担を大幅に軽減することを目的としています。具体的には:
- 給食費の無償化:すべての子どもたちが等しく栄養バランスの取れた食事を摂ることができるようにします。
- 子供医療費の無償化:子どもの健康を守り、経済的理由で医療機会を逃すことがないようにします。
- 出産費用の無償化:経済的理由で出産を躊躇する家庭をなくし、少子化対策の一助とします。
これらの施策を通じて、子育て世帯の経済的負担を軽減し、子どもを産み育てやすい環境を整えることで、我が国の出生率の向上につなげていきたいと考えています。
子育て支援の強化は、我が国の未来を左右する極めて重要な課題です。私は、これらの政策を通じて、すべての子どもたちが健やかに成長できる環境を整備し、同時に子育て世帯の負担を軽減することで、少子化問題に正面から取り組んでいく所存です。
12. 外交・防衛・拉致問題への取り組み
外交・防衛・拉致問題は、我が国の安全と国民の生命を守る上で極めて重要な課題です。私の経験と知見を活かし、これらの問題に取り組んでいく所存です。
12.1 戦略的な外交の展開
副長官時代に安倍首相の首脳会談に同席をし、そこでのやり取りを垣間見いたしました。この経験を踏まえ、我が国の平和と繁栄を守る、先を見据えた戦略的な外交と安全保障の強化、これを進めていきたいと思います。
12.2 拉致問題解決への取り組み
拉致問題については、全ての拉致被害者の即時帰国に向けて、日朝首脳会談の早期実現に努力をしてまいります。この問題の重要性を深く認識し、解決に向けて全力を尽くす所存です。
以上のように、外交・防衛・拉致問題への取り組みにおいては、私の経験を活かしつつ、戦略的な外交の展開、安全保障の強化、そして拉致問題の解決に向けた努力を進めていきます。これらの政策を通じて、日本の国益を守り、国民の安全と生活を守ることに全力を尽くしてまいります。
13. 憲法改正への取り組み
憲法改正については、私自身、党の憲法改正実現本部の事務総長としてこの間、論点の整理などに取り組んでまいりました。この経験を踏まえ、具体的な方針と進め方について説明させていただきます。
13.1 憲法改正の手続き
ご承知のように、憲法改正は衆参各院の3分の2以上の賛成、国民投票の過半数の賛成が必要であります。このハードルの高さを十分に認識しつつ、私は以下のような方針で憲法改正に取り組んでいきたいと考えています。
13.2 自衛隊と緊急事態条項の明記
そのことを念頭に、憲法改正に関する方向性を同じくする政党とも連携をして、自衛隊と緊急事態条項を明記する憲法改正を実現します。
自衛隊の明記は、我が国の安全保障体制を憲法上明確にするために重要な課題です。また、緊急事態条項の導入は、我が国の危機管理体制を強化する上で重要です。これらの改正により、我が国の安全保障体制と危機管理能力の向上を図ることができると考えています。
13.3 超党派での合意形成
憲法改正の実現に向けては、超党派での合意形成が不可欠です。そのため、各政党との対話を積極的に行い、共通点を見出しながら議論を進めていく所存です。また、国民の皆様に対しても、憲法改正の必要性や具体的な内容について、丁寧な説明を行っていきます。
以上が、憲法改正への取り組みに関する私の考えです。我が国の未来のために最適な憲法のあり方を追求し、より強靱で安定した国家基盤の構築を目指してまいります。
14. 危機管理体制の強化
危機管理は我が国の安全と安心を確保する上で極めて重要な課題です。私は、この分野における体制強化を重要な政策として位置づけています。
14.1 総理直轄の危機管理庁の創設
危機管理については、能登半島の復旧復興、東日本大震災・原発事故からの復興支援、福島の創生、これを進めるとともに、大規模地震対策を強化していくためにも、人材・ノウハウ・備蓄、これらを一元的に管理する総理直轄の危機管理庁を創設してまいります。
この危機管理庁は、様々な危機に対して迅速かつ効果的に対応するための中枢機関となります。総理大臣直轄とすることで、省庁間の壁を越えた柔軟な対応が可能となり、また意思決定の迅速化も図れると考えています。
14.2 大規模災害対策の強化
大規模災害対策の強化は、我が国の安全と安心を確保する上で極めて重要です。特に、能登半島地震の教訓を生かし、より効果的な災害対応体制を構築していきます。
具体的には、被災地の迅速な復旧・復興支援に重点を置き、同時に今後起こりうる大規模地震に備えた対策を強化します。
14.3 福島の創生
東日本大震災・原発事故からの復興支援、特に福島の創生は、我が国の危機管理における重要な課題です。原子力災害からの復興と再生を進めるとともに、将来的な原子力災害への対策も充実させていきます。
これらの施策を通じて、我が国の危機管理体制を強化し、国民の皆様の安全と安心を守ります。危機管理は国家の根幹に関わる重要な課題であり、私はこの分野に全力で取り組む所存です。
15. 「加藤勝信5つの誓い」
最後に、公約を実現するための私加藤勝信の5つの誓いを申し上げたいと思います。私の議員会館事務所には国会議事堂の絵が飾ってあります。そこには御成門にある「滔々として去りがたし」という言葉があります。これは私の政治信条の基本でもあります。
この五重の御成門こそ、日本国憲法の審議にあたり、当時の吉田総理が日本国の国風を文字に表したものと説明をしたように、日本の保守の基本的な理念でありまた民主主義の基礎でもあると考えています。これをもとにして、私なりに作り出したのがこの加藤勝信5つの誓いであります。読み上げさせていただきます。
1つ、国民一人一人の声に真摯に向き合う。
2つ、多様性を尊重し協力し合い安心できる社会を築く。
3つ、一人一人の自由と挑戦を尊重する仕組みを作る。
4つ、古い慣習を打破し公平な社会を実現する。
5つ、世界から知識と技術を取り入れ強い日本を築く。
この5つの誓いを、皆さんと共有し、政治活動の基本方針にしたいと考えています。
16. 質疑応答
16.1 経済政策に関する質問への回答
解雇規制という言葉は色々使われておりますが、私が厚労大臣時代、そして今政府で議論しているのは、むしろ解雇にかかる解決の手段として金銭による手段を考えていく、まさに労使間で揉めた結果として、労働者側から申し入れがあればそれは金銭で解決する、これが今議論されている話であります。私はこれはしっかり議論すべきだと思っております。
ただ、アメリカのようにお金を出せば解雇ができる、確かに労働市場の流動性を高めていく必要はあります。しかし、今日本の現在の市場を見た時に、転職して給与が上がっていく、これが見える実態にはなっていないと考えています。ですから大事なことは、今進めている労働移動の円滑化を進め、そして分厚い転職市場を作っていく。そしてその中で人々が仕事を続けるか違う仕事に挑戦するか、そうした機会を作り出していくことが私はまず大事だという風に思っております。
国民の所得倍増の時期について、なぜ倍増と言っているかというと、先ほどご説明したように私は倍増でも多分足りないと思います。というのは、これを実現するには10年や15年はかかる。この30年間日本は賃上げしていないわけであります。それを克服するにはそれだけの時間がかかると思います。しかし逆に、それだけ時間がかかるということは、これからさらに他の国も賃金が上がっていく。当然それを考えれば私は2倍でも足らない。
しかし明確にやはりまず倍増を図るんだ、進めていくんだ、この強い意思。決して簡単なことではありませんけれども、しかしそれを言い続け実現し続ける、そのことが今の流れを変えていくことになる、確信しています。
16.2 政治と金銭問題に関する質問への回答
麻生派の裏金という問題だろうと思います。ちょっと私も事情は全部承知しておりませんから、それに具体的に言及することはできません。予算委員会の筆頭理事としても先般の予算の理事会でも野党からそういう話はいただいて、これは党の中で議論する、と申し上げるという話をさせていただきました。
もちろん新たな事実が出てくれば、それに対して的確に対応していく、これは当然の姿勢だと思っています。
政治活動費については、10年という意味ではありません。原則、今私たちがやっている政治資金報告書と同様に、そのタイミングを見て公開すべき、これが原則。ただし一部公開できないものがあれば、それは第三者委員会で図って、そしてそこが良しとすればそれは非公開とする。そういう仕組み、そういう対応でいいという風に考えています。
16.3 社会保障制度に関する質問への回答
今の実際、保険料の算定根拠、それになっているものに、その人の加入しているものが全部入っているんだろうか。主としてサラリーマンのいわゆる雇用所得、これが中心になっています。ですから、そういったところも私は見直していくべきだと考えています。
若い人、高齢者という年齢ではなくて、その人がどれだけ負担する能力があるのか、それで決めていく。そして高齢者の場合は、やはりそれだけ費用がかかります。若い時はほとんど病院にも行きませんが、かかるわけですから、やっぱりそこがかかっているということも前提としながら、その生活に与える影響をよく見て負担割合を決めていく、これが大事です。
そして負担割合を決める時には、やはり負担能力に応じて決める。ですから若い人と高齢者の方と同じ所得であれば、例えばやっぱり同じ費用負担を求めていく、これは私は一つの考え方だと思っています。
今でも高齢者の方、所得の高い方に対しては、そうした負担を上げていくという議論をさせていただいています。そこは負担能力に応じて、医療費の負担も保険料の負担も含めて、当然考えていくべきだと考えています。
16.4 地方創生に関する質問への回答
地元だけではありませんけれども、中山間地域を回っていて、やっぱり特にコロナ禍が終わった後、私が痛切に感じるんですけれども、そこに住んでる皆さん方から本当にいつまでここでの暮らしが続くのかっていう強い不安をぶつけられます。やっぱりそれが肌で感じているんだろうと思いますし、実際見ていても随分そんな感じになってきたな、だから私は申し上げたいのは、このままで行くと医療もなくなる、介護もなくなる、教育施設もなくなる、子育てもなくなる。そこに誰が住み続けられるのか。じゃあそこに帰ってきてくれと言ったって帰ってくることができない。
しかし今ある素材と言うんでしょうか、今ある人たち、力を組み直していけば、私はまだ地域は維持できる。簡単に言えば例えば介護サービス考えてみてください。今基本は競争です。A社とB社がそれぞれ競争し合っている。人口が多いところは私はそれがうまくいくんだろうと思いますけど、だんだん人口が少なくなり、山の上に一軒家、こっちの上に一軒家、あるいは山の上に2軒家が、それをAとBの事業者がそれぞれ行っていたら、これはもう商売にならなくなる。そして商売にならなくなった瞬間、何が起こると思いますか。みんないなくなっちゃうんです。
だから、そうならないように、例えば今の例で言えば1者がきちんと経営して責任を持ってやってもらえる。しかし、そのためには量も減りますから、いろんな業務をやってもらわなきゃいけない。そうすると、そこで働く人もマルチタスク、これを求められると思います。けれども、まさにそういう仕組みを入れるべきだと思います。
16.5 女性活躍推進に関する質問への回答
選択的夫婦別氏制度を求める声、その背景にある事情、私はそれはよく分かると思います。ただ先ほど申し上げたように、そこにはいくつかの課題があると先ほど申し上げました。従って、今まずそうした不都合を解決するためには、今の通称制度ではそれは対応できない、対応できない。従って、通称についても法律上の氏として認める、いわゆる通称使用制度、もちろん一方で家族同氏制度と言い方をしてますけれども、これは維持していくべきだと私は考えていますが、しかしその中においても法律上の氏として使用を認める通称使用制度、こういったこともありうるんではないか。
そして、そうすることによって法律に根拠がありますから、通称をしっかり使うことができる。今その公な中において通称が使えない、それが非常にビジネスをする上において、社会生活をするにおいて困難がある、こういう声がありますから、まずこうした困難を解決していく、これが大事だというのは私の姿勢であります。
閣僚の女性比率目指すのかという質問については、閣僚はですね、まさに適材適所、適材適所が基本だと思います。そのためにも女性の国会議員、別に国会議員に限りませんけれども、そうした閣僚になりうる人たちを増やしていく努力がまず必要です。その中で、やはり意図的にその数を増やしていきながら、最終的にはフィフティフィフティを目指す、これは当然だと思います。
しかし今それができるかと言えば、私は言いません。しかしできない。しかしそのために、先ほど申し上げた努力を着実にやっていく、このことが私は女性の活躍につながると思っています。
17. おわりに
最後に改めて申し上げます。国民の所得倍増、この最も重要な目標は何としても成し遂げてまいります。国民の所得倍増を目指すためには、様々なしがらみからあり得ないとされる政策について、断固それを跳ねのけ実行してまいります。国民の所得倍増に、私は命をかけて取り組んでまいります。 本日はお忙しい中、記者会見に参加をしていただきまして本当にありがとうございました。ご清聴ありがとうございました。