※本稿は、高市早苗経済安全保障大臣の自由民主党総裁選挙への出馬表明会見の内容を要約したものです。
1. はじめに
1.1 出馬表明と国家の究極の使命
私、高市早苗は、このたび自由民主党総裁選挙に立候補することを表明いたします。
私は、国の究極の使命は以下の3点にあると考えております。
第一に、国民の皆様の生命と財産を守ること。 第二に、領土・領海・領空・資源を守ること。 第三に、国家の主権と名誉を守ること。
この究極の使命を果たすためにも、今、総合的な国力の強化が必要です。それは以下の6つの力から成り立ちます:
- 外交力
- 防衛力
- 経済力
- 技術力
- 情報力
- 人材力
この6つの力をそれぞれに伸ばし、また互いに伸ばし合う相乗効果を私は狙っております。
1.2 日本の底力と経済成長の重要性
「できるんだろうか」と思われるかもしれません。しかし、できます。日本には底力がございます。若い方々が伸びたい、成長したいと考えて、今この瞬間にも意欲に燃えているからでございます。
しかし、若い才能にチャンスを与え、6つの力をしっかり伸ばしていくためには条件がございます。何よりも経済成長が必要です。私は経済成長をあくまでも、どこまでも追い求めます。
成長というのはどうすれば実現するのでしょうか。経済を伸ばすのは私たち1人1人でございます。そして人を前進させるものは希望でございます。夢を追いかけて寝る間も惜しんで頑張っておられる方々に働きがいを与えること。そうやってできてくる革新的な技術やサービス、これが成長の触媒です。エンジンになります。
皆様、私は日本をもう一度世界の頂点に押し上げたい。そう考えております。できるに決まっています。夢を追いかけて努力を辞めない方々がこんなにたくさんいらっしゃるんですから。
初めて投票される18歳の若者も、今日生まれた赤ちゃんも、22世紀を生きる方々でございます。彼らに日本の未来を信じてほしい。そして希望を抱いてほしい。私の政策はその1点を出発点とし、帰着点といたします。
以上が、私が自由民主党総裁選挙に立候補する背景と、国家の使命に対する私の考えでございます。これからの日本のために、全力を尽くす所存です。
2. 政策の骨格
2.1 大胆な危機管理投資と成長投資
私は、大胆な危機管理投資と成長投資を通じて、安全安心の確保と強い経済の実現を目指します。危機管理投資とは、様々なリスクの最小化に資する研究開発や人材育成、安全安心を担保できる製品やサービスの開発や社会実装などに必要な財政出動や税制措置を行うものです。成長投資は、日本に強みのある技術分野における早期の社会実装や国内外市場への展開などについて戦略的な支援を行うことです。
危機管理投資により世界に先駆けて開発した製品やサービスは、迅速に国内に展開するとともに、同じような課題に直面している各国に対して輸出をしていくことによって、成長投資にもなっていくと考えております。
この大胆な危機管理投資と成長投資にかかる戦略的な財政出動は、イノベーションを促進し、雇用や所得を増やし、消費マインドを改善します。だからこそ、結果的には税率を上げずに税収を増やせる強い経済を作れる取り組みだと考えております。
特に力を入れたい分野は5点あります。
- 食料安全保障の強化
- エネルギー・資源安全保障の確立
- 現在と未来の命を守る平和の国土強靭化
- サイバーセキュリティ対策の強化
- 健康医療安全保障の構築
これらの分野について、後ほど詳細にご説明申し上げます。
2.2 全世代の安心感を日本の活力に
私は、全世代の安心感を日本の活力にしたいと考えています。シニア世代の方々が幸せで輝いて見えることは、若い世代の将来の安心感に直結します。これは消費マインドの改善にもつながっていきます。
経済的な事情によって進学を諦めない、結婚・出産や子育ての夢を諦めない、介護離職などでキャリアを諦めない、高年期や高齢期特有の不調、また障害や難病によって社会活動を諦めないで済む社会を作ってまいります。
在職老齢年金制度の見直しなど、働く意欲を阻害しない、また努力をした人が報われる制度を整備してまいります。また、国民年金の受給額と生活保護の受給水準が逆転している問題についても対応が必要です。低年金問題と社会保護制度を一体として見直し、制度の整理を行います。
家事支援サービスやベビーシッターサービスへのニーズに応えるため、家事士の国家資格制度化を前提に、その利用料金の一部を税額控除する取り組みにも挑戦します。
2.3 防衛力と外交力の強化
私は、防衛力と外交力の強化で日本を守ります。内閣総理大臣は自衛隊の最高指揮官です。迅速かつ的確な判断でその重責を担ってまいります。国防に任じておられる自衛官の皆様の名誉と誇りを守り、しっかりと実力組織としての位置付けをするために、私は日本国憲法を改正いたします。
日本は世界有数の核の最前線に国土を構えています。この現実から目をそらすわけにはまいりません。最近は中国、ロシア、北朝鮮の接近も報道されております。欧米各国よりははるかに厳しい安全保障環境に日本は置かれています。
具体的には、宇宙、サイバー、電磁波領域、そして無人機、極超音速兵器、最近では自立型AI兵器など、新たな戦争の形態に対応できる国防体制を構築いたします。対空防衛能力を抜本的に強化し、自衛隊施設の強靭化も進めます。電磁パルス対策も行い、重要施設の地下化も進めます。
同時に、国民の皆様をお守りするためのシェルターの整備も重要なテーマです。また、日本発の宇宙安全保障構想と宇宙技術戦略を取りまとめ、情報収集衛星、通信衛星、測位衛星などの拡大を進めます。
2.4 令和の省庁再編
私は令和の省庁再編に挑戦いたします。厳しい環境変化の中で様々な複雑な問題が生じております。広い視野でスピード感を持ってこの問題を解決していくためには、令和の省庁再編が必要です。
具体的には以下の再編を考えております:
- 内閣直轄の内閣情報局と最高意思決定機関となる閣僚などからなる内閣情報会議の設置
- 懸念国からの投資をしっかりと審査するための対日外国投資委員会の設置
- 能動的サイバー防御や全分野のセキュリティ対策に対して一元的な権限と責任を担う機関の設置
- 復興庁設置法の改正による全国各地の復興にも携われる機関への強化
- 情報通信省や環境エネルギー省への再編
2.5 憲法改正と皇室典範改正
私は、今を生きる日本人と次世代への責任を果たすため、日本国憲法の改正と皇室を守り申し上げるための皇室典範の改正を行います。
世界に二つとない長い長い歴史を持ち、126代も続いた私たちの皇室は、どこにも類例のない日本にしかない私たちの宝物です。天皇陛下の権威と正統性の源でもあり、私たち日本人の誇りでもございます。それを支え続けている皇室をお守り申し上げるために皇室典範の改正をいたします。
2.6 信頼される自民党の構築
自民党総裁に選出されましたら、最初にやらなければいけない仕事があります。「Let's be reborn」と全ての国会議員に呼びかけて、国民の皆様から信頼をしていただける生まれ変わった自民党を作ってまいります。
お金の流れから俗人性を徹底的に排除します。会計や財務の専門家のご協力も得て、党本部で本当に必要なお金をしっかりと予算を組み、自民党所属の議員や支部長が活動資金に窮することなく最低限必要な政治活動ができるような公平な配分をする、そして資金の公正性は徹底的にチェックできる、こういう仕組みを作る必要があると思います。
自民党は専門人材の宝庫だという自負を持っております。本当に目立たないところでコツコツと専門性を磨いて見事な政策構築をされる国会議員が非常にたくさんおられます。今までは派閥推薦人事とかいろんな壁がありましたけれども、やはり本当にコツコツと研鑽を積み、そして成果を上げておられる、そういう方に光が当たるような適材適所の人事システムを早期に作っていく、これも私の仕事だと思っております。
以上が、私の政策の骨格です。これらを実現することで、日本列島を強く豊かにし、次の世代に引き渡す責任を果たしてまいります。
3. 重点政策分野
3.1 食料安全保障の強化
日本の食料自給率は、カロリーベースで38%です。G7に行ってみますと、アメリカ、カナダ、フランスは100%を超えております。最近は高温ですとか豪雨災害の被害によって、農家の方々の大変なご努力にも関わらず農作物の収量が低下してしまっています。また漁業におきましても、日本近海で取れるお魚の種類、そしてまた漁獲量に変化が起きています。
さらに、中国の穀物の輸入量というのが非常に増えていますので、買い負けの恐れがあります。それから、日本にとっては海外依存度が高い肥料ですとか、それから種子、農薬、こういったものの確保、これは経済安全保障上の観点からも対策が必要です。
日本は貿易の99.5%を海上輸送に頼っております。仮に海路が使えないというような事態に陥ったら、これはもう危機的な状況になります。世界の食料需要が増えていること、それからサプライチェーンリスク、こういうことを考えますと、食料自給率100%、限りなく目指していく、そのための取り組みを進めてまいります。
例えば、全ての農地を活用できるための環境整備をしっかり行うことが重要です。それから、日本には多くの付加価値の高い食材があります。農林水産業と食品産業は必ず成長産業になると私は考えております。もちろん有事の時には国内需要、国内消費を最優先するべきですが、現在のEPAも活用しながら、海外にどんどんニーズのあるところに輸出をしていく、それによって体力をつけておく、これも非常に大事な取り組みだと考えております。
そして、日本企業によってモジュール型の完全閉鎖型植物工場が開発されました。これはまさに世界初の技術です。これは天候にも左右されません。また自然災害にも強いものです。地方でよく見られる空き校舎ですとか、また空き工場、そしてまた空き店舗などでも農作物を栽培することができます。宇宙でも栽培できます。モジュール型ですから、被災地で農作物を生産することにも活用できます。
従来型の植物工場の約5倍の生産性を誇ると言われているものです。また陸上養殖についても随分技術が進んでまいりました。日本の学術機関によりまして、過去60年、どんなに研究してもできなかったウナギの養殖に成功したということです。かなり水産物の種類、陸上養殖で対応できる水産物の種類も増えております。
私自身が担当しておりますSIP、戦略的イノベーション創造プログラムの中でも、例えばそうですね、ブリの大量養殖、これも省エネ型のブリの養殖ですとか、それから大豆に関しても高品質の大豆を育てる、こういった研究も進んできております。
いずれにしましても、従来型の農業、これはお米や麦を育てる、これとても大事なことですから、しっかりと各農地を活用できる、その環境を整えるということと共に、世界最先端の植物工場、陸上養殖、この尖った技術に大きな可能性があると考えております。ただ、初期投資が高額ですので、ここに対する国の支援を強化してまいりたいと思っております。
ちなみに食料自給率が10%を切っているシンガポールでは、国策として植物工場に投資をしております。
3.2 エネルギー・資源安全保障
3.2.1 エネルギー自給率向上策
これは3年前の総裁選挙でもこの場でお訴えをして、また討論会でも申し上げていたことです。当時はAIが増えていく、AIを搭載した製品はすでにありました。それからデータセンターが増えていく、それによって電力消費量が増えるということを申し上げてまいりましたが、3年前と変わったのは、さらに電力消費量が大きい生成AIが登場したということです。
現在、日本のエネルギー自給率は12.6%です。ところが、このエネルギー自給率が100%を超えているアメリカ、カナダも、G7に行ってみますと大変な危機感を持っていました。やはりG7のどの国でも、AIやデータセンターの増加によってですね、電力消費量が増えていく、だからもっともっとエネルギー供給というものを安定化していかなきゃいけない、これは共通の認識でございました。
私は未来への贈り物として、エネルギー自給率100%を目指してまいります。これはできると考えております。特別高圧、高圧の電力を安定的に安価に供給できる、こういう対策を打っていくということによって、日本の産業を守ってまいります。
3.2.2 次世代原子力発電の推進
2020年代後半に向けては、SMR(小型モジュール炉)や高温ガス炉などの革新軽水炉、この次世代の軽水炉についてしっかりと投資をさせていただく、そして2030年代に向けては、これは核融合、前回も申し上げましたけれども、ウランやプルトニウムを使わない、そして高レベルの放射性廃棄物が出ない高効率発電です。ここに力を入れてまいります。
すでに昨年4月、日本初となる核融合戦略であるフュージョン・エネルギー・イノベーション戦略を私の元で取りまとめました。この戦略をさらに改定をして、しっかりと進めてまいります。
そしてもう1つは、省エネ技術の研究です。これものすごく大事だと考えております。最新の脳型半導体技術ですとか、それから光電融合技術、こういったものを活用すれば、例えばデータセンターでも電力消費量がぐんと少なくなっていく、様々な研究がこれは民間企業でも行われておりますし、政府としても後押しすべきはしていかなければならないと思っております。
また、この地政学リスクですとか国際情勢に左右されない、この資源の開発、要は国産資源の開発、ここにも力を入れてまいりたいと思っております。私の現在の担当では、先ほど申し上げましたSIPで南鳥島海域のレアアース、このレアアースを採取して精錬する、この一連のプロセスについてしっかりと技術を確立して、そして南鳥島で国産のレアアース、これがきちんと生産される基地として機能する、そういったところまでを思い描きながら取り組みを進めてまいりました。
それからレアメタルについても、これも日本の排他的経済水域の中にたくさんの可能性がございます。このレアメタルにつきましても、これはサンプリングを取ることですね、このサンプリングから精錬まで、一連の技術が必要ですので、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
3.3 国土強靭化と災害対策
3.3.1 防災・減災のための国土計画
私は、今の命と未来の命を共に守る令和の国土強靭化を推進します。首都直下地震で85兆7000億円、南海トラフ地震で151兆5000億円、これはあくまでも土木学会の試算ですけれども、想定されている被害額です。皆様ご承知の通り、今年度の国家予算は112兆6000億円でございますから、先ほど申し上げたような被害が発生した時に、かなり深刻な事態が想定されます。
事前防災と事後防災の重要性、これは論を待ちませんし、何よりも大切なのは掛け替えのない私たちの命を守っていくことです。また、地震だけではなくて台風や豪雨災害などの自然災害による被害も、相当今激甚化していると考えております。
ちょうど現在の防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化計画ですが、これは来年度までのものです。ですから、また5年間経って、相当気候の状況も変わっておりますので、防災科学の知見もしっかりと活用して、この気候リスク管理というものも含めた新計画を早期に策定をしてまいります。
3.3.2 災害復旧力の強化
また、自然災害が起こってしまった時に、その回復力を高めていくということも重要な視点です。社会全体の迅速な復旧方針、これも立案をいたします。方針が明確であれば、社会インフラが優先度の高い順に復旧していきますので、二次災害というものを回避できる可能性というのは高くなっていくと考えております。
3.4 サイバーセキュリティ対策
3.4.1 能動的サイバー防御の法制度整備
1つのIPアドレスあたり14秒に1回の攻撃を受けている、そういう観測が出る時代になってしまいました。医療機関がサイバー攻撃を受けて電子カルテを失ってしまったり、それから患者情報ですとか、クレジットカード情報が、非常に機微な個人情報が大量に流出してしまった。それから交通機関がサイバー攻撃を受けた、電力会社がサイバー攻撃を受けた、それから衛星通信システム、これはウクライナで発生しましたけれども、攻撃を受けた。こういった事例が世界各地で、また国内でも発生をしています。
サイバー空間を守れない国というのは、今や他の何も守ることができません。言っておきたいのですが、このサイバーの世界に専守防衛というものは通用いたしません。攻撃者を特定して能動的サイバー防御ができない国というのは、攻撃のターゲットになり、この世界に被害を及ぼす、損害を拡大させてしまう可能性がございます。
国民の皆様の命、また金融資産、大切な個人情報、重要な社会インフラ、これをしっかりと守っていくためにサイバー防御力の強化に努めてまいります。また、一生懸命日本が努力して高度なサイバーセキュリティと、それからセキュリティソフトのバージョンアップや現地での人材供給も含めたアフターケア、これを誇るようなものをですね、しっかりと海外展開していったら、それは成長投資にもなると考えております。
能動的サイバー防御を可能にするための法制度整備、これを急ぎます。そして復旧方針も合わせて策定したいと考えております。
3.4.2 サイバーセキュリティ人材育成
この高度なサイバー攻撃に対応するAI技術、これも必要ですし、また衛星量子暗号通信、これも研究開発も進んでおります。非常に重要な分野です。それから偽情報の検知分析評価、こういった研究開発も進めてまいります。
それで何よりも大事なサイバー関係の人材育成、ここも急いでまいります。それから私がどうしてもやりたいなと思っているのは、全都道府県で重要インフラ事業者とすべての自治体が参加する形での、このサイバー攻撃のリスク点検演習です。これを全都道府県で実施したいと思っております。こういう条件でサイバー攻撃を受けた、その時に誰がどのように動く。実は、こういうことがまだできてなかった。こういった情報はあらかじめ共有しておく。こういう取り組みをしたいと考えております。
3.5 健康医療安全保障
3.5.1 医薬品・医療機器の国内生産体制構築
お薬やワクチン、この原材料ですとか、開発ですとか生産、これは海外情勢に左右されてはなりません。まさに安全保障に関わることでございます。経済安全保障担当大臣としましては、中国にほぼ100%原材料を依存していた感染症関連物資について、これを特定重要物資に指定をし、国内で生産をしていく、その取り組みに道筋をつけました。
しかし、次のパンデミックですとか、あるいは他の原材料の調達途絶などにも備えていかなければなりませんので、原材料、生産ノウハウ、人材、これを国内で完結できる体制の構築、これを進めてまいります。
3.5.2 先進医療技術の開発推進
特に、科学技術政策の担当大臣も今兼ねておりますので、そこで取り組んでまいりました先進的な再生医療ですとか、スマートバイオ創薬にかかる事業ですとか、医療機器を開発するための事業ですとか、また再生細胞医療、遺伝子治療分野、また認知症分野、こういった研究開発、しっかりとこの成果を少しでも早く患者の皆様にお届けできるように努力を続けてまいりたいと思っております。
それからもう1つ、物騒な話ですが、CBRNEテロと言われるものへの対策の検討も急いでおかなければならないと思います。これはもうリスクの最小化です。いわゆる化学兵器、生物兵器、核兵器、放射線兵器、それから爆発物などを用いたテロです。こういったことが起きた時に、そのテロに悪用されたこの微生物は何なのか、また化学物質は何なのか、これを迅速に特定して、命を繋ぎ止めるための治療薬、これができるだけ早い、早いタイミングで提供される。また、爆発物を使ったテロなどでは、出血で亡くなる方が非常に多いですから、この止血のバンド、ターニケット、これができるだけ早く提供される体制、こういったものを作るというのはとっても困難な作業なんですが、私は専門家組織を創設をして、しっかりとできることを1つずつ、1つずつ整えていきたいと思っております。
その他、全身の健康を考えますと、国民皆歯科検診、これもですね、できるだけ早くもう全国に展開をしていきたいですし、今神奈川県などで進めておられます未病の取り組みもあります。それから、この予防医療の取り組みもございますので、しっかりと国民の皆様の健康を守る、こういった取り組みに力を尽くしてまいりたいと思っております。
4. 経済政策
4.1 経済成長の追求
私の経済政策の中心は、経済成長を追求することです。経済を伸ばすのは私たち一人一人であり、人を前進させるものは希望です。夢を追いかけて寝る間も惜しんで頑張っておられる方々に働きがいを与えることで、そうやってできてくる革新的な技術やサービス、これが成長の触媒です。エンジンになります。
私は、日本をもう一度世界の頂点に押し上げたいと考えております。できるに決まっています。夢を追いかけて努力を辞めない方々がこんなにたくさんいらっしゃるんですから。
4.2 財政状況の認識と健全化
日本の状況でございますけれども、債務単独で見て、グロスで見ていきますと、これは非常に厳しい状況にあると理解をしております。また資産を合わせてみた、ネットで見ていきますと、これはG7の中でも上から2番目ということで、良好な状況だと考えております。
ただやはりですね、物価が上がっているじゃないか、安倍内閣の時に日銀とアコードを結んで物価上昇目標2%でやってきた、物価が上がっているからもう2%行っているんじゃないかとおっしゃる方もいらっしゃるんですけれども、エネルギーや食料を除いてコアコアで見ますとまだ弱いです。1%台です。
だから、本来その外的要因、つまりエネルギーの高騰や、また食料自給率が低いばかりに食料の高騰、こういった外的な要因によって押し上げられている。これは安定的な物価目標を達成できているとは言えない、まだ弱い状況だと思っております。だからこそ、私は為替変動にも左右されない日本の産業構造、こういったものを作りたく、先ほど来エネルギー自給率、食料自給率について一生懸命語ってまいりました。
4.3 財政健全化の展望
財政健全化についてでございますけれども、プライマリーバランスの黒字、これはおそらく今の税収とかの状況を見ていますと、特に今設定されている目標というのは自然に達成されるんだと思っております。
ただ今後ですね、例えば再来年度あたりからどのように考えていくのかということで言いますと、岸田総理も確かこの単年度会計の弊害を見直すとおっしゃって総裁選挙を戦っておられたと理解をしております。
やっぱりこれからということを考えますとね、中期的にどうやって成長していくのか、しっかりとそこに需要があって、むしろ供給を超えるぐらいの需要があって、労働市場も活性化して、給料も上がって、購買力も上がって、高圧経済とよく呼ばれるものですけれども、そういった好循環が続いていく。それによって自然と税収も増えていく、安定した成長がしっかりと見通せる、こういう状況を作るのはすごく大事なことだと思っております。
経済成長を追求しつつ、財政の健全化も視野に入れた、バランスの取れた政策を実施していく所存です。日本経済の潜在力を最大限に引き出し、国民一人一人が豊かさを実感できる社会を目指してまいります。
5. 社会保障政策
5.1 全世代の安心感を日本の活力に
私は、全世代の安心感を日本の活力にしたいと考えています。シニア世代の方々が幸せで輝いて見えることは、若い世代の将来の安心感に直結します。これは消費マインドの改善にもつながっていきます。
経済的な事情によって進学を諦めない、結婚・出産や子育ての夢を諦めない、介護離職などでキャリアを諦めない、高年期や高齢期特有の不調、また障害や難病によって社会活動を諦めないで済む社会を作ってまいります。
5.2 年金制度改革
在職老齢年金制度の見直しなど、働く意欲を阻害しない、また努力をした人が報われる制度を整備してまいります。人手不足が続中でも、何かこの就労時間調整の一因となってしまっている老齢在職年金制度でございますが、これは見直すべきだと思います。働く意欲を阻害しない制度へと改革してまいります。
また、よく聞くお声でございますが、国民年金の受給額と生活保護の受給水準が逆転しているじゃないか、なんかバカバカしいという話も聞きます。ただ一方で、よくよく見ますと高齢の方で生活保護を受けていらっしゃる方が多いのも事実でございますので、この低年金問題と社会保護制度、生活保護制度、これを一体として何かこう考えていく、見直していく、こういった制度の整理というものについても今一生懸命考えているところでございます。
5.3 家事支援サービスの充実
今は、家事や育児とか介護とか看病しながら働いていらっしゃる方が非常に多い、そんな中で家事支援サービスですとか、ベビーシッターサービス、こういったものへのニーズは存在すると思います。ただ、やはりなかなか使いにくい、安心できるのかな、こういう風に思われる方もいらっしゃいますので、この家事士の国家資格制度化、これを前提にその利用料金の一部を税額控除する、こういった取り組みに挑戦をしてみたいと考えております。
5.4 女性の健康支援
私は、生涯に渡ってホルモンバランスの影響を受ける女性の健康問題、これを何とかしたいということで、この施策の検討にですね、かなり前なんですが平成25年に着手をいたしました。当時自民党の成長戦略本部長でございましたので、成長戦略本部の中に検討する専門組織を作りました。そこから随分時間はかかりましたけれども、たくさんの同僚議員が汗をかいてくださり、努力をしてくださったおかげで、今年度新規事業として始まった女性の健康ナショナルセンター構築、ナショナルセンター機能の構築、この事業、いよいよ本格的に動き出すことになります。
やはりこの女性特有の疾患ですとか不調、これはなかなか分かっていただきにくい、職場でも周りに理解していただきにくい問題でもありますので、予防すること、病態を解明すること、治療をすること、そして社会啓発を進めること、やっていかなきゃいけないと思います。
最近は、男性の更年期障害の事例もですね、随分皆様に知られるようになりましたから、合わせて取り組んでまいりたいと思います。
5.5 社会制度教育の充実
それから、学校教育ですとか社会教育の場で、特にこの地域で行われる社会教育の場で、私は社会制度教育をもっともっと徹底したいと思っております。一部学習指導要領の変更で、学校でもいろんなこの支援策を教えていただける科目もできたんですけれども、全部の生徒の必修という科目でもない場合もございますので、なんかこう生活をしていてですね、食べるものにも困ってしまったとか、それからこの育児や介護の負担に耐えきれなくなってしまったとか、それから進学を諦めてしまったとか、そういった方々が出ませんように、生活それから育児介護、そして進学、それから障害を持ちの方々への支援策も含めてですね、今ある社会制度をまず徹底的に皆様に周知をしてまいりたい、知っていただきたい、必要な時には遠慮なく使っていただきたい、そういう思いから社会制度教育というものを訴えさせていただいております。
6. 外交・安全保障政策
6.1 日米同盟の強化と主体的外交
安倍晋三元総理が提唱し、構築をしてこられた自由で開かれたインド太平洋にアメリカを強く関与させ続けることが日本の責任だと考えております。受け身ではなく主体的な外交で同盟国と同志国の絆をさらに強くしてまいります。
特に今の中国そして北朝鮮、ロシア、いずれも核を持っている、これがいずれも隣国であるという、世界で最悪とも言われる安全保障環境を考えますと、日米間がしっかりと連携をしながら安全保障上の絆、これも強めていくべきだと思っております。
日本独自でしっかりと国を守れる防衛力を身につけていくということが今後大事なことでございますので、それをしっかりと成し遂げる、そこに向かって歩んでいくということが大事です。アメリカに対して言うべきことはしっかりと言わせていただきます。それを何でも言い合えるのが同盟国だと私は考えております。
6.2 対中国外交
中国については、やはりこれは隣国でございます。日本の安全保障にも、それから資源安全保障にも大きな影響力を持つ国でございます。ですから、安倍総理は戦略的互恵関係という言葉を使っておられまして、中国もこれに対しては好意的だったと聞いておりますけれども、共に取り組んで解決できるようなこと、先ほど危機管理投資の中で世界共通課題と申し上げたような案件については共に取り組む、しかしながら言うべきことはしっかりという姿勢で臨みます。
特にEEZの設置について私がよくわからないのは、これは海洋法条約の中にEEZを撤去する条文がないからという説明を聞きました。私も問い合わせをしました外務省に、なんで撤去しないんだと。なんか撤去する方法に関して書いたものがないから。じゃあ別に禁じられてないんだったら撤去すりゃいいじゃないかというのが私の結論でございます。私がそういう権限を持ちましたら撤去させていただきます。
6.3 対韓国外交
韓国ですが、今のユン政権とは非常にいい関係を築いていると思います。これは岸田総理のご尽力によること、外務大臣時代からもそうでございましたけれども、ここが非常に大きいと思っております。
特に今の安全保障環境を考えますと、日米韓がしっかりと連携をしながら安全保障上の絆、これも強めていくべきだと思っております。
ちょっと今私が力を入れていることの中にですね、4年半ぶりにクールジャパン戦略を見直しました。アニメやゲーム、漫画も含めて、また音楽もそうなんですけども、クリエイティブ産業ですね。これはもう日本のすごい強みだと思いますし、まだもうちょっといろんな国々のニーズを、これもインテリジェンス、情報力なんですが、いろんなニーズを調べて、そしてしっかりと世界に展開していければいいと思っております。
特に韓国につきましては、韓国映画とかお好きな方も非常に多いと思います。ちょっと長いので何十話まで見れる根性があるかどうかということでございますけれども、韓国映画ですとか、あと歌ですとか、ミュージックですとか、それからコスメですね。そういったものも大変人気があります。
他方で、近年は韓国でも日本の音楽が自由に放送できるようになったということで、なかなか懐かしい昭和ソングがですね、韓国で今人気があるということで、こういったことはとっても私は嬉しく思っておりますので、協力できる分野をしっかりと深めていく、そういうことになるかなと思っております。
6.4 北朝鮮問題への対応
北朝鮮による拉致問題でございますが、先ほど申し上げましたように中国、ロシア、北朝鮮が接近しているという現状の中で、相当これまでよりも解決が困難になっているという現状は認識しなければなりません。それは否めません。しかし、首脳会談の実現、それから同盟国、同志国との協力、こういったあらゆる手段を尽くして、なんとか1日も早く全ての拉致被害者の方々の帰国、これを追い求めてまいります。そのために働かせていただきます。
NHKの国際放送というところには税金が入っています。NHK全部が受信料で賄われているわけではありません。国際放送については私たちの税金が入っていますですから、他の番組編集などについて政府が何かお願いをすることはないのですが、毎年NHK予算を国会に提出する際に総務大臣意見というものを付します。これは私が仕掛け4年間総務大臣をしてきた中で、毎年の総務大臣意見の中にこの国際放送に関して拉致問題に関する報道をしていただきたい旨を書いてまいりました。ここもしっかりとやっぱり取り組んでいただいて、幅広くこの国際世論を作っていただくことに貢献していただきたいと心から願っております。
6.5 国連安保理改革
今年の4月に国連安保理北朝鮮制裁委員会専門パネルでございますけれども、ロシアの拒否権発動によって活動停止に追い込まれました。これは対北朝鮮への制裁の履行状況をずっと監視する、大切なパネルでございましたが、ロシアが拒否権を発動したばっかりに、それができなくなったんですね。そうすると国連の安全保障理事会は国際社会の安全を保障する理事会ではもはやなくなってきているじゃないかという意識を持っております。
やはりこの国連安保改革に向けて日本が主体的に動かなきゃいけない。同盟国にも同志国にも、さらには有力国に呼びかけを続けて、しっかりと国連においても安全保障、国際平和、こういったものが担保される形を作るためにも安保改革を呼びかけてまいりたいと思います。
安倍晋三総理の時もそうでございましたけれども、私も政府専用機にはもう一度世界中を飛び回ってもらいます。しっかりと外交を進めてまいります。ご安心ください。世界には日本の友人がたくさんいます。これまでの友情をもっと強くし、そしてまた新たな友情も築いてまいりたいと考えております。
7. 憲法改正
7.1 改正の必要性
私は、今を生きる日本人と次世代への責任を果たすため、日本国憲法の改正を行います。特に、自衛隊の明記は喫緊の課題です。国防に任じておられる自衛官という皆様の名誉と誇りを守り、そして実力組織としての位置付けをするために、私は日本国憲法を改正いたします。
7.2 具体的な改正プロセスと課題
憲法を改正するには様々な段階がございます。自民党でも自民党の中で議論を尽くしております。結局、憲法を改正するには他党の皆様のご理解も必要ですから、こういった形で提案しようということでまとめてまいりました。また先週にも、第9条の書き取りなどについて、また議論を詰めたと聞いております。
ですから、そんな中で最後、憲法改正、これがこの案がいいのか悪いのか決めるのは国民の皆様でございますけれども、しっかりとした案をですね、まずは国会が発議をしなければいけない。その環境を作るために、たくさんの自民党同僚議員が努力をしておられます。
4項目全部一遍にということはなかなか難しいんでしょうけれども、1つ1つですね、しっかりと他党のご理解も得て、少しでも早く国民投票していただける、その環境を作るために頑張ってまいりたいと思っております。
ですから提出時期について今余談を持って申し上げることはできませんが、できるだけ早くということについては、現在の政権、現在の岸田総裁のお考えと私は同じでございます。
8. 皇室典範改正
8.1 皇室の重要性と改正の必要性
私は、今を生きる日本人と次世代への責任を果たすため、皇室を守り申し上げるための皇室典範の改正を行います。世界に二つとない長い長い歴史を持ち、126代も続いた私たちの皇室は、どこにも類例のない日本にしかない私たちの宝物です。天皇陛下の権威と正統性の源でもあり、私たち日本人の誇りでもございます。
皇室典範の改正は、日本の伝統と文化を守り、皇位の安定的な継承を確保するために不可欠です。それを支え続けている皇室をお守り申し上げるために皇室典範の改正をいたします。
この改正は、単なる制度の変更ではなく、日本の国家としてのアイデンティティを守り、次世代に引き継ぐための重要な取り組みです。皇室は日本の象徴であり、長い歴史と伝統の中で培われてきた私たちの国の根幹をなす存在です。
皇室典範の改正に当たっては、皇位継承の安定性確保や皇族の減少への対応など、現在直面している課題に適切に対処していく必要があります。同時に、皇室の伝統と格式を守りつつ、現代社会に適応した制度設計を行うことも重要です。
この改正プロセスでは、十分な国民的議論を経て、広く理解と支持を得られるよう努めます。また、皇族方のご意向を十分に尊重し、ご負担にならないよう配慮しながら進めていく所存です。
皇室典範の改正を通じて、日本の象徴である天皇陛下を中心とした皇室の安定と繁栄を確保し、日本の伝統と文化を守り続けていく決意です。この貴重な存在を守り、次の世代に引き継ぐことは、現在の政治家の重要な責務であると考えています。
9. 自民党改革
9.1 政治とカネの問題への対応
自民党総裁に選出されましたら、最初にやらなければいけない仕事があります。「Let's be reborn」と全ての国会議員に呼びかけて、国民の皆様から信頼をしていただける生まれ変わった自民党を作ってまいります。
お金の流れから俗人性を徹底的に排除します。会計や財務の専門家のご協力も得て、党本部で本当に必要なお金をしっかりと予算を組み、自民党所属の議員や支部長が活動資金に窮することなく最低限必要な政治活動ができるような公平な配分をする、そして資金の公正性は徹底的にチェックできる、こういう仕組みを作る必要があると思います。
自民党本部の運営の原資になるお金というのは、党員の皆様による会費やご寄付、支援団体によるご寄付もございます。私たち国会議員からの寄付もございます。何より大事なのは、納税者の皆様にご負担をいただいている政党交付金や立法事務費でございます。国会議員1人当たり4000万円とされております政党交付金、これは政党に交付をされます。国会議員1人当たり月に65万円と言われております立法事務費につきましては、これは会派、自民党会派に交付をされます。私たち国会議員1人1人が交付を受けているものではございません。
また、私も議員歳費の支払い表、今持っております。割とこの自民党の場合ですね、議員歳費からの差し引き額も多いものですから、人によって違うと思うんですが、月の手取りは概ね30万円台の国会議員が多いと思います。
元々は国会議員がクリーンなお金で、そして必要な政治活動を行えるようにということで、国民の皆様のご負担によって政党交付金制度というものができました。ところがですね、特定の幹部がその資金の配分を決めるという不公平な運用があって、多くの国会議員は通常の政治活動が行えるような金額を受け取ってはおりません。資産のない国会議員は、私も含めてかもしれませんけれども、地元事務所で必要な人件費やそれからガソリン代や事務所の家賃や、様々な事務機器のリース代を捻出するのに苦労をしています。
9.2 党組織の刷新と政府の給与改革
私はこのお金の流れ、もそうですが、流れからですね、俗人性を徹底的に排除したいと考えております。先ほど申し上げました通り、会計や財務の専門家のご協力も得て、党本部で本当に必要なお金、これ歳入もでもですけれども、しっかりと予算を組む。そして自民党所属の議員や支部長が活動資金に窮することなく、最低限必要な政治活動ができるような公平な配分をする。そして資金の公正性は徹底的にチェックできる、こういう仕組みを作る必要があると思います。
政府においても、もう総理大臣給与、大臣給与いりません。特別職の職員の給与に関する法律という法律がありますが、ここの別表を改正して、総理大臣給与も大臣給与も廃止をいたします。
9.3 人材登用・育成
自民党は専門人材の宝庫だという自負を持っております。本当に目立たないところでコツコツと専門性を磨いて、見事な政策構築をされる国会議員が非常にたくさんおられます。今までは派閥推薦人事とかいろんな壁がありましたけれども、やはり本当にコツコツと研鑽を積み、そして成果を上げておられる、そういう方に光が当たるような適材適所の人事システムを早期に作っていく、これも私の仕事だと思っております。
何か世代間対立では全世代総力結集のこの強みを生かして、全世代の方々の安心感を作れる政策の構築を行ってまいります。
とにかく国民の皆様から信頼をしていただける自民党、そして頼っていただける自民党、また我が国の伝統と歴史に真っ直ぐな思いを持ち誇りを持つ自民党、憲法改正の議論を引っ張る自民党、そしてその結果、国でも地方でも選挙に勝ち続けることができる、つまり国民有権者の皆様から信頼をしていただける、しっかりとした足腰を持った強い自民党を私、高市早苗は作ってまいります。
経済成長を確かなものにするためにも、総合的な国力を強くするためにも、大胆かつ息の長い取り組みというのは必要でございます。ぶれない総理、責任を取る覚悟、そして安定した政権、これが必要でございます。だからこそ強い自民党を作ることが必要だと私は考えてます。よって自民党改革を断行いたします。
10. 女性活躍推進
10.1 女性の健康支援
私は、生涯に渡ってホルモンバランスの影響を受ける女性の健康問題、これを何とかしたいということで、この施策の検討にですね、かなり前なんですが平成25年に着手をいたしました。当時自民党の成長戦略本部長でございましたので、成長戦略本部の中に検討する専門組織を作りました。そこから随分時間はかかりましたけれども、たくさんの同僚議員が汗をかいてくださり、努力をしてくださったおかげで、今年度新規事業として始まった女性の健康ナショナルセンター構築、ナショナルセンター機能の構築、この事業、いよいよ本格的に動き出すことになります。
やはりこの女性特有の疾患ですとか不調、これはなかなか分かっていただきにくい、職場でも周りに理解していただきにくい問題でもありますので、予防すること、病態を解明すること、治療をすること、そして社会啓発を進めること、やっていかなきゃいけないと思います。
最近は、男性の更年期障害の事例もですね、随分皆様に知られるようになりましたから、合わせて取り組んでまいりたいと思います。
10.2 仕事と家庭の両立支援
今は、家事や育児とか介護とか看病しながら働いていらっしゃる方が非常に多い、そんな中で家事支援サービスですとか、ベビーシッターサービス、こういったものへのニーズは存在すると思います。ただ、やはりなかなか使いにくい、安心できるのかな、こういう風に思われる方もいらっしゃいますので、この家事士の国家資格制度化、これを前提にその利用料金の一部を税額控除する、こういった取り組みに挑戦をしてみたいと考えております。
11. 教育政策
11.1 社会制度教育の充実
私は、学校教育ですとか社会教育の場で、特にこの地域で行われる社会教育の場で、社会制度教育をもっともっと徹底したいと思っております。一部学習指導要領の変更で、学校でもいろんなこの支援策を教えていただける科目もできたんですけれども、全部の生徒の必修という科目でもない場合もございますので、なんかこう生活をしていてですね、食べるものにも困ってしまったとか、それからこの育児や介護の負担に耐えきれなくなってしまったとか、それから進学を諦めてしまったとか、そういった方々が出ませんように、生活それから育児介護、そして進学、それから障害を持ちの方々への支援策も含めてですね、今ある社会制度をまず徹底的に皆様に周知をしてまいりたい、知っていただきたい、必要な時には遠慮なく使っていただきたい、そういう思いから社会制度教育というものを訴えさせていただいております。
この社会制度教育の充実により、国民の皆様が必要な支援を受けられずに困難な状況に陥ることを防ぎ、より安心して生活できる社会の実現を目指します。また、この取り組みは、社会保障制度の有効活用にもつながり、結果として国民の生活の質の向上と社会の安定に寄与すると考えています。
11.2 高等教育の機会均等
高等教育の機会均等については、経済的な事情によって進学を諦めない社会を作ることが重要です。この点については、先に述べた社会制度教育の一環として、既存の奨学金制度や教育支援制度についての情報を広く周知し、必要な人が確実に利用できるようにすることが重要だと考えています。
具体的な施策としては、奨学金制度の拡充や、教育ローンの利用しやすさの向上、また、大学や専門学校等との連携による授業料減免制度の拡大などが考えられます。これらの取り組みを通じて、意欲と能力のある若者が、経済的な理由で進学を諦めることのない社会を実現したいと思います。
また、高等教育の機会均等は、単に進学時の支援だけでなく、卒業後の就職支援や、社会人の学び直しの支援など、生涯を通じた教育機会の確保も含めて考えていく必要があります。このような包括的な教育支援策を通じて、日本の人材育成を強化し、国際競争力の向上にもつなげていきたいと考えています。
12. 地方創生
12.1 日本列島の強化と豊かさの実現
日本列島を強く豊かにする、これが今回の私の総裁選挙のスローガンです。日本全国47都道府県、どこに住んでいても安全に生活することができて、そして必要な医療や福祉を受けることができて、質の高い教育を受けることができて、働く場所がある。それが私が目指す日本の姿でございます。
12.2 地方の産業と経済活動の活性化
地方には様々な産業があります。様々な特産品などもあります。大きな伸び代がございます。日本列島の隅々まで活発な経済活動が生き渡る、そんな国を作っていく覚悟でございます。
この方針に基づき、地方の特色ある産業や特産品を活かした地域経済の活性化を図ります。例えば、地域ブランドの確立と販路拡大の支援、観光業の振興、新産業の創出などを推進します。また、地方への企業誘致や、テレワークを活用した地方での就業機会の創出なども積極的に進めていきます。
12.3 地方分権の推進
地方創生を実現するためには、地方分権の推進も重要です。地方自治体がより主体的に地域の課題に取り組めるよう、権限と財源の移譲を進めます。具体的な施策としては、地方交付税の拡充や地方債の発行条件の緩和など、地方財政の強化を図ります。また、地方自治体の裁量権を拡大し、地域の実情に合わせた柔軟な政策立案と実行を可能にすることを目指します。
これらの取り組みを通じて、地方の自立性と創造性を高め、各地域が自らの特色を活かした発展を遂げられるよう支援してまいります。地方の活性化は日本全体の活力につながるものであり、私はこの課題に全力で取り組む所存です。
13. 科学技術政策
13.1 重点分野への投資
科学技術政策の担当大臣も今兼ねておりますので、そこで取り組んでまいりました先進的な再生医療ですとか、スマートバイオ創薬にかかる事業ですとか、医療機器を開発するための事業ですとか、また再生細胞医療、遺伝子治療分野、また認知症分野、こういった研究開発、しっかりとこの成果を少しでも早く患者の皆様にお届けできるように努力を続けてまいりたいと思っております。
また、私自身が担当しておりますSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の中でも、例えばそうですね、ブリの大量養殖、これも省エネ型のブリの養殖ですとか、それから大豆に関しても高品質の大豆を育てる、こういった研究も進んできております。
13.2 国産資源開発の推進
私の現在の担当では、先ほど申し上げましたSIPで南鳥島海域のレアアース、このレアアースを採取して精錬する、この一連のプロセスについてしっかりと技術を確立して、そして南鳥島で国産のレアアース、これがきちんと生産される基地として機能する、そういったところまでを思い描きながら取り組みを進めてまいりました。
それからレアメタルについても、これも日本の排他的経済水域の中にたくさんの可能性がございます。このレアメタルにつきましても、これはサンプリングを取ることですね、このサンプリングから精錬まで、一連の技術が必要ですので、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
14. 環境・エネルギー政策
14.1 次世代原子力発電の推進
2020年代後半に向けては、SMR(小型モジュール炉)や高温ガス炉などの革新軽水炉、この次世代の軽水炉についてしっかりと投資をさせていただく、そして2030年代に向けては、これは核融合、前回も申し上げましたけれども、ウランやプルトニウムを使わない、そして高レベルの放射性廃棄物が出ない高効率発電です。ここに力を入れてまいります。
すでに昨年4月、日本初となる核融合戦略であるフュージョン・エネルギー・イノベーション戦略を私の元で取りまとめました。この戦略をさらに改定をして、しっかりと進めてまいります。
14.2 省エネ技術の研究開発
そしてもう1つは、省エネ技術の研究です。これものすごく大事だと考えております。最新の脳型半導体技術ですとか、それから光電融合技術、こういったものを活用すれば、例えばデータセンターでも電力消費量がぐんと少なくなっていく、様々な研究がこれは民間企業でも行われておりますし、政府としても後押しすべきはしていかなければならないと思っております。
これらの科学技術政策と環境・エネルギー政策の推進により、日本の技術力を高め、国際競争力を強化するとともに、持続可能な社会の実現を目指してまいります。
15. クールジャパン戦略の推進
ちょっと今私が力を入れていることの中にですね、4年半ぶりにクールジャパン戦略を見直しました。アニメやゲーム、漫画も含めて、また音楽もそうなんですけども、クリエイティブ産業ですね。これはもう日本のすごい強みだと思いますし、まだもうちょっといろんな国々のニーズを、これもインテリジェンス、情報力なんですが、いろんなニーズを調べて、そしてしっかりと世界に展開していければいいと思っております。
特に韓国につきましては、韓国映画とかお好きな方も非常に多いと思います。ちょっと長いので何十話まで見れる根性があるかどうかということでございますけれども、韓国映画ですとか、あと歌ですとか、ミュージックですとか、それからコスメですね。そういったものも大変人気があります。
他方で、近年は韓国でも日本の音楽が自由に放送できるようになったということで、なかなか懐かしい昭和ソングがですね、韓国で今人気があるということで、こういったことはとっても私は嬉しく思っておりますので、協力できる分野をしっかりと深めていく、そういうことになるかなと思っております。
16. 結びの言葉
結びに申し上げます。私たちが生きている今、それは誰かが命がけで守ろうとした未来だった。この言葉は映画をご覧になった方はご承知かもしれません。終戦間際の時代に現代を生きる女子高生がタイムスリップする話です。そして出撃間近の特攻隊員と恋に落ちます。これは叶わぬ恋です。葛藤は深まるばかりでございます。でもやがて彼女は気づきます。私たちが生きてる今、それは誰かが命がけで守ろうとした未来だった。
今皆様も私も誰かが命がけで守ろうとしてくださった未来を生きています。今の時代をお預かりしている私たちには、日本列島を強く豊かにして次の世代に引き渡す、その責任があると私は思っております。地方を元気にしていく、どこに住んでも安全に暮らせる、そういう日本列島にしていく。そのために高市早苗は全身をかけて働いてまいります。
17. 総裁選に向けての決意表明と国民への呼びかけ
日本列島を強く豊かに、これをスローガンに私高市早苗、政成堂々と自民党総裁選挙を戦い抜いてまいりますので、そして良い結果を出して、この日本国の国家経営を担いたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。ご清聴いただき、ありがとうございました。