※本稿は、林芳正官房長官が2024年の自由民主党総裁選への出馬表明会見の内容を要約したものです。
1. 出馬表明の背景と決意
1.1 現在の政治状況と信頼回復の必要性
私、林芳正は、この度、この大変難しい状況の中ではありますが、自民党総裁選挙への出馬を決意させていただきました。私の考えの一端を述べさせていただければと思います。
さて、現在、自民党は政治と金の問題によりまして、大変信頼を損ねる事態となっております。党員、党友の皆様をはじめとした皆様に多大なご迷惑、ご心配をおかけしましたことを、まずもって深くお詫び申し上げます。
党所属の議員が起こした重大な事態について、組織の長として責任を取るという岸田総理の姿を目に焼き付け、その覚悟を心に深く刻んで、全力で自民党の信頼回復に努めるとともに、国民の共感を得られる政治を取り戻してまいりたいという風に思っております。
1.2 経験と実績を生かす決意
私は平成7年の初当選以来、政府におきましては防衛大臣、経済財政担当大臣、農林水産大臣、文部科学大臣、外務大臣、そして現在の官房長官という閣僚を経験させていただきました。党においては税調や行政改革といった政策に取り組ませていただきました。また国会では予算委員会や議院運営委員会といった委員会で理事を務め、この国会の運営にも立たせていただきました。
そうした議員生活は30年、来年になりますが、この持てる経験と実績を全て生かして、この国のために使わせていただきたい。そんな思いでここに立っているところでございます。
1.3 台風15号被害者への言及
その前に、台風15号でお亡くなりになられた皆様に心よりお悔やみを申し上げるとともに、被害に遭われた方、まだ避難をされている皆様方に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
以上が、私の総裁選出馬に当たっての背景と決意です。これらの経験と実績を踏まえ、現在の日本が直面する様々な課題に対して、全力で取り組んでまいる所存です。
2. 日本が直面する課題
現在の日本は、足元でコロナ禍がようやく収まり、賃金の上昇も始まり、実質賃金上昇といういい数字も出始めたところであります。しかし、一方で我が国は以下のような大きな課題に直面しております。
2.1 少子高齢化と人口減少
少子高齢化の進展、地方を中心とする人口減少が進んでおります。このまま少子化が続くと、日本の人口がどんどんどんどん減っていってしまうんじゃないかと、元気が出ないねということでございます。
これに対しては、今までの施策、この子供未来戦略、さらにはその加速化プランでいろんな施策を打ってまいりました。私が考えますのは、そこより少し中長期の少子化対策によって、未来に対する不安を解消していこうということでございます。そして、これは同時に当面人口は減少していきますので、これに対する対応も合わせて行わなければいけないという風に思っております。
2.2 格差の拡大
格差の広がりといった構造的な課題に加えて、さまざまな問題が顕在化しています。出生率の向上以前に高い壁がございます。よく聞きますのは、晩婚化・非婚化の背景には、やはり正規雇用という問題があるということでございます。そうした状況に対して、底上げによる格差是正、そして地域活性化、地域に職場を作っていくということで、この不本意未婚というものを解消していきたいという風に思っております。
2.3 地球環境の変化と災害の巨大化
地球環境の変化、それが一因であると思われる災害の巨大化も、我が国が直面する重要な課題です。何十年に1度しか起きない異常気象だと言われていることが、ほぼ毎年起きるようになりました。
2.4 国際情勢の不安定化
世界平和が当たり前ではなくなりつつあるといった、地球規模のリスクにも直面をしております。まさに世界は今、歴史の転換点に立っている、地政学リスクが増大をしている、まさにそういう中で、2年間外交に取り組んでまいりました。
これらの課題に対して、政治の力、そして政策の力を遺憾なく発揮し、こうした不安を解消し、各世代の誰もが多様な選択肢、いろんな人生における選択肢を選べる、こうした姿をしっかりと示すことによって、ウェルビーイング、この充実したウェルビーイング向上社会を実現するために、日本のかじ取りをやってまいりたいという風に思っております。
これらの課題は複雑に絡み合っており、一朝一夕には解決できません。しかし、私はこれまでの経験と実績を最大限に活用し、国民の皆様と共に、一つ一つ着実に取り組んでいくことで、必ずや乗り越えられると確信しております。
3. 3つの安心政策
私は、日本が直面する課題に対応するため、3つの安心政策を提案いたします。その第一の柱が、少子化対策と人口減少への対応です。
3.1 少子化対策と人口減少への対応
3.1.1 中長期的な少子化対策
まず、中長期的な少子化対策について申し上げます。これまでの施策、この子供未来戦略、さらにはその加速化プランでいろんな施策を打ってまいりました。私が考えますのは、そこより少し中長期の少子化対策によって、未来に対する不安を解消していこうということでございます。そして、これは同時に当面人口は減少していきますので、これに対する対応も合わせて行わなければいけないという風に思っております。
3.1.2 晩婚化・非婚化問題への取り組み
出生率の向上以前に高い壁がございます。よく聞きますのは、晩婚化・非婚化の背景には、やはり正規雇用という問題があるということでございます。そうした状況に対して、底上げによる格差是正、そして地域活性化、地域に職場を作っていくということで、この不本意未婚というものを解消していきたいという風に思っております。
3.1.3 雇用改革(副業、リモートワーク、ジョブ型雇用)
まず、底上げによる格差是正ですが、これまでもいろんな政策に取り組んでまいりました。雇用改革が非常に大事だと思っております。副業、リモートワーク、またジョブ型の仕事を増やしていく、こういう中で働きたい女性や高齢者がこの職場をしっかりと確保できる、自己実現が図れる、そして男性が家事・育児をしやすい、そうした環境を後押ししていきたい。
3.1.4 ワークライフバランスの改善
そういうことによって、ワークライフバランスを回復していく、こういうことを考えております。具体的には、柔軟な勤務形態の導入促進、育児・介護休業制度の拡充、そして男性の育児参加を促進するための施策を強化してまいります。
3.1.5 教育支援(足立区の事例)
さらには、文部科学大臣時代に視察をさせていただきましたが、足立区の小学校・中学校の例があります。学校が終わってから、なかなか家に帰って落ち着いて勉強する環境にないお子さんたちがたくさんいらっしゃる。じゃあどうするのかと。こういう時に学校で補習をして、明日の宿題も手伝ってあげる、今日の授業で分からなかったところをその日のうちにしっかりと理解をしてもらう。
先生にとって少し負担が増えるということもありましたでしょうけれども、新しい区長のもとで新しい教育長がこれに取り組んで、足立区は23区内の学力テストで最下位を低迷していたのが5年でちょうど平均まで戻ってきたと、こういう事例を視察させていただきました。こういう教育を再強化するということ、非常に大事だと思っております。
3.1.6 未来の仕事に必要なスキル教育
さらには、もう10年後、20年後、チャットGPT、私が思ったより早かったです。10年後、20年後には、どういうスキルが、どういう仕事が本当にあるのか、残っている仕事にどういうスキルが必要になるのか。これも文部科学大臣時代に色々と検討させていただきました。
想像力とかコミュニケーション能力、リーダーシップ、こうしたものが大変必要になってまいります。そういう能力をしっかりと公教育で学んでもらう。これも同時にやっていきたいと思っております。
具体的には、STEAM教育の推進、クリティカルシンキングやデザイン思考の育成、そして産学連携によるインターンシップやプロジェクト型学習の拡充などを通じて、未来の仕事に必要なスキルを育成してまいります。
これらの政策を総合的に推進することで、少子化対策と人口減少への対応を図ってまいります。若い世代が希望を持って結婚し、子育てができる社会、そして誰もが自分の能力を最大限に発揮できる社会の実現を目指してまいります。
これらの政策は、短期的な効果を期待するものではありません。しかし、中長期的な視点に立って、着実に実行していくことで、必ずや成果を上げることができると確信しております。国民の皆様のご理解とご協力を賜りながら、全力で取り組んでまいる所存です。
3.2 防災・減災対策
第2の安心は、まさに直近まで大きな台風が我々を見舞いました。自然災害もありました。何十年に1度しか起きない異常気象だと言われていることが、ほぼ毎年起きるようになりました。
3.2.1 国土強靭化計画の推進
防災・減災にしっかりと取り組んでいく、そして国土強靭化でハード・ソフトの蓄積をやってまいりました。これをさらに推進をするとともに、特に能登半島地震で現地に立たせていただきました。この時の経験で、ハードのみならずソフト面での対策も重要であることを実感いたしました。
3.2.2 ソフト面での対策強化(ボランティア登録制度など)
どこにどういう人がいて、どういう人がボランティアなのか、こういうものをしっかりとまた災害が起こった時に使えるようにしておく必要があります。例えば、ボランティアを登録する制度、こういうことが考えられると思います。
こうした取り組みをそれぞれの地域でやっていただくために、この資金、基金みたいなものを作って、そういうものを通じしていければと思っております。具体的には、各地域で独自の防災・減災対策を立案・実施するための財源として、この基金を活用していただくことを想定しています。
3.2.3 避難所の環境改善
そしてさらに申し上げますと、避難所の環境改善も急務です。まだまだプライバシーや食事の面で、世界と比べてどうかなという指摘がたくさんありました。こういうことも改善をしていかなければなりません。
例えば、避難所でのプライバシー確保のためのパーティションの設置や、栄養バランスの取れた食事の提供、高齢者や障害者の方々に配慮したバリアフリー化など、避難生活の質を向上させるための具体的な施策を実施していく必要があります。
これらの防災・減災対策を総合的に推進することで、災害に強い国土づくりを目指します。ハード面の整備だけでなく、ソフト面での対策も充実させることで、より効果的な防災・減災体制を構築してまいります。
国、地方自治体、民間企業、そして国民一人一人が協力し合い、オールジャパンで防災・減災に取り組む体制を作り上げることが重要です。私は、この取り組みを通じて、国民の皆様が安心して暮らせる社会の実現に向けて全力を尽くしてまいります。
3.3 外交・防衛政策
第3の安心は外交・防衛です。まさに世界は今、歴史の転換点に立っています。地政学リスクが増大をしている、まさにそういう中で、私は2年間外交に取り組んでまいりました。この経験を踏まえ、以下の政策を提案いたします。
3.3.1 3つの覚悟(普遍的価値の擁護、日本の安全保障、地球規模課題へのリーダーシップ)
3つの覚悟を持って外交・防衛政策に臨むべきだと考えています。
第一に、普遍的価値の擁護です。自由とか法の支配とか民主主義、こういうものをしっかり守っていくことが重要です。これは日本の外交の根幹をなすものであり、国際社会における我が国の立場を明確にするものです。
第二に、日本の平和と安全を守っていくことです。激変する国際情勢の中で、我が国の安全保障を確保することは最重要課題の一つです。
そして第三の覚悟が、地球規模の課題にリーダーシップを持って取り組んでいくことです。特に地球温暖化問題については、先ほど災害の時にもお話ししましたけれども、日本一国でいくら頑張っても地球温暖化の解決にはつながりません。世界が一つになって取り組んでいかなければなりません。こうした問題に日本としてリーダーシップを発揮してまいります。
3.3.2 経済安全保障の強化
経済安全保障については、外務大臣時代の2年間で重要な進展がありました。少なくともG7の共有の認識として、デカップリングからデリスクへと考え方が変化してきました。これは、経済的な完全な切り離しではなく、リスクを軽減する方向へと転換したことを意味します。
この認識の変化を踏まえ、今後はさらにこの方向性を推し進めてまいります。具体的には、重要技術や戦略物資の管理、サプライチェーンの強靭化、技術流出の防止などの施策を講じていく必要があります。
3.3.3 能動的サイバー防御
さらに、能動的サイバー防御にも取り組んでまいります。サイバー空間における脅威は日々進化しており、受動的な防御だけでは不十分です。そのため、サイバー攻撃を事前に察知し、積極的に対処する能力を強化する必要があります。
これらの政策を通じて、民主主義と市場経済というのはしっかりとワークするんだ、そのことを世界に示して、これを守っていきたい、そういう風に考えております。
我が国の安全と繁栄を確保するためには、外交・防衛政策の充実が不可欠です。私は、これまでの外務大臣としての経験を生かし、激動する国際情勢の中で日本の国益を守り、同時に国際社会の平和と安定に貢献する外交・防衛政策を推進してまいります。
以上の取り組みを通じて、日本の外交・防衛政策をさらに強化し、国際社会における我が国の地位を高めるとともに、世界の平和と安定に貢献してまいりたいと考えております。
4. 経済成長戦略
そしてこれらのことを実現していくためには、やはり成長戦略が必要です。日本が付加価値をつけて成長していく、今コスト型、コストカット型経済から成長型の経済へやっと車輪が回り始めました。これをさらに加速をしていくために、以下の戦略を推進してまいります。
4.1 GX(グリーントランスフォーメーション)の推進
まず、GX(グリーントランスフォーメーション)の推進です。環境問題への対応と経済成長の両立を目指す重要な戦略です。
4.2 AI・DXの活用
次に、AIを含むDX(デジタルトランスフォーメーション)の活用です。デジタル技術を活用して、産業構造や社会システムの変革を進めます。
4.3 コンテンツ産業の育成
私の好きなところでもありますが、コンテンツ産業の育成も重要です。日本の文化的な強みを生かし、国際競争力のある産業として育成します。
4.4 スタートアップ支援
スタートアップ支援も推進します。新しいアイデアや技術を持つ企業の成長を支援し、イノベーションを促進します。
4.5 グローバルニッチトップ企業の支援
さらには、少し聞き慣れない言葉かもしれませんが、グローバルニッチトップというものがあります。グローバルにものすごい世界シェアを持っているんだけどあまり知られていない、こういう素晴らしい会社が日本の地域にはたくさんございます。
一つだけ例を上げると、金沢の白山工業という会社があります。光ファイバー用のコネクター、これ世界シェア2位を持っておりますが、131人でこの仕事をやっております。こういうところをしっかり支援していく。このような高い技術力と国際競争力を持つ中小企業を支援することで、日本の産業基盤を強化します。
4.6 インパクト投資の促進
また、インパクト投資やワットビット連携、こういうものも進めて参りたいと思います。インパクト投資は、社会的課題の解決と経済的リターンの両立を目指す投資手法です。
4.7 ワットビット連携(エネルギーと情報の効率的利用)
ワットビット連携という少し耳慣れない言葉を使わせていただいたところですが、これはワットは電力ですね、でビットはこの情報、データセンターが発電所の近くに来るのか、発電所がデータセンターの近くに行くのか、これを政府として国としてしっかりとですね、一番いい配置はどうなのか、これを考えていくというのがワットビット連携でございます。
このことはGXの会議ですでにこの方向性が出されておりますので、これをしっかりやることによって、あまりこの無駄に電力を消費しないという枠組みも合わせて考えていかなければならないと思っております。エネルギーと情報技術の効率的な連携を図ることで、持続可能な経済成長を実現します。
これらの戦略を総合的に推進することで、日本経済の持続的な成長を実現し、国際競争力を高めていきたいと考えています。環境問題への対応、デジタル化の推進、そして既存の産業の強みを生かしながら、新たな成長分野を育成することで、バランスの取れた経済発展を目指します。
5. 農業政策
地域活性化、地域に職場を作るという意味では、私が農林水産大臣時代に取り組んだ政策を基に、以下のような施策を推進していきたいと考えております。
5.1 農業基本法に基づく構造改革
農業基本法が成立いたしました。今から数年間でこの改革を進めていく、構造改革をやっていくということがそこに打ち出されています。TPPの時もそういう形を取りましたし、例えば他の予算については、まさに今先ほどご質問のあった防衛費とかですね、この枠をしっかりと作って、皆さんがそれを見てですね、また来年予算がどうなるのかなという心配なくこの構造改革に取り組んでいただけるような仕組みをですね、考えていきたいというふうに持っております。
農業における構造改革とか、基盤整備というようなものはですね、普通の企業に例えて言いますと設備投資になるわけです。やっぱり新しい設備投資をどんどんしていって、そして農業の生産性を上げていく。また冒頭申し上げましたように、それに合わせて付加価値をつけていく。これは主にこの売る方でありますけれども、これが相まってですね、やっぱり農家の所得が上がっていく。これが私の基本的な考え方でもありますので、見通しのいい仕組み、これを作っていきたいと考えております。
5.2 GI(地理的表示)制度の活用によるブランド化
私が農林水産大臣時代に取り組んだGI(地理的表示)保護制度というのを作らせていただきました。例えば、こういうものを利用してブランド化を図っていく、付加価値を上げていく。そのことによって輸出も増えるし、価格が上がればですね、しっかりとこの手取りが残っていく、こういうことであります。
5.3 農業と観光の連携(例:下関のフグ)
そして、この観光と農林水産業を組み合わせて、手前みそですが私の地元下関はフグが有名であります。フグを審判炉で食べるというようなですね、そういうツアーを組めば、ただ下関に来て止まるということではない付加価値が生まれます。
観光と農林水産業をしっかり組み合わせる、こういうことでですね交流人口を増大していく。そこに新しい職場が生まれる、こういう循環を作っていきたいというふうに思っております。
これらの政策を通じて、農業を成長産業へと転換し、農家の所得向上と地域経済の活性化を実現します。活力ある農村社会の実現と、日本の農業の国際競争力強化を目指します。
6. 政治改革・行政改革
次に、政治改革・行政改革について私の考えを述べさせていただきます。政治資金の不透明なところ、そしてグレーゾーンがあるところ、これが随分と指摘をされました。透明性を上げる、そしてグレーゾーンをなくしていく、このことが大事であると思っております。
6.1 政治資金の透明化
政治資金の透明性を高めることは喫緊の課題です。現在の制度では依然として不透明な部分が存在し、それが国民の皆様の不信感につながっています。そのため、政治資金の収支報告をより詳細かつ迅速に公開する仕組みの構築や、政治団体の会計処理の厳格化などを進めていく必要があります。
6.2 第三者機関の設置(米国FECモデル)
透明性を高め、政治資金の適正な管理を確保するため、第三者機関について米国FECをモデルとした独立行政機関を検討し、ここに監視監督機能を持たせるということを提案したいと思います。
米国のFEC(連邦選挙委員会)は、政治資金の監督や選挙法の執行を担う独立機関です。日本でも同様の機関を設置することで、政治資金の透明性を高め、不正を防止する効果が期待できます。この機関には、政治資金の収支報告の審査、違反の調査・摘発、政治資金に関する規則の制定などの権限を持たせることを想定しています。
6.3 政党交付金の配分見直し
党の支出を総裁になれば精査をし、政党交付金の国会議員への配分、これを見直してですね、パーティーの収入への依存度を減少させたい、そういう風に思っております。
具体的には、政党交付金の使途をより厳格に規定し、本来の政党活動に使用されることを確保します。また、国会議員個人への配分を減らし、政党本部での集中管理を強化することで、より効率的かつ透明性の高い資金運用を目指します。これにより、政治資金パーティーへの依存度を下げ、より健全な政党運営を実現したいと考えています。
6.4 省庁再編の検討
行政改革については、たくさんありますが、一つ、省庁体制、2001年あたりで始まって20年以上経ちました。これをしっかり検証して、そして省庁再再編の議論をスタートさせます。
20年以上前に行われた中央省庁再編から時間が経ち、社会経済情勢の変化に伴い、新たな課題や需要が生まれています。例えば、デジタル化の進展、環境問題の深刻化、少子高齢化の加速など、従来の省庁体制では十分に対応できない課題が顕在化しています。そこで、これまでの省庁体制の成果と課題を徹底的に検証し、より効率的かつ効果的な行政運営を可能にする新たな省庁再編の議論を開始します。
また、官房長官の経験でいかに横串というものが大事であり難しいかということが短い間でしたけれどもよく分かりました。省庁の壁を超えるこれは言うは易し、しかし行うのは大変難しいことです。それぞれの省庁の仕事を分かっていないとどうやって横串をさすのか。ただ横串をさして何もしないんであれば、お団子と一緒であります。これが一つの大きなお団子になるようにですね、この経験を生かしていきたいと思います。
具体的には、省庁間の人事交流の活性化、省庁横断的なプロジェクトチームの設置、デジタル技術を活用した情報共有システムの構築などを通じて、より柔軟で効果的な行政運営を実現します。
これらの政治改革・行政改革を通じて、より透明性が高く、効率的な政治・行政システムを構築してまいります。そして、これらの改革を通じて、国民の皆様のための政治、国民の皆様に寄り添う政治を実現してまいりたいと考えております。
7. 憲法改正への取り組み
憲法改正ですが、2005年の11月の自民党最初の憲法草案、私は起草委員会の幹事長ということにご指名をいただき、しっかり取り組んでまいりました。その時以来、憲法改正ずっと取り組んでまいりました。参議院の時代には憲法審査会会長も務めさせていただきました。
7.1 自民党の4項目(自衛隊明記、参議院合区解消、緊急事態条項、教育無償化)
自衛隊の明記、参議院の合区解消、緊急事態条項、教育無償化、この4つの自民党の案を、これに対する国民の皆様の理解をどんどんどんどんと広げていきたいと考えております。
7.2 国民の理解促進と発議に向けたタイムライン
任期中の自民党の総裁の任期は3年でありますので、任期中のこの国民への呼びかけ、これにつなげてまいりたいという風に思っております。
国会の発議を任期中に行いたいということでございます。
これらの改正案について、国民の皆様の理解を促進するために、丁寧な説明と対話を重ねていく必要があります。憲法改正は国の根本法を変える重要な作業です。
私は、これまでの経験を生かし、異なる意見にも耳を傾けながら、国民的な議論を喚起し、合意形成を図っていく所存です。
憲法改正は決して容易な道のりではありませんが、時代の変化に応じて国の基本法を見直すことは重要です。私は、国民の皆様の理解と支持を得ながら、この重要な課題に真摯に取り組んでまいります。
8. 「人に優しい政治」の実現
より明るい未来に向かって安定した、国民の皆さんが安心できる人に優しい政治、仁の政治を行っていきたいという風に思っております。「仁」とは、国民の皆様に対する慈しみ、思いやりという意味だそうでございます。こういう志しでもって、しっかりとこの政治を行ってまいりたいと思います。
8.1 政治家としての姿勢(「ロウソク」の比喩)
私の好きな言葉に、政治家ロウソクという言葉がございます。自分の身を焦がして光を作ることによってですね、一隅を照らすと。必ずしも今うまくいってないとか恵まれていない、そういう人にしっかりと光を当てる。そのことによって自分は減っていくわけですが、ロウソクはですね、そういうこの今困っておられる方にしっかり手を差し伸べる、それは仁の意味であります。そういう政治をやっていきたいという風に思っております。
8.2 国民との対話重視(キャッチボール型政策立案)
そして、政治を行う時にはキャッチボール、党員党友の皆様を始めとした国民の皆様と常にやり取りをして、こういう政策ですけれども、それはこうですかと。こういうところをこうしたらもっと良くなるんではないですか。このキャッチボールを続けることによって、しっかりと政策を磨いて参りたいと思います。国民の皆様と共に作る政策を実行してまいりたいと思います。
以上が、「人に優しい政治」の実現に向けた私の基本的な考え方です。国民の皆様の声に耳を傾け、困難な状況にある方々にも光を当て、共に政策を作り上げていくことで、より良い日本の未来を築いていく所存です。
9. 派閥問題への対応
党の議論、必ずしも長官の立場では直接関与しておりませんでしたが、今回の不祥事を受けてガバナンスコードというのも変えております。そこに派閥の定義が書いてあります。
9.1 高知会の解散と新たな政策集団の形成
今ご指摘があったように、私が属しておりました高知会はですね、今日正式に届けを出して解散の手続きが終了したということであります。 ただ30年間議員生活のほぼ95%ぐらい、1年だけ無派閥の時代が実はあったんですが、95%以上の期間を高知会の旧公明会の皆様と一緒に切磋琢磨、そして政策も作らせていただきました。そういう一緒にやってきた関係というのは高知会が派閥としてなくなっても続くものだという風に思っております。
また今日、ご列席をいだいてるえ先体の幹部の皆様の中にはですね、高知会とはご縁がなかった先生方にもご出席をいだいてるところでございます。
9.2 党のガバナンスコード改定と派閥定義の変更
今後政策集団はお金や人事から完全に別する、資金力と人事への影響力を背景に当所属の国会議員を集め、その力によってさらに影響力を強めようとする組織を派閥と定義し、こういう風になっております。
我々、党に所属する国会議員としてえこの定義でもって、そういう派閥はなくすとこういうことを、一議員としても務めていかなければならないという風に思っております。
10. 総裁選に向けた具体的な取り組み
10.1 選挙費用の抑制策
この今日確か総裁選挙管理委員会が開かれて、最速が少し出てくるのではないかという風に聞いておりますが、それを待つまでもなくですね、お金のかからない総裁選挙というのは当然のことであろうという風に思っております。
私も何度も総裁選挙経験して参りました。自分で出るのは2回目ですけれども、他の候補の応援をやってまいりました。勝った際はですね、ホテルや、この国会の外にいろんな場所を確保して、そこでこの、これ情報交換という意味では大事なことだと思いますが、そういうことがですね行われてきたというのも記憶にあるところでございます。
今回このような中で総裁選挙が行われますので、私の陣営の方はですね、国会の議員会館のオフィス、もしくは時間の制約が、使用できる時間が限られておりますので、そうした場合は原宿の会議室をですね、利用しようとこういう風に考えております。
10.2 選挙費用の公開に関する考え
また、選挙費用何が選挙費用かということですが、この公開についてはですね、いろんなルールが決まればそれに従いたいという風に思います。
選挙費用の公開に関しては、現在の法律や党の規定に基づいて適切に対応してまいります。具体的にどのような項目を選挙費用として計上し、公開するかについては、党の規定や選挙管理委員会の指示に従って決定していく予定です。
さらに、法定の報告書提出に加え、より詳細な収支報告を自主的に公開することも検討しています。選挙期間中でも、定期的に主な収支状況を公表するなど、リアルタイムでの情報開示を目指し、透明性の確保に努めます。
これらの取り組みを通じて、総裁選挙の公正性と透明性を高め、国民の皆様の政治に対する信頼回復につなげていきたいと考えております。同時に、こうした取り組みが党全体、さらには日本の政治全般における選挙の在り方に良い影響を与えることを期待しています。
総裁選挙は単なる党首選びではなく、日本の将来を左右する重要な機会です。そのため、政策論争を中心とした建設的な議論を展開し、国民の皆様に私たちの考えをしっかりとお伝えすることに注力してまいります。同時に、選挙費用の抑制と透明性の確保にも最大限努め、クリーンで信頼される政治の実現に向けて全力を尽くす所存です。
11. その他の政策課題
11.1 エネルギー政策(原子力発電の位置づけ)
エネルギー政策、特に原子力発電の位置づけについて、私の考えを述べさせていただきます。今おっしゃったように、データセンターそれから半導体の工場もすでに稼働に向けて動いておる中でですね、5年前、10年前に想定した時より電力需要、この先伸びていくということが予想されます。
そうしたものにしっかり対応していくためには、脱炭素電源として原子力というのは大変大事なベースロード電源だという風に考えております。これを推進していく。ただしその時には新基準によってですね、安全性を確保する、そして住民の皆様の安心を確保する、これは大前提であるということは申し上げておきたいと思います。
その上で、先ほどワットビット連携というですね、少し耳慣れない言葉を使わせていただいたところですが、これはワットは電力ですね、でビットはこの情報、データセンターが発電所の近くに来るのか、発電所がデータセンターの近くに行くのか、これを政府として国としてしっかりとですね、一番いい配置はどうなのか、これを考えていくというのがワットビット連携でございます。
このことはGXの会議ですでにこの方向性が出されておりますので、これをしっかりやることによって、あまりこの無駄に電力を消費しないという枠組みも合わせて考えていかなければならないと思っております。
11.2 選択的夫婦別姓問題への対応
私は個人的にはですね、選択的夫婦別姓というのは、あってもいいのかなという風に個人的には思っております。我が家の話で恐縮ですが、娘が2人おりますので、そういう問題、常に考えてまいりました。
ただ、総裁、総理となってですね、どうしていくのかということを考えた場合に、先ほど話があったように、まだいろんな意見がございます。で、私は一つ気になっておりますのは、このいろんな調査をやる時に、賛成ですか、反対ですかという調査が多く見受けられるわけですが、もう一つ選択肢を加えてですね、賛成、そして通称使用の拡大をしていく、反対と、こういう風にするとですね、私が見たものでは大体3分の1ずつぐらいに、なっております。
従って、意見の集約をしっかりと総理、総裁になった暁にはですね、していって、なるほど、こういうところだねということが、当然国会議員の間もそうですけれども、国民の各層の間でですね、大まかなコンセンサスを作り上げていく、このことが責務だという風に思っております。
11.3 防衛費の増額問題
防衛費の増額問題について、私の考えを述べさせていただきます。防衛につきましては、まさに概算要求がこないだ締め切られたわけでございます。このルールに従ってですね、この予算編成をしていく、その方針に変わりはないという風に思っております。
具体的な数字や増額の是非については、現時点では明言を避けますが、国際情勢や我が国の安全保障環境を慎重に見極めながら、適切な防衛力の整備を進めていく必要があると考えております。
11.4 金融所得課税の強化に関する見解
金融所得課税の強化について、私の見解を述べさせていただきます。これはすでにですね、令和5年、の5年度の税制改正で、極めて高い所得水準の皆様のところを是正するという措置を取っておりまして、これが実は令和7年からの施行になっております。
従って令和7年、もう少し先ですけれども、そこでどういう状況に実際になるのか、いろんなことが言われておりますが、実はまだ始まっていないと。従って私は、その状況をしっかり見定めた上でですね、さらに何かする必要があるのかということは検討すべきだという風に考えております。
一方でこの今、貯蓄から投資へという流れ、これを促進をしているところでございますので、その検討にあたってはですね、そういう流れとどう調和を取っていくのかということも考えに入れておかなければならないという風に思っております。
これらの政策課題については、国民の皆様の声をよく聞きながら、慎重かつ適切に対応していく所存です。
12. 質疑応答での補足説明
12.1 政治と金の問題への対応
先ほど外交、普遍的な価値のところで、法の支配ということを申し上げました。私はやはり法の支配が非常に大事だという風に思っております。その意味は、総裁が変わったから今までしっかりと手続きを取って決めたことを何も手続きを取らずに変えるということは、私はあってはならないという風に思っております。
成林、そしてえ党の当期委員会、第三者の皆様も入って、党の調査もそうですが、やってまいりました。従って、これは法の支配ということでルールとして尊重しなければならない。それを申し上げた上で、裁判が進行中でありますし、また新たな事実が報道の皆様を通じても含めてですね出てくることも考えられます。そうしたものが出てくればもう一度手続きに則ってしっかりと結果を出していく、このことが必要であるという風に思っております。
12.2 岸田政権の評価と継承・発展
まずはお褒めに扱って恐縮でございます。政策をしっかりとやっていくということはですね、とても大事なことだと思っております。岸田政権、その前の安倍、菅政権でもですね、ずっとこの経済再生に取り組んでまいりました。やっとデフレ脱却、そして早いうちにデフレ脱却宣言までたどり着きたいという風に思っておりますが、10年前を考えるとそれはまた夢のまた夢のような状況でありました。
それぞれの政権でやってきたことの積み重ねでですね、私たちは今この場所に立っているとそういう風に考えております。ここから何を引いて何を足していくのかということはしっかりと考えなければなりません。この岸田政権でですねやってきたことに足していく、そういうことで先ほど中長期的な少子化対策ということを申し上げさせていただきました。
殺刑感というお話でありましたけれども、私は殺刑感よりはですね、殺そのものが大事だという風に思っております。殺をしっかりできるのかと、殺刑感あったけど何もないうちに消えちゃったねということではいけないという風に思いまして、殺神をしっかりやっていくために、この経験や実績十分に使っていきたいと思っております。
12.3 中国との関係(日中議連会長経験を踏まえて)
まずご質問にお答えする前、お答えする前に、私、長官としてここに来ておりませんで、出馬を決意した一衆議議員ということで来ておりますので、そういう立場で答えさせていただきます。
日中友好議員連盟の会長をしておったということは事実であります。神村元外商から引き継いで、何年間かやっておりました。日中関係は非常に大事な関係であるということはその通りだという風に思っております。しかし一方で、私に対する中国派とかですね、いろんなご批判があるということを時々耳にしますが、私は地中派だと。中国を知っているということだという風に自分では思っております。
己れを知り、敵を知れば百戦危うからずと。決して中国と戦争するという意味ではございませんが、中国と向き合っていくためにはですね、中国のことを知っているということ、これは一つのこのポイントではないかという風に思っております。また農産物の輸出一つとってもですね、また今規制の緩和解除についていろんな交渉をしておりますが、相手を知って交渉しなければですね、結論を得ることは難しいだろうという風に思っております。
12.4 能登半島地震被災者支援の反省と今後の対策
そういうご指摘は真摯に受け止めて反省をしなければならないという風に思っております。私も毎日毎日情報を聞きつつですね、いろんな指示、そして松野防災担当大臣を中心として対応に当たってきたところです。
私が申し上げたのはずっとそうだったということも、あるいはあったかもしれませんけれども、そこに至る過程、プライバシーはですね、温かい食事が自衛隊等で提供されるまで少し時間がかかったと。ですからそれが初日からというと難しいかもしれませんけれども、なるべく早くそういう環境にするための努力、これはノウハウの蓄積によって改善できると考えています。
この地方公共団体と国の例えば消防自衛隊警察と、そういうところと、そしてボランティアの皆様と、今回は特に民間企業の皆様も色々ご協力いただきましたが、こういう人たちが一緒になってやったということのノウハウをしっかり蓄積をして、そのことが次に生かせるようにする。こういう意味で申し上げました。
13. まとめ:政治ビジョンと総裁選に向けた決意
これまで述べてきた政策や考えを踏まえ、私の政治ビジョンと総裁選に向けた決意を最後にまとめさせていただきます。
日本は今、様々な課題に直面しています。少子高齢化、地方の衰退、環境問題、国際情勢の不安定化など、一つ一つが簡単には解決できない複雑な問題です。しかし、これらの課題に真摯に向き合い、解決していくことが政治家としての使命であると考えています。
私は、これまでの経験と実績を生かし、国民の皆様との対話を重視しながら、新しい時代に即した政策を打ち出していく所存です。そして、それらの政策を実行に移すためには、党内の団結と国民の皆様の理解が不可欠です。
総裁選に向けて、私は清廉な選挙を心がけ、政策本位の議論を展開していきます。そして、もし総裁に選出された暁には、党内の意見を幅広く聞きながら、強いリーダーシップを発揮して党を率いていく決意です。
日本の未来は決して楽観できるものではありませんが、希望のない未来でもありません。私たち政治家が、国民の皆様と共に知恵を出し合い、汗をかき、時には痛みを分かち合いながら、一つ一つ課題を解決していくことで、必ずや明るい未来を切り開くことができると信じています。
この国の舵取りを担う覚悟と決意を持って、総裁選に臨む所存です。皆様のご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。