※本稿は、小林鷹之氏が2024年8月の自由民主党総裁選挙への出馬表明会見の内容を要約したものです。
1. はじめに
1.1 出馬表明と自民党改革への決意
私、小林鷹之は、来たる自民党総裁選挙に覚悟を持って出馬することをここに表明します。当選4回40代の普通のサラリーマン家庭で育った私が、派閥に関係なく今この場に立っている。その事実こそが、自民党が本気で変わろうとする象徴になると考えます。
私は全ての党員、そして国民の皆様に約束します。新たな自民党に生まれ変わること。夢と希望を感じられる社会をつくること。そして、皆さんと一緒に世界をリードする日本をつくること。私は新たな時代に挑戦します。
今回の政治資金問題によって、多くの国民の皆様の信頼を失いました。そして、長年自民党を信じ、支えてくださった党員の皆様には、本当に辛い思いをさせてしまったこと、お詫びの言葉も見つかりません。「もう応援しない」そんな言葉もいただきました。でも、それでもなお、「自民党が頑張るしかないんだ」「自民党を支えてほしい」という叱咤激励をいただきます。
こうした声にどう向き合うべきか、自問自答してまいりました。今回の政治資金問題の本質は何か。国民の当たり前の感覚との乖離、遵法精神の欠如、そして党のガバナンスの機能不全。改めるべきは、改めてもう一度国民の皆さまに、国の舵取りはやっぱり自民党に任せたい、そう思っていただけるように力を尽くします。
1.2 世界情勢と日本の課題
現在の日本と世界が直面している重大な課題があります。アメリカ社会の分断、欧州の政治不安定化、中東をめぐる危機の高まり、インドをはじめとする新興国の台頭、そして中国、ロシア、北朝鮮による威圧的な行動。世界が混沌とする今こそ、わが国が毅然とした国家運営をしなければなりません。
国内に目を向けると、経済力、科学技術力は国際的に低下しています。名目賃金が伸びていることは明るい兆しですが、足元で物価が高騰し、実質賃金がなかなか上がってこない。暮らしが良くなったという実感を得られない状況が続いています。人口は減少し、特に地方は疲弊しています。この停滞感を打破し、活力ある社会を取り戻さなければ、日本は世界の中で埋没してしまう危機に直面しています。
これから数年間の私たちの歩みが、数10年後の日本の未来を大きく左右します。もはや猶予はありません。ビジョンを掲げ、進むしかないのです。
1.3 自民党改革の具体策
まずは信頼の回復です。不正には厳正に対処します。政策活動費をさらに透明化します。第三者機関の設置も進めます。支部長選任の方法を含め、新鮮で開かれた活力のある人事、そして意思決定の仕組みをつくります。能力と経験を重視し、あらゆる世代の議員の力を結集します。
今回の総裁選で、旧派閥の単位を超えて、そして世代を超えて私の思いに共感し、共に立ち上がってくれた仲間がいます。若手からベテランまで。多くの信頼する同志とともに、自民党は生まれ変われることを証明したい。だからこそ、私は脱派閥選挙をこの総裁選で徹底します。旧派閥に対する支援は一切求めません。
1.4 決意表明
私の名前鷹之には空を舞うタカの文字が入っています。鷹は時折、古い羽を新しい羽に変える、上羽を変えるという習性を持っています。一時的に飛べなくなるので命がけです。しかし、その困難を乗り越えて、新しい羽で、より高く、より遠くへ飛べるそうです。自民党も換羽が必要な時期を迎えています。時代に合わなくなった慣例という古い羽根を、勇気を持って脱ぎ捨てて新しい羽を生やす。
私、小林鷹之は、自由民主党を心の底から誇りに思うからこそ、大先輩から後輩に至るまで、あらゆる皆さんの協力を仰ぎつつ、守るべきものを守るため、新しい自民党をつくってまいります。自民党は生まれ変わる、日本は生まれ変わる。この国をより高く、より遠くへ、覚悟を持って挑戦します。
2. 政策ビジョン
2.1 経済政策
経済こそ国力の源泉です。今年の春闘では、33年ぶりの高い水準の賃上げが行われました。しかし、暮らしが良くなったという実感はない。それが多くの国民の皆様の思いではないでしょうか。働く人の7割を占める中小小規模事業者、地方にお住まいの皆様には、景気回復の風は十分に届いていない。そのことも率直に認めなければなりません。
経済は財政に優先する。これが私の基本的な考え方です。今はアクセルを踏む時です。産官学、国、県、市町村、オールジャパンで日本経済を上昇気流へと乗せていきます。
2.1.1 新日本創造計画
具体的に申し上げます。まずは世界をリードする戦略産業を育成しつつ、暮らしが良くなっていくという実感こそを全国津々浦々へとお届けしていく。そのための新たな産業政策「新日本創造計画」を断行します。
この計画を通じて、国家プロジェクトとして地方に大胆に投資します。地方はもっともっと稼ぐことができるのです。国と地方、官と民がチームとなって、新たな時代の飯のタネ、稼ぎ頭、若者の夢となる半導体、航空宇宙産業、様々な産業のクラスター塊を全国各地に作っていきます。
長年の懸案である東京1極集中の是正にもつなげていきます。
2.1.2 地方創生と産業クラスター
新日本創造計画の重要な柱の一つが、地方創生と産業クラスターの形成です。国会議員になってから、全国各地でものすごいポテンシャルのある中小企業の方々とお目にかかってきました。この潜在力を最大限に引き出すことが、地方創生の鍵となります。
国と地方、官と民がチームとなって、新たな時代の「飯のタネ」「稼ぎ頭」「若者の夢」となる半導体、航空宇宙産業、様々な産業のクラスター塊を全国各地に作っていきます。これにより、地方に良質な雇用を創出し、若者の地方定着を促進します。同時に、これらの産業クラスターを中心に、関連する中小企業や研究機関の集積を図り、イノベーションの創出を加速させます。
この取り組みは、長年の懸案である東京一極集中の是正にもつなげていきます。各地域の特性や既存の産業基盤を活かしたクラスター形成を進めることで、地域経済の活性化と同時に、日本の産業競争力の強化を図ります。
2.1.3 中小企業支援
中小企業は日本経済の屋台骨です。大企業と中小企業がより対等な協同関係を築くことで、中小企業の利益増大を徹底支援します。
具体的には、下請け取引の適正化を進め、中小企業の交渉力強化を図ります。また、技術開発や設備投資に対する支援を拡充し、中小企業の競争力強化を後押しします。
さらに、デジタル化やグローバル展開を目指す中小企業に対しては、専門家派遣や補助金制度の拡充など、きめ細かな支援を行います。例えば、AIやIoTの導入支援、海外展示会への出展支援などを通じて、中小企業の成長を後押しします。
加えて、事業承継問題にも取り組みます。後継者不足に悩む中小企業に対し、M&Aや第三者承継の支援、税制優遇措置の拡充などを通じて、円滑な事業承継を促進します。
これらの施策により、中小企業の活力を高め、地域経済の活性化と雇用の維持・創出を図ります。中小企業が持つポテンシャルを最大限に引き出し、日本経済の持続的な成長を実現していきます。
2.1.4 半導体産業の再生
半導体産業の再生について補足させていただきます。3年前、今、TSMCの熊本工場など1000億円規模の投資が動き始めています。3年前どうだったかというと、これは私を含めた自民党の若干名の議員と経済産業省、そして本気で半導体産業を再生させたいという人たち、10名ぐらいしかいなかったと思いますが、その中で半導体産業をどう再生させるかと真剣に考えました。
その時何を言われていたかというと、「また国か」「今更また国が出てきたところで成功しない」ということを有識者の方たちからも言われていました。でも、私たちの認識は今が分水嶺であって、半導体を供給する側に回るのか、される側に回るのか、その両者を考えた時に、半導体を供給する側に回るというのが私たちの答えでした。
国がしっかりと意思を示し、民間としっかりとすり合わせながらビジョンを示して、それに向けて、どういうステップで国が歩んでいくのか、お金はどれぐらいコミットするのか、そうした国の意思をしっかりと示すことで、「国がそこまで本気でやるんだったら、自分たちをもう一回半導体産業にかけてやろうじゃないか」という研究者の方たち、私より年上の50代以上の方が全国、全世界から今集まって帰ってきているんです。
このような経験を活かし、他の産業分野でも同様のアプローチを取ります。日本の企業だけで全てができるとは思いません。外国の企業の力も当然活用しつつ、目指すべきところをしっかりと定めてやっていくことが大切だと考えています。
以上の経済政策を通じて、日本経済を力強い成長軌道に乗せ、国民の皆様が真に豊かさを実感できる社会を実現します。
2.2 外交・安全保障政策
2.2.1 防衛力強化
何よりも我が国自身の防衛努力が重要です。我が国の国土、美しい海と空は必ずや守り抜く。国家安全保障戦略を着実に実行しつつ、我が国の防衛産業基盤の強化、自衛官の抜本的な処遇改善、そして能動的サイバー防御の法整備などをしっかりと進めます。
これらの施策を通じて、我が国の防衛力を着実に強化し、国民の生命と財産を守る体制を構築します。
2.2.2 新たな外交戦略「ブリッジ」
これまで私自身、多くの国に足を運んでまいりました。アジア、欧州、中東、どこに行っても感じられるのは日本に対する信頼です。先人たちの外交努力に心から敬意を表します。
これからは世界から信頼されるだけではなくて、世界から必要とされる日本を目指したい。そのために新たな外交戦略「ブリッジ」に取り組んでいきます。存在感を増すグローバルサウス、そして欧米の先進国。今、この間で価値や利害の対立が芽生えています。我が国はその両者の架け橋となって国際秩序を強化していく。アメリカや中国とは違う、日本にしかできない方法で世界をリードします。
2.2.3 経済安全保障
そして、こうした安全保障を経済面からも確保します。我が国初となる経済安全保障戦略を策定し、他国の動向にいちいち右往左往しない日本を創ります。
偽情報や経済的威圧に対処すべく、我が国のインテリジェンス機能を抜本的に高め、経済安全保障を確保します。具体的な施策については、今後さらに詳細を検討し、実行に移していく所存です。
これらの政策を通じて、我が国の安全保障を多層的に強化し、激動する国際情勢の中で日本の国益を守り抜く体制を構築します。同時に、「ブリッジ」戦略により、国際社会における日本の存在感と影響力を高め、世界の平和と安定に貢献する国家を目指します。
2.3 安心と希望に関わる政策
2.3.1 社会保障の第3の道
まずは社会保障給付か負担かではなくて、第3の道を模索します。イノベーションを通じて、成長産業でもある医療や介護の持続可能性を高めます。創薬については、我が国の成長に貢献すべく、世界をリードする産業へと育てていきます。
2.3.2 教育投資
そして、教育こそ国の礎です。あらゆる世代の方が学びを通じてそれぞれの可能性や選択肢を拡大していく、その環境を整えます。中でも子どもや若者への投資を増やします。
2.3.3 若者支援
私も今、子育て中の父親です。未来を担う世代が希望を感じられる国を皆さんと一緒につくっていきます。教育や子育て支援はもちろんのこと、若い方たちに過度な負担がかかっている現行の社会保障の概念を打ち破ります。
健康維持に頑張る方の負担を減らすなど、将来に対して安心や希望を感じられる社会保障制度改革を進めます。あらゆる政策を総動員して、若者の手取りを大幅に増やします。そのことで、結婚や子育てといった若者一人一人の希望をかなえられるような社会をつくっていきたい。
まさにそのことこそが、現在直面する最大の課題である少子化問題への最大の対策になると確信しています。
2.3.4 就職氷河期世代支援
そして忘れてはならないのが、就職氷河期世代、いわゆるロスジェネ世代です。同じ時代を生きた一人として支援を強化します。
これらの政策を通じて、全ての世代が安心して暮らせる社会、そして未来に希望を持てる社会の実現を目指します。イノベーションによる成長と社会保障の持続可能性の両立、そして若者を中心とした未来への投資を通じて、日本社会の活力を取り戻し、世界に誇れる社会保障制度を構築していきます。
3. 自民党改革
3.1 信頼回復への取り組み
今回の政治資金問題によって、多くの国民の皆様の信頼を失いました。そして、長年自民党を信じ、支えてくださった党員の皆様には、本当に辛い思いをさせてしまったこと、お詫びの言葉も見つかりません。「もう応援しない」そんな言葉もいただきました。でも、それでもなお、「自民党が頑張るしかないんだ」「自民党を支えてほしい」という叱咤激励をいただきます。
こうした声にどう向き合うべきか、自問自答してまいりました。今回の政治資金問題の本質は何か。国民の当たり前の感覚との乖離、遵法精神の欠如、そして党のガバナンスの機能不全。改めるべきは、改めてもう一度国民の皆さまに、国の舵取りはやっぱり自民党に任せたい、そう思っていただけるように力を尽くします。
まずは信頼の回復です。不正には厳正に対処します。政策活動費をさらに透明化します。第三者機関の設置も進めます。支部長選任の方法を含め、新鮮で開かれた活力のある人事、そして意思決定の仕組みをつくります。能力と経験を重視し、あらゆる世代の議員の力を結集します。
3.2 脱派閥選挙の実践
今回の総裁選で、旧派閥の単位を超えて、そして世代を超えて私の思いに共感し、共に立ち上がってくれた仲間がいます。若手からベテランまで。多くの信頼する同志とともに、自民党は生まれ変われることを証明したい。だからこそ、私は脱派閥選挙をこの総裁選で徹底します。旧派閥に対する支援は一切求めません。
3.3 自民党の変革
自民党は生まれ変わる、日本は生まれ変わる。この国をより高く、より遠くへ、覚悟を持って挑戦します。私の名前鷹之には空を舞うタカの文字が入っています。鷹は時折、古い羽を新しい羽に変える、上羽を変えるという習性を持っています。一時的に飛べなくなるので命がけです。しかし、その困難を乗り越えて、新しい羽で、より高く、より遠くへ飛べるそうです。
自民党も換羽が必要な時期を迎えています。時代に合わなくなった慣例という古い羽根を、勇気を持って脱ぎ捨てて新しい羽を生やす。私、小林鷹之は、自由民主党を心の底から誇りに思うからこそ、大先輩から後輩に至るまで、あらゆる皆さんの協力を仰ぎつつ、守るべきものを守るため、新しい自民党をつくってまいります。
これらの改革を通じて、自民党を真に国民のための政党へと生まれ変わらせ、日本の未来を力強く切り開いていく所存です。
4. 質疑応答
4.1 出馬のタイミングと狙い
出馬のタイミングについてですが、結果として私が一番早かったということです。実は8月15日、この日は心静かに迎えたいと思っておりまして、その翌日の16日に出馬会見を考えておりました。しかし、台風が到来しているということもありまして、さまざま議論はあったのですが、私の判断で、やはり国民の皆様の命と暮らしを守る、それが政治家の使命ですから、この日になったということです。
1番目ということですけれども、私は今回、チャレンジャーの立場です。知名度もありませんから、この総裁選の投票日がいつになるかわかりませんが、1日でも長く、私自身の国に対するこの思い、ビジョン、あるいは政策を一人でも多くの党員や国民の皆さんに知っていただきたい、そういう思いでこのタイミングとなりました。
4.2 政治と金の問題
政治と金の問題について、原則は、一人一人の政治家が自ら説明責任を果たしていく。これが原則だと私は思っています。その上で、今、再調査の話もございましたけれども、本件については、私もこの実態が正直よくわからない、そういう思いはあります。
ただ、その中で、この権限を持っている検察当局が調べる中で、今回不起訴という処分になっていると。そうした中で、そうした検察のような権力権限を持たない自由民主党が調査をするというのも、私は一定の限界があると思うんです。ただし、ただし、新たな事実が出てきた場合には、当然、党としての調査を考えるということだと考えています。
4.3 統一教会との関係
旧統一教会との関係について、2年前の私の大臣会見の時にも申し上げたのですけれども、そもそも今おっしゃって御指摘いただいたような発言をした記憶は私一切ありません。
このことの経緯というのは地元の方から誘われまして、この地域のスポーツ行事、自転車レースみたいな感じだったんですけど、地域のスポーツ行事としてそういう認識で参加をしたんですね。それで今、その、振り返れば主催者の確認をもっと本当に徹底してやっておけばよかったなということで、ある意味軽率だったというふうに反省しています。
ただ、申し上げたいのは、過去に今おっしゃったような団体の方たちとの間で選挙支援の依頼をしたことも、金銭のやりとりを含めて一切関わりはありません。そして現在も当然こうした団体の方たちとの関わり合いはないですし、今後も持つつもりはないし、そうならないようにしっかりと気をつけていきたいと思っています。いずれにしても、この岸田総理のこの旧統一教会に対するスタンス、これを私もしっかりと堅持をしていくということです。
4.4 経済・金融政策
経済・金融政策について、まず原則にあるのは、経済は生き物なんですね。その時々に財政政策と金融政策を柔軟に組み合わせて対応するということが正しいやり方だと思っています。
政府とBOJのアコード的なところについては、私はこれは十分にあり得るというふうに思います。金融政策自身は、これは日銀の専管事項ですが、今後の見通しについては、やはり私が申し上げられる範囲でちょっと慎重に申し上げますと、先日、内田副総裁ご自身が、この利上げによってこの円安調整というものが起こって、結果としてマーケットが大幅に動いたということについて、一定の責任というか、そういうものを認められました。私はそれを率直に受けとめております。
したがって、その経済、生き物なので、この利上げをする、その利上げの判断については、やはり日銀とマーケットの関係者の間で丁寧な対話、安定的な対話というものをしっかり心がけていただきたいなというのが私の思いです。
為替の話については、為替水準について私がコメントすることは適切でないと思いますので控えますが、基本的に為替相場というのは経済のファンダメンタルズを反映するものであって、一般論としては急激な動きは変動は好ましくないというふうに思っています。そういう考え方のもとで、政府として適切に対応していくということだと受けとめています。
4.5 農業政策
農業政策について、私は農業を安全保障だと位置付けています。定義の問題にもよりますけれども、私が経済安全保障と言ったときに、エネルギーも農業も入るんです。だからこそ自給力自給率を上げていかなければなりません。コロナの時も輸出規制をする国がありましたし、ウクライナの問題でも相場が崩れています。今後の気候変動だけではなくて、日本周辺で何かの有事がもしかすると起きるかもしれない。いついかなる時でも国民を飢えさせるわけにはいかないんです。
だからこそ、今の農業が置かれている現状、確かに厳しい点もあります。人農地どうするのか。まさにこの通常国会で農業の憲法が四半世紀ぶりに改定されましたけれども、これをしっかりと踏まえた上で、やはり農業政策をしっかりと進めていかなければならないと思います。
この間の週末も新潟県に視察をさせていただいて、圃場の整備の現場ですとか、あるいはこの受粉の蜂の現場ですね、いろんなところを拝見させていただいて、自分の地元にもありますけれども、現場の皆さんのしっかりと思いを受け止めて、安全保障としての農業政策をしっかりと推進していかなきゃいけない、必要な予算は付けるということだと思っています。
4.6 憲法改正
憲法改正については、もはや先送りできない課題です。衆議院憲法審査会の幹事を近年務めてまいりました。これまでの経緯を全て知っているからこそ、人一倍想いが強いんです。
年が明ければ立党70年の節目を迎えます。この間、日本の社会、世界のありようは大きく変わりました。新たな時代の国のかたちを国民の皆様とともに見定めていきたい。政治の要諦は危機管理です。緊急事態条項の新設、そして自衛隊の明記は喫緊の課題です。早期の発議に向けて最大限の熱量を持って取り組みます。
自民党としてのスタンス、戦略を決めるということだと思っています。発議に向けては当然他党とのすり合わせも必要になってきます。しかし、その前提として、自民党がどういう方針で憲法改正の発議に臨むのか、すなわち優先順位を含めてしっかりとそれを順位付けしてですね、そこをしっかりと決めていかないと、他党との意味のある交渉というのはなかなかできないと思います。
私が総裁になった暁には、今、6年前に4項目というものが出ていて、ここには優先順位はないというふうにされているんですけれども、私としては、先ほど申し上げたことを優先事項として思っていますので、それは頭の中でしっかりと検討してですね、自民党の優先順位戦略をつけて、他党とすり合わせをするということだと思っています。
また、世論調査をやると、どうしても憲法改正に対する国民の皆様の関心が低い、これは私たち政治家の責任だとも思っていますので、国民の皆様の意識を少しでも喚起できるような、そういう動きを自民党としてさらに加速する必要があると思います。
4.7 その他の質問
選択的夫婦別姓についての見解をご質問いただきました。当然、婚姻による改姓によって実際に不便を感じられている方々、また具体的な不利益を被られている方々というのはいらっしゃると、そのことは認識をしております。
その中で、じゃあどういうアプローチをしていくかということですけれども、既に救済の併記がマイナンバーカードや住民票、こうしたところで認められていますし、多くの国家資格で認められるような制度改正が既に我が国においてもなされています。
ただ、課題の一つとしては、そうした制度改正が国民の皆様にまだまだ理解されていない、周知されていないというところはあろうかと思いますので、そこについてはしっかりと国としてももっと周知を徹底する形で、より現実的にスピーディーな形でこのニーズに応えていくべきだと思います。
5. おわりに
総裁選に出るのはまだ早い。そうした言葉もいただきました。しかし、政治がこのままではいけないと行動を起こすには十分すぎるほどの現場を見てまいりました。世界を見渡せば、今年のG7議長国イタリアのメローニ首相は47歳、マクロン大統領は46歳、カナダのトルドー首相は52歳です。私が人に言っても、もはや若すぎるということはないんです。
諸君、狂いたまえ。吉田松陰先生が維新の中核を担った若き門下生たちに説いた言葉です。行動を起こす想いを同じくする同志と共に、国民の皆様の気持ちに正面から向き合って、夢と希望を溢れる日本を、世界をリードする日本を創っていきます。より先の未来に責任を持てる世代として、先頭に立って国を引っ張ります。
自民党は生まれ変わる、日本は生まれ変わる。この国をより高く、より遠くへ、覚悟を持って挑戦します。ご清聴ありがとうございました。