※本稿は、2024年の東京都知事選に出馬の意向を示している蓮舫氏の公約発表会見の内容を要約したものです。
1. はじめに
1.1 会見の概要
改めまして蓮舫です。本日はお忙しい中お集まりいただき、ありがとうございました。それでは皆様方に私の都知事選の公約をご説明させていただこうと思います。
「あなたと次の東京へ」。私は都知事になって7つの約束を実現していきたいと考えています。お配りした資料1枚おめくりください。目をつけてありますそこに7つの約束を簡単に書かせていただきました。
1.2 蓮舫氏の基本的な問題認識
まず、私の政治家としての最も基本的な問題認識をお話しします。日本は「失われた30年」と言われていますが、この間何が要因だったのでしょうか。私は2つあると考えています。
1つは、若者に十分なチャレンジを与えてこなかったこと。もう1つは、重要な決定ごとが密室で決められてきたこと。この2つにあると思います。
だからこそ、私は2つの柱を軸に7つの約束を前に強力に進めていきたいと考えています。
1つは、若者の手取りを増やす徹底した若者支援を行います。これが本物の消費拡大対策だと考えています。
もう1つは、私の得意分野です。徹底した本物の行財政改革を行います。東京都が行う約6,000の事業全てに行政事業レビューを取り入れて、都財政をガラス張りにしたいと考えています。
どんな境遇にいる若者でも学べる、働ける、結婚できる、子供を持てる、そんな人生の選択肢がある東京都にしたいと思っています。
まず資料で同じ認識を持たせていただければと思います。0.99ショック。人口が半分になる。人口維持には2.07です。それが1を切るということは、流入がなければ東京の人口はこのまま半分になっていく。何が足りないのか、何が届いていないのか。私は0.99ショックを乗り越える政策を行ってまいります。
子供が増えないのは産まない女性が悪いんではありません。この20年間、結婚して産むと判断をした女性が産んだ子供の数はほぼ変わっていません。大きく変わったのは未婚化です。
この50年間で結婚するカップルの数は半減してきました。国で見ると、1972年、今から50年前、第2次ベビーブームの時、110万組が結婚していたものが今は50万組になりました。東京も1972年から2022年の50年間で半減をしました。さらには、男性の4人に1人、女性の6人に1人が生涯未婚という事実もあります。
なぜ結婚しないのか。正規・非正規のパート・アルバイト職種と年齢別でその有配偶率を見てみると、年齢が上がるにつれてこの差が広がっています。特に30歳から34歳。そこで非正規の職員・従業員のうちパート・アルバイトは7%ですが、それが正規になると婚姻率は59%まで上がっています。
年齢と年収の別で配偶者を見ると、例えば35歳から39歳で見ると、年収600万から699万だと7割を超えます。でもこれが年収が200万から249万になると3割、4割を切るんです。
年収と雇用形態が結婚と相関関係である。結婚しないと自ら選択するのではなく、結婚を選べない経済環境にある若者が増えています。これは都が婚活アプリを行うレベルで解決できる問題ではありません。
なぜ8年もの間、最も支援が必要な若者に手を差し伸べてこなかったのか。なぜここに思いが至らなかったのか。私は時間がもったいなかったと思っています。
これらの問題認識に基づき、私は7つの約束を掲げ、東京都政の新たな方向性を示していきたいと考えています。
2. 7つの約束
2.1 現役世代の手取りを増やす
現役世代の手取りを増やすために取り組みます。これまでの社会政策の世界では、若者は自ら努力をする、あるいは家庭が親が面倒を見て社会人になるのが当たり前という空気がありました。でもその結果、今広がる親の経済格差がそのまま子供の育つ環境格差に直結してしまった社会の中で、大学進学と学費の負担、社会に出ても不安定雇用から抜け出せない若者を増やしてしまったと考えています。
小泉総理の構造改革から20年間で、東京都では非正規雇用が約60万人増えました。もちろん自ら望んで自由な雇用形態を求める方もいますが、望んでいるのに正規の雇用形態に転換できない若者がいるとしたら、私はそこを徹底的に支援をしたいと思っています。
そのために何をするか。条例で今東京都と契約している全ての企業にその企業で働く人の待遇改善を求めます。実際に世田谷区では、区長が労働報酬下限額を決め、働く人の労働条件の改善、事業者の経営環境の改善を進めています。都が率先して進めることで、基礎自治体への波及効果も期待できます。
合わせて、東京都庁の非正規会計年度任用職員は3.2万人います。そのうち専門職から順次待遇改善を進めていきます。人件費を削って改革を行ったと胸を張るような考え方はそろそろ終わりにしたいと思います。少子高齢化で労働力が減っていく中で、特に専門性の高い職員の継続雇用は安心した安定の住民サービスにつながります。
子供たちを育むスクールカウンセラー、あるいは児童相談所の虐待対応協力員、あるいは医師や看護師など命を預かる医療従事者など、雇用環境改善は急務です。官民共に若い人たちの働く環境を改善します。不安定な立場で働く人たちの不安を取り除けば、それは安心感につながります。生活の安定につながります。それは消費につながります。そしてそれは経済の好循環につながります。そんな東京都にしていきたいと考えています。
同時に若い人たちの負担が増えていることにも対応します。大学卒業時、2人に1人が奨学金を抱えています。平均額は331万円。10年20年かけて返済する若者がいます。有利子だとその負担はもっと重くなります。最近では国立大学の学費が値上がりするのではという負担も不安もあります。だからこそその負担を私は軽減したいと考えています。
2.2 教育・保育・医療・介護現場で働く若者の奨学金返済負担軽減
東京都で教育・保育・医療・介護の現場で働く若い人たちの奨学金返済の負担を軽減します。支援をします。それはシニアの安心と安全にもつながると考えています。
例えばすでに東京都には介護職の資格を取って東京の介護の現場で働く若い人の奨学金負担を支援をするという制度がありますが、ものすごくわずかな事例なんです。ここをもっと大きく分厚くしていきたいと思います。
千葉県ではこの春から、教師の免許を取って千葉県内の公立の小中学校、特別支援学校で働く若者の奨学金返済支援を始めたと聞きます。東京都で今すでに教育・保育・医療・介護の現場で働いている若い人たち、これからこうした現場で働きたいという若い人たちを私は支援をしていきたい。どういった方を対象に、どんな支援ができるのか、知事になったら迅速に着手して制度を構築します。
2.3 多様な生き方の応援
1人で生きる選択、子供を持たないという選択、同性のパートナーと暮らす、あるいは選択的夫婦別姓が実現するまで異性のパートナーと暮らす、1人で子供を育てる生き方、あるいは今やペットは人生でかけがえのない存在になった方たちも増えていると思います。ペットと一緒に自由に出入りできるお店も増やしていきたいと考えています。
パートナーシップ制度の各自治体との連携を進めるとともに、民間企業への周知を進めていきます。全ての生き方を応援する東京都を目指します。
2.4 本物の行財政改革
本物の行財政改革を行っていきます。私の専門分野です。これは任せてください。特別会計と一般会計で合わせて16.6兆円、一般会計では約8.5兆円、これをガラス張りにしたいと思います。
予算の見える化、知事も進めてきました。デジタル化をしてきました。率直にここは評価をします。でも私ならもっともっと前に進めることができます。そこの成果は躊躇なく若者と子育て支援に使っていきます。
2.5 本物の東京大改革
私は本物の東京大改革を行います。現知事は政治資金パーティー4,000万円前後のものを行ってきました。でも政治資金パーティーが自民党派閥の裏金問題を生みました。知事を強力に応援すると言っている自民党東京都連の幹部は3,000万円近い裏金を手に取り、国会の証人喚問でも説明をしないで会見もしない。私はその姿勢が全く理解できません。
東京都知事は絶大な権力を持っています。だからこそ政官業の癒着が疑われないためにも、私は政治資金パーティーは一切行いません。
今の知事はトップダウンで突然政策を発表することが多々見受けられます。でも私は、民主主義は政策決定過程がとても大事だと思っています。誰がどこでどうやって決めたのか分からない、そういう都政ではなくて、ボトムアップのための政治を行いたいと思います。
知事直轄の円卓会議を設置します。ここに様々な現場を知る方、NPOの方々、専門家の方々、あるいは当事者の方々と都の職員も一緒になって、課題解決の政策を提言をしていきたいと思います。例えば今日約束した公約の中でも、正規化推進会議とか、あるいは都政DX推進会議とか、多様性推進会議、こういうものを設置して皆さんに見える形で政策をボトムアップで進めていきたいと考えています。
2.6 未来への責任
東京都が率先して未来への責任を担いたいと思います。神宮外苑再開発は一旦立ち止まります。まず知事が事業者に要請した樹木保全の計画を早急に提出してもらいます。知事が提出したのになぜ再要請しないのかも私は不思議に思っています。
それと、既になされた環境アセスメント、あるいは再開発の前提となっている都市計画制度の適用の是非をもう一度検証しようと思います。
2.7 継続と発展
引き続き発展させていくことです。行政は継続性が大事です。改革や少子化対策への新しいアプローチ、私がやりたいと思うことはどんどん新しく取り入れていこうと思います。が、命を守る防災、経済成長、安心安全の警察、細やかな子育て支援、国際都市、文化芸術スポーツ、シニアのための高齢者福祉、これまで長く続けられてきて都民の安心安全を守ってきた政策は当然維持をする、そして発展をさせていきます。
例えば防災面では、避難所でプライバシーを確保する個室テント、これの備蓄を始めたい。あるいは、安心のトイレトレーラーの導入、携帯充電の不安を解消する備蓄の充実、平時から発災後に迅速な救援体制ができるようにDX化を活用した取り組みをすぐ行っていきたいと思います。
合わせて、都が行っている防災対策も知事直轄の円卓会議で専門家を入れて、今何が必要か、これも検討していきたいと思っています。
どんどん東京は良くなる、もっと東京は良くなると私は考えています。子供はもちろん、長い視点で見た本物の少子化対策、若者を徹底的に支援する、若い人の人生の選択肢を増やす。そして誰もがチェックをすることができる都の開かれた財政改革、ガラス張りの都政を実現する。この2つの柱を軸に7つの約束を、私は都知事になって前に進めていきたいと考えています。
3. 具体的な政策提案
3.1 若者支援策
3.1.1 非正規雇用対策
小泉総理の構造改革から20年間で、東京都では非正規雇用が約60万人増えました。もちろん自ら望んで自由な雇用形態を求める方もいますが、望んでいるのに正規の雇用形態に転換できない若者がいるとしたら、私はそこを徹底的に支援をしたいと思っています。
そのために、条例で今東京都と契約している全ての企業にその企業で働く人の待遇改善を求めます。実際に世田谷区では、区長が労働報酬下限額を決め、働く人の労働条件の改善、事業者の経営環境の改善を進めています。都が率先して進めることで、基礎自治体への波及効果も期待できます。
3.1.2 奨学金返済支援
大学卒業時、2人に1人が奨学金を抱えています。平均額は331万円。10年20年かけて返済する若者がいます。有利子だとその負担はもっと重くなります。最近では国立大学の学費が値上がりするのではという負担も不安もあります。だからこそその負担を私は軽減したいと考えています。
東京都で教育・保育・医療・介護の現場で働く若い人たちの奨学金返済の負担を軽減します。支援をします。それはシニアの安心と安全にもつながると考えています。
例えばすでに東京都には介護職の資格を取って東京の介護の現場で働く若い人の奨学金負担を支援をするという制度がありますが、ものすごくわずかな事例なんです。ここをもっと大きく分厚くしていきたいと思います。
千葉県ではこの春から、教師の免許を取って千葉県内の公立の小中学校、特別支援学校で働く若者の奨学金返済支援を始めたと聞きます。東京都で今すでに教育・保育・医療・介護の現場で働いている若い人たち、これからこうした現場で働きたいという若い人たちを私は支援をしていきたい。どういった方を対象に、どんな支援ができるのか、知事になったら迅速に着手して制度を構築します。
3.1.3 専門職の待遇改善
東京都庁の非正規会計年度任用職員は3.2万人います。そのうち専門職から順次待遇改善を進めていきます。人件費を削って改革を行ったと胸を張るような考え方はそろそろ終わりにしたいと思います。少子高齢化で労働力が減っていく中で、特に専門性の高い職員の継続雇用は安心した安定の住民サービスにつながります。
子供たちを育むスクールカウンセラー、あるいは児童相談所の虐待対応協力員、あるいは医師や看護師など命を預かる医療従事者など、雇用環境改善は急務です。官民共に若い人たちの働く環境を改善します。不安定な立場で働く人たちの不安を取り除けば、それは安心感につながります。生活の安定につながります。それは消費につながります。そしてそれは経済の好循環につながります。そんな東京都にしていきたいと考えています。
3.2 行財政改革
3.2.1 東京版行政事業レビューシートの導入
本物の行財政改革を行っていきます。これは私の専門分野ですから、任せてください。特別会計と一般会計で合わせて16.6兆円、一般会計では約8.5兆円、これをガラス張りにしたいと思います。
予算の見える化、知事も進めてきました。デジタル化をしてきました。率直にここは評価をします。でも私ならもっともっと前に進めることができます。そこの成果は躊躇なく若者と子育て支援に使っていきます。
東京版行政事業レビューシートを6,000の全ての事業に導入をしたいと思います。私は国の大臣の時に国の行政事業レビューシートを入れました。これを見るとどのような事業いくら予算がついてどこにどんな契約でいくらで契約をしてはこのような状況で執行率はこうなって目標と実績それが翌年度の事業にどう繋がったか1目でわかるしかも1番こちらなんですがどこに補助金が流れたかまで見えるようにしました。これをもって国会であるいはメディアの皆様方が国の行政が間違ってると指摘をし改善をすることができたと思っています。
東京でできたこと、国でできたことは東京でもできます。東京の予算を見える化します。合わせて東京の補助金の情報公開のあり方も前向きに検討します。契約のあり方に不透明あるいは政官業の癒着の疑いがあれば、それは改善をします。改善をすればそこにビジネスチャンスが生まれます。ここからも経済を回していくことができると私は思っています。
3.2.2 補助金情報の公開
現知事は財政運営の工夫というのがあります。これが小池都知事が改革を行って8年間で8,100億円確保したと胸を張るところです。2024年度は1,266億円確保したと言います。でもこれを調べると驚くことに確保した財源の積算根拠が全く見えません。バックデータとなっている予算の資料が出されていないので改革の成果でできたか、確保したかどうかを確認することができないんです。
本当に改革を行った成果として財源を確保したのか、そもそも予算がジャブジャブで余ったのか剰余金なのか不要額なのか、こういう確認する手段が一切非公開になっています。都合が悪いからではとつい疑ってしまいます。この中途半端な情報公開では知事の言いっぱなしです。その実態を誰も検証できません。まさにブラックボックスです。私はここを開きます。
いくつか事例を見ます。基本的には事業が行った年に改革を行って財源を確保してるというんですが、例えば7億円のシステムを使った、作った事業、翌年度にはシステムの運営費だけで回せるので8,000万円の予算で済みましたと言います。ところが不思議なことに7億円は使ってしまっています。執行済みです。でもその執行済みの7億円からこの今年度の8,000万円の予算を引いた差額の6.2億円が財源として確保できたとして積み上げているんです。常識的にはありえません。使ってしまったお金を翌年度の予算で引いて、それが財源になる。一般的な行政の感覚ではありえない算定のあり方です。
ところが小池さんは見直し再構築としてこういった差額を積み上げて8年間で4,786億円確保したと言っているんです。この事業が非公開です。つまりどの事業をどのように算定して積み上げてどんな風に財源を確保したかというのは言いっぱなしです。検証できません。
あるいは事業終了したもので2,417億円確保したというんですが、その中には終わった工事あるいは単年度事業、その財源確保が溶け込んでいます。でもどんな工事が終わった時に改革でこの額を積み上げたのか、単年度事業が終わった時に改革でいくら積み上げたというのは全くブラックボックスです。つまりこれももしかしたらただ予算が余っただけ、残予算を積み上げたものなのか、そもそも余剰なジャブジャブの予算が余っただけなのか、改革は実は行っていないのかを第三者は検証するバックデータが表には出ていません。
他にもあるんです。例えば子供スマイルムーブメント事業というのがあります。これ4億8,000万円が2,000万円になったっていうんですけどここに数字の根拠ありません。例えば若者正社員チャレンジ事業も同じです。5.2億円が5,000万円になった。予算のバックデータありません。事業そのものはみんないいものです。でもどういう改革かが全くわかりません。
私は小池さんが誇る8,100億円には疑義があると思っています。財源根拠を是非表していただきたい。これは知事に忖度をして都の職員が積み上げた架空の数字ではないか。知事になった瞬間にこれを明らかにするためにも、東京版行政事業レビューシートを6,000の全ての事業に導入をしたいと思います。
3.2.3 政治資金パーティーの廃止
私は本物の東京大改革を行います。現知事は政治資金パーティー4,000万円前後のものを行ってきました。でも政治資金パーティーが自民党派閥の裏金問題を生みました。知事を強力に応援すると言っている自民党東京都連の幹部は3,000万円近い裏金を手に取り、国会の証人喚問でも説明をしないで会見もしない。私はその姿勢が全く理解できません。
東京都知事は絶大な権力を持っています。だからこそ政官業の癒着が疑われないためにも、私は政治資金パーティーは一切行いません。
今の知事はトップダウンで突然政策を発表することが多々見受けられます。でも私は、民主主義は政策決定過程がとても大事だと思っています。誰がどこでどうやって決めたのか分からない、そういう都政ではなくて、ボトムアップのための政治を行いたいと思います。
知事直轄の円卓会議を設置します。ここに様々な現場を知る方、NPOの方々、専門家の方々、あるいは当事者の方々と都の職員も一緒になって、課題解決の政策を提言をしていきたいと思います。例えば今日約束した公約の中でも、正規化推進会議とか、あるいは都政DX推進会議とか、多様性推進会議、こういうものを設置して皆さんに見える形で政策をボトムアップで進めていきたいと考えています。
3.3 多様な生き方の応援
1人で生きる選択、子供を持たないという選択、同性のパートナーと暮らす、あるいは選択的夫婦別姓が実現するまで異性のパートナーと暮らす、1人で子供を育てる生き方、あるいは今やペットは人生でかけがえのない存在になった方たちも増えていると思います。ペットと一緒に自由に出入りできるお店も増やしていきたいと考えています。
パートナーシップ制度の各自治体との連携を進めるとともに、民間企業への周知を進めていきます。全ての生き方を応援する東京都を目指します。
3.4 未来への責任
東京都が率先して未来への責任を担いたいと思います。神宮外苑再開発は一旦立ち止まります。まず知事が事業者に要請した樹木保全の計画を早急に提出してもらいます。知事が提出したのになぜ再要請しないのかも私は不思議に思っています。
それと、既になされた環境アセスメント、あるいは再開発の前提となっている都市計画制度の適用の是非をもう一度検証しようと思います。
3.5 継続と発展
引き続き発展させていくことも大切です。行政は継続性が大事です。改革や少子化対策への新しいアプローチ、私がやりたいと思うことはどんどん新しく取り入れていこうと思います。しかし、命を守る防災、経済成長、安心安全の警察、細やかな子育て支援、国際都市、文化芸術スポーツ、シニアのための高齢者福祉、これまで長く続けられてきて都民の安心安全を守ってきた政策は当然維持をする、そして発展をさせていきます。
例えば防災面では、避難所でプライバシーを確保する個室テント、これの備蓄を始めたい。あるいは、安心のトイレトレーラーの導入、携帯充電の不安を解消する備蓄の充実、平時から発災後に迅速な救援体制ができるようにDX化を活用した取り組みをすぐ行っていきたいと思います。
合わせて、都が行っている防災対策も知事直轄の円卓会議で専門家を入れて、今何が必要かを検討していきたいと思っています。
どんどん東京は良くなる、もっと東京は良くなると私は考えています。子供はもちろん、長い視点で見た本物の少子化対策、若者を徹底的に支援する、若い人の人生の選択肢を増やす。そして誰もがチェックをすることができる、開かれた財政改革、ガラス張りの都政を実現する。この2つの柱を軸に7つの約束を、私は都知事になって前に進めていきたいと考えています。
4. 小池都政との比較
4.1 行財政改革のアプローチ
小池知事は財政運営の工夫というのがあります。これが小池都知事が改革を行って8年間で8,100億円確保したと胸を張るところです。2024年度は1,266億円確保したと言います。でもこれを調べると驚くことに確保した財源の積算根拠が全く見えません。バックデータとなっている予算の資料が出されていないので改革の成果でできたか、確保したかどうかを確認することができないんです。
本当に改革を行った成果として財源を確保したのか、そもそも予算がジャブジャブで余ったのか剰余金なのか不要額なのか、こういう確認する手段が一切非公開になっています。都合が悪いからではとつい疑ってしまいます。この中途半端な情報公開では知事の言いっぱなしです。その実態を誰も検証できません。まさにブラックボックスです。私はここを開きます。
いくつか事例を見ます。基本的には事業が行った年に改革を行って財源を確保してるというんですが、例えば7億円のシステムを使った、作った事業、翌年度にはシステムの運営費だけで回せるので8,000万円の予算で済みましたと言います。ところが不思議なことに7億円は使ってしまっています。執行済みです。でもその執行済みの7億円からこの今年度の8,000万円の予算を引いた差額の6.2億円が財源として確保できたとして積み上げているんです。常識的にはありえません。使ってしまったお金を翌年度の予算で引いて、それが財源になる。一般的な行政の感覚ではありえない算定のあり方です。
ところが小池さんは見直し再構築としてこういった差額を積み上げて8年間で4,786億円確保したと言っているんです。この事業が非公開です。つまりどの事業をどのように算定して積み上げてどんな風に財源を確保したかというのは言いっぱなしです。検証できません。
私は小池さんが誇る8,100億円には疑義があると思っています。財源根拠を是非表していただきたい。これは知事に忖度をして都の職員が積み上げた架空の数字ではないか。知事になった瞬間にこれを明らかにするためにも、東京版行政事業レビューシートを6,000の全ての事業に導入をしたいと思います。
4.2 少子化対策の視点
小池さんは色々な少子化対策、色々思いついて細やかなケアをしてくださっている、それは私は引き継いでいきたいと考えています。でもこの8年間、長い目で見た少子化対策に視野を転じることはありませんでした。これから先もそうした視野は持てないんだろうと私は思っています。だからこそ私が双子を育ててきた20年間、国会で少子化対策に取り組んできた私だから変えることができると自負をしています。
4.3 情報公開の姿勢
今の知事はトップダウンで突然政策を発表することが多々見受けられます。でも私は、民主主義は政策決定過程がとても大事だと思っています。誰がどこでどうやって決めたのか分からない、そういう都政ではなくて、ボトムアップのための政治を行いたいと思います。
知事直轄の円卓会議を設置します。ここに様々な現場を知る方、NPOの方々、専門家の方々、あるいは当事者の方々と都の職員も一緒になって、課題解決の政策を提言をしていきたいと思います。例えば今日約束した公約の中でも、正規化推進会議とか、あるいは都政DX推進会議とか、多様性推進会議、こういうものを設置して皆さんに見える形で政策をボトムアップで進めていきたいと考えています。
現知事は政治資金パーティー4,000万円前後のものを行ってきました。でも政治資金パーティーが自民党派閥の裏金問題を生みました。知事を強力に応援すると言っている自民党東京都連の幹部は3,000万円近い裏金を手に取り、国会の証人喚問でも説明をしないで会見もしない。私はその姿勢が全く理解できません。
東京都知事は絶大な権力を持っています。だからこそ政官業の癒着が疑われないためにも、私は政治資金パーティーは一切行いません。
5. 質疑応答での追加説明
5.1 経済政策
基本的には今行っている経済政策、うまくいっているものは全部継続をいたします。新しいという部分で言うと、私は長期的視点で経済成長を促していきたいと思うんですね。例えば今スタートアップへの支援あるいはリスキリングによって労働者の移動をすることに経済を活性していくということに、そこに上乗せをする形で長い意味で若い人たちが自分が望めば自分がやりたい仕事につつけるような能力を、そういうのを身につけることができるような支援を行いたい。正規から正規に転換すること、公契約を使って転換をさせることは十分可能だと思っています。ですからそのことによってその人たちは納税者になると思っています。そうした長い目で見た循環型の経済成長を手厚くしていきたいと考えています。
足元で都の税収っていうのは1,855億円ぐらいで増えた豊かな町です。大企業が牽引していることも事実ですが、一方で地元の経済を支えている商店街ですとか個人事業主、連帯事業主、中小事業主、それやっぱり9割という数に達しています。ここをしっかり支援していくことも同時に合わせて行わなければいけないと考えています。これこそ基礎自治体と連携をすることが可能だと思っています。
5.2 都職員の待遇改善
都の職員で会計年度任用職員は3.2万人おられます。その中でボリュームが1番多いのがやっぱり学校教員なんですね。でそれの次に多いのが知事部局です。870人おります。だからこの部分でどこを手厚くしていくのか。
あえて私は専門職と言った部分はまさに専門職を持っている人たちが単年度の不安定な雇用でいた場合に、その方が抜けてしまった、その後の公共サービスの水準を維持するのはすごく難しいと思っています。ですからどの分野から待遇改善をしていけるか、それは中に入って実際に試算をして、それで進めていきたいと思っています。
5.3 中小企業支援
中小零細事業主の皆様方やっぱり厳しいですよね。円安の影響で特にそのコストで立ってられないという声は本当に耳に届いています。その部分では根本の部分で言ったら国の経済政策にもなってくるんですけども、そういう方たちそれでも頑張ってる人たちをどういう風に支援するのか。それは補助金なのか、あるいはどういう形でグループで連携をすることによる何らかの形の提案で支えていくのかも含めて、それは細やかに考えたいと思います。
5.4 選挙制度に関する見解
非常に難しいんですよね。ゴールが違うかどうかというのはどの物差しで誰が判断するのか。特に私も手を上げていますから、その部分で同じ手をあげた人を評価するのはすごく難しいと思っています。ただ選挙の質が変わったというのは当事者として実感するところは確かにあります。その思いは共有をしています。
ただだからと言ってじゃどうするのか。例えば供託金を上げるんですか。それはやっぱり手を上げる人の負担が、本当に勝ちたいと思ってる人の負担が増えることにもなりますし、じゃ法律どういう風に変えるんですかっていう部分は、これはやっぱり国会で公職選挙法の改正を与野党で前に進めていただきたいと思っております。
5.5 都議会との関係構築
都議会とは丁寧に対応する、もうこの一点に尽きると思います。それはやっぱり実現したい政策があって、それに対して都議会の皆様方がどのようにお考えになっているのか、それは丁寧に聞いて、どうすれば実現していけるのだろうかという道を探すことに尽きると思っています。
それと現知事のメディア対応っていうのは私が言うのもあれで皆さんの評価だとは思うんですけれども、私はできるだけ多くのメディアの皆さんの声を聞きたいと思っています。
6. まとめ
6.1 政策ビジョン
私の政策ビジョンは、「あなたと次の東京へ」というスローガンのもと、7つの約束を実現することにあります。これらの約束は、現在の東京が直面する課題に対する私の認識と、その解決に向けたビジョンを反映したものです。
まず、現役世代の手取りを増やすことを重要課題として掲げています。これは本物の消費拡大対策だと考えています。同時に、教育・保育・医療・介護の現場で働く若者の奨学金返済負担を軽減する支援制度を拡充します。
多様な生き方を応援することも重要な約束の一つです。1人で生きる選択、子供を持たないという選択、同性のパートナーと暮らす、あるいは選択的夫婦別姓が実現するまで異性のパートナーと暮らす、1人で子供を育てる生き方、ペットとの共生など、あらゆる生き方を尊重し、支援する都政を目指します。
本物の行財政改革も私の政策ビジョンの柱です。東京版行政事業レビューシートを6,000の全ての事業に導入し、都財政をガラス張りにすることで、透明性と効率性を高めていきます。
また、本物の東京大改革として、政治資金パーティーを一切行わないことや、知事直轄の円卓会議を設置することで、ボトムアップの政策決定プロセスを実現します。
未来への責任として、神宮外苑再開発の再検討など、環境と開発のバランスを慎重に検討していきます。
最後に、これまでの都政の良い部分は継続しつつ、新たな視点で発展させていくことを約束します。特に防災対策では、避難所でプライバシーを確保する個室テントの備蓄、安心のトイレトレーラーの導入、携帯充電の不安を解消する備蓄の充実、DXを活用した防災体制の構築など、具体的な施策を提案しています。
これらの政策を通じて、私は東京をより良い都市にしていきたいと考えています。子供はもちろん、長い視点で見た本物の少子化対策、若者を徹底的に支援する、若い人の人生の選択肢を増やす。そして誰もがチェックをすることができる、開かれた財政改革、ガラス張りの都政を実現する。この2つの柱を軸に7つの約束を、私は都知事になって前に進めていきたいと考えています。
6.2 蓮舫氏の公約のまとめ
番号 | 公約 | 内容 |
1 | 現役世代の手取りを増やす | 公契約を通じて企業の待遇改善を要請 |
2 | 奨学金返済負担の軽減 | 教育・保育・医療・介護現場で働く若者を支援 |
3 | 多様な生き方の応援 | パートナーシップ制度の拡充、ペットとの共生など |
4 | 本物の行財政改革 | 東京版行政事業レビューシートの導入 |
5 | 本物の東京大改革 | 政治資金パーティーの廃止、円卓会議の設置 |
6 | 未来への責任 | 神宮外苑再開発の再検討 |
7 | 継続と発展 | 防災対策の強化(避難所環境改善、DX活用など) |