※本稿は、2024年の東京都知事選に出馬の意向を示している石丸伸二氏の公約発表会見の内容を要約したものです。
1. はじめに
1.1 会見の開催概要
本日は、大変お忙しい中、石丸慎二東京都知事選立候補予定者の政策発表会にお越しいただき、誠にありがとうございます。私は今回の石丸さんの選対事務局長を務めます藤川慎之介と申します。司会進行役を務めさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
まず始めに、私どもの選対本部長に就任いたしました小田様よりご挨拶をさせていただきます。
1.2 選対本部長挨拶
皆さん、こんにちは。本日は本当にお忙しい中、石丸慎二東京都知事選立候補予定者の政策発表会においでいただき、本当にありがとうございます。私は今回石丸さんの選対本部長を務めさせていただきます小田と申します。
私が石丸さんと初めて出会ったのはごく最近のことですが、2年前にYouTubeで石丸さんの姿を初めて見ました。37歳で自分の職を投げ打って地元に帰り、短期間で選挙をして、その後自分の故郷を復興させようと本当に苦労しながら町の再建をし、新たな一歩を踏み出していました。
このままでは地方がなくなる、どうするんだ、そんな思いから石丸さんは東京に出てきて、東京から日本を救っていきたいという思いで来られました。私が石丸さんに初めて会ったのはまだ1ヶ月も経っていません。しかし、その時初めて会って、こんなに爽やかで志の高い青年が今の日本にいるんだと思いました。
吉田松陰の生まれた萩には「今の世に立つ志は誰ぞ」という石碑が刻まれていますが、私は石丸さんの中にそういう今の日本の閉塞感を払う志と光を見たものでございます。本当に微力ですけども、今この選挙戦が始まる前ですが、ものすごいうねりでボランティアの方々が集まって新しい時代を開こうという具合に思っておられる。これを見た時に、組織とは全く違う、誰から頼まれるわけでもない一人一人の思いのうねりが今起こってきている、そんな感じがするわけでございます。
1.3 ボランティア代表挨拶
本当に驚きでありまして、ボランティアの方々が、この前ボランティア大会というのを3日前に知らせたら、もう底抜けるぐらい1000人以上の人が集まりました。私はこれまで144回選挙をやっているんですけども、144回目で今まで見たことがない選挙に遭遇をしている。石丸さんからものすごいものを学ばせていただいている、そんな状況にあるということです。
今日は立ち上がったボランティアの代表で、その今2000人以上の登録があるんですけども、その代表で来ていただいた望月まみさんにご挨拶をしていただきます。
(望月まみさん) 一言申し述べさせていただきます。先日の説明会にてボランティア登録された方、またこれからボランティアとして動かれる方、1500名、2000名近くが今稼働をしている状態です。その取りまとめとしてリーダーを拝命させていただきました。まだ始まっていませんが最終日までしっかりとボランティアを取りまとめて、その2000人の方々の力を、またネットを駆使した力を集約させて一丸となって頑張っていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
2. 政策の基本方針
2.1 3つの柱: 政治、都市開発、産業創出
私の政策の基本方針は、3つの柱で構成されています。これらの柱は、私が秋田市長選挙に出馬した際に立てた基本方針と同じものです。その前の職である銀行の経済アナリストとして蓄えた知見、すなわち理論に基づいています。経済とは何かを考え抜く仕事をしていた中で導き出された答えがこの3つの軸です。
第一の柱は「政治」です。これは最も重要な柱であり、全ての政策の基本であり根本だと考えています。
第二の柱は「都市開発」です。これは中期的な視点で取り組むべき課題です。
第三の柱は「産業創出」です。これは長期的な視点で取り組む必要がある課題です。
これらの柱は、時間軸で見ると短期・中期・長期のスパンに対応しています。金融業界でよく使われるスパンを参考にしていますが、ここでは5年以内、特に政治の世界においては1期4年のうちにやり遂げるべきが第一の柱、5年から10年程度かかるのが第二の柱、10年以上の時間がかかるのが第三の柱だと考えています。
ただし、これらは順番にやっていくわけではなく、同時的に進めていきます。着手は初日から行います。
この3つの柱で東京都を動かしていこうと考えています。実は、これらの軸は4年前に秋田市長選挙に出る際に立てた基本方針そのものです。そして、4年間秋田市長として実際にこの3つの軸で政策を進めてきました。つまり、理論に基づく実践を行ってきたのです。
今回、首都東京の政策の舵取りに当たり、この経験を活かしていきたいと考えています。
2.2 政治の再建を最重要課題に位置づけ
この中で最も大事なものは、第一の柱である「政治」です。政治の再建これが全ての政策の基本であり根本であると考えています。
続く第二、第三の柱である都市開発、産業創出は、時間軸で言えばもう少し長くなります。1、2、3と順番に短期、中期、長期のスパンで見ています。
政治の世界においては1期4年のうちにやり遂げるべきが第一の柱です。第二の柱は少し時間がかかり、5年から10年程度を見込んでいます。第三の柱は10年よりもさらに時間がかかるだろうと見立てています。
なぜ政治の再建を最重要課題に位置づけているのか。それは、私が海外に出てアメリカニューヨークに駐在し、北米から南米までカバーする仕事をする中で、経済の重要性を痛感すると同時に、その経済というのは何をどうやっても政治に紐づいている、もっと言うと政治に左右されているという考えに至ったからです。
特に中南米では、経済が混乱している元が政治の混乱であったりします。一方、日本はどうでしょうか。かつては「経済一流、政治三流」と言われました。しかし、政治が三流であれば、やはり経済も三流に落ちていくのは当然だと思います。それが、この失われた何十年と言われる結果だと言わざるを得ません。
そうした時に、政治の再建、これは長く言われてきた問題、課題ですが、急ぎ解決せねばならないと考えています。そのために何をやるか。興味関心を集める政治、見える化、分かる化、これが必要だと考えています。
このように、政治の再建を最重要課題に位置づけ、それを通じて経済を含む他の課題にも取り組んでいく。これが私の政策の基本方針です。
3. 政治の再建
政治の再建は、私の政策の中で最も重要な柱です。これを実現するために、以下の3つの段階を設定しています。
3.1 政治への興味関心を集める
まず最初に、政治への興味関心を集めることが重要です。政治の見える化、分かる化を進めていきます。もうここまで言えば多くの説明はいらないかもしれませんが、その実績がまさに今ここに座っている私です。広島県の秋田市、おそらくここにいらっしゃる方、そしてこのニュースを見聞きする方、ほとんど誰も知らなかったはずです、4年前まで。しかしながら4年で、それまでの政治経験がない人間であったにも関わらず、ここまででもプレゼンスを得ることができました。
言い換えると、秋田市は元より、市外、県外、日本全国において政治に対する興味関心を向けさせること、これがひとまずできたと捉えています。
3.2 民意の集約
次に、民意を集約します。ここがある意味で、これからの時代は特に大事だと思います。もちろんこれまでも国民の声を聞くというフレーズはずっと言われてきましたし、政治本来の姿であることに疑いの余地はありません。しかしながら、本当にできていたのでしょうか。
私はこれを秋田市でやってきました。すごく小さな町の小さな話かもしれないんですが、オンラインでもオフラインでも、ネットとリアルを融合させて、色々な切り口で市民の声を集めてきたつもりです。それを当然、この1400万人いる東京都で全く同じようにはできませんが、同じ仕組みで、考え方で実現は可能だと思っています。
そして、その民意をどう集約するかについては、やはりテクノロジーだと思っています。特に昨今注目を集めているAI、アナログであれデジタルのデータをAIで受け止めることによって、効率的、効果的にまとめることが、民意を集約することが可能であると考えています。
3.3 政策への反映
そして最後に、振り向けさせて声を受け止めて、いよいよ何をするか。それを政策に反映させます。ここでようやく需要と供給がマッチします。本当に求められているものが届けられるようになります。
その際に大事なのが、利権政治はもうやらないということです。利権政治からの脱却、そして、なぜか未だに横行しているばら撒きの一掃です。なぜかと言ったのは、理論的にはあって欲しくないんですが、現にして存在するのがばら撒きだからです。これはおそらくどの自治体でも大かれ少なかれ発生してしまっていると思います。
それはなぜかと言えば、民意をうまく集められていない、もしくは1つ遡って、興味関心を持たれていないから横行している、ある意味で許されてしまっている現実だと捉えています。従って、この順番できちんと政策を練って打ち出していけば、これらの悪習、悪い習慣は必ず廃止できると考えています。
そして、それを可能にするのは私の得意な立場、スタンスなのだという風に認識しています。既存の政治から距離を取る、政党に属さない一切です。右でも左でもない、都民に対してど真ん中であろうという思い、これがなければおそらく何かしらに引っ張られてしまうと思います。事実、これまでも引っ張られてきたと思います。
よって、自分自身のこの属性、これまで得た知見を総動員して、この1つ目の柱、政治再建を成し遂げたい、成し遂げられるという風に考えています。
4. 都市開発
都市開発は、私の政策の第二の柱です。この分野では、主に3つの重要な課題に取り組んでいきたいと考えています。
4.1 災害リスクへの対応
やはり対応を急がねばならないのは災害へのリスク、リスクヘッジです。防災や減災、これらを突き詰めていくのはもちろんです。細かい話をするときりがないんですが、例えば今直下型地震が起こる可能性はあります。来週かもしれませんし、明日かもしれない。この5分後かもしれません。ただ、もしそうなった時、壊滅的な打撃になってしまうと思います。
なぜかというと、この東京都は過密だからです。どんだけ対処しようとも物理的に限界が生じてしまっています。これを時間はかかるんですが、対処していかないといけません。先ほど5年10年と言ったのはそういう理由です。むしろ時間がかかるからこそ直ちに着手すべき、急ぐ必要があると思っています。
4.2 過密問題の解消
その中で都市開発ですので、この町の形、それらを再調整、カタカナで言うとリバランスしていくことも必要だという風に思っています。ここで書いたのが2つのエコです。エコというと自然環境を思い浮かべる方が多いかと思うんですが、私としてはエコノミー、これを大事にしたいと思っています。
エコロジーも大事なんですが、もちろんエコノミーのないエコロジーは絵に描いた餅だと思っています。それでいいんであれば人類いなくなったら1番ハッピーなんですね。そんなわけには当然いきません。なので、人類がきちんと営みを続けられる前提で環境問題も対処していくべき、それがここに書いた2つのエコ、その両立です。
4.3 23区内外の格差是正
三つ目に書いてある23区格差の是正、これらも先ほど述べたリバランスに関わってきます。23区内の過密が特に顕著です。となった時に23区外との調整、これが全体最適につながるという風に見ています。
以上が、都市開発についての私の考えです。災害リスクへの対応、過密問題の解消、23区内外の格差是正、これらの課題に同時に取り組むことで、より安全で、より住みやすい東京を作り上げていきたいと思います。
5. 産業創出
産業創出は私の政策の第三の柱です。この分野では、以下の3つの重点項目を設定しています。
5.1 教育の進化と深化
産業創出の1つ目に教育が出てきます。教育の進化、深める方と進める方、二重の意味で書いています。なぜここで教育が出てくるのか、その理由は極めてシンプルです。そこが最も成長する分野だからです。
小学校、中学校、高校、幼児教育もありますが、子供たち、子供たちよりも今成長できている大人っていらっしゃいますか。その自信がある方なかなかいないと思います。どう考えても子供たちです。1番伸びるのは。であるならば、そこに投資するというのが1番の成長戦略であると、今更ながらに唱えたいと思います。
もちろんですが、この先のこの町、この国を支えていくのは今の子供たちなんです。そして、どうやっても抗えない人口減少、人口急減、その中において彼らはこれまで以上に大変な境遇に身を置きます。だからこそです。余計にでも彼らに有利な環境を整えてあげる必要があると考えました。それが、この産業創出の中に成長戦略として教育が入っている理由です。
5.2 対外事業の推進
その次は外事業です。日本国内で活力を探してもなかなかすぐには出てきません。そうした時、当然ですが外に目を向ける必要があると考えました。
これらも実は広島県の秋田市で考え、そして動いてきた施策、その拡大版、拡張版です。秋田市人口3万人弱、人口はまだ減っています。自力だけではもはやどうにもならないところに地方の自治体はいます。なので外に目を向きました。外から手を借りる、人物金を呼び込んでいく、これが地方における成長戦略とするならば、今度は日本の首都東京でそれをやるんであれば、当然ここでの外事は素直に海外です。
まず1つ、インバウンドです。これはあの経済に詳しい方であればご存知なんですけども、GDPの構成項目に輸出というものがあります。輸出と言うと例えば自動車をアメリカに売ったりというのを思い浮かべる方多いかと思うんですが、実は海外から日本に旅行に来て消費していただくと、それは輸出として計上されます。なので、ここでの外事1つはインバウンド、来てもらいましょう。
しかし今、オーバーツーリズムとして摩擦が起きています。相当な摩擦です。これ以上本当に受け入れていいんだろうか、受け入れられるんだろうかという問題に直面してきています。であるならば、もっとこれを円滑に取り組む工夫、これが可能であると考えています。
一方で、実際に外に向けて売っていくもの、輸出ですね。まさにかつては物を外に売っていたんですが、やはりこれからの時代はサービスもしっかり伸ばしていく必要があると考えました。
そのサービス、東京都が得意とするものはコンテンツだと思います。私も個人的に大変好きな分野ですが、漫画、アニメとかですね。しかし、そうしたコンテンツを生めるのは47都道府県あってその全てというわけにはいきません。そのメインは東京であることは間違いないと思います。なので東京、自治体として自らコンテンツを生み出すことはまでできないと言いますか、向いていないと思います。はっきり申し上げますが、これは行政の限界を知るがゆえにそう申し上げます。ではなくて、コンテンツが生まれ育まれる環境を整備する、この辺りが都の本務であるという認識です。
5.3 他の都道府県との連携
そして最後、46都道府県との協調、共同ですね。共同の同は働くという字です。これまで東京の一極集中から他局分散にという話を何回かしてきました。それがここに繋がってきます。
地方と都会の、このアンバランスとも、すると対立構造に捉えられてしまうんですが、実際はそうではありません。敵と味方じゃないんですね。あくまで日本国というチームを形成するメンバーです。
実際、地方は今衰退していますが、その衰退は東京都が支えています。具体的に言えば交付税です。秋田市の自主財源は3割しかありませんでした。7割は外からもらうお金です。すなわち東京都は稼ぎ頭なんですが、気づかないところで実はこれまでも地方を支えてきているんです。
しかし、この構造は持続可能ではありません。どんどん地方が衰退していく、いつまで支えられるのか。東京だけで。であるならば、ここでも対症療法ではなく原因療法です。その弱っている方に手を差し伸べる。こけているのであれば立ち上がらせる。一緒に走り出す。これが案外1番効率的、効果的だと見ています。
そして、その役割りが果たせるのは言うまでもなく首都東京、他にはないはずです。これまで47都道府県を見てみた時に、東京都の役割というのはどちらかというと国の方を向いていたと思います。それが間違いとは全く思いません。しかし、チームのリーダーであるならば、リーダーシップを発揮するのは外ではなく、仲間内のはずです。その意味において、仲間メンバーと一緒に戦っていく、一緒に国を強くする、そのリーダーシップが今まさに必要だと考えています。
6. 経済都市としての東京
これらを通して目指す姿それは何か。経済都市としての東京です。かつて日本は経済大国として持てはやされました。しかし経済の大きさだけで言えばもう抜かれています。これからも抜かれていきます。残念ながら必然的に経済的にも弱くなります。しかしながらそれを感化できないので規模は小さくなっても強くあろうと経済強国にする必要があると考えました。
そのための今石丸慎二なんだという思いです。これまで東京都知事多くは文化人でいらっしゃいました。それが悪いとは全く思わないんですが、そこになかった欠けていた要素というのはどうしてもあったかと思います。それこそ経済です。
ちょっと言葉雑なんですが、アメリカのクリントン大統領が選挙の際に相手候補ブッシュ氏に向けてこう言いました。"It's the economy, stupid." もう90年代の昔の話ですが、30年前です。重要なのは経済だ、愚か者。最後の愚か者はなくてもいいのかもしれないんですが、選挙のフレーズですね。しかし今この混沌する日本においてこの社会立て直していくのは何よりも経済の力ではないかと考えます。
ゆえに改めて申し上げます。経済というのは単なる商売やビジネスという小さな括りを意味しません。エコノミーですね。まさに明治の時代にエコノミーという英語に対して当てられた訳語、経世済民。よって納め民を救う。その思いその意思こそが今必要であると考えます。是非ここから東京から経済強国として生まれ変わる日本を切に願います。そのために是非まずは東京を動かしていきましょう。
7. 現都政への評価
7.1 小池都政の評価
現在の小池都政に対する私の評価をお話しさせていただきます。言葉選びます。実に小池百合子さんらしい都政運営だったのかなと感じます。すなわち、政治のための政治と言うんでしょうか、何ファーストだったんだろうという思いは、私もかつて都民だったので持っていたところではあります。
もちろん、一概に悪いとは言えないんですが、批判を恐れるスタンス、政治的にはそれ正解だと思うんですが、だとしたらいけないんですよね。政治家って賛否が分かれる問題を扱うために我々は代表者を選ぶわけなので、その責任を取る、要は賛否が別れること、そこから逃げない、これが何よりも本当は必要だったと考えています。
その観点において、なんかすごく動いているように一見して見えるかもしれないんですが、それ足踏みだったんじゃないかな。その意味で動いてないんであれば動かそうというメッセージを込めました。
7.2 情報公開の課題
情報公開なんですが、私の受け止めとしては、その勢いが鈍化してきたんじゃないかなと感じました。実際、情報公開請求への対応、黒塗りではなくなったかもしれないんですが、つまびらかにしていない、仕切っていないという風に私には見えました。
これを公開しようと思うと簡単です。人が変われば良いんです。実際、私は前職でそれを経験しました。これまでの市政運営が悪かったっていうのは新しい人言いやすいんですね。逆に2期、3期あると言いにくくなると思います。自分の失策を、まあ本当は公にしないといけないんですが、しにくくなってしまうというのは、立場というか心情と言いますか、どうしてもあるんだろうなと。もちろん、だから許されるわけじゃないんですが。
その意味で、こうした政治の再建ですね、定期的に人を変えるというのが1番だという風に思っています。
また、都議会との関係についても触れておきたいと思います。もう極めてシンプルです。是々非々です。政策論をとにもかくにも重視します。なぜならば、経済を動かすにはそこのポイントが大事だからです。
8. 具体的な政策課題への対応
8.1 明治神宮外苑再開発問題
明治神宮外苑の再開発計画については、全方位的に冷静な対応を呼びかけたいと思います。何を言いたいかというと、そもそもこれは民間の開発事業であって、東京都のこれまでの対応の是非と言いますか、評価はあると思うんですが、ただここから東京都ができることは提言、そこまでだという認識でいます。
そうした時に、これを全部ひっくり返すというのは極めて難しい。むしろ混乱を招く、それこそ訴訟の対象にもなりかねない、そういう認識でいます。今議論になっているその森というか、緑地の面積云々も、今の計画ではむしろ増えるという話があります。それがどこまで広がっているのか、伝わっているのか、理解されているのか分からないんですが、その辺りを踏まえて冷静に全方位的に対応した方がいいだろうと思っています。
それはその例えば反対をされている方もですし、当事者においても、これまでの意思決定というか計画を進める進め方に対しての不平不満もあると見受けてますので、その意味では先ほども言いましたが、全方位的なコミュニケーション、これはあってもいいんじゃないかという思いです。
8.2 PFAS問題への対応
PFAS(有機フッ素化合物)の問題については、基本的にあの健康に関する問題なので、都知事として最初の注意を払って責任を持って対処するべきだと考えています。
ただ実際どこまでできるかというものは、これは中に入って詳しく協議を見て、精査してみる必要があると思いますので、今現時点ではここまでの思いです。
この問題に関しては、就任後に詳細な状況把握と対策の検討を行う必要があると考えています。現時点では具体的な方針を示すことは控えますが、都民の健康と安全を最優先に考え、科学的な根拠に基づいた対応を行っていく所存です。
9. 選挙戦略と資金
9.1 個人献金中心の選挙資金調達
選挙に関わる費用がいくらになるかというのは、まだ総額が見えていません。というのは、できる限りをやりたいと思っているからです。法定上限までという考えです。できる限りというのが何かというと、個人献金ここに頼っています。
広くそれこそ東京都だけでなく全国から今献金を頂戴できています。それらがどこまで積み上がるか、積み上がりそうかっていうので、最後木端をつけないといけないんですけども、まだ幸いなことに増え続けています。なので、それをこう睨みながら調整するという段階です。
9.2 大口献金者との関係
大口の企業献金が認められていない中で、個人の方でも、その個人の献金は年間150万円までなので、150万を大口という風に。そのマックス、あの寄付してくれてるっていうと、その意味ではあの150万円の申し出というか、100万円和結構あります。
それは正直私がお願いしたものでもなく、個別に向こうからあの恩を着せられたわけでもなく、本当にどんどん集まってきている献金の額が本当に大償あるという意味です。
頭が上がらないような人はいません。むしろそれを特に大口の方、その何か私にしてくださる方というのは、そう願っていると思います。それがこれまでの自分の政治スタンスだからです。ここで自分に思ねらせようと思って大口の献金をする方はまずないんじゃないかなという思いです。
10. 質疑応答
10.1 東京一極集中是正の具体策
東京一極集中の是正について、具体的な方策をお話しします。まず、金と人の集中が主な問題だと認識しています。金の問題で言えば、例えば法人2税の問題が挙げられます。これは昔からの問題ですが、東京の方からこれを地方に分散する提案をすることは画期的だと考えています。
しかし、これを今現在政策に入れていないのは、かなりの程度混乱を招く施策になるからです。銀行税の後、訴訟問題になっていますよね。そのリスクは回避すべき、対処すべきだと思うので、ここでは入れていません。
人の問題については、単純に押し返すというわけではありません。東京以外、23区以外にも魅力を備えていく、生み出していく、作っていく、これが今までなかったんだと思います。なので、東京が住みやすくなれば全部集まってしまうのは、他に魅力がないからなんですね。これは同時並行でやるしかないと思います。
むしろ一石二鳥を狙っていくのが1番いいのかな。同時に解決していく。東京との過密を解消しながら、過疎を解消できればいいんですが、そこまでいかないかもしれません。せめて政令指定都市とかに魅力をきちんと備わっていくならば、例えばアメリカのニューヨークとロサンゼルス、シリコンバレーとか、共に経済の軸でありながら、金融とテクノロジーというような住み分けですね。これは実現可能だと思っています。
これはもう少し言うと経済学的な考え方です。比較優位という言葉があるんですが、絶対で言ったら東京が最強なんです。どこと比べて何を比べても勝つと思います。そうじゃなくて相対的にどっちが有利なのかという議論は、これは必ずできるんですね。経済学で比較優位は必ず存在します。どんな対象においても。ここに着目して資源配分を行っていくというのは、おそらく今までなかった発想だと思います。
10.2 都議会との関係
都議会との関係については、もう極めてシンプルです。是々非々です。政策論をとにもかくにも重視します。なぜならば、経済を動かすにはそこのポイントが大事だからです。
この姿勢は、私の秋田市長としての経験に基づいています。都議会は都民の代表であり、政策を実現していく上で重要なパートナーです。しかし、単に協調するだけでなく、必要に応じて建設的な議論や批判も行うことが重要だと考えています。
例えば、情報公開や利権政治の問題に関しては、都議会がより積極的な役割を果たすべきだと考えています。都民の代表である議員が、これらの問題に対して適切に対応し、必要であれば知事の不適切な行為を追及することも重要です。
私は、都議会との関係において、政策の内容とその効果を最重視します。党派や個人的な関係ではなく、都民にとって何が最善かという観点から、各政策を評価し、協力または批判を行っていく所存です。この方針により、より透明性の高い、効果的な都政運営が可能になると確信しています。
10.3 利権政治批判の姿勢
利権政治に関する批判の姿勢についてお答えします。まず、私からのお願いなんですが、ルールを守りましょう。まずこれはいかなる立場においても必要な作法だと思います。でなければ建設的な議論ができなくなります。
個別の事由を名指しで批判するというのは今行いません。なぜならばそれをあの当事者として中身まで精査していないからです。私が今知事であるあるならば当然自ら説明をして評価もしますが、あくまでもこれこそ皆さんが取材されたものを受け取っているだけの立場です。なので、これが悪なんだというのは言えません。
利権政治それがはびこっているそもそもの背景は、経済合理性を考えていないからだと思います。部分最適を見ればそうなってしまうかもしれないんですが、全体最適に叶わないというご指摘だと思いますし、私も経済人として追求すべきはそしてこの立場で追求すべきは全体最適に他ならないという思いです。
その意味で、適切な資源配分が人においてもなされていないのであれば、それは改める必要が絶対にあるという思いです。
11. まとめ
11.1 石丸氏の政策ビジョン
私の政策ビジョンは、「経済都市としての東京」を実現することです。かつて日本は経済大国として持てはやされました。しかし経済の大きさだけで言えばもう抜かれています。これからも抜かれていきます。残念ながら必然的に経済的にも弱くなります。しかしながらそれを看過できないので規模は小さくなっても強くあろうと経済強国にする必要があると考えました。
そのための今石丸慎二なんだという思いです。これまで東京都知事多くは文化人でいらっしゃいました。それが悪いとは全く思わないんですが、そこになかった欠けていた要素というのはどうしてもあったかと思います。それこそ経済です。
ちょっと言葉雑なんですが、アメリカのクリントン大統領が選挙の際に相手候補ブッシュ氏に向けてこう言いました。"It's the economy, stupid." もう90年代の昔の話ですが、30年前です。重要なのは経済だ、愚か者。最後の愚か者はなくてもいいのかもしれないんですが、選挙のフレーズですね。しかし今この混沌する日本においてこの社会立て直していくのは何よりも経済の力ではないかと考えます。
11.2 今後の課題と展望
ゆえに改めて申し上げます。経済というのは単なる商売やビジネスという小さな括りを意味しません。エコノミーですね。まさに明治の時代にエコノミーという英語に対して当てられた訳語、経世済民。よって納め民を救う。その思いその意思こそが今必要であると考えます。是非ここから東京から経済強国として生まれ変わる日本を切に願います。そのために是非まずは東京を動かしていきましょう。
これが私の政策ビジョンと今後の課題、展望です。東京を真の意味での経済都市に変革し、日本全体の発展につなげていくことが、私の使命であると考えています。
11.3 石丸氏の公約一覧
政策分野 | 公約内容 |
政治再建 | • 政治への興味関心を集める
• 民意の集約(AIの活用)
• 政策への反映
• 利権政治からの脱却 |
都市開発 | • 災害リスクへの対応
• 過密問題の解消
• 23区内外の格差是正
• エコノミーとエコロジーの両立 |
産業創出 | • 教育の進化と深化
• 対外事業の推進(インバウンド、コンテンツ産業)
• 他の都道府県との連携 |
経済政策 | • 経済強国としての東京の実現
• 比較優位に基づく資源配分 |
行政改革 | • 情報公開の徹底
• 都議会との是々非々の関係構築 |
一極集中是正 | • 地方の魅力創出
• 東京と地方の協調関係構築 |
財政 | • 効率的な予算運用
• 個人献金中心の選挙資金調達 |