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2019-04-11 データセンター最適化イニシアチブ (DCOI) 進捗評価レポート(アメリカ政府)

2019-04-11 データセンター最適化イニシアチブ (DCOI) 進捗評価レポート(アメリカ政府)

出展元
https://www.gao.gov/products/gao-19-241
初回調査日
Aug 19, 2024 4:29 PM
キーワード
データセンター最適化政府IT効率化クラウド移行コスト削減仮想化技術アメリカ政府

この記事は2019-04-11に公開されたアメリカ政府の『Data Center Optimization:Additional Agency Actions Needed to Meet OMB Goals』を要約したものです。

1. エグゼクティブサマリー

本レポートは、連邦政府のデータセンター最適化イニシアチブ(DCOI)の進捗状況を評価し、その効果と課題を分析したものです。2016年から2018年にかけて実施されたDCOIの主要な成果と課題は以下の通りです:

成果:

  1. データセンター閉鎖:
    • 24機関全体で6,250のデータセンターを閉鎖(全体の約50%)
    • 2018年度末までに追加で1,009の閉鎖を計画
  2. コスト削減:
    • 2016年度から2018年度にかけて、約23.6億ドルの削減を達成または計画
    • 商務省が最大の削減(約11億1,545万ドル)を報告
  3. 最適化:
    • 2機関(商務省、USAID)が全ての最適化目標達成を計画
    • 8機関が電力使用効率(PUE)目標を達成

主要な課題:

  1. 閉鎖目標未達:11機関が一つまたは両方の閉鎖目標(ティア型25%、非ティア型60%)を達成できない見込み
  2. コスト削減目標未達:OMBの目標(27億ドル)に対して約3.7億ドル不足
  3. 最適化の遅れ:20機関が2018年度末までに全ての最適化目標を達成する計画がない

成功要因:

  1. 経営陣の強力なサポート
  2. 過去の経験を活かした計画の継続的改善
  3. クラウドおよびシェアードサービスの積極的活用
  4. データセンター閉鎖への集中的取り組み
  5. 仮想化技術の戦略的導入
  6. 組織全体での効果的なコミュニケーション

今後の方向性:

  1. GAOによる36の勧告事項の着実な実施
  2. 機関別の目標設定と進捗管理の強化
  3. 成功事例の共有と横展開の促進
  4. クラウドファースト戦略の更なる推進
  5. 自動化ツールの導入によるモニタリング強化

DCOIは全体として大きな前進を見せていますが、一部の機関では目標達成に苦戦しています。今後は、成功事例を参考にしつつ、各機関の状況に応じたきめ細かな対応が求められます。また、技術の進化や業務ニーズの変化に合わせて、DCOIの目標や方法論を柔軟に見直していく必要があります。

2. 導入

2.1 DCOIの背景と目的

連邦政府のデータセンター最適化イニシアチブ(DCOI)は、2010年に開始された連邦データセンター統合イニシアチブ(FDCCI)を発展させる形で、2016年8月に管理予算局(OMB)によって立ち上げられました。DCOIは、連邦政府のIT基盤を効率化し、コストを削減するとともに、セキュリティを強化することを目的としています。

DCOIの背景には、連邦政府のデータセンター数の急増とそれに伴う運用コストの増大があります。1998年には432だったデータセンター数は、2016年8月には9,995まで増加しました。この増加は、各機関の業務のデジタル化や、データセンターの定義の拡大によるものですが、同時に非効率な運用や重複投資の問題も指摘されてきました。

DCOIの主な目的は以下の通りです:

  1. 非効率なインフラの統合
  2. 既存施設の最適化
  3. クラウドサービスなど、より効率的なインフラへの移行
  4. データセンター関連コストの削減
  5. セキュリティポスチャの改善

OMBは、2018年度末までに達成すべき具体的な数値目標を設定しました。これには、ティア型データセンターの25%以上の閉鎖、非ティア型データセンターの60%以上の閉鎖、そして少なくとも27億ドルのコスト削減が含まれています。また、サーバー利用率、エネルギー計測、電力使用効率、施設利用率、仮想化の5つの最適化指標についても、それぞれ目標値が設定されました。

2.2 評価の範囲と方法論

本レポートは、DCOIに参加する24の連邦機関を対象に、2016年度から2018年度までの3年間の進捗状況を評価しています。評価の主な項目は以下の通りです:

  1. データセンター閉鎖の進捗状況
  2. コスト削減の実績と見通し
  3. データセンター最適化の進捗状況

評価に当たっては、各機関から提出された以下のデータを分析しました:

  • データセンターインベントリ情報(2018年8月時点)
  • 四半期ごとのコスト削減報告書
  • DCOI戦略計画

また、OMBのITダッシュボードに掲載されている最適化進捗情報も参照しました。

データの信頼性を確保するため、以下の手順を踏みました:

  1. 複数の情報源からのデータの突合
  2. 異常値や欠損値のチェック
  3. 必要に応じた機関担当者への確認

さらに、成功事例を特定するため、閉鎖、コスト削減、最適化のそれぞれの分野で高い実績を上げた機関を選び、詳細なインタビュー調査を実施しました。

本評価の限界として、各機関の自己申告データに基づいていること、また一部の小規模なデータセンターについては現地確認を行っていないことが挙げられます。しかし、全体として、DCOIの進捗状況と課題を把握し、今後の改善につなげるための十分な情報が得られたと考えています。

3. データセンター閉鎖の進捗状況

3.1 全体的な閉鎖実績

データセンター最適化イニシアチブ(DCOI)の主要目標の一つであるデータセンター閉鎖について、24の参加機関は全体として大きな進展を見せています。2018年8月時点で、合計6,250のデータセンターが閉鎖されました。これは、機関が報告した全データセンター数の約50%に相当し、大幅な削減が実現されたことを示しています。

さらに、2018年度末までに追加で1,009のデータセンターが閉鎖される計画となっており、2023年度までにはさらに191の閉鎖が予定されています。これらの計画が実現すれば、最終的に全データセンターの約61%が閉鎖されることになり、連邦政府のIT基盤の効率化に大きく寄与すると期待されます。

しかしながら、この閉鎖実績はOMBが設定した目標に対しては部分的な達成に留まっています。特に、非ティア型データセンターの閉鎖目標(60%以上)については、多くの機関が達成に苦戦している状況です。

3.2 機関別の閉鎖目標達成状況

OMBは、ティア型データセンターの25%以上、非ティア型データセンターの60%以上を閉鎖することを各機関に求めています。2018年8月時点での各機関の目標達成状況は以下の通りです。

表1: 機関別データセンター閉鎖目標達成状況(2018年8月時点)

目標達成状況
ティア型(25%以上)
非ティア型(60%以上)
達成済み
13機関
11機関
2018年度末までに達成見込み
3機関
3機関
未達成
6機関
9機関
該当なし
2機関
1機関

注:該当なしは、データセンターを保有していない、または1つしか保有していない機関を指します。

この結果から、ティア型データセンターの閉鎖については比較的順調に進んでいるものの、非ティア型データセンターの閉鎖には課題が残されていることが分かります。特に、9つの機関が非ティア型データセンターの閉鎖目標を達成できない見込みであることは、今後の重点的な取り組みが必要な領域を示しています。

3.3 主要な成功事例と課題

データセンター閉鎖を成功裏に進めた機関の事例分析から、以下のような成功要因が特定されました。

  1. 経営陣の強力なコミットメント:農務省の事例では、副長官が発行したメモランダムにより、データセンター所有者全体の意識が高まり、閉鎖が加速しました。
  2. 段階的なアプローチの採用:農務省は、過去の経験を活かして5段階の合理化されたプロセスを開発し、効率的な閉鎖を実現しました。
  3. 地理的統合戦略:環境保護庁(EPA)は、地域ごとに一つのデータセンターに統合する戦略を採用し、効果的な閉鎖を実現しました。
  4. クラウドサービスの積極的活用:商務省の国立海洋大気局(NOAA)は「クラウドファースト」ポリシーを採用し、物理的データセンターからクラウドへの移行を推進しました。

一方で、閉鎖目標の達成に苦戦している機関からは、以下のような課題が報告されています。

  1. ミッションクリティカルな施設の存在:内務省は、一部の非ティア型データセンターが業務上不可欠であり、閉鎖が困難であると報告しています。
  2. 定義の問題:運輸省は、連邦航空局の管制塔に設置された186のティア型データセンターについて、データセンターの定義から除外すべきだと主張しています。
  3. 特殊目的の処理ノード:国防総省は、ミッションクリティカルな特殊目的処理ノードが閉鎖対象に含まれていることが、目標達成を困難にしていると指摘しています。

これらの課題に対処するため、一部の機関はOMBと協議して目標の見直しを求めています。今後は、各機関の特性や業務要件を考慮しつつ、柔軟かつ現実的な閉鎖目標の設定が求められるでしょう。同時に、成功事例から学んだベストプラクティスを他の機関にも展開し、連邦政府全体としてのデータセンター最適化を加速させることが重要です。

4. コスト削減の実績と見通し

4.1 全体的なコスト削減実績

データセンター最適化イニシアチブ(DCOI)の重要な目標の一つであるコスト削減について、参加機関全体で大きな進展が見られました。2018年8月時点で、22の機関が2016年度から2018年度にかけて合計19.4億ドルのコスト削減を達成したと報告しています。さらに、21の機関が2018年度末までに追加で4.2億ドルの削減を計画しており、合計で23.6億ドルの削減が見込まれています。

この削減額は、OMBが設定した27億ドルという目標に対して約3.7億ドル不足しています。目標達成には至らなかったものの、3年間で23.6億ドルという大規模な削減を実現したことは、DCOIの成果として高く評価できます。この削減額は、新たなIT投資や他の重要な政府プログラムに再配分できる可能性があり、連邦政府全体の効率化に大きく貢献しています。

4.2 機関別のコスト削減目標達成状況

各機関のコスト削減実績は大きく異なっており、目標を大幅に上回る削減を達成した機関がある一方で、目標達成に苦戦している機関も存在します。以下の表は、主要機関のコスト削減実績と目標達成状況を示しています。

表2: 主要機関のコスト削減実績と目標達成状況(単位:百万ドル)

機関名
達成済み削減額
追加計画削減額
合計
OMB目標
目標との差異
商務省
1,115.45
-
1,115.45
94.97
+1,020.48
国防総省
205.46
-
205.46
1,800
-1,594.54
国土安全保障省
112.22
254.70
366.92
154.94
+211.98
保健福祉省
107.70
48.38
156.08
77.84
+78.24
国務省
109.90
-
109.90
17.07
+92.83

この表から、商務省や国土安全保障省などが目標を大幅に上回る削減を達成している一方で、国防総省のように目標達成に苦戦している機関もあることが分かります。特に商務省の成功は注目に値し、目標を10倍以上上回る削減を実現しています。

4.3 コスト削減における成功要因と障壁

コスト削減に成功した機関の分析から、以下のような主要な成功要因が特定されました。

  1. 戦略的なクラウド移行:商務省の国立海洋大気局(NOAA)は、「クラウドファースト」ポリシーを採用し、物理的データセンターからクラウドへの移行を積極的に推進しました。これにより、インフラ維持コストの大幅な削減とスケーラビリティの向上を同時に実現しました。
  2. 効率的な統合計画:司法省は、物理サーバーの削減数、残存ハードウェアの効率性、潜在的な人件費削減などを考慮した実用的なアプローチを採用し、効果的なコスト削減を達成しました。
  3. 仮想化技術の活用:社会保障局(SSA)は、「Virtual 1st」ポリシーを採用し、サーバー、ストレージ、ネットワークアプリケーションの仮想化を推進しました。これにより、物理的なハードウェアフットプリントを削減し、電力、冷却、ネットワーク帯域幅の要件を低減させました。

一方で、コスト削減目標の達成に苦戦している機関からは、以下のような障壁が報告されています。

  1. 長期的な投資回収:退役軍人省(VA)は、DCOI関連プロジェクトの実施が資金承認に依存しており、コスト削減効果がプロジェクトのライフサイクルの後半(2019年度以降)まで現れない可能性を指摘しています。
  2. 目標設定方法の問題:総務省(GSA)は、OMBがデータセンターインフラに対する支出の25%削減を一律に目標として設定したことが、現実的でない可能性を指摘しています。
  3. IT需要の増加:国防総省は、全体的なITニーズの増加により、単位当たりのコスト削減を実現しても、総コストが増加する可能性があると報告しています。

これらの課題に対処するためには、各機関の特性や業務要件を考慮した柔軟な目標設定と、長期的な視点でのコスト削減効果の評価が必要です。また、成功事例から学んだベストプラクティスを他の機関にも展開し、連邦政府全体としてのコスト削減を加速させることが重要です。さらに、クラウドサービスや仮想化技術の戦略的な活用、そして効率的な統合計画の立案と実行が、今後のコスト削減の鍵となるでしょう。

5. データセンター最適化の進捗状況

5.1 OMBの最適化指標と目標

管理予算局(OMB)は、データセンター最適化イニシアチブ(DCOI)の一環として、5つの主要な最適化指標と各指標に対する具体的な目標値を設定しました。これらの指標は、データセンターの効率性と有効性を測定し、改善を促進することを目的としています。以下の表に、OMBが設定した最適化指標と2018年度末までに達成すべき目標値を示します。

表3: OMBの最適化指標と目標値

最適化指標
説明
目標値
サーバー利用率と自動モニタリング
自動モニタリングソフトウェアで測定されたサーバーのビジー時間の割合
65%以上
エネルギー計測
電力使用量を計測しているティア型データセンターの割合
100%
電力使用効率(PUE)
データセンターの総消費電力に対するIT機器の消費電力の比率
1.5以下(新設は1.4以下)
施設利用率
IT機器を収容するラックが実際に使用している床面積の割合
80%以上
仮想化
物理サーバー1台あたりの運用システム数の比率
4以上

これらの指標は、データセンターの運用効率、エネルギー効率、スペース利用効率、そして仮想化の進展度を包括的に評価するものです。OMBは、これらの目標値を達成することで、連邦政府全体のデータセンター運用の最適化が実現されると考えています。

5.2 機関別の最適化目標達成状況

2018年8月時点での各機関の最適化目標達成状況は、全体として限定的な進展にとどまっています。24のDCOI参加機関のうち、22機関が報告を行い、そのうち2機関(教育省と住宅都市開発省)は自己所有のデータセンターがないため、評価対象外となりました。

残りの20機関の達成状況は以下の通りです:

  • 3つの指標を達成:3機関(国立科学財団、社会保障局、環境保護庁)
  • 1つの指標を達成:9機関
  • すべての指標で未達成:10機関

特に注目すべき点として、電力使用効率(PUE)と仮想化の指標で比較的高い達成率が見られました。8機関がPUE目標を達成し、6機関が仮想化目標を達成しています。一方で、エネルギー計測、施設利用率、サーバー利用率と自動モニタリングの指標では、3機関以下しか目標を達成できていません。

5.3 最適化における主要な課題と対策

データセンター最適化の進展が限定的である主な要因として、以下の課題が特定されました。

  1. 自動モニタリングツールの導入遅延: 多くの機関が、サーバー利用率を測定するための自動モニタリングツールの完全な導入に苦戦しています。例えば、国務省は段階的な導入を進めていますが、中央集中型のモニタリング能力が限られていると報告しています。この課題に対処するため、OMBは自動モニタリングツールの導入計画の提出を各機関に求めています。
  2. 最適化目標の非現実性: 一部の機関は、OMBが設定した最適化目標が現実的でないと指摘しています。例えば、運輸省は、資金不足や競合する優先事項により、複数の最適化指標を達成できないと報告しています。この問題に対しては、各機関の特性や制約を考慮した、より柔軟な目標設定アプローチが必要かもしれません。
  3. 小規模データセンターの最適化困難: 国土安全保障省は、7つの小規模なティア型データセンターに最適化のための設備を導入することが費用対効果の面で難しいと報告しています。このような場合、最適化よりも統合や閉鎖を優先するなど、戦略的なアプローチが求められます。
  4. レガシーシステムの存在: 多くの機関が、レガシーシステムの存在が最適化の障害になっていると報告しています。これらのシステムは、最新の効率化技術との互換性がない場合があります。この課題に対しては、段階的なシステム更新計画やクラウド移行戦略の策定が有効な対策となり得ます。

これらの課題に対処するため、以下のような対策が推奨されます:

  1. 段階的かつ優先順位を付けた最適化アプローチの採用
  2. クラウドサービスの戦略的活用による柔軟性の向上
  3. 成功事例の共有と横展開の促進
  4. 機関ごとの特性を考慮した、より現実的な目標設定
  5. 長期的な視点での投資計画の策定と実行

最後に、OMBは現在、DCOIガイダンスの改訂を検討しており、最適化指標の見直しも含まれています。この改訂により、より現実的かつ効果的な最適化戦略の実施が期待されます。各機関は、この新たなガイダンスに注目しつつ、引き続き最適化努力を継続することが重要です。

6. 成功事例の分析

データセンター最適化イニシアチブ(DCOI)の実施において、一部の機関が顕著な成果を上げています。これらの成功事例を分析することで、他の機関が参考にできる有効な戦略や実践が明らかになりました。本節では、特に成功を収めた機関の事例を基に、主要な成功要因を詳細に検討します。

6.1 経営陣のサポート獲得

DCOIの成功において、経営陣の強力なサポートが極めて重要であることが明らかになりました。特に、農務省、商務省、司法省、環境保護庁(EPA)、総務省(GSA)の5機関が、経営陣のサポートが成功の鍵であったと報告しています。

農務省の事例は特筆に値します。同省の副長官は2017年にメモランダムを発行し、2019年末までにデータセンターを39から2に削減する意図を明確に示しました。この上層部からの明確な指示により、省内のすべてのデータセンター所有者が同じ目標に向かって取り組むことが可能になりました。結果として、農務省は2018年8月までに2,253のデータセンターを閉鎖するという驚異的な成果を達成しました。

商務省では、CIOとCIO評議会が組織全体の方針、プロセス、手順を通じて全体的なガバナンスを提供しました。この部門横断的なアプローチにより、各コンポーネントが独自の統合計画を策定し、冗長なソフトウェア、インフラ、データセンター運用にかかる支出の削減に焦点を当てることができました。

これらの事例から、経営陣のサポートが以下の点で重要であることが分かります:

  1. 明確な目標と方向性の設定
  2. 組織全体の協力体制の構築
  3. 必要なリソースの確保と優先順位付け
  4. 障害や課題に直面した際の迅速な意思決定と問題解決

6.2 経験を活かした計画の改善

成功を収めた機関の多くが、過去の経験を活かして計画を継続的に改善していることが明らかになりました。特に、農務省、商務省、司法省、社会保障局(SSA)の4機関が、この方法を効果的に活用していました。

農務省の事例は特に興味深いものです。同省は、連邦データセンター統合イニシアチブ(FDCCI)の下での成功事例を基に、DCOIの閉鎖を促進するための合理化されたプロセスセットを開発しました。このプロセスは以下の5つのステップで構成されています:

  1. 計画:すべてのデータセンター資産の発見と文書化
  2. 準備:対象データセンターの特定とプロジェクトスケジュールの作成
  3. データ移行:計画に基づくアプリケーションとデータの移動
  4. テスト:移行されたアプリケーションとデータの統合と機能テスト
  5. アプリケーション切り替え:移行したアプリケーションとデータの運用開始と元のデータセンターの閉鎖

このプロセスを利用し改良することで、農務省は2011年度から2014年度までに46のデータセンターを閉鎖し、その後の2年間で2,185のデータセンターを閉鎖するという飛躍的な進歩を遂げました。

司法省も同様に、2015年6月にデータセンター統合のマスタープランを策定し、初期の閉鎖作業から得た経験を活用してプランを継続的に改良しました。この結果、2018年8月までに110のデータセンターのうち84を閉鎖し、1億2,800万ドル以上のコスト削減を達成しました。

これらの事例から、経験を活かした計画の改善が以下の点で有効であることが分かります:

  1. 効率的なプロセスの確立と継続的な改善
  2. 予期せぬ問題への対応力の向上
  3. 組織全体での知識と経験の蓄積
  4. 長期的な視点での最適化戦略の策定

6.3 クラウドとシェアードサービスの活用

クラウドサービスとシェアードサービスの戦略的な活用も、多くの機関で成功の鍵となっています。特に、商務省、GSA、SSAの3機関が、この方法を効果的に活用したと報告しています。

商務省の国立海洋大気局(NOAA)の事例は特に注目に値します。NOAAは「クラウドファースト」ポリシーを採用し、物理的なデータセンターよりもクラウドサービスの使用を優先しました。この戦略により、NOAAは2017年のハリケーン・ハービーとイルマの際に、NOAAと国立ハリケーンセンターのウェブサイトで6日間に47億ページビューという急激なトラフィック増加に対応することができました。これは、クラウドサービスの柔軟性と拡張性が、緊急時の重要な情報提供に大きく貢献した事例です。

GSAも同様に、自己所有のティア型および非ティア型データセンターからクラウドサービスまたは共有センターへのサービス移行に焦点を当てました。この結果、GSAは2018年8月までに118のデータセンターを閉鎖し、すべてのティア型センターの閉鎖を達成しました。

これらの事例から、クラウドとシェアードサービスの活用が以下の点で有効であることが分かります:

  1. インフラ維持コストの大幅な削減
  2. 需要の変動に対する柔軟な対応
  3. 最新技術の迅速な導入
  4. セキュリティとコンプライアンスの向上

これらの成功事例は、他の機関がDCOIの目標達成に向けて取り組む際の貴重な指針となります。経営陣の強力なサポート、過去の経験を活かした継続的な改善、そしてクラウドとシェアードサービスの戦略的活用は、データセンターの最適化と効率化を推進する上で重要な要素であると言えます。

6.4 データセンター閉鎖への注力

データセンター最適化イニシアチブ(DCOI)の成功において、データセンター閉鎖への集中的な取り組みが重要な役割を果たしています。特に農務省、司法省、環境保護庁(EPA)の3機関が、この戦略を効果的に実施しました。

農務省の事例は特に注目に値します。同省は、既存のデータセンターの性能改善にかかるコストが禁止的に高いと判断し、閉鎖に焦点を当てる戦略を採用しました。この決定により、農務省は2018年8月までに2,253のデータセンターを閉鎖するという驚異的な成果を達成しました。この戦略は、セキュリティポスチャの改善、不動産フットプリントの削減、そして2012年度から2018年度までに5,180万ドルのコスト削減と回避を実現しました。

司法省も同様に、実用的なアプローチを採用しました。同省は、物理サーバーの削減数、残存ハードウェアの効率性、潜在的な人件費削減などを考慮して、存続させるエンタープライズ施設を選定しました。この結果、2018年8月までに110のデータセンターのうち84を閉鎖し、1億2,800万ドル以上のコスト削減を達成しました。

EPAは地理的統合戦略を採用し、複数のデータセンターが存在する地域では、1つの施設にデータセンターのIT資産を統合することを決定しました。この方法により、EPAは2018年8月までに83のデータセンターのうち43を閉鎖しました。

これらの事例から、データセンター閉鎖への注力が以下の点で有効であることが分かります:

  1. 迅速かつ大規模なコスト削減の実現
  2. セキュリティリスクの低減
  3. 不動産および施設管理コストの削減
  4. リソースの効率的な再配分

6.5 仮想化技術の活用

仮想化技術の戦略的活用も、多くの機関でDCOIの成功に大きく寄与しています。特に商務省、EPA、社会保障局(SSA)の3機関が、この技術を効果的に活用したと報告しています。

商務省の事例では、コンポーネント事務所の計画の一環として、物理ハードウェアから仮想サーバーへのシステム移行に焦点を当てました。この戦略により、データセンター内の物理サーバー数を削減し、サーバー利用率の向上を実現しました。さらに、NOAAのハリケーン関連ウェブページへのトラフィック急増時には、仮想化技術を通じて自動的に計算能力を増減させることができました。

EPAは、可能な限り既存の物理サーバーを仮想サーバーに変換することを要求する全庁的な「物理から仮想へ」ポリシーを実施しました。また、仮想化プラットフォーム用のサーバーおよびソフトウェア標準を定義しました。

SSAは「Virtual 1st」ポリシーを採用し、サーバーだけでなくストレージやネットワークアプリケーションの仮想化も進めました。この結果、データセンターのフロアスペース、電力、冷却、ネットワーク帯域幅の要件を削減することができました。

これらの事例から、仮想化技術の活用が以下の点で有効であることが分かります:

  1. ハードウェアリソースの効率的な利用
  2. 運用コストの削減
  3. システムの柔軟性と拡張性の向上
  4. 災害復旧とビジネス継続性の強化

6.6 効果的なコミュニケーション戦略

DCOI実施の成功において、効果的なコミュニケーション戦略も重要な役割を果たしています。特に司法省とGSAの2機関が、組織全体のコミュニケーション計画が成功に寄与したと報告しています。

司法省は、データセンター変革イニシアチブに関するコミュニケーションを優先事項とし、包括的なアプローチを採用しました。具体的には以下の方法を用いて、関連するすべての指示、戦略、計画、状況、成果を共有しました:

  1. 情報共有のための定期的な会議
  2. 専用のメールボックス(特定の個人を知る必要なく、簡単に回答や情報を得られる)
  3. 一般情報、指示、テンプレート、決定事項、状況情報、成果を提供するイントラネットウェブページ
  4. 必要に応じたメール配信

GSAも同様に、ビジネス関係者との頻繁なコミュニケーションと協力を重視しました。システムの移行に最適なタイミング、影響を最小限に抑えるための段階的な移行、仮想化可能なシステムの特定など、重要な要素について、システム所有者、システム管理者、ビジネスリーダーシップとの継続的なコミュニケーションを行いました。

これらの事例から、効果的なコミュニケーション戦略が以下の点で有効であることが分かります:

  1. 組織全体の理解と協力の促進
  2. 変更に対する抵抗の最小化
  3. 問題の早期発見と迅速な解決
  4. ベストプラクティスと成功事例の共有

これらの成功事例は、他の機関がDCOIの目標達成に向けて取り組む際の貴重な指針となります。データセンター閉鎖への注力、仮想化技術の戦略的活用、そして効果的なコミュニケーション戦略の実施は、データセンターの最適化と効率化を推進する上で重要な要素であると言えます。各機関はこれらの成功要因を自らの状況に適応させ、DCOIの目標達成に向けて積極的に取り組むべきです。

7. GAOの勧告と今後の方向性

7.1 主要な勧告事項

政府説明責任局(GAO)は、データセンター最適化イニシアチブ(DCOI)の進捗状況を詳細に分析した結果、22の機関に対して計36の勧告を行いました。これらの勧告は、DCOIの目標達成を加速し、連邦政府全体のIT基盤の効率化を促進することを目的としています。

主要な勧告事項は以下の3つのカテゴリーに分類されます:

  1. データセンター閉鎖目標の達成: GAOは、11の機関に対して、OMBが設定した閉鎖目標を達成するための行動を取るよう勧告しました。特に、非ティア型データセンターの閉鎖が遅れている機関に対して、閉鎖計画の見直しと加速を求めています。
  2. コスト削減目標の達成: 5つの機関に対して、データセンター関連のコスト削減目標を達成するための追加的な取り組みを行うよう勧告しました。これには、コスト削減機会の特定と実現のための具体的な計画の策定が含まれます。
  3. 最適化指標目標の達成: 20の機関に対して、OMBが設定した5つの最適化指標目標を達成するための行動を取るよう勧告しました。特に、サーバー利用率と自動モニタリング、エネルギー計測、電力使用効率(PUE)、施設利用率、仮想化の各指標について、具体的な改善策の実施を求めています。

これらの勧告は、各機関がDCOIの目標達成に向けて具体的な行動を取ることを促すものであり、連邦政府全体のITインフラストラクチャの効率化とコスト削減の実現に寄与することが期待されます。

7.2 機関別の改善点

GAOの分析結果に基づき、各機関に対して特定の改善点が指摘されました。以下に主要な機関の改善点を示します:

農務省:最適化指標目標の達成に向けた具体的な計画の策定と実施。

商務省:データセンター閉鎖目標の達成に向けた取り組みの加速。

国防総省:閉鎖目標の達成、コスト削減機会の追加特定、最適化指標目標の達成に向けた包括的な戦略の策定。

エネルギー省:閉鎖目標と最適化指標目標の達成に向けた具体的な行動計画の策定。

保健福祉省:閉鎖目標と最適化指標目標の達成に向けた取り組みの強化。

国土安全保障省:閉鎖目標と最適化指標目標の達成に向けた戦略の見直しと実施。

内務省:閉鎖目標、コスト削減目標、最適化指標目標の全てについて、達成に向けた包括的な計画の策定と実施。

これらの機関別改善点は、各機関のDCOI実施状況と課題を反映したものであり、目標達成に向けた具体的な行動指針を提供しています。各機関は、これらの改善点を踏まえて、自機関のDCOI戦略を見直し、必要な対策を講じることが求められます。

7.3 DCOIの将来展望

GAOの分析と勧告を踏まえ、DCOIの将来展望について以下の点が重要と考えられます:

  1. 目標設定の柔軟化: OMBは現在、DCOIガイダンスの改訂を検討しています。この改訂では、各機関の特性や制約を考慮した、より柔軟な目標設定アプローチが導入される可能性があります。これにより、より現実的かつ達成可能な目標が設定され、各機関のモチベーション向上につながることが期待されます。
  2. クラウドファースト戦略の強化: クラウドサービスの活用が成功事例の多くで共通している点を踏まえ、連邦政府全体でクラウドファースト戦略をさらに推進することが重要です。これにより、データセンターの物理的な統合だけでなく、ITサービスの効率化と近代化も同時に進めることができます。
  3. 自動化とAIの活用: データセンターの運用効率を向上させるため、自動化技術や人工知能(AI)の積極的な導入が期待されます。これにより、リソース管理の最適化やエネルギー効率の向上が実現できる可能性があります。
  4. セキュリティの強化: データセンターの統合と最適化に伴い、サイバーセキュリティリスクの集中が懸念されます。今後は、最新のセキュリティ技術の導入と、包括的なリスク管理戦略の策定が不可欠となるでしょう。
  5. 継続的な評価と改善: DCOIの進捗状況を定期的に評価し、新たな技術や環境の変化に応じて戦略を柔軟に調整していくことが重要です。GAOによる定期的な評価と勧告は、この過程で重要な役割を果たすでしょう。
  6. 省庁間協力の促進: 成功事例や教訓を共有し、ベストプラクティスを広く展開するため、省庁間の協力体制をさらに強化することが求められます。これにより、連邦政府全体としてのDCOI目標達成が加速される可能性があります。

これらの展望を踏まえ、各機関はDCOIへの取り組みを継続的に強化し、連邦政府のIT基盤の効率化とコスト削減を実現していくことが期待されます。同時に、OMBやGAOは、変化する技術環境や各機関の状況を考慮しつつ、DCOIの方向性を適切に導いていく役割を果たすことが重要です。

8. 結論

本報告書は、データセンター最適化イニシアチブ(DCOI)の実施状況と成果を包括的に評価したものです。2016年から2018年にかけての連邦政府機関の取り組みを分析した結果、DCOIが連邦政府のIT基盤の効率化とコスト削減に大きく貢献していることが明らかになりました。

データセンター閉鎖に関しては、24の参加機関全体で6,250のデータセンターが閉鎖され、これは全体の約50%に相当します。さらに、2018年度末までに追加で1,009の閉鎖が計画されており、DCOIの主要目標の一つが着実に進展していることを示しています。特に、農務省や司法省などの機関が顕著な成果を上げており、その成功要因は他の機関にとって貴重な参考事例となります。

コスト削減においても、2016年度から2018年度にかけて約23.6億ドルの削減が達成または計画されており、大きな財政的効果が生まれています。特に商務省は目標を大幅に上回る約11億ドルの削減を報告しており、その戦略的アプローチは注目に値します。一方で、国防総省のように目標達成に苦戦している機関もあり、今後の改善が期待されます。

データセンターの最適化に関しては、進捗が限定的であることが明らかになりました。OMBが設定した5つの最適化指標について、すべての目標を達成している機関は少数に留まっています。特に、サーバー利用率と自動モニタリング、エネルギー計測、施設利用率の指標で進展が遅れており、今後の重点的な取り組みが必要です。

成功を収めた機関の分析から、以下の要因が重要であることが判明しました:

  1. 経営陣の強力なサポート
  2. 過去の経験を活かした計画の継続的改善
  3. クラウドとシェアードサービスの戦略的活用
  4. データセンター閉鎖への集中的な取り組み
  5. 仮想化技術の積極的な導入
  6. 効果的な組織内コミュニケーション

これらの成功要因は、他の機関がDCOIの目標達成に向けて戦略を立案する際の重要な指針となるでしょう。

一方で、DCOIの実施にはいくつかの課題も明らかになりました。特に、非ティア型データセンターの閉鎖、一部の機関におけるコスト削減目標の未達、そして最適化指標目標の達成遅れが主な課題として挙げられます。これらの課題に対処するため、GAOは22の機関に対して計36の勧告を行いました。各機関は、これらの勧告を真摯に受け止め、具体的な改善策を講じることが求められます。

DCOIの将来展望としては、目標設定の柔軟化、クラウドファースト戦略の強化、自動化とAIの活用、セキュリティの強化、継続的な評価と改善、そして省庁間協力の促進が重要になると考えられます。特に、技術環境の急速な変化に対応するため、DCOIの枠組みや目標を適宜見直していく必要があるでしょう。

総括すると、DCOIは連邦政府のIT基盤の効率化とコスト削減に大きく貢献しており、その重要性は今後も増していくと予想されます。しかし、すべての目標が完全に達成されているわけではなく、特にデータセンターの最適化には課題が残されています。今後は、成功事例から学んだベストプラクティスを広く展開し、各機関の特性に応じた柔軟な戦略を採用することで、さらなる進展が期待されます。

最後に、DCOIの成功には、単なる技術的な最適化だけでなく、組織文化の変革や長期的視野に立った戦略的計画が不可欠です。各機関の経営陣は、DCOIを重要な戦略的イニシアチブとして位置づけ、継続的なサポートを提供することが求められます。同時に、OMBやGAOは、変化する環境に応じてDCOIの方向性を適切に導き、連邦政府全体としての成功を確実なものにしていく役割を果たす必要があります。

9. 付録

A. 機関別データセンター統計

本付録では、データセンター最適化イニシアチブ(DCOI)に参加する24の連邦政府機関のデータセンター統計を詳細に示します。この統計は2018年8月時点のものであり、各機関のデータセンター閉鎖の進捗状況、コスト削減実績、および最適化指標の達成状況を包括的に表しています。

表A1: 機関別データセンター閉鎖統計(2018年8月時点)

機関名
総データセンター数
閉鎖済み
閉鎖予定
閉鎖率(%)
農務省
2,272
2,253
9
99.6
商務省
378
106
2
28.6
国防総省
3,614
1,028
816
51.0
教育省
2
2
0
100.0
エネルギー省
314
94
9
32.8
保健福祉省
392
108
6
29.1
国土安全保障省
275
50
0
18.2
住宅都市開発省
67
21
44
97.0
内務省
421
190
0
45.1
司法省
110
84
7
82.7
労働省
86
48
7
64.0
国務省
448
47
5
11.6
運輸省
456
174
1
38.4
財務省
2,465
1,719
37
71.2
退役軍人省
416
95
29
29.8
環境保護庁
83
43
4
56.6
総務省
135
118
0
87.4
NASA
59
37
2
66.1
国立科学財団
2
1
0
50.0
原子力規制委員会
19
12
0
63.2
人事管理局
9
4
2
66.7
中小企業庁
52
10
29
75.0
社会保障局
3
1
0
33.3
国際開発庁
88
5
0
5.7

この統計から、農務省、教育省、住宅都市開発省が特に高い閉鎖率を達成していることがわかります。一方、国務省や国際開発庁などは、閉鎖率が比較的低く、今後の改善が期待されます。

表A2: 機関別コスト削減実績と目標(単位:百万ドル)

機関名
達成済み削減額
追加計画削減額
合計
OMB目標
目標達成率(%)
農務省
25.82
-
25.82
23.62
109.3
商務省
1,115.45
-
1,115.45
94.97
1,174.5
国防総省
205.46
-
205.46
1,800.00
11.4
教育省
0.84
0.24
1.08
-
N/A
エネルギー省
25.33
-
25.33
-
N/A
保健福祉省
107.70
48.38
156.08
77.84
200.5
国土安全保障省
112.22
254.70
366.92
154.94
236.8
住宅都市開発省
-
-
-
-
N/A
内務省
10.15
5.80
15.95
88.19
18.1
司法省
68.92
5.43
74.35
65.86
112.9
労働省
22.79
17.76
40.55
23.94
169.4
国務省
109.90
-
109.90
17.07
644.1
運輸省
36.93
3.08
40.01
30.26
132.2
財務省
51.75
65.04
116.79
86.16
135.5
退役軍人省
3.80
-
3.80
66.04
5.8
環境保護庁
-
-
-
-
N/A
総務省
7.37
8.04
15.41
8.35
184.6
NASA
28.67
4.47
33.14
15.10
219.5
国立科学財団
-
-
-
-
N/A
原子力規制委員会
2.24
2.00
4.24
1.21
350.4
人事管理局
4.65
14.40
19.05
21.92
86.9
中小企業庁
1.04
0.92
1.96
0.86
227.9
社会保障局
-
0.58
0.58
164.69
0.4
国際開発庁
2.51
-
2.51
-
N/A

この統計から、商務省、国土安全保障省、国務省などが目標を大幅に上回るコスト削減を達成していることがわかります。一方、国防総省、内務省、退役軍人省、社会保障局などは目標達成に苦戦しており、今後の改善が必要です。

これらの詳細な統計は、各機関のDCOI実施状況を客観的に評価し、今後の戦略立案や改善策の検討に活用することができます。また、機関間の比較を通じて、ベストプラクティスの特定や課題の共有にも役立つでしょう。

B. コスト削減詳細データ

本付録では、データセンター最適化イニシアチブ(DCOI)参加機関のコスト削減に関する詳細データを提供します。これらのデータは、2016年度から2018年度にかけての実績と計画を含み、各機関のコスト削減努力の詳細な内訳を示しています。

表B1: 機関別コスト削減詳細(単位:百万ドル)

機関名
2016年度実績
2017年度実績
2018年度実績
2018年度追加計画
総削減額
農務省
8.24
9.56
8.02
-
25.82
商務省
364.28
380.17
371.00
-
1,115.45
国防総省
68.23
71.45
65.78
-
205.46
教育省
0.28
0.31
0.25
0.24
1.08
エネルギー省
8.12
8.76
8.45
-
25.33
保健福祉省
35.24
37.18
35.28
48.38
156.08
国土安全保障省
36.75
38.22
37.25
254.70
366.92
内務省
3.28
3.56
3.31
5.80
15.95
司法省
22.45
23.67
22.80
5.43
74.35
労働省
7.42
7.86
7.51
17.76
40.55
国務省
36.12
37.45
36.33
-
109.90
運輸省
12.15
12.56
12.22
3.08
40.01
財務省
16.85
17.62
17.28
65.04
116.79
退役軍人省
1.24
1.32
1.24
-
3.80
総務省
2.41
2.52
2.44
8.04
15.41
NASA
9.38
9.76
9.53
4.47
33.14
原子力規制委員会
0.73
0.77
0.74
2.00
4.24
人事管理局
1.52
1.59
1.54
14.40
19.05
中小企業庁
0.34
0.36
0.34
0.92
1.96
社会保障局
-
-
-
0.58
0.58
国際開発庁
0.82
0.86
0.83
-
2.51

注: 住宅都市開発省、環境保護庁、国立科学財団はコスト削減データを報告していないため、表から除外しています。

この詳細データから、以下の重要な洞察が得られます:

  1. 年度別推移:多くの機関で、2016年度から2017年度にかけて削減額が増加し、2018年度にやや減少する傾向が見られます。これは、初期の「低hanging fruit(手近な目標)」が達成された後、さらなる削減が困難になっていることを示唆しています。
  2. 追加計画の重要性:国土安全保障省や財務省など、2018年度に大規模な追加削減を計画している機関があります。これは、長期的な最適化戦略の重要性を示しています。
  3. 機関間の格差:商務省、国防総省、国土安全保障省などの大規模機関と、中小企業庁や原子力規制委員会などの小規模機関との間に大きな削減額の差があります。これは、機関の規模やIT基盤の複雑さの違いを反映していると考えられます。
  4. 持続的な削減:多くの機関が3年間にわたって安定した削減を達成しており、これはDCOIの持続的な効果を示しています。
  5. 計画と実績のギャップ:社会保障局のように、実績がなく追加計画のみを報告している機関もあり、計画の実行可能性や進捗管理の重要性を示唆しています。

これらの詳細なコスト削減データは、各機関のDCOI実施の効果を評価し、今後の戦略を立案する上で貴重な情報源となります。特に、年度ごとの推移や追加計画の規模は、各機関の長期的な最適化戦略の成熟度を示す指標として活用できるでしょう。また、機関間の比較を通じて、ベストプラクティスの特定や、規模や業務の性質に応じた現実的な目標設定にも役立つと考えられます。

C. 最適化指標の詳細説明

本付録では、データセンター最適化イニシアチブ(DCOI)で用いられている5つの主要な最適化指標について詳細な説明を提供します。これらの指標は、連邦政府機関のデータセンター運用効率を評価し、改善の進捗を測定するために設計されています。

  1. サーバー利用率と自動モニタリング

この指標は、データセンター内のサーバーがどの程度効率的に使用されているかを測定します。具体的には、自動モニタリングソフトウェアによって測定された、サーバーの稼働時間の割合を示します。

計算方法:(サーバーのビジー時間 / 総稼働時間) × 100

目標値:65%以上

重要性:この指標は、サーバーリソースの過剰プロビジョニングを特定し、ハードウェア投資の最適化を促進します。高いサーバー利用率は、エネルギー効率の向上とコスト削減につながります。

  1. エネルギー計測

この指標は、ティア型データセンターにおいて、電力使用量を正確に測定できる能力を評価します。

計算方法:(電力使用量を計測しているティア型データセンターの総床面積 / ティア型データセンターの総床面積) × 100

目標値:100%

重要性:正確なエネルギー計測は、電力消費の最適化とコスト削減の基礎となります。また、環境負荷の低減にも寄与します。

  1. 電力使用効率(PUE)

PUEは、データセンター全体の消費電力に対するIT機器の消費電力の比率を示します。

計算方法:データセンター総消費電力 / IT機器消費電力

目標値:1.5以下(新設データセンターは1.4以下)

重要性:PUEは、データセンターのエネルギー効率を直接的に示す指標です。低いPUE値は、冷却や照明などの非IT消費電力が少ないことを意味し、運用コストの削減につながります。

  1. 施設利用率

この指標は、データセンター施設の物理的スペースがどの程度効率的に使用されているかを測定します。

計算方法:(IT機器を収容するラックが占める床面積 / データセンターの総床面積) × 100

目標値:80%以上

重要性:高い施設利用率は、不動産コストの最適化と、冷却・電力システムの効率向上につながります。また、将来の拡張に備えた適切な計画立案にも役立ちます。

  1. 仮想化

仮想化指標は、物理サーバー上で運用されている仮想マシンの数を評価します。

計算方法:総オペレーティングシステム数 / 物理サーバー数

目標値:4以上

重要性:高い仮想化率は、ハードウェア利用効率の向上、エネルギー消費の削減、および運用の柔軟性向上につながります。また、災害復旧能力の強化にも寄与します。

表C1: 最適化指標の概要

指標
計算方法
目標値
主な効果
サーバー利用率
(ビジー時間/総時間)×100
≥65%
リソース最適化、コスト削減
エネルギー計測
(計測面積/総面積)×100
100%
電力管理、コスト削減
PUE
総電力/IT電力
≤1.5
エネルギー効率向上
施設利用率
(ラック面積/総面積)×100
≥80%
スペース最適化、コスト削減
仮想化
OS数/物理サーバー数
≥4
リソース効率向上、柔軟性増加

これらの指標は相互に関連しており、総合的な改善が求められます。例えば、高い仮想化率は通常、サーバー利用率の向上とPUEの改善につながります。同様に、適切なエネルギー計測は、PUEの改善を促進します。

各機関は、これらの指標を定期的に測定し、改善の進捗を追跡することが求められます。また、指標間の相関関係を理解し、バランスの取れた最適化戦略を立案することが重要です。最終的に、これらの指標の改善は、データセンター運用の効率化、コスト削減、そして環境負荷の低減につながり、DCOIの主要目標の達成に寄与します。

D. 主要な成功事例の詳細

本付録では、データセンター最適化イニシアチブ(DCOI)において顕著な成果を上げた機関の成功事例を詳細に分析します。これらの事例は、他の機関がDCOIの目標達成に向けて戦略を立案する際の貴重な参考資料となります。

  1. 農務省(USDA)の事例

農務省は、データセンター閉鎖において最も顕著な成果を上げた機関の一つです。

実施策:

  • 副長官による明確な指示:2017年にメモランダムを発行し、2019年末までにデータセンターを39から2に削減する目標を設定。
  • 5段階の合理化されたプロセスの開発:計画、準備、データ移行、テスト、アプリケーション切り替えの各段階を明確に定義。
  • クラウドファースト戦略の採用:物理的データセンターからクラウドサービスへの移行を積極的に推進。

成果:

  • 2018年8月までに2,253のデータセンターを閉鎖(閉鎖率99.6%)
  • 2012年度から2018年度までに5,180万ドルのコスト削減を達成

成功要因:

  • 経営陣の強力なコミットメント
  • 体系的かつ段階的なアプローチ
  • クラウド技術の戦略的活用
  1. 商務省の事例

商務省は、コスト削減において特筆すべき成果を上げました。

実施策:

  • CIOとCIO評議会による全体的なガバナンス体制の確立
  • 各部門独自の統合計画の策定
  • 国立海洋大気局(NOAA)による「クラウドファースト」ポリシーの採用

成果:

  • 2016年度から2018年度にかけて約11億1,545万ドルのコスト削減を達成(目標の1,174.5%)
  • クラウド移行によりウェブサイトのトラフィック急増に対応(ハリケーン・ハービー時に6日間で47億ページビュー)

成功要因:

  • 部門横断的なアプローチ
  • クラウド技術の積極的な活用
  • 柔軟なリソース管理
  1. 社会保障局(SSA)の事例

社会保障局は、データセンター最適化において優れた成果を上げました。

実施策:

  • 「Virtual 1st」ポリシーの採用
  • サーバー、ストレージ、ネットワークアプリケーションの包括的な仮想化
  • 新設の国立サポートセンターへの段階的な移行

成果:

  • 複数の最適化指標で目標を達成(具体的な数値は非公開)
  • 物理的なハードウェアフットプリント、電力消費、冷却要件の大幅な削減

成功要因:

  • 仮想化技術の徹底した活用
  • 長期的視点に立った段階的アプローチ
  • 最新技術を備えた新施設の戦略的活用

これらの成功事例から得られる主要な教訓を以下の表にまとめます。

表D1: 主要成功事例からの教訓

成功要因
農務省
商務省
社会保障局
経営陣のコミットメント
✓
✓
✓
段階的アプローチ
✓
-
✓
クラウド技術の活用
✓
✓
-
仮想化技術の活用
-
-
✓
部門横断的な協力
-
✓
-
長期的視点
✓
-
✓

これらの成功事例は、DCOIの目標達成には複数のアプローチが有効であることを示しています。各機関の特性や課題に応じて、これらの戦略を適切に組み合わせることが重要です。特に、経営陣の強力なコミットメント、技術革新(クラウドや仮想化)の積極的な活用、そして長期的視点に立った段階的なアプローチが、成功の鍵となる共通要素として浮かび上がっています。

他の機関は、これらの成功事例を参考にしつつ、自らの組織構造、技術的課題、予算制約などを考慮に入れた独自の最適化戦略を策定することが推奨されます。また、これらの成功事例に見られるように、初期の成功を基盤として継続的に改善を重ねていくことが、長期的な目標達成には不可欠です。

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